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  • 道総研畜試生物工学GH30.5.22

    第57号H3.4月創刊

    ○生物工学G 新体制

    平成30年度は右のようなグループ体制となり、

    研究職員4名、支援職員4名、契約職員1名の総勢

    9名の研究体制です。昨年は技師であった秋山さ

    んが主任に昇格しました。

    今年もよろしくお願いします。

    生物工学G メンバー H30.4.1~

    研究主幹 森安 悟主査 内藤 学研究職員 藤井 貴志研究職員 吉野 仁美専門主任 堀川 盟夫専門主任 櫻井 直樹専門主任 不破 友宏主任 秋山 智香契約職員 長田 麻希

    生物工学グループ 契約職員 長田麻希 おさだまき

    ○生物工学Gに復帰しました!

    3月中頃からまたまた生物工学グループの契約職員として加わりました長田です。約3年ぶりに復帰しました!!が、前回は

    主に器具洗浄をしていたので事務関連がサッパリわからず…皆様には沢山迷惑をおかけする事もあると思いますが、よろしくお願い致します。

    ○祝 藤井研職がJRD Award 受賞!

    当グループの藤井研職が東京農業大学平山教授らと執筆した論文が、2017日本繁殖生物学会優秀論文賞(The JRD Outstanding Paper Award in 2017)を受賞しました!おめでとうございます!詳細は次号(58号)で報告します!

    これからよろしくお願いします。

  • H30年度 生物工学Gの主な研究課題

    ○卵胞発育処理(FGT)による経膣採卵-体外受精(OPU-IVF)由来受精卵の効率的生産(H30-32)ホルモン処理による卵胞の発育処理でOPU由来受精卵の発生率向上を図り、技術の普

    及促進のため簡易化技術を検討します。

    ○タンパク質分解酵素(カテプシン)を制御して凍結受精卵の生存性を向上させる(H30)タンパク質分解酵素を制御し、凍結受精胚の耐凍性向上を図る研究です。職員研究奨

    励事業です。

    ○精漿成分を活用した牛受胎率向上技術の経済効果試算(H28-30)精漿成分を活用した治療による経済効果を試算します。北海道大学との共同研究です。

    ○北海道和牛産地高度化促進事業(ゲノム育種価)(H29-33)北海道単独でゲノム育種価を定期的に算出・活用する体制の構築を目指し、道内牛群

    のリファレンスデータを蓄積します。またモデル地域においてゲノム育種価を活用した繁殖雌牛および種雄牛の早期選抜を実証します。

    ○牛受精卵ゲノム育種選抜実用化に向けた受精卵SNP解析技術の開発(H30)胚盤胞から抽出したDNA試料を用いたゲノム育種価による選抜の可能性を探ります。ジェネティクス北海道からの受託研究です。

    *肉牛Gと連携している課題です(2課題)。

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  • OPU-IVF 実務者技術研修

    昨年12月21日・22日に当場で道内外の獣医師・畜産関係者を対象としたOPU-IVF実務者技術研修を開催しました。

    平成29年12月21,22日に酪農学園大学の今井敬教授を招いて、OPU-IVF実務者

    技術研修を行いました。北海道、東北地方から8名にご参加頂きました。OPUは生

    体から卵子回収した後、実験室で体外受精することで体外受精卵を作成する技術で、

    効率的に良い牛の受精卵を作成できるということで注目されています。海外では主

    流となっている技術ですが、日本では技術的、施設的問題からOPUを行える獣医師

    の数は多くない為、畜産技術協会主催の元、この研修を行いました。

    1日目:講義「OPU-IVFによるウシ胚の生産」、卵子体外受精(IVF)技術実習、

    と畜場由来子宮を用いたOPU技術実習

    2日目:生体を用いたOPU技術実習

    という日程で行いました。

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    1日目の講義では今井教授から基本的なOPU技術についての説明、世界のOPU活

    用状況、今井教授らのOPU-IVF成績等についてご指導頂きました。日本でも黒毛

    和種素牛価格の高騰によりIVF胚移植が増えていることから、今後情報共有して技

    術を高めていく必要があることを感じました。IVF技術実習では一連のIVF手順を吉

    野が実演し、胚生産までの一連の流れを確認しました。と畜場由来子宮を用いた

    OPU技術実習では、主にOPU未経験者を対象に、実際の手の動きや卵巣の保定法

    などを確認しました。

    子宮

    卵巣

    経膣採卵(OPU)

    体外受精(IVF)

  • 2日目には実際に生体を用いてOPUを実施し、顕微鏡での卵子探索までを実習し

    ました。

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    ウシ生体を用いた実習の様子

    平成30年2月26~28日に福島県家畜改良センターで開催された雌雄産み分け技

    術共同試験技術検討会と受精卵移植関連新技術全国会議に参加しました。

    雌雄産み分け技術共同試験技術検討会は各都道府県が自主的に集まり、産み分け

    や胚の凍結保存に関する共同試験を実施しているもので、18道県25人と改良セン

    ター山之内先生が出席して開催されました。北海道は直接移植ガラス化凍結器具の

    試験に参加しており、山形県の開発したYGF-60の結果を報告しました。また今回

    は広島県畜産技術センターが新たに参加し、新しい凍結器具をミサワ医科工業と共

    同で開発中との報告もされました。これはストローに液体窒素を溜めるポケットを

    付けて、YGF-60の弱点である融解時の温度変化を抑える工夫がされており非常に

    興味深い器具です。今後広島県と連絡を取りつつ試用してみたいと考えています。

    受精卵移植関連新技術全国会議はもともと核移植技術の情報を全国で共有するた

    めの会議でしたが核移植技術が廃れた後も受精卵移植関連の多様な情報を共有する

    日本受精卵移植関連合同研究会報告 in 福島

    森安研究主幹が福島県家畜改良センターで開催された雌雄産み分け技術共同試験技術検討会と受精卵移植関連新技術全国会議に参加しました

    受講者は未経験者から日常的にOPU

    を行っている経験者まで様々でしたが、

    生体の他にも、と畜場由来子宮などを活

    用し、全ての受講者にとって有用な実習

    になるようこころがけました。研修は情

    報共有の場ともなり、今後の技術向上や

    協力関係につながるものとなりました。

    (吉野)

