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エグゼクティブ・サマリー

ビジネスやテクノロジー、そしてデザインに関する、この先1年の予測をまとめたFjord Trends 2019。現在、私たちはテクノロジー、政治、そして環境の変曲点に立っています。過去20年間テクノロジーやイノベーションが急速に進展したことにより、膨大なフィジカルそしてデジタルの散乱が発生しました。地球資源に対する過剰な需要は、私たちの時間、そして注目に資する要求を写したものとなっています。これを踏まえて、今年のメタテーマを「価値とレリバンスの探求」と定義しました。 デジタルは今、大掃除の時期を迎えています。瞬間的な満足感という観点ではなく長期的な視点から、あらゆる物が私たちの暮らしに価値を提供してくれるか否かを判断すべきタイミングにきています。

本レポートを読んでいただくと、いくつもの根本的な問いを提起していることに気づかれるでしょう。自分の暮らしの中、あるいは世の中的に、そのブランドは存在する価値があるのか?その価値は相互にベネフィットが提供されているのか?地球に負担をかけている以上のことを成し遂げているのか?もしこれらの質問に対する答えが「No」の場合、人々はそれらブランドを無視するか排除するでしょう。ブランドを遠ざけることは、いまや簡単にできてしまうのです。

2019年、成功するかどうかは、個人のみならず世の中に価値を提供できるかどうかに関わってきています。価値提供は、単に大きな企業へと成長することではなく、より良い存在であることにより創出されます。忙しい毎日が繰り返される、混雑したこの地球上においては、レリバントな存在のみが生き残るでしょう。

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騒音にまみれた世界で静けさを追い求める消費者に、メッセージを届けるには。

トレンド1

人々は今、日々浴びせられる無数のコンテンツやメッセージの配信を停止、解除、及び、それらから脱退しています。これはライフスタイルの選択といったレベルの話で収まらず、もはや健康問題へと進展しています。消費者がデジタル技術との間に壁を打ち立て、騒音にまみれた世界において静けさを求める中で、組織はいかにして価値を提供するかを学ばなければなりません。

かつて、消費者は目新しい物や、ワクワク感、そして瞬間的な満足感に喜びを求めましたが、今では大声で注目を集めようとする組織を拒絶しています。従って、大手のテクノ

ロジー企業にとってマインドフルデザイン(配慮したデザイン)は重要な課題になっています。競合他社の商品が数多く存在する環境でお客様に選ばれるには、お客様の幅広いニーズに応える商品をデザインする必要があります。使用時間より長期的な価値を優先するなど、成功の評価基準は変わるでしょう。

お客様にメッセージを過剰に配信して迷惑をかけてしまうことがないように、配信するメッセージを良質に洗練されたものにするべきです。消費者と有意義な関係を長期的に築くためには、配慮及び敬意を第一に考えるべきです。

沈黙は金なり

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最後の藁? ~地球の限界~

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トレンド2

消費者は当たり前のように商品やサービスに対し持続可能性を備えていることを求め、それを約束できない商品やサービスは拒絶される。

地球温暖化、汚染、及び持続可能性に対する私たちの懸念は、文化的な転換を経験しました。これまでは「大きすぎて手に負えない」問題と認識されていましたが、今では個々人の問題と考えられています。

2019年において、環境への懸念を表明するだけでは不十分です。例えば、カリフォルニア州が全米で初めてレストランでのプラスチック製ストローの使用を禁じたように、人々は組織が行動を起こし、環境破壊の防止に対する姿勢を証明することを求めています。持続可能性が商品やサービスの不可分な一部となり、消費者も積極的に参加できるように、「サーキュラーエコノミー」に適したものへと、システムやビジネスモデルを再設計しな

ければなりません。従って、詰め替えや返却などの体験が、購入と同様に素晴らしいものである必要があります。

新たな法案によって、変化が後押しされ、また同時に行動を強く求めるコミュニティのパワーも増大します。新興企業や大手企業が協業することで、イノベーションを起こし、スケールを拡大させることにつながるでしょう。

抜きん出た存在になるためには、ブランドは調達先や与える影響などに関するストーリーを語らなければなりません。組織はゴミからどう価値を抽出するかを考え、また持続可能性を財務成績と同様、価値尺度として捉えるべきです。

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個人データの価値に関して消費者と組織の意見は食い違っており、その溝を埋める鍵は透明性。

