9
1.概況 宮城県における平成29年の公示地価の変動率の推移(図表1)をみると、商業地は前年比+ 4.7%となり、4年連続して上昇しました。一方、住宅地は同+2.4%となり、5年連続して上昇しま した。宮城県の上昇・横ばい・下落地点数の推移(図表2)をみると、平成29年は商業地・住 宅地とも約7割の地点が上昇しており、前年との比較では、商業地の上昇地点数は増加(平成 28年88地点→平成29年95地点)している一方、住宅地の上昇地点数は概ね横ばい(同286地点→ 同284地点)となっています。なお、宮城県の上昇率は、商業地、住宅地とも47都道府県中2位とな っています。 (注)変動率とは、前年と継続する調査地点の地価の前年比増減率の単純平均値。 図表2 宮城県の上昇・横ばい・下落地点数の推移 (%、地点) 平成27年 平成28年 平成29年 平成27年 平成28年 平成29年 沿岸15市町 86 85 91 281 265 262 横ばい 18 15 9 26 36 44 1 4 6 8 14 22 105 104 106 315 315 328 その他市町村 3 3 4 25 21 22 横ばい 6 4 4 9 10 9 22 24 23 38 41 42 31 31 31 72 72 73 89( 65) 88( 65) 95( 69) 306( 79) 286( 74) 284( 71) 横ばい 24( 18) 19( 14) 13( 10) 35( 9) 46( 12) 53( 13) 23( 17) 28( 21) 29( 21) 46( 12) 55( 14) 64( 16) 136(100) 135(100) 137(100) 387(100) 387(100) 401(100) 注1.上記調査地点数は継続調査地点数 注2.( )内は構成比 図表1 宮城県の公示地価(変動率)の推移 (%、( )内は昭和58年=100とした地価指数) 仙台市 仙台市を 町村部 仙台市 仙台市を 町村部 除く市部 除く市部 平成22年 ▲8.3 (59.4) ▲9.7 ▲6.6 ▲6.8 ▲3.5 (90.3) ▲2.8 ▲4.6 ▲4.4 23年 ▲6.5 (55.5) ▲7.2 ▲5.7 ▲5.6 ▲2.9 (87.7) ▲2.2 ▲3.9 ▲3.5 24年 ▲3.9 (53.4) ▲3.2 ▲4.8 ▲4.7 ▲0.7 (87.0) ▲0.9 ▲0.4 ▲0.6 25年 0.0 (53.4) 1.3 ▲1.4 ▲2.6 1.4 (88.2) 1.6 1.1 1.1 26年 1.7 (54.3) 3.4 0.1 ▲1.5 2.5 (90.4) 3.1 1.7 2.1 27年 2.3 (55.6) 4.2 0.5 ▲1.3 2.3 (92.5) 3.2 1.1 1.6 28年 3.2 (57.3) 6.2 ▲0.1 ▲1.5 1.9 (94.3) 3.2 0.5 0.7 29年 4.7 (60.0) 9.0 0.2 ▲1.5 2.4 (96.5) 4.0 0.8 0.0 ピーク比 ▲73.3 ▲74.9 ▲73.9 ▲64.6 ▲43.0 ▲45.5 ▲40.6 ▲36.1 注.宮城県の地価指数(昭和58年=100)のピーク(平成3年)は商業地が224.5、住宅地が169.3。 資料:宮城県「平成29年地価公示の概要について」(以下の図表も同じ。) 11 七十七銀行 調査月報 2017年4月号    統計トピックス 統計トピックス 宮城県の地価動向(平成29年公示地価の概要)

統計トピックス - The 77 Bank-1- 2.沿岸15市町の地価動向 (1)商業地の動向 沿岸15市町の商業地の変動率の 状況(図表3) をみると、平成29年

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Page 1: 統計トピックス - The 77 Bank-1- 2.沿岸15市町の地価動向 (1)商業地の動向 沿岸15市町の商業地の変動率の 状況(図表3) をみると、平成29年

1.概況

○ 宮城県における平成29年の公示地価の変動率の推移(図表1)をみると、商業地は前年比+

4.7%となり、4年連続して上昇しました。一方、住宅地は同+2.4%となり、5年連続して上昇しま

した。宮城県の上昇・横ばい・下落地点数の推移(図表2)をみると、平成29年は商業地・住

宅地とも約7割の地点が上昇しており、前年との比較では、商業地の上昇地点数は増加(平成

28年88地点→平成29年95地点)している一方、住宅地の上昇地点数は概ね横ばい(同286地点→

同284地点)となっています。なお、宮城県の上昇率は、商業地、住宅地とも47都道府県中2位とな

っています。

(注)変動率とは、前年と継続する調査地点の地価の前年比増減率の単純平均値。

図表2  宮城県の上昇・横ばい・下落地点数の推移

(%、地点)

  商  業  地 住  宅  地

平成27年 平成28年 平成29年 平成27年 平成28年 平成29年

沿岸15市町

上 昇 86 85 91 281 265 262

横ばい 18 15 9 26 36 44

下 落 1 4 6 8 14 22

合 計 105 104 106 315 315 328

その他市町村

上 昇 3 3 4 25 21 22

横ばい 6 4 4 9 10 9

下 落 22 24 23 38 41 42

合 計 31 31 31 72 72 73

全   県

上 昇 89( 65) 88( 65) 95( 69) 306( 79) 286( 74) 284( 71)

