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1 BALKAN NEWS Japan Internaonal Cooperaon Agency No.17/2018 バルカンの動き バルカンの動き バルカンの動き CONTENTS CONTENTS CONTENTS バルカンの動き バルカンの動き バルカンの動き P1 P1 P1 地域 地域 地域 P2 P2 P2 マケドニア マケドニア マケドニア P3 P3 P3 アルバニア アルバニア アルバニア P3 P3 P3 ボスニア・ ボスニア・ ボスニア・ ヘルツェゴビナ ヘルツェゴビナ ヘルツェゴビナ P4 P4 P4 セルビア セルビア セルビア P4 P4 P4 コソボ コソボ コソボ P5 P5 P5 その他のトピック その他のトピック その他のトピック P5,6 P5,6 P5,6 For more information, please contact: [email protected] or visit: www.jica.go.jp/balkan/office/ For previous issues: http://www.jica.go.jp/balkan/office/ others/newsletter/index.html www.youtube.com/user/JICABalkan ブリガリアで西バルカン支援に関する国際カンファレンスが開催 JICAバルカン事務所長、小林秀弥) 20185月、ブルガリアはEU議長国としてEUサミットをホストしました。サミット前日の516日、ブルガリアの首都ソフィアで Democracy That Delivers : Ten Years Later. Unlocking the Potential of the Western Balkans”というテーマの国際カンファ レンスが開催され、JICAバルカン事務所もパネリストとして出席しました。 2003年にテッサロニキで開催されたEU-西バルカンサミットで西バルカンへのEU拡大方針が宣言されてから15年目、ブルガリアが EU加盟を果たしてから10年が経過した年のサミット前日のイベントということで、ブルガリアのザハリエヴァ副首相兼外相やマケドニア のザエフ首相をはじめ、EUNATO、米国務省からのハイレベル、JICAを含むバイドナー、NGOの代表者や学識経験者がカンファ レンスに出席しました。 カンファレンスの主催者であるブルガリア民主主義研究所(Center for Democratic Studies)は、西バルカン諸国における過去20 年に亘るグッドガバナンスに向けた取り組み(Good governance efforts)は各国の腐敗・汚職の削減に貢献するなど一定の効果が あったとしながらも、西バルカン諸国平均で未だcorruption pressure26%と高いこと、またState capture riskに晒されている現 状を指摘しました。対策としてはハイレベルの汚職を告発するとともに、あらゆるレベルの行政組織における腐敗防止、独立した汚職 モニタリングメカニズムの導入、市民社会の更なる関与を提言しました。 JICAからは、過去20年以上に亘るJICAのバルカン支援を振り返るとともに、本年1月の安倍総理のセルビア、ブルガリア等歴訪の 際に発表された「西バルカン協力イニシアチブ」の概要と同イニシアチブに対するJICAの貢献策を説明しました。また、JICAがコソボ で実施した固形廃棄物セクターの協力 が、地方自治体や廃棄物収集公社の キャパビルを通じた住民サービスの質の 向上と、最終的に住民からのごみ収集 料金徴収率の大幅な改善(社会規範の 形成)につながったキャパシティ・デベ ロップメント(CD)の事例を紹介しました。 ブルガリア民主主義研究所 リンク http://www.csd.bg/artShow.php?id=18220 1公務員から賄賂を要求された経験を報告した人 の割合 2尐数の利害グループ(たとえばエネルギー関連企 業経営者など)が特定の政治家と結びついて国政レベ ルの政策決定に大きな影響を及ぼし、公正な競争等 が阻害されている状況 3キャパシティ・ディベロップメント(CD)とは、途上国 の内発的な発展プロセスとして個人、組織、社会、相 対的に問題解決能力を伸ばしていくプロセスをいう。 日・セルビア首脳会談 115日、16日安倍晋三内閣総理大臣は、アレクサンダル・ブチッチ・セルビア大 統領と首脳会談を行いました。安倍総理は、日本と西バルカン地域全体の協力を 発展させるため「西バルカン協力イニシアチブ」を発表し、この地域全体への協力を 推進したいと述べました。具体的には、西バルカン担当大使を新設し、対話を強化 する上に、新規の経済協力案件を発掘するためのJICA調査団を派遣する予定と しました。更に、地域協力のためのセミナーの開催を提案しました。また、首相訪問 に合わせて、青年海外協力隊の派遣取極が署名されました。 コソボでのCDの事例を紹介するスライド 安倍首相とブチッチ大統領(Photo: mofa.go.jp)