トレンド3

組織によるデータの収集及び活用に対する消費者の信頼は揺らいでいます。いまや組織は、データ共有の「対価」をはっきりと指し示すことが求められています。消費者がデータを共有することにより、得られる商品やサービスとどう関係するのかを明確にしなければなりません。お客様にとってのメリットを明らかにし、データを共有することで妥当な価値が得られることを保証しなければなりません。消費者との信頼性及び透明性を得ることで、競争優位に立つことができるでしょう。

今後、商品やサービスに必要なデータのみが収集されるようになるため、「データ・マキ

シマリズム」から「データ・ミニマリズム」へと方向性が変わるでしょう。最小限の有望なデータというのが、プロダクトデザインにおける新たなトレンドになるのです。

アルゴリズムの平等性は今後も最重要課題であり続けます。今後も、あらゆる組織における重要な経営判断においてアルゴリズムに頼ることになるため、アルゴリズムが生むバイアスに対しては、これまで以上に警戒する必要があります。公的な透明性だけでは不十分で、データソースがもつ潜在的なバイアスを調査するためには、AIの「ブラックボックス」をこじ開けるツールが必要になります。

データ・ミニマリズム

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縁石の先に

トレンド4

リアルタイムのニーズを満たすエコシステムで、都市交通の混雑に打ち勝つ。

公共交通と私的な輸送、旅客輸送と貨物輸送といった境界線が曖昧になる中、不十分な規制や中央政府による計画の欠如により、断片的なユーザーエクスペリエンスの、過多の都市サービスが生まれ、交通環境は混乱状態に陥りました。

モビリティサービスは統合が始まり、リアルタイムなニーズに基づく、一つの首尾一貫したエコシステムを構築することで、より機敏なものになるでしょう。また、それぞれの都市エコシステムにおいて、鮮明さを求め、都市交通を支配しようとする競争が起きるでしょう。

複合一貫輸送や共同一貫輸送のサービスやプラットフォームは、輸送計画ツールとともに、あたり前のものになります。あらゆるオプションの利用を含めて定額制になることが予想される課金体系とともに、多様な交通手段も一つに統合されるでしょう。そして新しい都市データやパートナーシップによって、既存の交通システムや新しい施策が混じり合うモビリティの未来が形作られるでしょう。

モビリティに関する多くのニーズはまだ満たされていないため、適切なパートナーと組むことで、だれでもその可能性を解き放つ可能性を持っています。有効なエコシステムの構築に必要なクリティカルマスに達するためには、コラボレーションが必要不可欠です。

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包括性に潜む矛盾

トレンド5

デモグラ(人口動態)からマインドセット(考え方)へ移行する。

人々は組織から一個人として認識され、接せられることを期待しています。しかしながら、すべての人を受け入れようとすると、不意に一部の人を排除してしまうリスクがあります。

これまで主流メディアから無視されてきた少数派は、デジタルの力によって団結し、草の根活動を通じて声を発する術を手に入れました。また、これらの少数派とつながることを望んでいた組織にもその機会が訪れました。しかし、データとしてピックアップできない意見や、従来的な均質のグループにまとめられない人々の意見はどうでしょう?効果的に意見を取り込んでいくには、組織は自分たちが話している相手を、良く理解する必要があります。

多くの組織が未だに定量的な洞察(とそれがもたらす仮定)に基づいて商品やサービスを設計・開発し、大量生産しています。いつの日か、AIによって個人の詳細データを活用した真のパーソナライゼーションが実現されれば、究極的には包括性に潜む矛盾は解決されるでしょう。その日が訪れるまでは、組織は古臭いセグメンテーションから、有意義なマインドセットへとアプローチを進化させる必要があります。

定量的な洞察だけでは全体像をつかむことができず、部分的なニーズに対応して問題を解決しない組織に対して、消費者は寛容ではなくなっています。多くの組織が統計的なモデルでは限界があることに気づき、包括性の実現に役立つモデルへと切り替えるでしょう。

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空間を設計する上でのアプローチやツールを再考する時が到来。

トレンド6

まず、デジタルにより、私たちはスクリーンに注目するようになりました。その後フィジカルが反撃しました。その双方により、私たちのフィジカルな空間への期待は劇的に変わりました。まず小売で、次いでオフィス環境で変化が起こり、そして、あらゆる場へと拡がっていくでしょう。

2019年、デジタルとフィジカルの結びつきはさらに進みます。小売やオフィス環境から始まった変化の波は、工業的なものから流動的なものまで含めた、あらゆる空間に影響を与えます。