横ばい 24( 18) 19( 14) 13( 10) 35( 9) 46( 12) 53( 13)

下 落 23( 17) 28( 21) 29( 21) 46( 12) 55( 14) 64( 16)

合 計 136(100) 135(100) 137(100) 387(100) 387(100) 401(100)

注1.上記調査地点数は継続調査地点数

注2.( )内は構成比

図表1 宮城県の公示地価(変動率)の推移

(%、( )内は昭和58年=100とした地価指数)

商  業  地 住  宅  地

宮 城 県 宮 城 県仙台市

仙台市を町村部 仙台市

仙台市を町村部

除く市部 除く市部

平成22年 ▲8.3 (59.4) ▲9.7 ▲6.6 ▲6.8 ▲3.5 (90.3) ▲2.8 ▲4.6 ▲4.4

23年 ▲6.5 (55.5) ▲7.2 ▲5.7 ▲5.6 ▲2.9 (87.7) ▲2.2 ▲3.9 ▲3.5

24年 ▲3.9 (53.4) ▲3.2 ▲4.8 ▲4.7 ▲0.7 (87.0) ▲0.9 ▲0.4 ▲0.6

25年 0.0 (53.4) 1.3 ▲1.4 ▲2.6 1.4 (88.2) 1.6 1.1 1.1

26年 1.7 (54.3) 3.4 0.1 ▲1.5 2.5 (90.4) 3.1 1.7 2.1

27年 2.3 (55.6) 4.2 0.5 ▲1.3 2.3 (92.5) 3.2 1.1 1.6

28年 3.2 (57.3) 6.2 ▲0.1 ▲1.5 1.9 (94.3) 3.2 0.5 0.7

29年 4.7 (60.0) 9.0 0.2 ▲1.5 2.4 (96.5) 4.0 0.8 0.0

ピーク比 ▲73.3 ▲74.9 ▲73.9 ▲64.6 ▲43.0 ▲45.5 ▲40.6 ▲36.1

注.宮城県の地価指数(昭和58年=100)のピーク(平成3年)は商業地が224.5、住宅地が169.3。

資料:宮城県「平成29年地価公示の概要について」(以下の図表も同じ。)

1.概況

○ 宮城県における平成29年の公示地価の変動率の推移(図表1)をみると、商業地は前年比+

4.7%となり、4年連続して上昇しました。一方、住宅地は同+2.4%となり、5年連続して上昇しま

した。宮城県の上昇・横ばい・下落地点数の推移(図表2)をみると、平成29年は商業地・住

宅地とも約7割の地点が上昇しており、前年との比較では、商業地の上昇地点数は増加(平成

28年88地点→平成29年95地点)している一方、住宅地の上昇地点数は概ね横ばい(同286地点→

同284地点)となっています。なお、宮城県の上昇率は、商業地、住宅地とも47都道府県中2位とな

っています。

(注)変動率とは、前年と継続する調査地点の地価の前年比増減率の単純平均値。

図表2  宮城県の上昇・横ばい・下落地点数の推移

(%、地点)

  商  業  地 住  宅  地

平成27年 平成28年 平成29年 平成27年 平成28年 平成29年

沿岸15市町

上 昇 86 85 91 281 265 262

横ばい 18 15 9 26 36 44

下 落 1 4 6 8 14 22

合 計 105 104 106 315 315 328

その他市町村

上 昇 3 3 4 25 21 22

横ばい 6 4 4 9 10 9

下 落 22 24 23 38 41 42

合 計 31 31 31 72 72 73

全   県

上 昇 89( 65) 88( 65) 95( 69) 306( 79) 286( 74) 284( 71)

横ばい 24( 18) 19( 14) 13( 10) 35( 9) 46( 12) 53( 13)

下 落 23( 17) 28( 21) 29( 21) 46( 12) 55( 14) 64( 16)

合 計 136(100) 135(100) 137(100) 387(100) 387(100) 401(100)

注1.上記調査地点数は継続調査地点数

注2.( )内は構成比

図表1 宮城県の公示地価(変動率)の推移

(%、( )内は昭和58年=100とした地価指数)

商  業  地 住  宅  地

宮 城 県 宮 城 県仙台市

仙台市を町村部 仙台市

仙台市を町村部

除く市部 除く市部

平成22年 ▲8.3 (59.4) ▲9.7 ▲6.6 ▲6.8 ▲3.5 (90.3) ▲2.8 ▲4.6 ▲4.4

23年 ▲6.5 (55.5) ▲7.2 ▲5.7 ▲5.6 ▲2.9 (87.7) ▲2.2 ▲3.9 ▲3.5

24年 ▲3.9 (53.4) ▲3.2 ▲4.8 ▲4.7 ▲0.7 (87.0) ▲0.9 ▲0.4 ▲0.6

25年 0.0 (53.4) 1.3 ▲1.4 ▲2.6 1.4 (88.2) 1.6 1.1 1.1

26年 1.7 (54.3) 3.4 0.1 ▲1.5 2.5 (90.4) 3.1 1.7 2.1

27年 2.3 (55.6) 4.2 0.5 ▲1.3 2.3 (92.5) 3.2 1.1 1.6

28年 3.2 (57.3) 6.2 ▲0.1 ▲1.5 1.9 (94.3) 3.2 0.5 0.7

29年 4.7 (60.0) 9.0 0.2 ▲1.5 2.4 (96.5) 4.0 0.8 0.0

ピーク比 ▲73.3 ▲74.9 ▲73.9 ▲64.6 ▲43.0 ▲45.5 ▲40.6 ▲36.1

注.宮城県の地価指数(昭和58年=100)のピーク(平成3年)は商業地が224.5、住宅地が169.3。

資料:宮城県「平成29年地価公示の概要について」(以下の図表も同じ。)

