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Istanbul Weekly vol.9-no.3 ※掲載内容は、トルコの報道をまとめたものです。 1 Istanbul Weeklyvol.9-no.3 発行:在イスタンブール日本国総領事館 発行日:2020 2 14 日(金) ― 今週のポイント ― 政治:ロシア外務・防衛代表団がトルコ訪問。 ジェフリー米国シリア特別代表がトルコ訪問。 経済:11 月の失業率、13.3%。 1 月の消費者物価(CPI)上昇率、対前年同月比 12.15%。 治安:ブルサ県で PKK の爆薬押収。 社会:ペガサス航空の旅客機が着陸失敗:3 人が死亡。 イスタンブールの公共交通機関が 35%値上がり。 政治 【内政】 ●カナル・イスタンブール計画のサイト開設 2 月 1 日、アルトゥン大統領府広報部長はツイッターでカナル・ イスタンブール計画についてのサイトを開設したと発表した (https://www.kanalistanbul.gov.tr/)。サイトでは、同計画の目 的、通過場所、世界の運河、ボスフォラス海峡で発生した事故 及びモントルー条約に同計画は影響を及ぼさない旨の説明が 記載されている。(2 月 1 日付け H 紙インターネット版) (写真は、https://www.kanalistanbul.gov.tr/ から) ●バシュケント・ガス社から使途不明金 民営化されたアンカラのガス配給会社バシュケント・ガス社か ら赤新月社、赤新月社からエンサル財団、トゥルケン財団を経 由して約 800 万ドルの資金が流出し、使途が不明となっている ことが問題となっている。またバシュケント・ガス社はイスタン ブール市の関連会社 KIPTAS(住宅公社)から購入した 31 軒 の不動産をビラル・エルドアン氏が設立しエスラ・アルバイラク 氏が理事を務めるトルコ青年教育サービス財団(TURGEV)に 寄付したとされる。(1 月 31 日付けビルギュン紙インターネット版) CHP が CNN テュルク局への出演をボイコット 2 月 6 日、オズカン CHP 副党首が CHP は CNN テュルク局へ の出演をボイコットすると発表。3 日に行われた CHP 党会議に おいて同党に対する事実を歪曲しての報道を行っていることを 理由に同決定が下された。副党首は、同局は与党の発言を広 告代理店のように垂れ流しにしており、党員は同局への出演 を今後拒否し、国民にも同局の視聴を勧めない旨述べた。(2 月 6 日付け SOZCU 紙インターネット版) ●CHP イスタンブール県支部長にカフタンジュオール議員が 再選 2 月 9 日に行われた第 37 回 CHP 通常県党大会での投票の 結果、ジャナン・カフタンジュオール議員が CHP イスタンブー ル県支部長に再選した。カフタンジュオール議員は 2019 年 9 月の裁判で合計 9 年 8 か月の懲役刑の決定がくだされ、執行 猶予・控訴手続き中である。(2 月 10 日付け M 紙インターネット版) 【外交】 ●エルドアン大統領、アッバス議長と電話会談 1月 31 日、エルドアン大統領はパレスチナ自治政府のアッバ ス議長と電話会談を行い、2 月 1 日にはパレスチナ・イスラム 抵抗運動ハマスのハニヤ政治局長がエルドアン大統領への 表敬訪問をイスタンブールで行った。エルドアン大統領は米国 による中東和平計画を批判しており、パレスチナを支援すると し、アッバス議長及びハニヤ局長に「パレスチナ側同士での政 治議論をやめ一つになる日だ。和平計画を我々は拒否する」 と述べたという。(2 月 3 日付け M 紙インターネット版) ●トルコ・ロシア電話会談 (1)2 月 3 日のイドリブでの攻撃でトルコ軍 7 人と民間契約者 1 名が死亡した事件が発生し、プーチン露大統領とエルドアン 大統領は 4 日に電話会談を行い、イドリブ情勢安定のための 緊急措置を講じることで合意した。 (2)2月4日、エルドアン大統領はイドリブでの攻撃は合意に対 する明白な違反であるとし、「(アサド)政権は(この攻撃の)帰 結を知ることになるだろう」と発言した。またロシアとの関係に 対しては「この段階でロシアとの衝突または緊張関係に入る 必要はない」と表明した。(2月5日付けM紙13面)

Istanbul Weekly vol.9-no.3 Istanbul Weeklyvol.9-noIstanbul Weekly vol.9-no.3 ※掲載内容は、トルコの報道をまとめたものです。 1 Istanbul Weekly vol.9-no.3 イ

