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記載された商品名、各製品名は各社の登録商標または商標です。Copyright © Cybozu, Inc. ― 1 ― 検証方法 仮想化環境 (VMware) でガルーン 3 を運用した場合のパフォーマンスについて ※実際の運用にあたっては、サーバースペック、データ量、使い方などによって限界ユーザー数は変動します。このためサーバーサイジングについては、 サイボウズオフィシャルパートナーに御相談ください。 ※環境により、ユーザー数は異なります。 近年、ハードウェアの性能向上に伴い、運用・保守を含めたトータルコスト削減の観点から仮想環境上に「ガルーン 3」を運用したいというニー ズが増えてきています。仮想環境上において「ガルーン 3」は正常に動作いたしますが、性能・パフォーマンスについては、物理環境同様に、 その環境に依存してしまいます。しかし、導入してからスペック・ハードウェアの台数が足りないということでは導入・運用は困難です。そこで、 目安となる情報を提供するために、弊社にて仮想環境化でのパフォーマンス検証を行ないました。 検証の骨子は以下となります。 仮想環境化で「ガルーン 3」を運用する場合、どの程度のリソースが必要となるのか。 高負荷となった場合に、どのリソース(コア数・メモリ量)の割り当てを増やせばいいのか。 負荷検証ツール「LoadRunner」を利用して、擬似的に「ガルーン」に多数のユーザーがアクセスしている状況をつくります。 「LoadRunner」では指定した秒数毎に擬似ユーザー数を増やしていくことで、パフォーマンスの限界のユーザー数を把握することが可能です。 パフォーマンスの限界となったユーザー数を「限界ユーザー数」と表記します。 パフォーマンスの限界となった時点で、枯渇しているリソースを「ボトルネック」とします。こちらを把握することで、強化するリソースがわ かります。 今回はその検証結果を報告します。

仮想化環境(VMware)でガルーン 3 を運用した場合の ......負荷検証ツール「LoadRunner」を利用して、擬似的に「ガルーン」に多数のユーザーがアクセスしている状況をつくります。「LoadRunner」では指定した秒数毎に擬似ユーザー数を増やしていくことで、パフォーマンスの限界のユーザー数を

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Page 1: 仮想化環境(VMware)でガルーン 3 を運用した場合の ......負荷検証ツール「LoadRunner」を利用して、擬似的に「ガルーン」に多数のユーザーがアクセスしている状況をつくります。「LoadRunner」では指定した秒数毎に擬似ユーザー数を増やしていくことで、パフォーマンスの限界のユーザー数を

記載された商品名、各製品名は各社の登録商標または商標です。Copyright © Cybozu, Inc.

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検証方法

仮想化環境 (VMware)でガルーン 3 を運用した場合のパフォーマンスについて

※実際の運用にあたっては、サーバースペック、データ量、使い方などによって限界ユーザー数は変動します。このためサーバーサイジングについては、 サイボウズオフィシャルパートナーに御相談ください。

※環境により、ユーザー数は異なります。

近年、ハードウェアの性能向上に伴い、運用・保守を含めたトータルコスト削減の観点から仮想環境上に「ガルーン 3」を運用したいというニーズが増えてきています。仮想環境上において「ガルーン 3」は正常に動作いたしますが、性能・パフォーマンスについては、物理環境同様に、その環境に依存してしまいます。しかし、導入してからスペック・ハードウェアの台数が足りないということでは導入・運用は困難です。そこで、目安となる情報を提供するために、弊社にて仮想環境化でのパフォーマンス検証を行ないました。

検証の骨子は以下となります。

仮想環境化で「ガルーン 3」を運用する場合、どの程度のリソースが必要となるのか。

高負荷となった場合に、どのリソース(コア数・メモリ量)の割り当てを増やせばいいのか。

負荷検証ツール「LoadRunner」を利用して、擬似的に「ガルーン」に多数のユーザーがアクセスしている状況をつくります。「LoadRunner」では指定した秒数毎に擬似ユーザー数を増やしていくことで、パフォーマンスの限界のユーザー数を把握することが可能です。パフォーマンスの限界となったユーザー数を「限界ユーザー数」と表記します。

パフォーマンスの限界となった時点で、枯渇しているリソースを「ボトルネック」とします。こちらを把握することで、強化するリソースがわかります。

今回はその検証結果を報告します。

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記載された商品名、各製品名は各社の登録商標または商標です。Copyright © Cybozu, Inc.