11七十七銀行 調査月報 2017年4月号   

統計トピックス

統計トピックス

宮城県の地価動向(平成29年公示地価の概要)

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-1-

2.沿岸15市町の地価動向

(1)商業地の動向

○ 沿岸15市町の商業地の変動率の

状況(図表3) をみると、平成29年

の変動率は、前年と比較可能な11

市町のうち、松島町、塩釜市、亘

理町、山元町が下落しましたが、

その他の7市では上昇しました。

なお、上昇した7市のうち、仙台

市、名取市、岩沼市では上昇幅が

拡大、その他の4市では上昇幅が

縮小しています。

○ 個別調査地点の動向(図表4)

をみると、上昇地点は仙台市で

72地点、石巻市で9地点、名取市

で4地点など、合計91地点となっています。このうち最も上昇率が高かった地点は「仙台市

宮城野区榴岡4-5-22」(前年比+18.3%)であり、次いで「仙台市青葉区中央3-4-8」(同

+17.4%)、「仙台市青葉区本町1-10-3」(同+17.2%)の順となっています。これらの地点

が位置する仙台市中心部は、堅調なオフィス、店舗の需要が続いており、マンション素地と

しての需要も見られることに加え、平成28年3月の仙台駅ビル新館の開業および同駅東西自

由通路の拡幅等による繁華性の向上などから地価が上昇しているものと考えられます。

図表3 沿岸15市町商業地の変動率

(%)

平成27年 平成28年 平成29年

気 仙 沼 市 1.7 2.2 0.8

南 三 陸 町 - - -

女 川 町 - - -

石 巻 市 3.0 1.2 1.1

東 松 島 市 0.7 0.7 0.5

松 島 町 ▲0.7 ▲1.0 ▲1.1

塩 釜 市 0.3 0.0 ▲0.1

多 賀 城 市 2.9 0.6 0.2

仙 台 市 4.2 6.2 9.0

名 取 市 1.7 1.9 2.4

岩 沼 市 0.7 0.7 1.4

亘 理 町 0.0 ▲1.3 ▲1.3

山 元 町 0.0 ▲2.2 ▲3.0

注1.七ヶ浜町および利府町は調査地点がないため非掲載。

注2.津波被害により調査地点が調査対象外となった地区は「―」表示

  としている。

図表4 沿岸15市町の商業地(個別調査地点)の動向

調査地点数継 続 変 更

上 昇 横ばい 下 落

気 仙 沼 市 1 1 1 (1) 0 (0) 0 (0) 0

南 三 陸 町 ― ― ― ― ― ―

女 川 町 1 ― ― ― ― 1

石 巻 市 12 12 9 (9) 2 (2) 1 (0) 0

東 松 島 市 1 1 1 (1) 0 (0) 0 (0) 0

松 島 町 2 2 0 (0) 0 (0) 2 (2) 0

塩 釜 市 6 6 0 (0) 5 (6) 1 (0) 0

多 賀 城 市 1 1 1 (1) 0 (0) 0 (0) 0

仙 台 市 81 74 72 (68) 2 (5) 0 (0) 7

名 取 市 4 4 4 (4) 0 (0) 0 (0) 0

岩 沼 市 3 3 3 (1) 0 (2) 0 (0) 0

亘 理 町 1 1 0 (0) 0 (0) 1 (1) 0

山 元 町 1 1 0 (0) 0 (0) 1 (1) 0

合 計 114 106 91 (85) 9 (15) 6 (4) 8

注1.( )内は前年の地点数

注2.七ヶ浜町および利府町は調査地点がないため非掲載。

12    七十七銀行 調査月報 2017年4月号

統計トピックス

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-2-

(2)住宅地の動向

○ 沿岸15市町の住宅地の変動率の

状況(図表5)をみると、平成29

年の変動率は、南三陸町、女川町

が横ばい、東松島市、松島町、亘

理町、山元町が下落となりました

が、その他の9市町で上昇してい

ます。なお、上昇した9市町のう

ち多賀城市、仙台市、名取市、岩

沼市では上昇幅が拡大、その他の

5市町では上昇幅が縮小していま

す。

○ 個別調査地点の動向(図表6)