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Istanbul Weekly vol.9-no.3

※掲載内容は、トルコの報道をまとめたものです。 1

Istanbul Weeklyvol.9-no.3

イ ス タ ン ブ ー ル ウ ィ ー ク リ ー

発行:在イスタンブール日本国総領事館 発行日:2020 年 2 月 14 日(金)

― 今週のポイント ―

政治:ロシア外務・防衛代表団がトルコ訪問。

ジェフリー米国シリア特別代表がトルコ訪問。

経済:11 月の失業率、13.3%。

1月の消費者物価(CPI)上昇率、対前年同月比 12.15%。

治安:ブルサ県で PKK の爆薬押収。

社会:ペガサス航空の旅客機が着陸失敗:3 人が死亡。

イスタンブールの公共交通機関が 35%値上がり。

政治 【内政】

●カナル・イスタンブール計画のサイト開設

2 月 1 日、アルトゥン大統領府広報部長はツイッターでカナル・

イスタンブール計画についてのサイトを開設したと発表した

(https://www.kanalistanbul.gov.tr/)。サイトでは、同計画の目

的、通過場所、世界の運河、ボスフォラス海峡で発生した事故

及びモントルー条約に同計画は影響を及ぼさない旨の説明が

記載されている。(2 月 1 日付け H 紙インターネット版)

(写真は、https://www.kanalistanbul.gov.tr/ から)

●バシュケント・ガス社から使途不明金

民営化されたアンカラのガス配給会社バシュケント・ガス社か

ら赤新月社、赤新月社からエンサル財団、トゥルケン財団を経

由して約 800 万ドルの資金が流出し、使途が不明となっている

ことが問題となっている。またバシュケント・ガス社はイスタン

ブール市の関連会社 KIPTAS(住宅公社)から購入した 31 軒

の不動産をビラル・エルドアン氏が設立しエスラ・アルバイラク

氏が理事を務めるトルコ青年教育サービス財団(TURGEV)に

寄付したとされる。(1 月 31 日付けビルギュン紙インターネット版)

●CHP が CNN テュルク局への出演をボイコット

2 月 6 日、オズカン CHP 副党首が CHP は CNN テュルク局へ

の出演をボイコットすると発表。3 日に行われた CHP 党会議に

おいて同党に対する事実を歪曲しての報道を行っていることを

理由に同決定が下された。副党首は、同局は与党の発言を広

告代理店のように垂れ流しにしており、党員は同局への出演

を今後拒否し、国民にも同局の視聴を勧めない旨述べた。(2

月 6 日付け SOZCU 紙インターネット版)

●CHP イスタンブール県支部長にカフタンジュオール議員が

再選

2 月 9 日に行われた第 37 回 CHP 通常県党大会での投票の

結果、ジャナン・カフタンジュオール議員が CHP イスタンブー

ル県支部長に再選した。カフタンジュオール議員は 2019 年 9

月の裁判で合計 9 年 8 か月の懲役刑の決定がくだされ、執行

猶予・控訴手続き中である。(2 月 10 日付け M 紙インターネット版)

【外交】

●エルドアン大統領、アッバス議長と電話会談

1月 31 日、エルドアン大統領はパレスチナ自治政府のアッバ

ス議長と電話会談を行い、2 月 1 日にはパレスチナ・イスラム

抵抗運動ハマスのハニヤ政治局長がエルドアン大統領への

表敬訪問をイスタンブールで行った。エルドアン大統領は米国

による中東和平計画を批判しており、パレスチナを支援すると

し、アッバス議長及びハニヤ局長に「パレスチナ側同士での政

治議論をやめ一つになる日だ。和平計画を我々は拒否する」

と述べたという。(2 月 3 日付け M 紙インターネット版)

●トルコ・ロシア電話会談

(1)2 月 3 日のイドリブでの攻撃でトルコ軍 7 人と民間契約者

1 名が死亡した事件が発生し、プーチン露大統領とエルドアン

大統領は 4 日に電話会談を行い、イドリブ情勢安定のための

緊急措置を講じることで合意した。

(2)2月4日、エルドアン大統領はイドリブでの攻撃は合意に対

する明白な違反であるとし、「(アサド)政権は(この攻撃の)帰

結を知ることになるだろう」と発言した。またロシアとの関係に

対しては「この段階でロシアとの衝突または緊張関係に入る

必要はない」と表明した。(2月5日付けM紙13面)

