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2019 年 01 ⽉ 31 ⽇ (1) 中央労福協ニュース № 149 EWS LETTER N 中央労福協ニュース 労働者福祉中央協議会(中央労福協) 発⾏⼈ 花井 圭⼦ 〒101-0052 東京都千代⽥区神⽥⼩川町 3-8 中北ビル 5F 03-3259-1287 URL http://www.rofuku.net No . 149 中央労福協は 1 ⽉ 8 ⽇、東京都内 において新年交歓会を開催した。 冒 頭、神 津 ⾥ 季 ⽣ 会 ⻑ は、「全 世 界で富の偏在、格差の拡⼤が顕著と なるなかで、中央労福協に集う皆様 と様々な垣根を越えて連携し、まず ⽇本から状況を反転させていきた い」と抱負を述べた。また、昨年 4 ⽉ に 始 動 し たJCA(⽇ 本 協 同 組 合 連 携 機 構)に 触 れ、「こ う い う 時 代 だからこそ、協同組合同⼠がしっか り⼒を合わせ、良い時代を創ってい くきっかけの年にしていきましょ う」と⼒を込めた。 続いて来賓を代表して、連合・相 原康伸 事務局⻑、⽇弁連・髙橋聖明 副会⻑と今年初めてJA全中・⽐嘉 政浩 専務理事から地域や運動課題に おけるさらなる連携強化へ期待のあ いさつをいただいた。会には加盟団 体をはじめ政党、⾏政、運動団体、 友誼団体、弁護⼠、研究者の⽅々な ど約 180 名にご出席いただいた。 「2019 中央労福協・事業団体 新年交歓会」を開催 労働者福祉中央協議会 神津 ⾥季⽣ 会⻑ ⽇本労働組合総連合会 相原 康伸 事務局⻑ ⽇本弁護⼠連合会 髙橋 聖明 副会⻑ 全国農業協同組合中央会 ⽐嘉 政浩 専務理事 労⾦協会 中江 公⼈ 理事⻑ 全労済 中世古 廣司 理事⻑ ⽇本⽣協連 和⽥ 寿昭 専務理事 ⽇本労信協 度会 章仁 理事⻑ ⽇本再共済連 阿部⽥ 克美 専務理事 ⽇本労協連 古村 伸宏 理事⻑ 全勤旅連合会 ⼭⼝ 栄 理事 医療福祉⽣協連 ⾺場 康彰 常務理事 全国会館協 ⽯井 清貴 事務局⻑ 住宅⽣協連合会 武⼭ 信⼀ 専務理事 ㈱ワークネット 渡邉 由紀⽣ 専務取締役 ㈲勤労者旅⾏会 蛯⾕ 美⼦ 代表取締役社⻑ 全福センター 野寺 康幸 会⻑ 事業団体ご挨拶 和⽥寿昭副会⻑の発声による 乾杯に続き、各事業団体の代表 が登壇し、新年を迎えての抱負 と団体間の連携、事業発展に向 けた決意表明を述べた。

NEWS LETTER No . 149 · 援事業(パーソナル・サポート)や寄り 添い型相談⽀援事業(よりそいホットラ イン)を受託。 その過程において毎⽇の⾷事にこと⽋く

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Page 1: NEWS LETTER No . 149 · 援事業(パーソナル・サポート)や寄り 添い型相談⽀援事業(よりそいホットラ イン)を受託。 その過程において毎⽇の⾷事にこと⽋く

2019 年 01 ⽉ 31 ⽇ (1)中央労福協ニュース № 149

EWS LETTERN 中央労福協ニュース 労働者福祉中央協議会(中央労福協)発⾏⼈  花井 圭⼦

〒101-0052東京都千代⽥区神⽥⼩川町 3-8 中北ビル 5F℡ 03-3259-1287 URL http://www.rofuku.net

No . 149

 中央労福協は 1 ⽉ 8 ⽇、東京都内において新年交歓会を開催した。 冒頭、神津⾥季⽣会⻑は、「全世界で富の偏在、格差の拡⼤が顕著となるなかで、中央労福協に集う皆様と様々な垣根を越えて連携し、まず⽇本から状況を反転させていきたい」と抱負を述べた。また、昨年 4⽉に始動したJCA(⽇本協同組合連携機構)に触れ、「こういう時代だからこそ、協同組合同⼠がしっかり⼒を合わせ、良い時代を創っていくきっかけの年にしていきましょう」と⼒を込めた。 続いて来賓を代表して、連合・相原康伸 事務局⻑、⽇弁連・髙橋聖明 副会⻑と今年初めてJA全中・⽐嘉政浩 専務理事から地域や運動課題におけるさらなる連携強化へ期待のあいさつをいただいた。会には加盟団体をはじめ政党、⾏政、運動団体、友誼団体、弁護⼠、研究者の⽅々など約 180 名にご出席いただいた。