をみると、上昇地点は仙台市で

206地点、名取市で12地点、石巻市で11地点など合計で262地点となっています。仙台市を中心に

全体の約8割の地点が上昇していますが、前年比では3地点減少しており、2年連続して前年を下

回っています。このうち最も上昇率が高かった地点は「仙台市若林区白萩町14-18」(前年比

+12.3%)であり、次いで「仙台市若林区連坊2-7-6」(同+11.1%)、「仙台市若林区大和町

3-1-25」(同+11.0%)の順となっています。これらの地点はいずれも平成27年12月に開通し

た仙台市地下鉄東西線(以下、「東西線」という。)沿線に位置し、交通利便性が向上した

駅周辺での住宅地需要が旺盛であることなどから前年度に引き続き高い上昇率となっており、

図表6 沿岸15市町の住宅地(個別調査地点)の動向

調査地点数継 続 変 更

上 昇 横ばい 下 落

気 仙 沼 市 5 5 3 (4) 1 (1) 1 (0) 0

南 三 陸 町 2 2 0 (1) 2 (1) 0 (0) 0

女 川 町 5 5 0 (1) 5 (3) 0 (0) 0

石 巻 市 24 24 11 (15) 11 (9) 2 (0) 0

東 松 島 市 10 9 1 (2) 1 (1) 7 (6) 1

松 島 町 6 6 0 (0) 3 (2) 3 (4) 0

七 ヶ 浜 町 3 3 1 (3) 2 (0) 0 (0) 0

利 府 町 9 9 8 (8) 0 (1) 1 (0) 0

塩 釜 市 11 11 4 (6) 5 (5) 2 (0) 0

多 賀 城 市 12 11 8 (11) 3 (0) 0 (0) 1

仙 台 市 224 215 206(193) 6 (7) 3 (3) 9

名 取 市 15 15 12 (13) 3 (2) 0 (0) 0

岩 沼 市 9 9 8 (8) 1 (1) 0 (0) 0

亘 理 町 2 2 0 (0) 1 (2) 1 (0) 0

山 元 町 2 2 0 (0) 0 (1) 2 (1) 0

合 計 339 328 262(265) 44 (36) 22 (14) 11

注.( )内は前年の地点数

図表5 沿岸15市町住宅地の変動率

(%)

平成27年 平成28年 平成29年

気 仙 沼 市 3.6 2.2 0.7

南 三 陸 町 2.2 0.3 0.0

女 川 町 1.6 0.2 0.0

石 巻 市 3.0 0.7 0.3

東 松 島 市 0.2 ▲0.1 ▲0.5

松 島 町 ▲0.5 ▲0.7 ▲0.4

七 ヶ 浜 町 1.9 0.8 0.1

利 府 町 2.5 0.7 0.5

塩 釜 市 0.8 0.3 0.1

多 賀 城 市 1.5 0.7 1.0

仙 台 市 3.2 3.2 4.0

名 取 市 2.2 2.2 2.5

岩 沼 市 1.3 1.4 2.1

亘 理 町 3.1 0.0 ▲0.5

山 元 町 2.1 ▲1.0 ▲1.7

13七十七銀行 調査月報 2017年4月号   

統計トピックス

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-3-

宮城県内における住宅地上昇率の上位10地点中9地点を占めています。また、東西線沿線の

主な上昇地点(図表7)をみると、特に仙台駅を中心として東側に位置する調査地点が上昇

率上位を占めています。

図表7 仙台市地下鉄東西線沿線の主な上昇地点

資料:仙台市

<参考>宮城県内住宅地上昇率上位10地点

② ③

⑤⑧

(円/㎡、%)