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Istanbul Weekly vol.9-no.3

※掲載内容は、トルコの報道をまとめたものです。 2

(3)2月6日、カルン大統領府報道官は、イドリブ情勢につい

て、「3月にアスタナプロセスについて会合をもう一度実施する

可能性がある。しかしまずはロシアから来訪する軍事代表団

との協議を行う。」と述べた。(2月7日付けM紙12面)

●トルコ・ドイツ電話会談

2 月 4 日、エルドアン大統領とメルケル独首相が電話会談し、

シリア及びイドリブ情勢、イドリブから流出する難民について協

議した。(2 月 5 日付け M 紙 12 面)

●ロシア外務・防衛代表団がトルコを訪問

2 月 8 日、エルドアン大統領とプーチン露大統領が 4 日に行っ

た電話会談で取り決められたとおり、ロシア代表団がアンカラ

を訪問し、ソチ合意についての再協議を行った。セルゲイ・ヴ

ァシリエヴィチ・ヴェルシン外務副大臣を団長とするロシア代表

団は、セダト・オナル外務副大臣をトップとする代表団との協

議を実施した。両代表団には防衛関係省庁の要人が含まれ

る。トルコは休戦の実行と政権側勢力がソチ合意で規定され

た境界まで撤退することを再強調し、2 月末までに撤退が実行

されない場合にはトルコ軍が必要な手段を講じるとの「確定的

なメッセージ」を伝えたという。(2 月 9 日付け M 紙 13 面)

●EU トルコ代表団ベルガー大使と運輸インフラ副大臣がイー

スト・エクスプレスに試乗

クリスチャン・ベルガー大使をはじめとする EU トルコ代表団員

及びオメル・ファーティフ・サヤン運輸インフラ副大臣は、イー

スト・エクスプレスへの試乗を行うとともに車内にて EU・トルコ

間の協力についての会議を行った。サヤン副大臣は「EU とは

運輸部門においてハルカル・カプクレ間、サムスン・カルン間

鉄道のように共同で大きな事業を実施した。」と述べた。また

ベルガー大使は「鉄道事故を減少させ、人命救助に努めるこ

と、持続可能的な都市間移動についてともに協議した。トルコ

側からはとても良い回答を得たと考えている。」と発言した。(2

月 9 日付け M 紙 17 面)

●ジェフリー米国シリア特別代表がトルコ訪問

(1)2月12日、ジェフリー米国シリア特別代表をはじめとする代

表団がトルコを訪問し、セダト・オナル外務副大臣と会談後、

大統領府においてカルン首席大統領顧問と協議した。協議

中、アサド政権によるトルコ軍監視地点への攻撃は容認でき

ないとの発言があった。また、カラオスマンオール国防省副大

臣との会談も行った。

(2)ジェフリー代表はNTVでのインタビューで「トルコのイドリブ

における正当な利益(legitimate interests)を支持する。NATO

同盟国としてどう支援できるかを模索している。諜報情報の共

有や機材輸送は特に重要である。」と述べた。また、難民につ

いては、「イドリブでは一つの場所に300万人が押し込まれて

いる。トルコ国境周辺で人的被害がいつ起きてもおかしくな

い。トルコはシリア難民に対し、どの国よりも尽力しているが、

さらなる300万人の難民にトルコ一国では対処できない。この

ような事態を発生させないためにあらゆる支援をも行わなけれ

ばならない。」と発言した。(2月13日付けM紙13面)

(3)ジェフリー代表はトルコ到着直後、トルコ語で記者らの質

問に回答し、NATO同盟国であるトルコ軍兵士がイドリブで大

きな脅威に直面しており、この脅威がロシアとアサド政権によ

りもたらされていること、さらにイドリブで犠牲となったトルコ人

兵士に対し哀悼の意を表明した。ジェフリー代表は「我々はト

ルコ政府と状況を評価し、可能な限りの支援を供与したい。」

と述べた。(当館注:ジェフリー代表が約1分半であるが、トルコ

語を話し、弔意を示したことは大きな話題となった。)(2月12日

付けM紙インターネット版)

●在トルコ米国大使館と在トルコ・ロシア大使館のツイッター

攻防

2月12日、在トルコ米国大使館がツイッターで「イドリブに注視」

というタイトルでビデオをツイートし、ビデオには「我々NATO同

盟国はトルコに寄り添う」とのメッセージが含まれていた。在ト

ルコ・ロシア大使館は同メッセージを含む動画の写真と「ペンタ

ゴンはYPG/PKKのために2億ドルの予算要求」と題するAAに

よる記事の写真を並べて「評価は皆さんにお任せします」とツ

イートした。(2月13日付けM紙13面)

