KIRIN Investor Day プレゼン資料（キリンビール） · 過去10年新商品で最も売れた本麒麟※は、″ヒット商品番付″や ″18年ヒット商品ランキング″にアルコール類で唯一ランクイン！

2019年3月7日

キリンビール株式会社代表取締役社長

布施孝之

キリンビールの成長戦略～布施改革のこれまでとこれから～

© Kirin Brewery Company, Limited

布施改革のこれまで

© Kirin Brewery Company, Limited 3

キリンビール業績推移

600

650

700

750

800

6,200

6,500

6,800

7,100

7,400

13年 14年 15年 16年 17年 18年

売上高（左軸）

営業利益（右軸）

減収減益

減収減益増収減益

減収増益

減収増益

（億円）

長期にわたる負け戦布施改革（2017.10～）

2015年のキリンビール社長就任時、キリンビールは長期にわたる負け戦の真っ只中にいた。最初は何をやってもうまくいかなかった。


半年間の検討を経て、17年10月から全社を挙げて布施改革を推進

変革プロジェクト(4-9月)

本社事務局と若手メンバー22名でディスカッション

キリンホールディングス・キリン役員とのディスカッション

計3回、膝詰めで密に議論

営業戦略会議(4-9月)

統括本部長・営業企画部長と毎月ディスカッション

労使委員会

労組と定期的に意見交換を実施

支社訪問（7-8月）

営業現場の最前線で働く社員 (延べ900名)とディスカッション

（計40拠点訪問）

営業社員ヒアリング

34名

全社一丸となった布施改革の推進


長期的な「負け戦」

生産部門に「大きな痛み」

「赤字転落」が現実的

危機感

真に「お客様のことを一番考える」組織風土に

判断基準は、常に「お客様」「現場が主役」「本社はサポート」

他責はノーサイド

反省

戦略不在目先ばかりで負のスパイラル

会社都合の判断商品戦略・流通政策の反省

本社と現場の関係

私が訴えてきた変革とは？


絞りの効いたマーケティング戦略

勝負をかけるブランドと戦う場所を絞り込む

現場・本社一体の高速PDCA

一枚岩となってスピードアップ

戦う環境づくりと実行力向上

戦いに集中し実行する

三つの変革の柱

三つの変革を成し遂げ、真に「お客様のことを一番考える会社」に


マーケティングの変革～絞りの効いたマーケティングの実現～

投資するブランドの絞り込み

マーケティング効果最大化

注力ブランドの絞り込み

注力ブランドへの継続投資

ブランド価値向上につながりにくい販促策、エクステンション品の削減

徹底したお客様ニーズ分析

新商品上市・広告投入の厳格化

デジタルマーケティングの活用

広告と連動した店頭づくり


媒体費の経年変化

TV広告出稿ブランド数 2017年 12ブランド → 2018年 8ブランド

2018年「成長ブランド」への投資は全体の約84%を占める

2010年 2013年 2016年 2018年

投資ブランド数 41 30 20 19

上位５ブランドが占める割合

投資するブランドの絞り込み

51% 68% 79% 69%

更なる絞り込み・集中


一番搾り（缶）は前年を大幅に超え、絶好調！

一番搾り（缶）は前年を大幅に超える販売トレンドで推移し、絶好調「おいしさ」に向き合ったTVCMも大好評！

一番搾り（缶）は前年を超えて好調に推移し、ビールカテゴリー市場を牽引！

第1位! アルコール業類

「おいしさ」に向き合ったコミュニケーションも大好評！

出典：CM総合研究所銘柄別CM好感度ランキング2018年9月期 ※データ:インテージ社SRI

CM好感度

CM画像


リニューアル成功で「のどごし」ブランドが再成長

「おいしさ」に磨きをかけた「のどごし<生>」リニューアルで販売数が大きく伸長！

6

8

10

12

14

16

18

20

22

24

3/1

2-

3/2

6-

4/9

-

4/2

3-

5/7

-

5/2

1-

6/4

-

6/1

8-

7/2

-

7/1

6-

7/3

0-

8/1

3-

のどごし<生> 競合A 競合B

(%)

リニューアル

データ：インテージSRI

6月リニューアル

10月リニューアル

19年1月リニューアル

新ジャンル内販売容量シェア(SM/L)


「本麒麟」は2018年を代表する大ヒット商品に！

過去10年新商品で最も売れた本麒麟※は、″ヒット商品番付″や ″18年ヒット商品ランキング″にアルコール類で唯一ランクイン！

過去10年新商品売上ランキング

※データ：発売6ヶ月累計販売本数（キリンビール新ジャンル新商品）

メディアにおける露出

http://www.google.co.jp/url?sa=i&rct=j&q=&esrc=s&source=images&cd=&cad=rja&uact=8&ved=2ahUKEwjxz5vtnZPcAhUX5bwKHX0kDUkQjRx6BAgBEAU&url=http://www.nikkei.co.jp/nikkeiinfo/media/paper/&psig=AOvVaw33yg1AHZzovmhrwvlq4hM1&ust=1531267431193837