Japan International Cooperation Agency BALKAN …...へEco-DRRを組み込む必要性なども議論されました。これらの議論はさら に関係機関で深められていくことが期待されます。

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BALKAN NEWS

Japan International Cooperation Agency

No.17/2018 春・夏号

バルカンの動きバルカンの動きバルカンの動き CONTENTSCONTENTSCONTENTS

バルカンの動きバルカンの動きバルカンの動き P1P1P1

地域地域地域 P2P2P2

マケドニア マケドニア マケドニア P3P3P3

アルバニアアルバニアアルバニア P3P3P3

ボスニア・ボスニア・ボスニア・

ヘルツェゴビナ ヘルツェゴビナ ヘルツェゴビナ P4P4P4

セルビア セルビア セルビア P4P4P4

コソボ コソボ コソボ P5P5P5

その他のトピック その他のトピック その他のトピック P5,6P5,6P5,6

For more information, please contact:

[email protected]

or visit:

www.jica.go.jp/balkan/office/

For previous issues:

http://www.jica.go.jp/balkan/office/

others/newsletter/index.html

www.youtube.com/user/JICABalkan

ブリガリアで西バルカン支援に関する国際カンファレンスが開催 (JICAバルカン事務所長、小林秀弥)

2018年5月、ブルガリアはEU議長国としてEUサミットをホストしました。サミット前日の5月16日、ブルガリアの首都ソフィアで

“Democracy That Delivers : Ten Years Later. Unlocking the Potential of the Western Balkans”というテーマの国際カンファ

レンスが開催され、JICAバルカン事務所もパネリストとして出席しました。

2003年にテッサロニキで開催されたEU-西バルカンサミットで西バルカンへのEU拡大方針が宣言されてから15年目、ブルガリアが

EU加盟を果たしてから10年が経過した年のサミット前日のイベントということで、ブルガリアのザハリエヴァ副首相兼外相やマケドニア

のザエフ首相をはじめ、EU、NATO、米国務省からのハイレベル、JICAを含むバイドナー、NGOの代表者や学識経験者がカンファ

レンスに出席しました。

カンファレンスの主催者であるブルガリア民主主義研究所(Center for Democratic Studies)は、西バルカン諸国における過去20

年に亘るグッドガバナンスに向けた取り組み(Good governance efforts)は各国の腐敗・汚職の削減に貢献するなど一定の効果が

あったとしながらも、西バルカン諸国平均で未だcorruption pressureが26%と高いこと、またState capture riskに晒されている現

状を指摘しました。対策としてはハイレベルの汚職を告発するとともに、あらゆるレベルの行政組織における腐敗防止、独立した汚職

モニタリングメカニズムの導入、市民社会の更なる関与を提言しました。

JICAからは、過去20年以上に亘るJICAのバルカン支援を振り返るとともに、本年1月の安倍総理のセルビア、ブルガリア等歴訪の

際に発表された「西バルカン協力イニシアチブ」の概要と同イニシアチブに対するJICAの貢献策を説明しました。また、JICAがコソボ

で実施した固形廃棄物セクターの協力

が、地方自治体や廃棄物収集公社の

キャパビルを通じた住民サービスの質の

向上と、最終的に住民からのごみ収集

料金徴収率の大幅な改善(社会規範の

形成)につながったキャパシティ・デベ

ロップメント(CD)の事例を紹介しました。

ブルガリア民主主義研究所 リンク

http://www.csd.bg/artShow.php?id=18220

1公務員から賄賂を要求された経験を報告した人

の割合

2尐数の利害グループ(たとえばエネルギー関連企

業経営者など)が特定の政治家と結びついて国政レベ

ルの政策決定に大きな影響を及ぼし、公正な競争等

が阻害されている状況

3キャパシティ・ディベロップメント(CD)とは、途上国

の内発的な発展プロセスとして個人、組織、社会、相

対的に問題解決能力を伸ばしていくプロセスをいう。

日・セルビア首脳会談

1月15日、16日安倍晋三内閣総理大臣は、アレクサンダル・ブチッチ・セルビア大

統領と首脳会談を行いました。安倍総理は、日本と西バルカン地域全体の協力を

発展させるため「西バルカン協力イニシアチブ」を発表し、この地域全体への協力を

推進したいと述べました。具体的には、西バルカン担当大使を新設し、対話を強化

する上に、新規の経済協力案件を発掘するためのJICA調査団を派遣する予定と

しました。更に、地域協力のためのセミナーの開催を提案しました。また、首相訪問

に合わせて、青年海外協力隊の派遣取極が署名されました。

コソボでのCDの事例を紹介するスライド

安倍首相とブチッチ大統領(Photo: mofa.go.jp)