(写真は、在トルコ・ロシア大使館公式ツイッターから)

経済 【マクロ経済】

●1 月の輸出額、対前年同月比 6.1%増の 148 億米ドル

2 月 3 日、トルコ輸出業者会議(TIM)は、1 月の輸出額が対前

年同月比 6.1%となる 148 億米ドル、輸入額は同 19%増の 192

億米ドルと発表した。輸出の輸入に対するカバー率は 76.8%。

輸出相手国は 1 位がドイツ(15 億米ドル)、2 位がイタリア(8.89

億米ドル)、3 位が英国(8.7 億米ドル)。輸入元国は 1 位がロシ

ア(21 億米ドル)、2 位が中国(19 億米ドル)、3 位がドイツ(13.5

億米ドル)だった。(2 月 3 日付け HDN 紙インターネット版)

●1 月の消費者物価(CPI)上昇率、対前年同月比 12.15%

(1) 2 月 3 日、トルコ統計庁(TUIK)は、1 月の対前年同月比の

消費者物価上昇率が 12.15%だったと発表。前月の 11.84%から

0.31%ポイント上昇した。前年同月から最も上昇したのはアルコ

ール飲料及びタバコ製品で同 42.21%ポイント上昇。アナトリア

通信によるエコノミスト 11 人の予想は 11.92%であり、これを上

回った。(2 月 3 日付け AA)

(2) 同発表を受け、エルドーウドゥ CHP 党首補佐官は、TUIK

のインフレ算出の基準となる一連の品目中、食品、住居、交通

や服飾等、価格が上昇している品目の割合が引き下げられて

いることを指摘し、「数字をもてあそび、あからさまに国民に嘘

をついている」と批判した。(2 月 4 日付け C 紙 11 面)

(写真は、2 月 3 日付け AA から)

●1 月の製造業購買者担当者指数(PMI)、51.3 に上昇

2 月 2 日、イスタンブール工業会議所(ISO)及び HIS マークイッ

トの調査によると、トルコの製造業購買者担当者指数(PMI)が

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Istanbul Weekly vol.9-no.3

※掲載内容は、トルコの報道をまとめたものです。 3

過去 22 か月を通じて初めて景況感の改善を示す 50 を上回る

51.3 となった。需要の回復による新規注文の改善、新規輸出

注文が過去5か月間で初めて回復傾向を見せた。また 3 か月

連続で生産は拡大し、雇用も過去 3 か月で初めて拡大した。(2

月 2 日付け AA)

●2019 年 11 月の失業率、13.3%

2 月 10 日、トルコ統計庁(TUIK)は、2019 年 11 月の失業率が

前年同月から 1%上昇し 13.3%となったと発表。15 歳から 24 歳

までの若年層失業率は 24.5%で、前年同月から 0.9%上昇して

いる。(2 月 10 日付け TUIK)

【2017 年 11 月から 2019 年 11 月までの失業率の推移】

(グラフは、2 月 10 日付け TUIK 発表を元に当館編集)

【金融】

●香港上海銀行(HSBC)、トルコでの事業売却を再び検討

1 月 29 日、香港上海銀行(HSBC)が、トルコを含むいくつかの

地域における事業の売却を検討していることが報じられた。関

係者筋によると、売却の対象地域はアルメニア、ギリシャ、オ

マーン等、事業規模が小さく地銀との競争が激しい地域とされ

る。同行は 1990 年からトルコで営業を開始しているが、これま

でにも 2013 年に 315 支店を閉鎖及び 6,000 人を解雇し、2015

年にも事業売却を模索。売却には至らなかったものの、事業

縮小は継続し、昨年 9 月には 80 支店の閉鎖及び 2,000 人の

従業員の解雇を実行。この結果、2014 年及び 2015 年の赤字

決算は 2019 年第 3 四半期に 4.56 億トルコリラの黒字にまで

回復していた。(1 月 29 日付け REUTERS)

【人事】

●大統領府投資局、ブラク・ダールオール氏が新たな総裁に

大統領府投資局のアルダ・エルムット総裁が辞任し、同局副

総裁を務めていたブラク・ダールオール氏が新たな総裁に任

命されたことが報じられた。エルムット氏は今後民間セクター

に移る。ダールオール氏は 2009 年にボアジチ大学経済学部

を卒業後、2010 年から同局に勤務し、北アメリカ、インド、日

本、湾岸諸国担当として官民連携部門のプロジェクトマネージ

ャー及び部長を務めた。(2 月 7 日付け SOZCU 紙インターネット

版)

