1
SKGdにおけるイオン交換樹脂による純物ラジウム除去評価 東海学学院 修1 伊藤 恭平 嶋恭司,関洋之(A),池得(A),中野佑樹(A),阪茂樹(A),中村琢(B),内康雄(C) A.ICRR,B.岐学,C.神学 他 SuperKamiokande Collaboration 1. Introduction & Motivation SKGd計画に向けたR&D Super Kamiokande(SK)の純に酸ガドリニウム8和物(Gd 2 (SO 4 ) 3 ) を0.2%添加し、反電ニュートリノの検出効を上げて超新星背景ニュー トリノ(SRN)発を指す「SKGd」のR&Dが進められている. そのR&Dの環として, Gd添加によるラジウム(Ra)などの天然放射性純 によるバックグラウンド増加が問題となっている.そこで我々はウランの崩 壊系である 226 Raに焦点を当て,取り除く事にした. Ra 226 の娘核種 214 Bi(Q =3.27MeV)のβ線 が主なバックグラウンド源となり, SKのエネルギー分解能を考慮すると7MeV付 近まで影響を与えてしまう. よって, 太陽ニュートリノなどの低エネルギー 域に多な影響がある. 新学術「地下素核研究」 第2回 超新星ニュートリノ研究会 @富山商工会議所 2. Ion exchanger Cation type Ra 2+ Gd 3+ Gd 3+ Ra 2+ Gd 3+ Gd 3+ Water Flow 0.60 0.70 mm イオン交換樹脂 般的なきさは0.5mm1.0mm程の 球状のプラスチック. しかし, 通常のプラスチック となり「イオン交換」性質を持っている. ベースとなるイオンが樹脂に混ざって おり, 通させる事によって元々樹脂に含まれていた イオンが中の純物であるイオンと交換される. これを「イオン交換」と呼んでいる. 強酸性イオン交換樹脂 スルホン酸基 (SO 3 H)を交換基として 持つ樹脂. 本実験では”Amber Jet 1020” と呼ばれる樹脂をいて中の純物Raを 取り除く. しかし, 商業で販売されている 樹脂は Gd 2 (SO 4 ) 3 が添加されたからGd 3+ 体を純物として取り除い てしまう. → Gdを取り除かず, Ra除去が可能な新しい樹脂の作成が必要 ! オルガノ社に依頼して, ベースをGdに変えた”Amber Jet 1020 (Gd)” が 新たに制作した. ← 未知のものなので評価する必要がある. 純物 AJ1020 3. How to evaluate AJ1020 (Gd) 樹脂の評価法 約10間寝かせた純を1循環装置で循環させRn濃でRa除去を 評価する. (10間待つ事でRaとRnは放射平衡になる事を.) Exp1. Bypass AJ1020 (Gd) measurement Exp2. 1Pass AJ1020 (Gd) measurement Exp3. Circulating with AJ1020 (Gd) measurement 1m 3 Tank MD 1pass AJ102 0 1 ton/hour XMASS Pure Water 1m 3 Tank MD Circulate for 1day AJ102 0 1 ton/hour 4. Set up for measurement Ra removal system 膜脱気によりRnを除去し,初期に 含まれるRnの影響を抑えている. Measurement system 測定する純(XMASS 1 st stage water)とRn Free airを 気液平衡状態にして活性 炭に濃縮する.そして, 静電捕集法でラドン濃 を測定する. SKでのラドン測定と 同様の段であり, ラドン濃の解析 法なども同じである. Cation Resin Exchange !! 5. Analysis & Results 放射平衡によるRa初期濃の推測 Rnの半減期 T 1/2 =3.824 day Raの半減期 T 1/2 =1600 year Ra/Rnの半減期が常にれて いるため約10間経つと 永続平衡状態となり,放射能のが 同じになり,Rn濃でRa初期濃 を推測できる. 樹脂のRa除去評価 Exp13, 各2回ずつ実験を ったが樹脂を通したが濃 く, AJ1020(Gd)体がRa源 になっている. →樹脂を作るときに使されたGd が汚染されていた可能性がい. また,同条件の1回と2回 の測定では必ずRa濃が 下がっていた. → 季節変動によるRa濃 の減少だと思われる. 10 days after 6. Summary AJ1020(Gd)はRa除去が 出来ていなかった. また,今後の測定で 濃の季節変動を 考慮にれる必要がある. 今後 沢学によるバリウム 共法でのRa除去評価. 商業の樹脂(Htype)で のRa除去評価を試みる. 2.21±0.37[mBq/m 3 ]

srn workshop 0106 - lowbg...トリノ(SRN)発を指す「 SK Gd」のR&Dが進められている. そのR&Dの環として ,Gd添加によるラジウム(Ra)などの天然放射性純

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

  • SK-‐‑‒Gdにおけるイオン交換樹脂による不不純物ラジウム除去評価東海⼤大学⼤大学院 修⼠士1年年 伊藤 恭平

    ⻄西嶋恭司,関⾕谷洋之(A),池⽥田⼀一得(A),中野佑樹(A),⽥田阪茂樹(A),中村琢(B),⽵竹内康雄(C)A.ICRR,B.岐⾩阜⼤大学,C.神⼾戸⼤大学 他 Super-‐‑‒Kamiokande Collaboration

    1.  Introduction  &  Motivationn SK-‐‑‒Gd計画に向けたR&D

    Super  Kamiokande(SK)の純⽔水に硫硫酸ガドリニウム8⽔水和物(Gd2(SO4)3)を0.2%添加し、反電⼦子ニュートリノの検出効率率率を上げて超新星背景ニュートリノ(SRN)発⾒見見を⽬目指す「SK-‐‑‒Gd」のR&Dが進められている.そのR&Dの⼀一環として,  Gd添加によるラジウム(Ra)などの天然放射性不不純物によるバックグラウンド増加が問題となっている.そこで我々はウランの崩壊系列列である226Raに焦点を当て,取り除く事にした.