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セルビア、モンテネグロ、アルバニアセルビア、モンテネグロ、アルバニアセルビア、モンテネグロ、アルバニア

バルカン地域における観光産業の明るい未来 バルカン地域における観光産業の明るい未来 バルカン地域における観光産業の明るい未来

JICAは、過去2年間広域観光アドバイザーをバルカン地域に派遣してき

ました。持続可能な観光プロモーションメカニズムの構築を主な目的とし

て、色々な活動を実施してきました。活動の数例として、東京で開催さ

れたツーリズムEXPOジャパンへの出展支援、メディア・ツアーやファム・

ツアーの実施に係る支援、地域観光振興戦略の策定支援などです。

各国は、本アドバイザー派遣は日本からの観光客の増加に資する支援

であったと最終的な評価をしています。観光振興の実施に際し戦略的に

効果的があった地域アプローチ、日本旅行者に合うようにカスタマイズさ

れたツアープログラムの開発、日本旅行者のプロファイルとバルカン地域

の観光資源について、相互に学ぶ機会といった点は、特にポジティブに

評価されました。

JICAとしても、バルカン地域の参加各国が本案件の実施を通じて得た

機運を引き続き持ち続け、将来的な日本人旅行者の増加を目指した観

光振興への尽力を続けていけるよう、モニタリングをしていきます。

最後に、協力していただいた各国関係者に対して、本案件を成功裡で

終了できたことを感謝申し上げます。

牧野たかひこ(観光振興専門家)

セルビア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニアセルビア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニアセルビア、モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア

西バルカン地域における中小企業メンターサービス構築・普及促進プロジェクト西バルカン地域における中小企業メンターサービス構築・普及促進プロジェクト西バルカン地域における中小企業メンターサービス構築・普及促進プロジェクト

2018年度メンターアワードが5月10日及び11日の2日間にかけてセルビアで開催されました。

メンターアワードは、今回で2回目の開催となり、セルビア国内からの11名のメンターやDevelopment Agency of Serbiaの代表者、JICA専

門家に加え、将来的に自国内でのメンターアワードの開催を目指す、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ及びマセドニアの3か国からも関

係者が参加し、各メンターから優良なメンタリング事例についての発表が行われました。

各発表の評価は会場に集まった参加者全てによって行われ、ベオグラードのRegional AgencyのメンターであるMs. Ljijana Markovicが実

施したアパレル縫製工場へのメンタリング活動が最優秀賞を獲得しました。発表を通じ、JICA専門家は各メンターのレベルが大きく向上したこ

とを確認しており、今後ますますの向上と発展が期待されます。

2018年度メンターアワード 2018年度メンターアワードでの剣道デモンストレーション

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マケドニアでのマケドニアでのマケドニアでのJICAJICAJICA事業事業事業

防災・減災(防災・減災(防災・減災(EcoEcoEco---DRRDRRDRR)のプロジェクト)のプロジェクト)のプロジェクト

2017年11月から開始しましたマケドニアEco-DRRプロジェクトでは、2018

年5月8日に第1回Eco-DRRコンセプト普及セミナーを首都のスコピエで開

催しました。このセミナーは、マケドニアでは新しい概念であるEco-DRRにつ

いて関係機関との共通認識の醸成を図ること及びプロジェクトの活動内容に

ついて関係者に説明することを目的に実施しました。参加者はカウンター

パート機関の危機管理センター(CMC)、農業森林水経済省(MAFWE)、

マケドニア森林公社(PEMF)の他、プロジェクト対象地を管轄する機関とし

て深く関わってくるスコピエ市や環境施設計画省(MEPP)などです。総勢3

4名が参加しましました。

セミナーでは、まずCMC長官とJICA小林バルカン事務所長が開会の辞を

述べました。CMC長官はこれまでのJICA技術協力や本プロジェクトが形成

された背景を説明し、続いて小林所長はEco-DRRの意義や普及の重要

性について強調し、その後、CMCのプロジェクトマネージャーがプロジェクト

活動について紹介し、JICA専門家の稲田氏が自然的な土地利用を維持

することによる暴露の回避(居住、利用しない選択)と、森林やサンゴ礁な

ど、生態系の物理的な防護による脆弱性の低減(危険現象の影響の緩和)