順位 所在地番公示価格

前年比変動率平成28年 平成29年

① 仙台市若林区白萩町14-18 130,000 146,000 12.3

② 仙台市若林区連坊2-7-6 153,000 170,000 11.1

③ 仙台市若林区大和町3-1-25 118,000 131,000 11.0

④ 仙台市若林区一本杉町25-21 109,000 121,000 11.0

⑤ 仙台市若林区五十人町25番5 112,000 124,000 10.7

⑥ 仙台市青葉区川内明神横丁15番1外 97,200 107,000 10.1

⑦ 仙台市若林区大和町5-11-22 129,000 142,000 10.1

⑧ 仙台市若林区二軒茶屋9-6 123,000 135,000 9.8

9 仙台市青葉区上杉5-6-8 221,000 241,000 9.0

⑩ 仙台市若林区六丁の目中町11-31 96,300 105,000 9.0

注.網掛部分は仙台市地下鉄東西線沿線地点

14    七十七銀行 調査月報 2017年4月号

統計トピックス

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-4-

3.その他市町村の地価動向

(1)商業地の動向

○ その他市町村における商業地の

変動率の状況(図表8)をみると、

平成29年の変動率は調査対象の17

市町村のうち、登米市、富谷市が

上昇しましたが、大和町、柴田町

が横ばい、その他の13市町村は下

落となっています。

○ 個別調査地点の動向(図表9)を

みると、調査対象の31地点のうち、

4地点が上昇、4地点が横ばいとなっ

ていますが、残りの23地点で下落し

ています。「登米市中田町石森字駒

牽403番21外」(前年比+6.3%)な

ど登米市の3地点では近隣の沿岸市町

からの移転需要などを背景に、平成28

年10月に市制移行した仙台市のベッドタウンである富谷市では「富谷市鷹乃杜4-3-33」(同+

2.2%)が人口増加などを背景にそれぞれ上昇しましたが、その他の地点では総じて下落傾向が続い

ています。

図表9 その他市町村の商業地(個別調査地点)の動向

調査地点数継 続 変 更

上 昇 横ばい 下 落

登 米 市 7 7 3 (3) 1 (2) 3 (2) 0

栗 原 市 4 4 0 (0) 0 (0) 4 (4) 0

大 崎 市 6 6 0 (0) 1 (0) 5 (6) 0

加 美 町 1 1 0 (0) 0 (0) 1 (1) 0

涌 谷 町 1 1 0 (0) 0 (0) 1 (1) 0

美 里 町 1 1 0 (0) 0 (0) 1 (1) 0

大 和 町 2 1 0 (0) 1 (0) 0 (1) 1

富 谷 市 1 1 1 (0) 0 (1) 0 (0) 0

大 衡 村 1 1 0 (0) 0 (0) 1 (1) 0

川 崎 町 1 1 0 (0) 0 (0) 1 (1) 0

柴 田 町 1 1 0 (0) 1 (1) 0 (0) 0

角 田 市 1 1 0 (0) 0 (0) 1 (1) 0

大 河 原 町 1 1 0 (0) 0 (0) 1 (1) 0

村 田 町 1 1 0 (0) 0 (0) 1 (1) 0

蔵 王 町 1 1 0 (0) 0 (0) 1 (1) 0

白 石 市 1 1 0 (0) 0 (0) 1 (1) 0

丸 森 町 1 1 0 (0) 0 (0) 1 (1) 0

合 計 32 31 4 (3) 4 (4) 23 (24) 1

注1.( )内は前年の地点数

注2.色麻町、大郷町、七ヶ宿町は調査地点がないため非掲載。

図表8 その他市町村商業地の変動率

(%)

平成27年 平成28年 平成29年

登 米 市 1.2 0.5 1.0

栗 原 市 ▲2.7 ▲2.4 ▲2.2

大 崎 市 ▲3.1 ▲3.0 ▲2.6

加 美 町 ▲4.0 ▲4.2 ▲2.9

涌 谷 町 0.0 ▲0.5 ▲0.5

美 里 町 0.0 ▲1.6 ▲1.2

大 和 町 ▲0.7 ▲0.7 0.0

富 谷 市 0.0 0.0 2.2

大 衡 村 ▲0.4 ▲0.4 ▲0.8

川 崎 町 ▲3.1 ▲2.7 ▲2.7

柴 田 町 0.0 0.0 0.0

角 田 市 ▲2.8 ▲2.5 ▲2.2

大 河 原 町 ▲2.4 ▲1.0 ▲1.0

村 田 町 ▲2.4 ▲2.5 ▲2.1

蔵 王 町 ▲2.9 ▲2.6 ▲2.2

白 石 市 ▲2.8 ▲2.7 ▲2.5

丸 森 町 ▲3.3 ▲2.9 ▲2.4

注.色麻町、大郷町、七ヶ宿町は調査地点がないため非掲載。

15七十七銀行 調査月報 2017年4月号   

統計トピックス

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-5-

(2)住宅地の動向

○ その他市町村における住宅地の変

動率の状況(図表10)をみると、平

成29年の変動率は調査対象の18市町

村のうち、大和町、富谷市、大衡村、

大河原町が上昇しましたが、柴田町

が横ばい、その他の13市町は下落し

ています。なお、下落した13市町を

みると、1市が上昇から下落に転じ、

4市町が横ばい、1町が下落幅拡大

となった一方、7市町では下落幅縮

小となるなど市町ごとにバラツキ

がみられる状況となっています。

○ 個別調査地点の動向(図表11)

をみると、前年と比較可能な73地点

のうち、22地点が上昇、9地点が横

ばい、42地点が下落となっています。上昇地点は「富谷市太子堂1-20-21」(前年比+

7.3%)など富谷市で11地点、「大和町もみじヶ丘1丁目21番5」(同+8.2%)など大和町で3

図表10 その他市町村住宅地の変動率

(%)