(写真は、2 月 7 日付け SOZCU 紙インターネット版から)

【自動車】

●2019 年の電気自動車・ハイブリッド車の登録台数、1.5 万台

2 月 2 日、アナトリア通信は、2019 年のトルコ国内の電気自動

車及びハイブリッド車の登録台数が前年の約 3 倍の 15,053 台

に達したと発表。トルコは昨年 12 月 27 日にトルコ自動車ジョ

イント・ベンチャー・グループ(TOGG)による国産電気自動車

のプロトタイプを発表、2022 年に SUV 車の大量生産体制に入

ることが予定され、その後セダン車の生産が構想されている。

(2 月 2 日付け DS 紙インターネット版)

●2019 年の自動車輸出トップ 3:フォード、トヨタ、オヤック-ル

ノー

2 月 5 日、ウルダー自動車産業輸出業者協会(OIB)は、2019

年に 306 億米ドルに達した自動車輸出において、トップの自動

車輸出メーカーはフォード社で、2 位がトヨタ、3 位がオヤック-

ルノーであったと発表。また、2020 年 1 月の自動車輸出は対

前年同月比 3.2%増の 24 億米ドルで、トルコの全輸出において

は 16.3%を占めている。(2 月 5 日付け AA)

●2020 年 1 月の自動車販売台数、前年同月比 89.75%

自動車販売業者協会(ODD)は、2020 年 1 月の自動車販売台

数を発表。乗用車は対前年同月比 100.53%増の 2.2 万台、軽

商用車は同 54.89%の 5,257 台となった。2020 年の国内自動車

販売台数は 57.5 万台から 62.5 万台と予想されている。(2 月 4

日付け SOZCU 紙インターネット版)

【観光】

●2019 年の観光収入、対前年比 17%増の 345 億米ドル

1 月 31 日、トルコ統計庁(TUIK)は、2019 年のトルコの観光収

入が対前年比 17%増の 345 億米ドルに達したと発表。一人当

たりの支出額は前年の647 米ドルから上昇し666 米ドル。2019

年の外国からの訪問者数は同 13.7%増の 5,190 万人で、その

うち 86.2%が外国人、13.8%が在外トルコ人だった。イスタンブー

ルは全訪問者の 33%を占める 1,500 万人の訪問者数を記録

し、次いでアンタルヤが 1,465 万人だった。外国人訪問者数の

国籍を見ると、ロシアが 700 万人(15.6%)、2 位がドイツの 500

万人、3 位はブルガリアで 270 万人だった。(1 月 31 日付け AA)

【交通】

●2019 年のボスポラス海峡通過船舶数、41,112 隻

運輸インフラ省は、2019 年のボスポラス海峡を通過した船舶

数は前年の 41,103 隻とほぼ同数の 41,112 隻、通過した貨物

は前年の 6.13 億総トンから増加し 6.38 億総トンだったと発表。

内訳を見ると、一般貨物船が 18,637 隻、ガス、LNG、化学品そ

の他の輸送タンカーは 8,957 隻だった。また、2019 年のチャナ

ッカレ海峡の通過船舶数は 43,759 隻で、前年の 43,999 隻か

ら微減した。(2 月 4 日付け HDN 紙 9 面)

●イスタンブール地下鉄のアジア側路線、工事再開

2 月 3 日、イスタンブール市は、2018 年 10 月に工事休止とな

ったアジア側地下鉄路線のカイナルジャ-ペンディック-トゥ

ズラ線の工事の再開式典を開催した。在イスタンブール仏国

総領事も臨席した同式典でイマムオール市長は、同路線の

2017 年の入札価格 は 16.13 億トルコリラだったが、2020 年の

更新された価格は 23.4 億トルコリラとなっており、フランス開発

機関からの 8,600 万ユーロの融資により工事が再開可能とな

ったと発言。同路線は全長 12 キロメートル、8 駅の 2 路線で、

1 路線目はタヴシャンテペ駅とトゥズラを結び、カドゥキョイから

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Istanbul Weekly vol.9-no.3

※掲載内容は、トルコの報道をまとめたものです。 4

の延伸路線となる。2 路線目はペンディック・センター-カイナ

ルジャ線で全長 4.1 キロメートル。同路線はタウシャンテペ-

サビハ・ギョクチェン空港路線の延伸となる。これにより、カドゥ

キョイ駅を発するメトロはトゥズラ方面と空港方面の 2 方面に、

空港発の路線はカドゥキョイ行きとペンディック・マルマライ駅

への接続の 2 方面となる。(2 月 3 日付け NTV)