「2019 年 中央労福協・事業団体 新年交歓会」を開催

労働者福祉中央協議会神津 ⾥季⽣ 会⻑

⽇本労働組合総連合会相原 康伸 事務局⻑

⽇本弁護⼠連合会髙橋 聖明 副会⻑

全国農業協同組合中央会⽐嘉 政浩 専務理事

労⾦協会中江 公⼈ 理事⻑

全労済中世古 廣司 理事⻑

⽇本⽣協連和⽥ 寿昭 専務理事

⽇本労信協度会 章仁 理事⻑

⽇本再共済連阿部⽥ 克美 専務理事

⽇本労協連古村 伸宏 理事⻑

全勤旅連合会⼭⼝ 栄 理事

医療福祉⽣協連⾺場 康彰 常務理事

全国会館協⽯井 清貴 事務局⻑

住宅⽣協連合会武⼭ 信⼀ 専務理事

㈱ワークネット渡邉 由紀⽣ 専務取締役

㈲勤労者旅⾏会蛯⾕ 美⼦ 代表取締役社⻑

全福センター野寺 康幸 会⻑

◉ 事業団体ご挨拶 和⽥寿昭副会⻑の発声による乾杯に続き、各事業団体の代表が登壇し、新年を迎えての抱負と団体間の連携、事業発展に向けた決意表明を述べた。

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2019 年 01 ⽉ 31 ⽇(2) 中央労福協ニュース № 149

 南部労福協は 2018 年 12 ⽉ 7〜8⽇、⼤分市「全労済ソレイユ」にて九州・沖縄8県から 45 名の参加を得て「2018 南部労福協リーダーステップ・アップ研修会」を開催した。 今研修会には直近5年間に開催したブロックリーダー養成講座参加者から、各県より労働団体1・ろうきん1・全労済1の⽐率で参加者を募った。 冒頭、中央労福協講師団講師の⼭本幸司⽒を招き、「⼈⼝減少/⼈⽣ 100 年時代の到来、労働組合と協同組合の連携を強化し安⼼の暮しのために労働者⾃主福祉運動の推進を・4団体への期待〜歴史に学び「共助の創造と公助の再構築」新しい時代を切り開こう〜」と題し、基調講演をいただいた。参加者からは「これまである程度の話は聞いていたが、より分かりやすかった」「諸先輩⽅がつくり上げた労働者⾃主福祉運動の重要性を理解し今後も推進をしていく」等の感想があげられた。 その後、分科会を⾏い、労働団体・ろうきん・全労済、各団体に分かれ、テーマ1「他団体に期待する(思う)こと」、テーマ2「他団体の期待に応えるために」について思いを語り合い、全体会議で「各グループ報告まとめ」を⾏った。

 特徴的な意⾒として「労組の新役員等の福祉活動に対する理解不⾜」「若年層組合員への取り組みの強化(教育活動の推進)」「我々は銀⾏ではない保険会社でもない、業者とお客様の関係ではダメだ」「各団体とも⼈材不⾜」「今回の研修内容を職場に持ち帰り論議する」等の積極的な発⾔が出された。 今研修会はブロックとしては初めての試みであったが、「労働者⾃主福祉運動」の重要性を参加者各⾃が再認識することができ、各団体の次世代リーダーの意識向上につながるいい機会となった。

南部ブロックより リーダーステップ・アップ研修会を開催

労働者福祉南部ブロック協議会 佐藤会⻑分科会では率直な意⾒が交わされた=12⽉ 7⽇、⼤分市内

労組役員、ろうきん・全労済職員がお互いに思いを語り合う場を!