平成27年 平成28年 平成29年

登 米 市 1.1 0.3 ▲0.1

栗 原 市 ▲1.3 ▲0.7 ▲0.5

大 崎 市 ▲1.8 ▲1.6 ▲1.1

加 美 町 ▲1.4 ▲1.9 ▲0.9

涌 谷 町 0.0 ▲0.3 ▲0.3

美 里 町 ▲0.5 ▲0.8 ▲0.6

大 和 町 2.0 1.9 2.0

大 郷 町 ▲0.8 ▲0.8 ▲0.8

富 谷 市 5.4 4.4 4.9

大 衡 村 0.4 0.0 1.8

川 崎 町 ▲2.1 ▲1.5 ▲1.7

柴 田 町 0.6 0.2 0.0

角 田 市 0.0 ▲0.4 ▲0.4

大 河 原 町 0.8 0.9 1.8

村 田 町 ▲1.6 ▲1.6 ▲1.6

蔵 王 町 ▲2.1 ▲1.8 ▲1.1

白 石 市 ▲2.8 ▲1.9 ▲1.2

丸 森 町 ▲2.9 ▲1.8 ▲1.2

注.色麻町および七ヶ宿町は調査地点がないため非掲載。

図表11 その他市町村の住宅地(個別調査地点)の動向

調査地点数継 続 変 更

上 昇 横ばい 下 落

登 米 市 10 10 3 (4) 2 (1) 5 (4) 0

栗 原 市 9 9 1 (1) 0 (0) 8 (7) 0

大 崎 市 12 12 1 (0) 2 (3) 9 (9) 0

加 美 町 2 2 0 (0) 0 (0) 2 (2) 0

涌 谷 町 2 2 0 (0) 1 (1) 1 (1) 0

美 里 町 2 2 0 (0) 1 (0) 1 (2) 0

大 和 町 5 5 3 (3) 1 (1) 1 (1) 0

大 郷 町 2 2 0 (0) 0 (0) 2 (2) 0

富 谷 市 11 11 11 (10) 0 (1) 0 (0) 0

大 衡 村 1 1 1 (0) 0 (1) 0 (0) 0

川 崎 町 2 2 0 (0) 0 (0) 2 (2) 0

柴 田 町 2 1 0 (1) 1 (1) 0 (0) 1

角 田 市 3 3 0 (0) 1 (1) 2 (2) 0

大 河 原 町 2 2 2 (2) 0 (0) 0 (0) 0

村 田 町 2 2 0 (0) 0 (0) 2 (2) 0

蔵 王 町 2 2 0 (0) 0 (0) 2 (2) 0

白 石 市 3 3 0 (0) 0 (0) 3 (3) 0

丸 森 町 2 2 0 (0) 0 (0) 2 (2) 0

合 計 74 73 22 (21) 9 (10) 42 (41) 1

注1.( )内は前年の地点数

注2.色麻町および七ヶ宿町は調査地点がないため非掲載。

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統計トピックス

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-6-

地点などとなっており、これらの地点は企業進出に伴い転入者が増加したことが上昇要因となっ

ていると思われます。一方で、下落地点は「大崎市鳴子温泉字新屋敷122番13」(同▲3.6%)等

の大崎市9地点、「栗原市栗駒岩ヶ崎上小路118番3」(同▲2.1%)等の栗原市8地点などとなって

おり、人口減少や地場産業の低迷などが下落要因として作用しているものと考えられます。

おわりに

○ 今回の調査結果の特徴としては、①仙台市では、オフィス、店舗、マンションの需要に加え、

中心部の再開発に伴う繁華性の向上や東西線沿線地域における住宅地需要の高まりなどから地

価の上昇が続いていること、②仙台市以外の沿岸市町では、復興事業の進展などを背景に地価の

上昇が続いているものの上昇テンポは緩やかとなっており、また横ばい・下落の地域も目立つよ

うになってきたこと、③内陸部の市町村では、人口減少や地場産業の低迷などから一部の市町村

を除き地価の下落が続いていることなどが挙げられます。

○ 県内の地価動向については、仙台

市において中心部や東西線沿線など

の再開発が活発化していることや、

仙台市以外の沿岸市町村においても

ピークは過ぎたものの引き続き被災

者の移転需要が続いていることなど

から、当面は上昇基調を続けるもの

と考えられます。ただし、特に住宅

地では防災集団移転促進事業等の進

展(図表12)などにより宅地の供給

も進んでおり、これが震災以降続い

ていた地価の上昇ペースを緩やかに

し、全体の下押し要因として作用す

るものと思われます。

資料:復興庁

注.平成27年度までは実績、平成28年度以降は予定

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30以降

85268

2,025

2,8862,676

1,502

263

図表12 宅地造成区画数の推移(平成28年9月末現在)(区画) (防災集団移転促進事業と土地区画整理事業の合計)

(年度)

17七十七銀行 調査月報 2017年4月号   

統計トピックス

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-7-

(参考)全国の地価動向

○ 全国の公示地価の状況(図表13)をみると、住宅地の変動率は0.0%と8年連続の下落から横ばいへ転

じ、商業地は+1.4%となり、2年連続して上昇しました。上昇・横ばいとなった地点は、商業地で

3,908地点(平成28年3,487地点)、住宅地で10,149地点(同8,656地点)と前年に比べ増加しています。

なお、地価がピークを記録した平成3年に比べると、商業地は▲73.7%、住宅地は▲54.1%とそれぞれ下

落しています。

○ 地域別の状況をみると、三大都市圏では、商業地(前年比+3.3%)、住宅地(同+0.5%)とも4

年連続して上昇しました。これは全国的に雇用情勢の改善が続く中、住宅ローン減税等の施策が住宅

需要を下支えしたことに加え、外国人旅行客の増加を受けたホテルや店舗の旺盛な進出意欲などによ

るものと考えられます。一方、地方圏は商業地(同▲0.1%)、住宅地(同▲0.4%)とも25年連続

の下落となりましたが、下落幅は7年連続して縮小しており、特に地方中枢都市(札幌市、仙台市、

広島市、福岡市)では、商業地(同+6.9%)、住宅地(同+2.8%)とも上昇しています。

図表13 全国の公示地価(変動率)の推移

(%、( )内は昭和58年=100とした地価指数)

商   業   地 住   宅   地

全   国 三大都市圏 地 方 圏 全   国 三大都市圏 地 方 圏

平成 3年 16.3 (169.3) 13.6 (146.9)12.9 (226.8) 8.1 (336.8) 10.7 (202.2) 8.0 (262.0)

   4年 ▲4.0 (217.8) ▲10.3 (302.2) ▲5.6 (190.9) ▲12.5 (229.3)0.4 (170.0) 2.3 (150.2)

   5年 ▲11.4 (192.9) ▲19.2 (244.1) ▲5.6 (160.5) ▲8.7 (174.3) ▲14.5 (196.0) ▲1.7 (147.7)

   6年 ▲11.3 (171.1) ▲17.2 (202.1) ▲5.9 (151.0) ▲4.7 (166.1) ▲7.3 (181.7) ▲1.2 (145.9)