(写真は、2 月 3 日付け NTV から)

●ユーラシアトンネルの通行料金、56%の値上げ

2 月 1 日より、ユーラシアトンネルの通行料金が 56%値上げさ

れた。これにより、自動車の片道通行料金は 36.40 トルコリラ

(旧料金 23.30 トルコリラ)、ミニバスは 54.70(34.90)トルコリラ

となった。(1 月 31 日付け BirGun 紙)

●ゲブゼ-イズミル高速道路運営事業の売却コンサルに JP

モルガンを起用

オスマン・ガーズィ橋を含むゲブゼ-イズミル高速道路の運営

を行うオトヨル投資社が、同事業運営権の売却のため、JP モ

ルガンをコンサルタントとして承認したことが報じられた。2009

年にヌルオル、オズアルトゥン、マクヨル、アスタルディ(伊)、

ギョチアイの 5 社が落札し、総額 73 億米ドルが投じられた同

事業は、49.6 億米ドルの融資、15 億米ドルの自己資本、8 億

米ドルの早期営業純利益により資金を供出していた。 (2 月13

日付け SOZCU 紙 7 面)

●アトラスグローバル、破産申請

経営上の問題から昨年 11 月から 12 月 21 日まで運行を中断

し、その後運行を再開していた格安航空会社のアトラスグロー

バルが、破産の申請を行ったことを明らかにし、2 月 12 日のイ

スタンブール-バグダード便の運行をもって営業を終了した。

同社の法務部門が今後従業員の退職金及び販売済みチケッ

トの返金業務に当たる。(2 月 12 日及び 13 日付け M 紙インター

ネット版)

(写真は、2 月 13 日付け M 紙インターネット版から)

【エネルギー】

●2019 年のロシアからトルコへの天然ガス供給、対前年比

40%減

露インターファックス・ニュースによると、2019 年のトルコの天

然ガス輸入は対前年比 10%減となる中、アゼルバイジャンから

の天然ガス輸入の増加に伴いガズプロムからの輸入が対前

年比 40%減となったことが報じられた。トルコエネルギー市場

規制庁によれば、トルコの 2019 年の 11 か月間の天然ガス輸

入は 398 億立方メートル。ガズプロムからの輸入は 80 億立方

メートル減少、アゼルバイジャンからは 19 億立方メートル増

加、LNG 輸入は 10 億立方メートル増加した。トルコの LNG 輸

入元は、米国が首位の 9.8 億立方メートル、アルジェリア、カタ

ール、ナイジェリアが続いている。(2 月 6 日付け GAZETEM 紙

インターネット版)

(写真は、2 月 6 日付け GAZETEM 紙インターネット版から)

治安 ●トルコ南東部で大規模対テロ作戦が継続中

1 月 31 日、トルコ内務省は、南東部における対テロ作戦として

新たにシュルナク県での一斉捜査が開始されたと発表。この

作戦は約 800 名の警察や軍を中心として、地元民からの協力

により潜伏している PKK 関連容疑者を逮捕するとしている。ト

ルコ当局は、これらを「Kapan 作戦」と命名し、今回が第 5 弾で

年初にはマルディン県でも作戦を実行している。この作戦軍の

目的は、テロ組織のネットワークを絶ち、トルコ国内でのテロ

事件の発生を未然に防ぐことが目的である。(1 月 31 日付け

S 紙インターネット版)

●元 PKK メンバーが内部事情を告白

2 月 2 日、元 PKK メンバーでありシリア国境で活動していた人

物が、家族の説得などにより投降し組織の内部事情について

告白した。内容としては、PKK はトルコ軍や警察だけでなく、今

後は観光地や工業地も標的に加えるように指示が出されてい

るとしている。また、トルコ軍による平和の泉作戦では PKK 側

の人間が民間人に紛れてトルコ軍を攻撃し、トルコ軍による民

間人への攻撃を誘発していたと発言している。(2 月 2 日付け

S 紙インターネット版)