により、自然災害リスクを下げるEco-DRRコンセプトについて説明しました。

最後に日本の知見を特に森林管理や保全にどのように生かしていくかという

点をJICA専門家の豊田氏及び弓山氏が説明しました。

会議の終盤には防災のための開発制限など都市計画の重要性や森林法

へEco-DRRを組み込む必要性なども議論されました。これらの議論はさら

に関係機関で深められていくことが期待されます。

近年マケドニアでは大雨による土砂災害など自然災害により甚大な被害が

発生しているため、関係者が本プロジェクトに大変関心を持っていることが伺

われました。

アルバニアでのアルバニアでのアルバニアでのJICAJICAJICA事業事業事業

アルバニア小規模農家金融包摂プロジェクトアルバニア小規模農家金融包摂プロジェクトアルバニア小規模農家金融包摂プロジェクト

2月初旬、「アルバニア小規模農家金融包摂プロジェクト」のキックオフ・セミナー及びJCCが開催されました。キックオフ・セミナーには、先方

政府より財務経済副大臣、農業農村開発副大臣、日本側は伊藤在アルバニア大使、小林バルカン事務所所長が挨拶。小規模農家のニー

ズに基づいた金融商品の開発、融資機関のコアバンキングシステム開発等を通じた協力は、現地メディアでも広く報道されました。また、

JCCではプロジェクトのPDM、ワークプランが承認されました。

TV局にインタビューを受けるCMC長官とJICAバルカン事務所小林所長

セミナーでのプレゼンテーションの様子

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ボスニア・ヘルツェゴビナでのボスニア・ヘルツェゴビナでのボスニア・ヘルツェゴビナでのJICAJICAJICA事業事業事業

モスタル市スポーツ協会(以下、SSGM)の業務改善に活かすことを目的として、去る2018年2月18日から24日まで、クロアチア・ザグレブ市

スポーツ協会と、スロベニア・ヴェレニェ市スポーツ協会を訪問し、情報収集や意見交換を行いました。

この研修を通して、事業の公平性かつ透明性をどう確保するかということや、市のスポーツ振興のためのPRや市民へのアプローチ方法など多

くの知見を得ることができました。会議では、ヴェレニェ市副市長より、「今回の訪問をきっかけに、両市の交流がより発展していくことを願ってい

る」との言葉があり、今後はそれぞれの協会同士の連携を強化し、より多くの人々がスポーツを通じて交流し、互いの考えや経験を共有できる

機会を作っていくことの大切さについて確認しました。

プロジェクトは、将来的にSSGMがこういった近隣諸国とのネットワークを通して、EUファンドなどの共同申請を実現させ、その結果、国境を越

えた信頼醸成の一助となることを願っています。

セルビアでのセルビアでのセルビアでのJICAJICAJICA事業事業事業

持続可能な資源開発実現のための空間環境解析と高度金属回収の融合システム研究プロジェクト(持続可能な資源開発実現のための空間環境解析と高度金属回収の融合システム研究プロジェクト(持続可能な資源開発実現のための空間環境解析と高度金属回収の融合システム研究プロジェクト(SATREPS)SATREPS)SATREPS)

3月3日から11日にかけて日本での研修が実施されました。

研修にはプロジェクトのセルビア側の主要なカウンターパート機関である環境省及び鉱業エネルギー省からそれぞれ1名ずつ参加しました。研

修期間中は秋田大学、旧松尾銅山にある中和処理施設、佐賀関精錬所などを回り、日本における環境対策などの現場を視察しました。また

日本人研究者とは、本プロジェクト今後の計画や課題などについて意見交換を行いました。将来的にはプロジェクトの成果がセルビアの社会に

実装されることが期待されています。

ヴェレニェ市スポーツ協会と共に市役所訪問(右から5番目副市長)