   7年 ▲10.0 (154.0) ▲14.8 (172.2) ▲5.5 (142.7) ▲1.6 (163.4) ▲2.8 (176.6) ▲0.3 (145.5)

   8年 ▲9.8 (138.9) ▲16.0 (144.7) ▲5.8 (134.4) ▲2.6 (159.2) ▲4.6 (168.5) ▲0.6 (144.6)

   9年 ▲7.8 (128.1) ▲11.5 (128.0) ▲5.4 (127.2) ▲1.6 (156.6) ▲2.8 (163.8) ▲0.4 (144.0)

  10年 ▲6.1 (120.3) ▲7.5 (118.4) ▲5.1 (120.7) ▲1.4 (154.4) ▲2.2 (160.2) ▲0.6 (143.2)

  11年 ▲8.1 (110.5) ▲10.2 (106.4) ▲6.8 (112.5) ▲3.8 (148.6) ▲5.7 (151.0) ▲1.9 (140.4)

  12年 ▲8.0 (101.7) ▲9.6 (96.1) ▲7.0 (104.6) ▲4.1 (142.5) ▲5.9 (142.1) ▲2.3 (137.2)

  13年 ▲7.5 (94.1) ▲8.3 (88.2) ▲7.0 (97.3) ▲4.2 (136.5) ▲5.6 (134.2) ▲2.8 (133.4)

  14年 ▲8.3 (86.3) ▲8.5 (80.7) ▲8.1 (89.4) ▲5.2 (129.4) ▲6.5 (125.5) ▲4.0 (128.0)

  15年 ▲8.0 (79.4) ▲7.1 (74.9) ▲8.7 (81.6) ▲5.8 (121.9) ▲6.5 (117.3) ▲5.1 (121.5)

  16年 ▲7.4 (73.5) ▲5.8 (70.6) ▲8.7 (74.5) ▲5.7 (114.9) ▲5.7 (110.6) ▲5.7 (114.6)

  17年 ▲5.6 (69.4) ▲3.2 (68.3) ▲7.5 (68.9) ▲4.6 (109.7) ▲3.7 (106.5) ▲5.4 (108.4)

  18年 ▲2.7 (67.5) 1.0 (69.0) ▲5.5 (65.1) ▲2.7 (106.7) ▲1.2 (105.2) ▲4.2 (103.8)

  19年 2.3 (69.0) 8.9 (75.2) ▲2.8 (63.3) 0.1 (106.8) 2.8 (108.2) ▲2.7 (101.0)

  20年 3.8 (71.7) 10.4 (83.0) ▲1.4 (62.4) 1.3 (108.2) 4.3 (112.9) ▲1.8 (99.2)

  21年 ▲4.7 (68.3) ▲5.4 (78.5) ▲4.2 (59.8) ▲3.2 (104.7) ▲3.5 (108.9) ▲2.8 (96.4)

  22年 ▲6.1 (64.2) ▲7.1 (73.0) ▲5.3 (56.6) ▲4.2 (100.3) ▲4.5 (104.0) ▲3.8 (92.7)

  23年 ▲3.8 (61.7) ▲2.5 (71.1) ▲4.8 (53.9) ▲2.7 (97.6) ▲1.8 (102.1) ▲3.6 (89.4)

  24年 ▲3.1 (59.8) ▲1.6 (70.0) ▲4.3 (51.6) ▲2.3 (95.4) ▲1.3 (100.8) ▲3.3 (86.5)

  25年 ▲2.1 (58.6) ▲0.5 (69.6) ▲3.3 (49.9) ▲1.6 (93.9) ▲0.6 (100.2) ▲2.5 (84.3)

  26年 ▲0.5 (58.3) 1.6 (70.8) ▲2.1 (48.8) ▲0.6 (93.3) 0.5 (100.7) ▲1.5 (83.0)

  27年 0.0 (58.3) 1.8 (72.0) ▲1.4 (48.2) ▲0.4 (92.9) 0.4 (101.1) ▲1.1 (82.1)

  28年 0.9 (58.8) 2.9 (74.1) ▲0.5 (47.9) ▲0.2 (92.7) 0.5 (101.6) ▲0.7 (81.5)

  29年 1.4 (59.6) 3.3 (76.6) ▲0.1 (47.9) 0.0 (92.7) 0.5 (102.1) ▲0.4 (81.2)ピーク比 ▲73.7 ▲77.3 ▲71.8 ▲54.1 ▲61.0 ▲45.9注1.ピーク比は地価指数のピーク(網掛部分)に対する平成29年地価指数の下落率。

注2.三大都市圏は、東京圏、大阪圏、名古屋圏。それぞれ首都圏整備法、近畿圏整備法、中部圏開発整備法

  による既成市街地および近郊整備地帯を含む市区町村の区域であり、概ね以下の区域に該当する。

  ・東京圏:東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県 ・大阪圏:大阪府、京都府、兵庫県、奈良県

  ・名古屋圏:愛知県、三重県

  地方圏はこれらの圏域以外の区域。 資料:国土交通省

18    七十七銀行 調査月報 2017年4月号

統計トピックス

Page 9: 統計トピックス - The 77 Bank-1- 2.沿岸15市町の地価動向 (1)商業地の動向 沿岸15市町の商業地の変動率の 状況(図表3) をみると、平成29年