なぜうまくいったのか？

「絞りの効いたマーケティング戦略」をベースとして、

① マーケティング部門が最も変わった。「お客様のことを一番考える」ことができるようになってきた。

「上の意見」に左右されず、お客様の声を重視して商品開発に没頭できる環境・体制に転換

「判断基準は常にお客様」の徹底

過去の失敗から学ぶことを徹底

② 会社全体でブランドを育てる体制ができてきた。

マーケティングと営業のコミュニケーションの質の向上

広告宣伝と売り場作り・店頭販促の合致

商品広告店頭


社員の意識改革（対話集会と布施塾）

全11統括本部を対象に、社員と膝詰めで対話集会を実施（延べ22回開催）

将来の基幹人材育成を目的として若手選抜社員を対象とした「布施塾」を開始

経営の結果を出すのは現場 → 「現場が主役」「本社はサポート」

理念・ビジョンを「額縁から出そう！」－社員全員から自然ににじみ出てこそ本物－シンプルで分かりやすいもの＆繰り返し「お客様のことを一番考える」「一番搾りの旗を立てる」「一番搾りを日本のビールの本流に！」


600

650

700

750

800

850

6,400

6,600

6,800

7,000

7,200

7,400

13年 14年 15年 16年 17年 18年

売上高（左軸）

営業利益（右軸）

（億円）

増収増益

好循環を生んだ変革を継続していく


布施改革のこれから長期経営ビジョンと2019年中期経営計画


外部環境変化

54.25円

35円

17年→27年で低アルコール（ビール類+RTD）市場の規模は微減にとどまる。（CAGR▲0.4%）

酒税改定により、ビール（狭義）は伸長するが、ビール類全体は縮小。 RTDは大きく拡大し、クラフトビール・国産洋酒は高成長が継続。

17年 27年 21年

ビール類うちビール RTD

40% 18%

82%

40% 26%

74%

47% 31%

69%

ビール類 RTD クラフト国産洋酒

▲2.1% 4.8% 14.2% 9.3%

◎17年→27年予測CAGR

＊上記データは、いずれもキリンマーケットインサイト室による市場調査結果に基づく推計


27年事業利益目標

収益構造改革

ビール類・RTDシェア拡大

18年のシェアを

維持した場合

18年事業利益

長期経営ビジョン：ゴールと実現シナリオ

現在の収益構造のままビール類・RTDで18年のシェアを維持した場合、 200億円以上の減益

ビール類・RTDのシェアを伸ばし、利益を稼ぎ出す

・高収益商品（クラフト・国産洋酒等）の拡大によるミックス改善・マーケティングROI向上・製造原価削減・固定費削減

809億円

200億円以上

2027年までに

事業利益率＊対酒税抜売上収益 25.0％

トップラインとボトムラインの継続的かつ着実な成長を実現

（対18年 +4.2%）


長期経営ビジョン：ゴール実現に向けた基本戦略

「CSVマインド」を経営の根幹に

① 既存事業領域で勝って伸ばす

② 新たな成長エンジンを育てる

③ 高収益体質に転換する

お客様のことを一番考える会社として『世のため、人のためになること × 儲けること』

何か特別なものではなく、私たちの日々の活動そのものである。


2019年中期経営計画：ゴールと実現シナリオ

2021年事業利益率＊対酒税抜売上収益 22.2％

トップラインとボトムラインの継続的な成長トレンドを確立

809億円

21年事業利益目標

固定費削減

製造原価削減

原材料費・物流費の増加

クラフト・洋酒・ノンアルによるミックス改善

RTDの販売増

ビール類の販売減

18年事業利益

ビール類の販売減を RTD販売増やミックス改善でカバー

原材料費・物流費の増加を製造原価や固定費削減でカバー

（対18年 +1.4%）


負け戦からの脱却（増収増益トレンドの定着）

＜戦略の幹-1＞

既存事業領域における強固なブランド体系の構築


将来への種まき新たな成長エンジンの準備


抜本的な収益構造改革の実行

戦略を実現する強い組織作り

世のため、人のため，お客様のことを一番考える，現場が主役、本社はサポート

2019年中期経営計画：戦略全体像

① 多様な人材一人ひとりが成長と貢献を実感できる仕組み・環境作り ② 従業員の損益に対する意識の向上 ③ 業務生産性向上

事業利益率＊対酒税抜売上収益 22.2％


既存事業領域における強固なブランド体系の構築