労働者福祉南部ブロック協議会 佐藤会⻑

中央労福協講師団 ⼭本 幸司 講師

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2019 年 01 ⽉ 31 ⽇ (3)中央労福協ニュース № 149

●はじめに 2008 年 のリーマンショックを前後するこの時間軸は、格差と貧困の問題など、直⾯する課題は次から次へと切れ⽬なく発⽣し、NHK の特集番組で報道されたり、暮の流⾏語⼤賞にノミネートされるなど、⽇本社会のほころびが顕著となっ

この連載について

助け合い ・支え合いの現場から

 中央労福協では 2018 〜 2019年度活動⽅針、2018 年度活動計画でニュースレターの内容の充実化のひとつとして連載記事の掲載を確認しています。   2018 年 6 ⽉からスタートした本連載企画「助け合い・⽀え合いの現場から」では、地⽅労福協を退任された役員で、現役当時に労福協運動の発展に取り組まれた⽅々からお話を伺います。⽇々⽬まぐるしく変わりゆく社会情勢の中で、「連帯・協同でつくる安⼼・共⽣の福祉社会」の実現に向け、その豊富な経験や運動への思いを語って頂き、労福協運動を次の世代へと伝えていくことをねらいとしています。

新潟県⻑岡市⽣まれ。JP 労組新潟連絡協議会議⻑を経て、2011 年 9 ⽉から 6 年間、新潟県労福協専務理事に就任。厚⽣労働省の委託事業として、⽣活困窮者⾃⽴⽀援事業(パーソナル・サポート)や寄り添い型相談⽀援事業(よりそいホットライン)を受託。その過程において毎⽇の⾷事にこと⽋く相談者への⾷糧⽀援の必要性を感じ、⺠間団体と⼀緒に「フードバンクにいがた」を⽴ち上げ、現在も活動に携わっている。

⼭⽥ 太郎 さん

連 載

ていく時期でもあった。敗戦後の混乱期とは違った意味で「福祉はひとつ」をスローガンに連帯と協同による労働者福祉運動がいま、改めて社会の要請として求められており労福協運動の⼤きな転換期でもあった。そうした中で短い期間ではあったが、貴重な体験として携わった活動について以下、後述することとしたい。

●地域組織の整備と強化 現在、県内に地区労福協は 10 地区あるが、就任当時、地区労福協は数ヵ所しかなく、あっても “開店休業” 状態の地区など活動内容においても温度差があり県労福協との関係も不明確な位置づけであった。詳細は触れないが県福対協時代の経緯や財政の問題などあったようだ。しかし、今⽇の情勢下で地域運動を推進していくうえで運動体としての地区労福協の存在は⽋かせない。この確信のうえに、まず、地域組織の整備に⼒を注いだ。しかし、新しいものを⼿掛ける時には必ずと⾔っていいほど批判や抵抗がつきまとう。新たに地区労福協を設置しようという地域では、“何を今さら、なくても不⾃由はない、今のままで⼗分ではないか、財源はどうするのか、” など、後ろ向きの意⾒があったように記憶している。

●地区労福協運動の柱はライフサポート(LSC)事業 2008 年度から連合地協を軸に LSC を⽴ち上げ、暮らしの何でも相談と地域に顔の⾒える運動を推進してきた。最多で 13 センターの拠点による事業展開の時期もあったが、地域のニーズを引き出せず相談件数や取り組み等、格差が⽣じ予算上の課題もあって、やむなく縮⼩・廃⽌とし現在は 7 センターで活動している。今⽇の社会情勢を反映してか、かなり重度の相談事例が多くなりコーディネーターの精神的負荷も⾼まり、相談対応のレベルアップ研修の充実とメンタルケアが余儀なくされてきた。

●拡がる地域のネットワーク 地区労福協運動の柱として LSC事業を取り組む中で地域の評価も変化してきたように思える。後⽇談ではあるが、⾃治体や福祉団体、NPO・市⺠活動団体にしてみれば労働組合はハードルが⾼く異質なものに映っていたらしいが労福協というネーミングは福祉団体のイメージがあり⾝近に感じられるということである。現在では、後述する⽣活困窮者⽀援事業やよりそいホットライン、フードバンク活動等に⾏政をはじめ地域の様々な機関・団体との有機的な連携を⾒る限り、間違いなく地域運動は前進していると確信できる。

⼀般社団法⼈新潟県労働者福祉協議会 前専務理事

第2弾は新潟県で LSC を軸として⾏政、福祉団体、NPO、市⺠団体などと幅広く連携しながら⽣活困窮者⽀援に精⼒的に取り組まれた新潟県労福協・前専務理事の⼭⽥太郎さんにお話を伺います。

労働者福祉運動を地域から⾒つめ直す〜地区労福協運動の強化とライフサポート(LSC)事業〜

ライフサポートセンター実務者会議(2013 年度)

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2019 年 01 ⽉ 31 ⽇(4) 中央労福協ニュース № 149