  • 場として年に一回福島とつくばで交互に開催されています。この会議でもOPUに関

    して広島県が興味深い発表をしていました。広島県では県内で販売されている和牛

    肉のほとんどが県外産だったことから県庁が主導し県内産牛の増産に着手、特に

    2016年からOPUの事業を開始し、平成29年度は年間1000個の受精卵を県内に

    供給しているとのこと。

    さて以下は余談ですが今回の出張は帰路でアクシデントに見舞われました。当初

    会議終了後翌日の朝便で福島空港から北海道に帰る予定だったのですが、全国的に

    猛威を振るった低気圧のため、まずは福島便が早々に欠航、福島空港から千歳空港

    には1日に1便しか飛んでいないため急遽仙台空港に移動しました。ここで16時台

    の便のチケットが取れたのですが、その搭乗便になるはずの到着機は空港近くで1

    時間近く旋回待機した後羽田にダイバート(行き先変更)。その後もぐだぐだと空

    港で待ち続け、結局全便欠航が決まったのが19時、空港に10時間も待機したあげ

    く追加で仙台に一泊になってしまいました。後から状況を確認すると札幌-新得の

    JRも止まっていたようで、どこで一泊するかの違いだけではあったようですが、無

    為に待つというのはほんとうに疲れるものです。

    冬期の出張は天気に左右されることが多く、これまでも4,5時間の待ちとかは結

    構あったのですがここまで大変なのは初体験でした。まあ北海道に住む以上宿命か

    もしれませんね。 (森安)

    OPUから体外受精、農家への販売、

    移植までの一貫したシステム構築は今

    後の我々のOPU研究の現場応用にも非

    常に参考になるものでした。広島県は

    上記の凍結器具の開発と合わせ精力的

    に試験研究を行っていることから担当

    者とコンタクトを取り広島県畜産技術

    センターを見学させていただく段取り

    を付けることができました。雌雄産み分け技術共同試験技術検討会

    YGF-60実習の様子

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  • 理事長セミナー(丹保理事長最後の講演)

    丹保理事長の退任にあたり、道総研の今後を担う立場にある中堅・若手研究職員を対象に理事長セミナー(理事長からの講演)が3月20日に道総研本部で開催され、当畜産試験場からは中小家畜Gの甲田研究主任と生物工学Gの内藤の2名が理事長セミナーに出席しました。

    はじめに丹保理事長の生い立ちから戦後激動の少年時代を過ごしてきたこと、北海道大学時代に専門分野である衛生工学を専攻することになったいきさつ、これまで様々な要職に就かれて行ってきた業績の数々、および道総研の理事長となってから8年間の軌跡と今後の道総研の研究方向についての期待についてお話されました。北大時代は山スキーばかりやっていたと自嘲気

    味にお話されたのですが、それが85歳になった現在でもお元気であることにつながるのですね?今になって初めて理事長の人となりをいろいろ知ることができました!!

    会議に引き続き、理事長と職員との忌憚のない意見交換ができる交流の場として北大構内レストラン ポプラで交流会が開催されました。私も個別に理事長と話す機会が設けられ、本部

    で一緒に仕事をしていた森安主幹からの挨拶を伝えるとともに、この「ばいてくNews」の愛読者でもいらっしゃった丹保理事長に最後のお礼を申し上げました。なお最後に畜産試験場に期待したいことについ

    ては『北海道の各地にめん羊が放牧されている風景を取り戻せないか?』とのことです・・・

    最後まで畜産のことを気にかけてくださった丹保理事長、お疲れ様でした。今後はごゆっくりお過ごしください。 (内藤)

    交流会参加者

    丹保理事長ご挨拶

    これまで8年間道総研の理事長を務められてきた丹保憲仁理事長が退任されることになり、最後のセミナーが開催されました。

    セミナー開始

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  • TOPICS 2

    編集後記

    H30年度がスタートしました。今年もよろしくお願いします。

    英語でBazlarさんにLAMP法性判別の説明をするのに大変苦戦しました・・・語学力が年々低下していることを感じます。(AN)

    契約職員、清野さんが豊頃に行きました

    契約職員として務めていた清野仁美さんは4月から豊頃町役場に就職となり転出されました。ご実家が新得町ということで、こちらに来る機会がありましたら顔を見せに来て下さい。半年という短期間でしたが、お疲れ様でした。

    清野さん壮行会(前列中央が清野さん)

    TOPICS 1

    バングラディシュからの研修生Bazlarさん

    4月17-27日の約2週間、帯広畜産大学の留学生Bazlarさん(右から3人目:4人目はMareyさん)が当グループに研修に来られました。主な目的はAI後の子宮液を経時的にサンプリングして、その変化を調査することでしたが、それ以外にも採卵や移植に関しても積極的に学ばれていました。9月には母国に帰られるそうです。今後のご活躍をお祈りいたします。

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