-8-

上昇地点をみると、商業地では外国人観光客の

増加を背景とした店舗用地やホテル用地などの需

要増加により「大阪府大阪市中央区道頓堀1-6-

10」(同+41.3%、全国 1位)などが大きく上昇

しています。一方、住宅地では仙台市の東西線沿

線の地点が上昇率上位10地点中7地点を占めるなど、

仙台市内の上昇率は全国的にも高い水準であるこ

とが伺えます。

なお、地域別の半年毎の地価動向をみると、三

大都市圏では商業地・住宅地ともほぼ横ばいの動

きとなっており、地方圏では住宅地がほぼ横ばい、

商業地が後半に上昇率が高まっています。

注1.前年:平成28年1月1日~平成28年6月30日 後半:平成28年7月1日~平成28年12月31日 注2.地価公示(1月1日時点)と都道府県地価調査

(7月1日時点)との共通調査地点の地価の半 年前比増減率の単純平均値。これにより半年 ごとの地価動向の把握が可能となる。

○ 都道府県別の状況(図表14)をみると、商業地

では大阪府、宮城県、東京都など16都道府県が上

昇し、住宅地では沖縄県、宮城県、福島県など9

都県が上昇しました。商業地、住宅地とも多くの

都道府県では下落が続いているものの、下落幅は

縮小しています。

また、被災3県の状況をみると、地価の上昇率

は宮城県では商業地(前年3位)、住宅地が

(前年2位)ともに2位、福島県では商業地が14

位(同11位)、住宅地が3位(同1位)、岩手県

では、商業地が41位(同33位)、住宅地が17位

(同17位)となっています。3県のうち、宮城

県と福島県は全国でも上昇率が上位となってお

り、これは被災者の住宅や事業所の移転需要などが地価の押上げ要因となっているものと考え

られます。

-9(終)-

(参考)半年毎の地価変動率

住宅地 商業地

前半 後半 前半 後半

三大都市圏 0.4 0.4 2.0 2.0

地 方 圏 0.4 0.3 0.4 0.7

図表14 平成29年公示地価の都道府県別

    変動率(%)

順位 商 業 地 住 宅 地

1 大 阪 府 5.0 沖 縄 県 3.0

2 宮 城 県 4.7 宮 城 県 2.4

3 東 京 都 4.7 福 島 県 2.1

4 京 都 府 4.5 東 京 都 1.9

5 沖 縄 県 3.2 福 岡 県 1.1

6 福 岡 県 2.7 愛 知 県 0.6

7 愛 知 県 2.4 千 葉 県 0.2

8 神奈川県 1.6 広 島 県 0.2

9 北 海 道 1.5 埼 玉 県 0.1

10 広 島 県 1.5 神奈川県 0.0

11 千 葉 県 1.4 京 都 府 0.0

12 石 川 県 1.2 大 阪 府 0.0

13 兵 庫 県 1.1 熊 本 県 ▲0.1

14 福 島 県 0.8 北 海 道 ▲0.3

15 埼 玉 県 0.8 富 山 県 ▲0.3

16 滋 賀 県 0.2 大 分 県 ▲0.3

17 奈 良 県 0.0 岩 手 県 ▲0.4

18 岡 山 県 0.0 石 川 県 ▲0.4

19 長 崎 県 ▲0.1 兵 庫 県 ▲0.4

20 熊 本 県 ▲0.1 奈 良 県 ▲0.4

21 富 山 県 ▲0.3 山 形 県 ▲0.5

22 静 岡 県 ▲0.4 群 馬 県 ▲0.6

23 大 分 県 ▲0.5 徳 島 県 ▲0.6

24 群 馬 県 ▲0.7 宮 崎 県 ▲0.6

25 岐 阜 県 ▲0.7 滋 賀 県 ▲0.7

26 栃 木 県 ▲0.9 岡 山 県 ▲0.7

27 徳 島 県 ▲0.9 長 崎 県 ▲0.7

28 香 川 県 ▲0.9 長 野 県 ▲0.8

29 茨 城 県 ▲1.0 岐 阜 県 ▲0.8

30 山 口 県 ▲1.1 静 岡 県 ▲0.8

31 福 井 県 ▲1.2 山 口 県 ▲0.8

32 山 梨 県 ▲1.2 香 川 県 ▲0.8

33 佐 賀 県 ▲1.2 茨 城 県 ▲0.9

34 青 森 県 ▲1.4 栃 木 県 ▲1.0

35 山 形 県 ▲1.4 高 知 県 ▲1.0

36 和歌山県 ▲1.4 佐 賀 県 ▲1.0

37 長 野 県 ▲1.5 島 根 県 ▲1.1

38 高 知 県 ▲1.5 青 森 県 ▲1.2

39 三 重 県 ▲1.6 新 潟 県 ▲1.4

40 宮 崎 県 ▲1.6 福 井 県 ▲1.4

41 岩 手 県 ▲1.8 山 梨 県 ▲1.5

42 島 根 県 ▲1.9 三 重 県 ▲1.6

43 愛 媛 県 ▲1.9 鳥 取 県 ▲1.6

44 鳥 取 県 ▲2.0 和歌山県 ▲1.8

45 新 潟 県 ▲2.1 愛 媛 県 ▲1.8

46 鹿児島県 ▲2.2 鹿児島県 ▲2.0

47 秋 田 県 ▲3.2 秋 田 県 ▲2.7

資料:国土交通省

19七十七銀行 調査月報 2017年4月号   

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