●1 月の対テロ作戦の成果を発表

2 月 3 日、トルコ内務省は 1 月中の対テロ作戦の成果につい

て発表。1 月はトルコ南東部における PKK への掃討作戦を継

続しており、冬期中の対テロ作戦で PKK メンバーの 45 名が殺

害、112 名が拘束されたとしている。一方で、PKK による攻撃で

トルコ側は 11 名が死亡したと発表された。(2 月 3 日付け AA

紙インターネット版)

(写真は 2 月 3 日付け AA 紙インターネット版から)

●エディルネ県で FETO 関連容疑者 9 名逮捕

2 月 5 日、トルコ警察はエディルネ県のギリシャ国境において

FETO 関連容疑者の元兵士 9 名を逮捕したと発表。容疑者ら

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Istanbul Weekly vol.9-no.3

※掲載内容は、トルコの報道をまとめたものです。 5

はギリシャへの不法入国を行おうとしており、トルコ警察は不

法難民の密出国と併せて警戒を強めていた。(2 月 5 日付け S

紙インターネット版)

●ブルサ県で PKK の爆薬押収

2 月 5 日、トルコ内務省はブルサ県において警察への通報によ

り捜査を行ったところ、地中に隠されていた爆薬 5.5 キロを発見

し PKK メンバー2 名を逮捕したと発表。容疑者らは大都市での

テロを計画していたとされ、他に爆薬の材料などが押収されて

いる。(2 月 6 日付け S 紙インターネット版)

(写真は 2 月 6 日付け S 紙インターネット版から)

●臓器移植の違法仲介組織が摘発

2 月 10 日、トルコ警察はブルガリア人を顧客とした臓器移植の

違法仲介組織を摘発したと発表。容疑者らはブルガリアで臓

器移植希望者とドナーを募り、夫婦や兄弟に見せかけるため

の書類を作成した後、イスタンブールの私立病院で手術を行え

るように手配していた。この捜査により 5 名が逮捕されており、

容疑者らはトルコからブルガリア国境を越えて逃亡を図ろうと

していたところを拘束された。(2 月 10 日付け S 紙インターネット

版)

●トルコ・ブルガリア国境で記録的な違法薬物押収量

2 月 11 日、トルコ貿易省はエディルネ県のブルガリア国境にお

いて税関検査によりトラックから約 2 トンの大麻が押収された

と発表。このトラックはジョージアからイタリアへ向かっており、

運転手は肥料を輸送していると説明していたが、警察犬が貨

物に反応し検査したところ、末端価格約 2,000 万ドルの大量の

大麻であった。この規模は陸上国境での検査における摘発で

は過去最大である。(2 月 11 日付け S 紙インターネット版)

(写真は 2 月 11 日付け S 紙インターネット版から)

●違法薬物関連の情報提供へ報奨金

2 月 12 日、トルコ政府は違法薬物関連の情報提供に対して報

奨金を支払う制度を新たに開始したと発表。この制度では薬

物の種別、押収量、情報による逮捕者の有無によって情報提

供者への報奨金額も異なり、小規模な違法薬物販売者や麻薬

使用者も対象としている。(2 月 12 日付け S 紙インターネット版)

(写真は 2 月 12 日付け S 紙インターネット版から)

社会

●イスタンブール空港でマスクの需要が急増

イスタンブール空港では、ここ 10~15 日間でマスクの需要が

急増している。中国人をはじめ、搭乗手続き後に薬局でマスク

を購入する海外旅行客が増加している。イスタンブール空港

の薬局の責任者のヌルジャン氏は、「コロナウィルスの感染拡

大以降、1 万枚を販売した。1 か月で 2 万~3 万枚が売れると

見込んでいるが、生産が間に合っておらず、値段も 2 倍になっ

た。」と述べた。(1 月 30 日付け M 紙インターネット版)

●武漢市のトルコ人を移送するための軍用機が離陸

1 月 31 日、新型コロナウィルスの流行を受け、武漢市のトルコ

人を移送するために、トルコ空軍機 A400M が、アンカラのエテ

ィメスグット空軍空港を離陸した。軍用機にはトルコ帰還を希

望したトルコ人 32 名の他、アゼルバイジャン人、ジョージア

人、アルバニア人計 10 名が搭乗し、2 月 1 日にアンカラに到

着した。その後、帰国者はアンカラの未使用の病院に移送さ

れ、14 日間隔離されることとなった。(1 月 31 日付け M 紙インタ

ーネット版他)

(写真は、2 月 1 日付け DS 紙インターネット版から)