新商品頼みではなく、10年後も残す既存ブランドを長期視点で強く、太く、育てる。

・中長期カテゴリー戦略・ブランド育成プランのローリングとバックキャストによる単年度プラン策定

・「成長ブランド」に対し、より投資を集中し、かつ、継続する

・「判断基準はお客様」の徹底

マーケティングの方法論を革新する。

・ターゲットに応じたコミュニケーションの最適化によるリーチと効果の最大化（デジタル活用含む）

・マーケティングと営業の連携の質の更なる向上

未来のためのブランドを育てる“攻め”の３年


新たな成長エンジンの準備

クラフトビールによる高収益ビジネスの実現

「成長ブランド」の絞り込み、体験を通じたブランド育成

タップ・マルシェの拡大による優良かつ圧倒的に競合優位なお客様接点づくり

高収益構造の強化（規模に応じた最適な製造体制の構築、マスに依存しないマーケティング）

クラフトビール事業全体で

・2020年に単年黒字化・2027年に事業利益率＊対酒税込み 27%以上


2021年

ありたい姿

「多様なビールを選んで、多様な楽しみ方ができる」ワクワクするビール文化をキリンが創り出し、時流感のあるお酒としてビールが魅力化されている。

①クラフトビール市場の活性化させ、ビール市場の変化を促進

②自社有力ブランドの育成

③複数の有力クラフトブルワリーとの協働・育成

KIRIN’s CRAFT


ブルックリンブルワリー社との資本提携

世界的な有力クラフトブルワリーのノウハウ・知見を活用していく。


× ×

３Ｌ小型ペットボトル容器選べるアイテム

飲みまわりに適したサイズかつ回収不要な

バラエティー感を愉しめ品質と供給も安定した

取扱いが簡便な

小型多品種ディスペンサー

タップ・マルシェ ~クラフトビールを飲んでもらうために~


タップ・マルシェ ~取扱い料飲店の増加とラインアップ拡充~

タップ・マルシェ取扱店が、21年には25,000店に到達見込み。

商品も７ブルワリー・19銘柄に増え、今後も全国のブルワリーと共にクラフトビールを盛り上げていく。


新たな成長エンジンの準備

国産洋酒の高収益化の実現

中長期的には、「高価格帯（3000円以上）ブランド」主体のポートフォリオにシフトする「プレミアマイズ戦略」と海外展開の促進により、営業利益率30%以上の高収益事業への転換を進めていく。

高価格帯ブランド用の熟成原酒拡充に向け、キリンディスティラリ―社富士御殿場蒸溜所で「製造能力増強」「原酒多様化」のための設備投資を実行する。（投資額約80億円、21年6月稼働開始予定）当面は、限られた原酒をもとに国内での戦略転換を進める。


抜本的な収益構造改革

コスト削減のPDCAを「金額」ベースから「酒税抜売上収益に対する比率」ベースに切り替える。 → トップライン変動に関わらず、収益構造を着実に改善する。 ① 製造原価（削減分）

中計３ヶ年で酒税抜売上収益比率を約0.7%低減させる。

区分取組み施策 2019年 2020年 2021年

商品設計 Xxxxxx XX億円 XX億円 XX億円

Xxxxxxx XX億円 XX億円

原材料調達 Xxxxxxxxx XX億円 XX億円 XX億円

Xxxxxx XX億円 XX億円

新規技術導入 Xxxxxxxx XX億円 XX億円 XX億円

Xxxxxxxxxxx XX億円

製造工程改善 Xxxxx XX億円 XX億円 XX億円

Xxxxxxx XX億円 XX億円

必要削減額を逆算し、施策を積上げ PDCAを回す


抜本的な収益構造改革

② マーケティング費（広告費＋固定販促費）

中計３ヶ年で、酒税抜売上収益比率を約1.3%低減させる。

2016年 2017年 2018年 2019年

マーケティング費 672億円 669億円 621億円 620億円

酒税抜売上収益比 18.0% 18.0% 15.9% 15.6%


今後に向けて

従業員の豊かな人生のため

元気なキリンを次世代に繋ぐため

全員の気持ちを１つにして、

覚悟を決め、

今、ここに変革を進める。

キリンビールの経営トップとして

◎2017年10月布施改革キックオフミーティング

→ 中計３ヶ年でこの変革を本物にする！


ご清聴ありがとうございました。

キリンビールを引き続き、よろしくお願い致します！

Documents

KIRIN Investor Day プレゼン資料（キリンビール） · 過去10年新商品で最も売れた本麒麟※は、″ヒット商品番付″や ″18年ヒット商品ランキング″にアルコール類で唯一ランクイン！