産業報国会本部の例にならうかのように︑⽇協同盟東京⽀部にも東京産業報

国会から机︑椅⼦︑⾦庫など⼀万円相当の財産が無償譲渡された︒これらの産

業報国会からの譲渡物資の中には︑当時割当制で⼊⼿困難な新聞⽤紙が含まれ

ており︑機関誌やパンフレット類の発⾏に⼤いに役⽴ったという︒

また︑産業報国会の資産が直接労働組合に渡された事例も埼⽟にある︒戦前

の最盛期には七百もの鋳物⼯場が操業していたキューポラのある街︑川⼝には

産業報国会の会館があった︒敗戦により産業報国会が解散させられたことで︑

その管理権はGHQに移されたが︑その運営は結成されたばかりの埼⽟⾦属労

働組合の井堀繁雄に委ねられた︒戦前からの労働運動家だった井堀は︑戦後直

後の⼀九四五︵昭和⼆⼗年︶⼗⽉に早くも埼⽟⾦属労働組合を⽴ち上げ︑GH

Qに対して産報会館の運営を任せてほしいと折衝を始めている︒

GHQの埼⽟県の責任者であったライアン中佐は︑申し⼊れに来た井堀の率

直な⾔動に好印象を持ったようで︑﹁駐留軍管轄下にある川⼝駅前の旧産報会

館の運営をゆだねる﹂と伝えてきたのであった︒

川⼝市本町四丁⽬⼀九⼆番地︵住居表⽰の変更で現在は四−⼆−三︶にあっ

た産業報国会の川⼝会館は︑昭和三⼗九年に建て替えられたが︑戦後⼀貫して

労働運動︑協同組合運動の拠点となっており︑現在は川⼝友愛センターとなっ

ている︒また井堀は︑埼⽟労⾦の初代理事⻑に就いているが︑池⽥隼⼈⼤蔵⼤

⾂に出した信⽤協同組合埼⽟労働⾦庫︵埼⽟労⾦︶の内認可申請書︵昭和⼆⼗

五年⼗⼆⽉七⽇付︶に記された住所はその場所である︒埼⽟労⾦の本店は︑何と︑

川⼝の元産業報国会会館の場所で開業したのであった︒

昭和⼆⼗七年四⽉にGHQによる⽇本本⼟の占領は終わったが︑それ以降も

井堀を中⼼とする労働組合が管理・運営を続けた︒昭和三⼗年には井堀を中⼼

に設⽴された﹁埼⽟県勤労者⽣活協同組合﹂もこの地でスタートし︑今も営業

を続けている︒

GHQの占領が終った後︑会館の所有権がどのように扱われたのかは不明だ

が︑ともあれ︑産業報国会の財産が︑戦後労働運動や⽣協運動に有効に使われ

ていたことは記憶にとどめておきたいものだ︒この項終り︵⾼橋均︶

 連

載 

41 

二〇一九年一月

 埼⽟労⾦の本店は産業報国会の会館だった

                    

 ⽇本労働者協同組合(ワーカーズコープ)連合会は、失業者の仕事づくりとしてはじまった全国各地の事業団によって、1979年に結成されました。「労働者が主⼈公となる」「よい仕事」などを追求するなか、労働者協同組合に出会い、働く⼀⼈ひとりが出資し、経営に参画し、⾃ら働く=「協同労働」の団体として事業・運動を展開してきました。 病院清掃から地域の介護へ、介護から⽣活⽀援へ、⼦ども⽀援から障がい児⽀援・障がい者就労へと、組合員・利⽤者・地域が主体となり、話し合い、合意形成をしながら、⽬の前の⼀⼈の困った、地域の困りごとの解決を、仕事おこしを通じて挑戦してきました。また⽣活困窮者問題に取り組み、「共にはたらく」実践をとりわけ地域で広げてきました。 現在、地域の住⺠が集い話し合う「みんなのおうち拠点」づくりに取り組み、誰もが共に働ける・暮らせる地域づくりと、「地域未来産業」と称した耕作放棄地・⼭の再⽣や再⽣可能エネルギーづくりを始め、持続可能な地域づくりに取り組んでいます。 「労働者協同組合法」づくりも進み、映画「Workers 被災地に起つ」の全国上映運動を⾏い、協同労働を知らせ、ネットワークに取り組んでいます。

⽇本労協連地域課題に応える協同労働へ

わたしたちの

労働者福祉- 福祉事業団体リレー紹介 -