●「ロビンフッド」がトラブゾンに出現

イスタンブールの貧困地区に出現し、一般の人々や子供たち

へ現金を渡すなどの慈善行為を行うことで知られていた「ロビ

ンフッド」がトラブゾンに出現した。シリア人が多く集まるエセン

リテペ地区に現れ、子供たちに現金 200 リラ、家庭には現金が

入った封筒を渡した。現金の配布を支援したという近隣住民は

「ロビンフッドは、困窮した家庭にのみ現金を渡しており、正体

はわからないが、善い行いというのは隠れて行われるものだ。

アッラーの御加護がありますように。」と感謝を述べた。(2 月 3

日付け M 紙インターネット版)

●ペガサス航空の旅客機が着陸失敗:3 人が死亡

2 月 5 日、トルコの格安航空会社(LCC)ペガサス航空の旅客

機が、イスタンブールのサビハ・ギョクチェン国際空港で悪天

候の中で着陸に失敗して大破し、3 人が死亡、179 人が負傷し

た。この事故により空港は一時閉鎖された。(2 月 5 日付け

HDN 紙インターネット版他)

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Istanbul Weekly vol.9-no.3

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(写真は、2 月 6 日付け HDN 紙インターネット版から)

●イスタンブールの公共交通機関が 35%値上がり

イスタンブール交通調整センター(UKOME)の決定により、公共

交通機関の料金が 35%値上がりする。料金改定が適用され

るのは、市営バス、メトロ、メトロバスなどの公共交通機関で、

新料金の適用開始は 2 月 10 日で、大人料金は 2.6 リラから

3.5 リラとなる。(2 月 7 日付け H 紙インターネット版)

●山の野生動物達用にパンを置いて安全祈願

トルコ東部エルズルム県の商人らが、山の野生動物達のため

に 2,001 本のパンを置いて、最近トルコが見舞われた地震、雪

崩、飛行機事故などの災難のお祓いを行った。エルズルムで

は、1 か月間コーランを 1,001 回詠むというピルアリババが開

始した「1001 ハーティム」という古くからの習慣があり、当時は

1,001 本のパンを野生動物のために山に置いていた。パンを

置いた一人であるムヒッティン・オルチュン氏は、「人間は動物

を保護するべきだ。飢えた動物は、集落に降りてきて人間の

生活を脅かす。動物に平和を提供できない社会に平和は訪れ

ない。」と述べた。(2 月 7 日付け HDN 紙インターネット版)

(写真は、2 月 7 日付け HDN 紙インターネット版)

●2020 年初のスーパームーンがエディルネにて観測

2 月 9 日、エディルネ県にて、スーパームーンが観測された。

スーパームーンとは、月の軌道が最も地球に近づくのと満月

が重なるタイミングの月のことで、通常よりも大きく明るく見る

ことができる。(2 月 10 日付け HDN 紙インターネット版)

(写真は、2 月 10 日付け HDN 紙インターネット版から)

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注:本文中の略語の正式名称は以下の通りです。

機関・団体等

引用メディアの略称

在イスタンブール日本国総領事館

電話:0212-317-4600、FAX:0212-317-4604、E-Mail: [email protected]

WEB:https://www.istanbul.tr.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html

Facebook:http://www.facebook.com/Japonya.Istanbul.Baskonsoloslugu

●トルコに90日以上滞在される方は総領事館に在留届を提出願います。

●新たに配信希望される方、あるいは今後の配信を希望されない方は、以下のメールアドレスにご連絡ください。

[email protected]

【被害】

★当館 HP 更新のお知らせ★

●領事サービス向上・改善のためのアンケート実施(2 月 29 日まで) (2/14)

●新型パスポート(2020 年旅券)受付開始について (2/4)

●【注意喚起】米国総領事館前におけるデモ・集会等 (1/29)

●新型コロナウイルスに関する注意喚起 (1/25)

●【注意喚起】イスタンブールにおける羽交い締め強盗事案の発生 (1/23)

略語 正式名称 略語 正式名称

AA Anadolu News Agency HDN Hürriyet Daily News

C Cumhuriyet HT Haberturk

D Dünya IA Ihlas News Agency

DS Daily Sabah M Milliyet

H Hürriyet S Sabah

今週 通算 今週 通算 今週 通算 今週 通算

2019年 0件 18件 0件 1件 0件 9件 0件 5件

2020年 0件 1件 2件 2件 0件 2件 1件 1件

イスタンブール邦人被害統計2020.1.1~2020.2.13 ※総領事館に訴出があったものを集計

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