組織は顧客のオンライン上の行動をもとにオフラインの体験を再形成します。そして、逆

もまた然りです。今後はそれが、デジタルチャネルや、店舗、サプライチェーン、又はコミュニティまで含めた、統合的なエコシステム全般が再設計さます。デジタル及びフィジカルチャネルの双方を網羅したテクノロジー提携のあり方を模索する必要があります。そして近い将来、固定及び可動式スペース、ビジネスやアートに注力したスペース、及び公共又は個人所有のスペースといった、違いを分けて考えることは困難になることでしょう。

オフィス環境や小売スペースに投資しない、又はフィジカルな環境における差別化を重視しない組織は、それらに投資し、それらを重視する組織に市場シェアを譲ることになります。

空間の探求

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合成現実

トレンド7

合成現実が解き放つクリエイティブな可能性を利用する。

新たな種類の「現実」が登場しました。仮想・拡張現実及び複合現実により「真実」の境界線は曖昧になり、それをどう評価するか我々は試されています。2019年、合成現実という新たな「現実」がより一般的になるにつれ、企業はそれに伴うドラマや恐怖の先を見据え、クリエイティブな可能性を引き出すための新たな作戦を立てる必要があります。

潜在的なリスクを警戒する必要はありますが、エンターテインメント、健康、モビリティ、芸術やデザインなど、幅広い分野における合成現実の可能性を期待することができます。

真正性と真実性のつながりが切れることから恐怖が生じます。これはもっともな懸念ですが、合成メディアの出現は、フォトショップやCGI(実写とCGの合成)と同じ道をたどっているにすぎません。フォトショップもCGIもはじめは恐れられ、その後慣れ親しみ、そして受け入れられました。多くの質問や懸念事項に適切に応えていくことで、合成現実も同様に受け入れられるでしょう。

シミュレーションは研究開発の現場でより役に立つ存在になり、人々やAIシステムへ新しい学習法を提供します。合成現実は、私たちがリアルな世界でより自分を磨く手助けとなるでしょう。

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フィヨルドは、2013年にアクセンチュア・インタラクティブの傘下に入り、デザインとイノベーションのコンサルティング業務を行っています。フィヨルドが目指すものは、人々が魅力を感じる、有益で効率的な、価値のあるデジタルサービスの構築です。デザインの力を駆使し、世界の一流企業とともに、複雑なシステムをシンプルで洗練されたものへと変える取り組みを行っています。2001年に設立、現在は、世界28カ所にスタジオを構え(アトランタ、イスタンブール、オークランド、オースティン、コペンハーゲン、サンパウロ、サンフランシスコ、シアトル、シカゴ、シドニー、シンガポール、ストックホルム、ダブリン、チューリッヒ、ドバイ、トロント、ニューヨーク、パリ、ヘルシンキ、ベルリン、香港、マドリッド、ミラノ、メルボルン、ヨハネスブルク、ロサンゼルス、ロンドン、ワシントンDC)、1,000人以上の多様なデザインの専門家を擁しています。

フィヨルドの詳細は、www.fjordnet.comをご覧ください。

アクセンチュア インタラクティブは、顧客体験を起点とした変革支援サービスを世界有数のブランド企業に提供しています。デザイン、マーケティング、コンテンツ、コマースに関する専門性を組み合わせることで、体験価値を高める新たな手法を生み出し、企業を成功に導きます。アクセンチュア インタラクティブは、Ad Age誌が発行する最新のAgency Reportで世界最大のデジタル・エージェンシーであると評価されています。

詳細についてはhttps://www.accenture.com/jp-ja/interactive-indexをご参照ください。

アクセンチュアは「ストラテジー」「コンサルティング」「デジタル」「テクノロジー」「オペレーションズ」の5つの領域で幅広いサービスとソリューションを提供する世界最大級の総合コンサルティング企業です。世界最大の規模を誇るデリバリーネットワークに裏打ちされた、40を超す業界とあらゆる業務に対応可能な豊富な経験と専門スキルなどの強みを生かし、ビジネスとテクノロジーを融合させて、お客様のハイパフォーマンス実現と、持続可能な価値創出を支援しています。世界120カ国以上のお客様にサービスを提供する46万9,000人の社員が、イノベーションの創出と世界中の人々のより豊かな生活の実現に取り組んでいます。

アクセンチュアの詳細はwww.accenture.comを、アクセンチュア株式会社の詳細はwww.accenture.com/jpをご覧ください。

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お問い合わせ先

アクセンチュア株式会社〒107-8672東京都港区赤坂1-8-1赤坂インターシティAIR

Tel: 03-3588-3000(代)Fax: 03-3588-3001(代)Mail: [email protected]

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