    Ra226 の娘核種 214Bi(Q𝜷=3.27MeV)のβ線が主なバックグラウンド源となり,SKのエネルギー分解能を考慮すると7MeV付近まで影響を与えてしまう.よって,  太陽ニュートリノなどの低エネルギー領領域に多⼤大な影響がある.

    新学術「地下素核研究」第2回 超新星ニュートリノ研究会

    @富山商工会議所

    2.  Ion  exchanger  -‐‑‒ Cation type  -‐‑‒

    Ra2+

    Gd3+Gd3+

    Ra2+

    Gd3+Gd3+

    Water  Flow

    0.60  〜~ 0.70  mm

    nイオン交換樹脂⼀一般的な⼤大きさは0.5mm〜~1.0mm程度度の球状のプラスチック.  しかし,  通常のプラスチックと異異なり「イオン交換」性質を持っている.

    ベースとなるイオンが樹脂に混ざっており,  通⽔水させる事によって元々樹脂に含まれていたイオンが⽔水中の不不純物であるイオンと交換される.これを「イオン交換」と呼んでいる.

    n強酸性イオン交換樹脂

    スルホン酸基 (-‐‑‒SO3H)を交換基として持つ樹脂.  本実験では”Amber  Jet  1020”と呼ばれる樹脂を⽤用いて⽔水中の不不純物Raを取り除く. しかし,  商業⽤用で販売されている  樹脂は Gd2(SO4)3が添加された⽔水からGd3+⾃自体を不不純物として取り除いてしまう.→ Gdを取り除かず,  Ra除去が可能な新しい樹脂の作成が必要 !オルガノ社に依頼して,  ベースをGdに変えた”Amber  Jet  1020  (Gd)”  が新たに制作した.  ← 未知のものなので評価する必要がある.

    不不純物

    AJ1020

    3.  How  to  evaluate  AJ1020  (Gd)n樹脂の評価⽅方法約10⽇日間寝かせた純⽔水を1⽇日循環装置で循環させRn濃度度でRa除去率率率を  評価する.  (10⽇日間待つ事でRaとRnは放射平衡になる事を利利⽤用.)

    u Exp1.  Bypass AJ1020  (Gd)  measurement

    u Exp2.  1Pass AJ1020  (Gd)  measurement

    u Exp3.  Circulating  with  AJ1020  (Gd)  measurement

    1m3Tank

    MD

    Bypass

    AJ1020

    Flow  rate1  ton/hour

    XMASS  Pure  Water

    1m3Tank

    MD

    1pass

    AJ1020

    1  ton/hour

    XMASS  Pure  Water

    1m3Tank

    MD

    Circulate for 1day

    AJ1020

    1  ton/hour

    4.  Set  up  for  measurement

    n Ra  removal  system

    膜脱気によりRnを除去し,初期に  含まれるRnの影響を抑えている.  

    n Measurement  system測定する純⽔水(XMASS  1st stagewater)とRn  Free  airを気液平衡状態にして活性炭に濃縮する.そして,  静電捕集法でラドン濃度度を測定する.

    SKでのラドン測定と同様の⼿手段であり,    ラドン濃度度の解析  ⽅方法なども同じである.

    Cation Resin

    Exchange  !! 5.  Analysis  &  Resultsn放射平衡によるRa初期濃度度の推測Rnの半減期 T1/2  =3.824  dayRaの半減期 T1/2  =1600  yearRa/Rnの半減期が⾮非常に離離れているため約10⽇日間経つと永続平衡状態となり,放射能の⽐比が同じになり,Rn濃度度でRa初期濃度度を推測できる.

    n樹脂のRa除去評価Exp1〜~3,  各2回ずつ実験を⾏行行ったが樹脂を通した⽅方が濃度度⾼高く,  AJ1020(Gd)⾃自体がRa源になっている.  →樹脂を作るときに使⽤用されたGdが汚染されていた可能性が⾼高い.  また,同条件の1回⽬目と2回⽬目の測定では必ずRa濃度度が下がっていた.→ 季節変動によるRa濃度度の減少だと思われる.

    10  days  after

    6.  SummaryAJ1020(Gd)はRa除去が出来ていなかった.また,今後の測定で濃度度の季節変動を考慮に⼊入れる必要がある.u今後⾦金金沢⼤大学によるバリウム共沈沈法でのRa除去評価.商業⽤用の樹脂(H-‐‑‒type)でのRa除去評価を試みる.

    2.21±0.37[mBq/m3]