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仮想化環境 (VMware)でガルーン 3 を運用した場合のパフォーマンスについて

本検証では「ガルーン」をインストールしたゲストOSの CPUコア数、メモリ容量の割り当てを変更し、どのような傾向となるか検証を実施しました。検証結果は以下となります。

結果として、今回利用しているCPU(Xeon L5530 (2.40GHz))の1コア辺りの限界ユーザー数は約 300という傾向がわかりました。検証パターン1~ 4 では、そのコア数が増えるたびに 300 名ずつ限界ユーザーが増えています。そして、パターン5でネックだったディスクへの対応としてパターン6でメモリ容量の割り当てを増やした後は、8コアで約 2400 名つまり1コアあたり300 名となっています。

そのため、実際に仮想環境上に「ガルーン」を導入する際、利用するCPU性能の傾向がわかれば、利用シーンに合ったサーバーリソースの算出が可能であることがわかりました。

検証1:CPUのコア数、メモリ量を変更した場合の性能傾向

※限界ユーザー数はエラーやレスポンス遅延が頻出する閾値です。

検証パターン

1 単体

単体

単体

単体

単体

単体

2

3

4

1

2

3

4

5

6

8

8

8

8

8

8

8

16

CPU

CPU

CPU

CPU

ディスク

CPU

約 300

約 600

約 900

約 1200

約 2000

約 2400

サーバ構成

VMware

ボトルネック 限界ユーザ数※CPU

(コア数)メモリ(GB)

検証1:コア数、メモリ容量を変更した性能傾向

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記載された商品名、各製品名は各社の登録商標または商標です。Copyright © Cybozu, Inc.

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仮想化環境 (VMware)でガルーン 3 を運用した場合のパフォーマンスについて

検証2 : ガルーンを運用しているゲストOS 以外に負荷があった際の性能傾向

検証パターン

ゲストOS2の CPU 使用率が高い場合

ゲストOS2の CPU 使用率が高く、頻繁にディスクアクセスが発生する場合

問題なし

ガルーンのパフォーマンスに影響あり

結果

「ガルーン」をインストールしたゲストOS 以外のゲストOSに高負荷をかけた場合におきる、「ガルーン」への影響を把握する検証を実施しました。検証方法としては、以下の図のようになります。

検証2:ガルーンを運用しているゲストOS 以外に負荷があった際の性能傾向

結果として、「ガルーン」以外のゲストOSが高負荷だった場合、CPUの高負荷では影響はおきず、ディスクアクセスが頻繁に発生する際に「ガルーン」のパフォーマンス遅延につながることがわかりました。そのため、仮想環境で「ガルーン」を運用する場合は、検証1の結果よりCPUのコア数を見積り、メモリについては複数のゲストOSに影響があるため余裕を持っておくことが重要となります。それにより、各ゲストOSの負荷状況をみて高負荷なゲストOSに対して余ったメモリリソースを高負荷なゲストOSに割り当て、「ガルーン」を快適に運用することが可能となります。

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記載された商品名、各製品名は各社の登録商標または商標です。Copyright © Cybozu, Inc.

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仮想化環境 (VMware)でガルーン 3 を運用した場合のパフォーマンスについて

ゲストOS1 ガルーン運用

他システム1

他システム 2

-

ゲストOS2

ゲストOS3

余りリソース

2コア

2コア

2コア

2コア

16GB

4GB

4GB

24GB

用途 CPU メモリ

ゲストOS1 ガルーン運用

他システム1

他システム 2

-

ゲストOS2

ゲストOS3

余りリソース

2コア

2コア

2コア

2コア

24GB

4GB

4GB

16GB

用途 CPU メモリ

ぜひご活用ください。

九州大学 様では、ガルーン導入に際して新しく機器を購入することなく、既存のサーバー機を仮想化することにより 2,000 ユーザーでの運用を実現しております。ご参考にぜひともご一読ください。

http://cybozu.co.jp/casestudy/example/kyushu-u/

導入事例:九州大学 様

運用例:CPU:8コア、メモリ:48GB のサーバーで仮想環境を運用するケース