モスタル市スポーツ協会能力強化研修 モスタル市スポーツ協会能力強化研修 モスタル市スポーツ協会能力強化研修

ザグレブ市スポーツ協会にて

視察の様子 視察の様子

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コソボでの事業コソボでの事業コソボでの事業

廃棄物管理の全国セミナー 廃棄物管理の全国セミナー 廃棄物管理の全国セミナー

1月下旬、コソボ環境空間計画省において「廃棄物管理の全国

セミナー」が開催されました。同省次官、廃棄物管理部門長、

プリズレン市役所はじめ、約70名が参加した本セミナーは、コソボで

初めて廃棄物管理にかかる政府自治体関係者が一堂に会し、

同国の廃棄物管理を議論する機会となりました。セミナーでは、

各自治体における廃棄物管理にかかる認識調査の結果発表、 技

プロ先行案件の成功例であるプリズレンモデルの紹介と成果共有、

右モデルの普及方法について、環境省及びプリズレン市役所から

発表されました。

その他のトピックその他のトピックその他のトピック

JICA JICA JICA 海外シニアボランテイア活動海外シニアボランテイア活動海外シニアボランテイア活動

私は、親の会が中心に運営して約11年になる障害者就労支援

施設NasaKucaで、主にスタッフの育成・支援の側面からその

運営に携わっています。若者障害者は仕事として主に段ボール

加工、チョコレートやサンドイッチづくり、そして食肉真空パックの

シール貼りなどに毎日精を出していますが、どの若者も元気で

明るく見えます。ブロークンセルビア語でZelim da radim?(仕事

したいか)と私が聞くと、Radim!(やる)と必ず答えが返ってくる

彼等で、心配するのは頑張りすぎて疲れてしまうケースです。

ところで、彼等がキッチンでつくるCoko Sljiva(セルビア産スモモ

を挟んだチョコスィート)やCoko Malina(昨年クリスマス商戦より

の売り出した新商品セルビア産ラズベリー風味のチョコスィート)は

本当に美味しいです!前者はバルカン事務所のドリスの、後者は

小林所長の「いち押し」です。さて、あなたはどっち?ご注文及び

お問い合わせは→[email protected] (ホームページも

ご 覧いただけます)。

塚田としみつ(障碍者支援のシニアボランテイア)

ドライキイチゴのチョコプラリネとプルーンペーストのチョコサンドイッチ

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その他のトピックその他のトピックその他のトピック

バルカン事務所員のおすすめの商品バルカン事務所員のおすすめの商品バルカン事務所員のおすすめの商品

バルカン地域の国民的飲料であるラキアを紹介します。

ラキアは発酵した果実を原料とした蒸留酒で、ぶどう、カリン、洋ナシ、プラムなど

様々な果実から作られています。アルコール度数は40%以上とやや高めですが、さ

わやかな口当たりと、フルーツの香りを楽しむことができます。また、数年間熟成させ

たものは、まろやかで芳醇な香りと味になります。バルカン地域では多くの人々がこの

ラキアを好み、食事やパーティーの際には欠かせないものとなっています。

私は当地に赴任してすぐにラキアの魅力にはまってしまい、今では食後の〆としてラ

キアを飲むのが習慣になっています。お勧めはプラムまたはカリンのラキアです。

ラキアはスーパーなどで市販されており、レストランでも気軽に楽しむことができます。

また、農村部などでは各家庭で自前のラキアを作っている人々も多く、運がよければ

ホームメイドのラキアを楽しむことができるかもしれません。バルカン地域にお越しの

際には、是非ラキアをお楽しみください。

安斎職員

ラキヤ (Photo: kurir.rs)

バルカン事務所員のおすすめの旅行地バルカン事務所員のおすすめの旅行地バルカン事務所員のおすすめの旅行地

アルバニア北部を旅行してきました。ここは自然が豊富なアルバニアの中でも特に険しい山脈と美しい湖で有名な場所、バルボナです。

行き方は、北部の町シュコードラ近くのコマニ湖からフェリーで二時間(一日一便)、若しくはいったん国境を越えてコソボに入り、迂回して再度

入国する方法があります。首都からコソボ国境まで5時間、コソボから目的地まで3時間の道のりです。山からの雪解け水が注ぎ、清流バルボ

ナ川が豊かに流れ、道中は絶景の連続です。

水も空気も美味しいこの場所は、険しい山々に遮られ、長年警察や司法権力の及ばない土地でした。その結果、制定法よりも慣習法が強く、

人々は独自の「掟」に縛られ生きてきました。掟はカヌン(血讐)と呼ばれ、一族の者が殺されたら相手の一族を殺すという復讐法、土地を所

有することや武器を持つことは男性の権利とされ、その権利取得のため、女性が男性になり性別や名前を変えて男性として生きること等が含

まれています。

かつて「現代の鎖国」と呼ばれたアルバニア。閉ざされた国の中で最も孤立した地域の人々の暮らし。他者を寄せつけない、この山脈があった

からなんだ。最近やっと増えた欧米人バックパッカーを眺めつつ、ふと思うのでした。

宇那木所員

北部バルボナの山々 コマニ湖を渡るフェリーからの眺め