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パレオパラドキシアは、今からおよそ1,500万年 前(新生代第三紀中新世)に日本と北アメリカ西海岸 の海辺で生息していた哺乳類です。 円柱を束ねたような奥歯(臼歯)、厚い板状の胸骨 など風変わりな歯や骨を持っていて、古生物学的に 不明な部分が多く、世界の奇獣とも呼ばれています。 骨格模型は、海を泳ぐ姿勢で復元してあります。 おがの化石館から見える「ようばけ」と同じ 地層が分布する般若地内から、パレオパラ ドキシアの化石が発見されました。 埼玉の奇獣パレオパラドキシアとは 埼玉の奇獣パレオパラドキシアを探る FOSSIL MUSEUM OF OGANO ■県指定天然記念物「犬木の不整合」とは 秩父盆地ができはじめたころを物語るこの露頭は、幅約25m、 高さ約20mあり、三山地内を流れる赤平川左岸に面した崖に あります。 不整合とは、海底に堆積した地層が地核変動により陸上に 隆起し、浸食などにより再び海面下に沈降し、その沈降した部分 に新しい地層が堆積したことをいいます。これにより地殻変動 の変遷などがわかります。 犬木の不整合は秩父盆地を構成 する第三紀層(約1,500万年前)と 白亜紀(約1億年前)の地層が重な っており、数千万年以上の時の隔た りを記録し、秩父盆地の成り立ちを 知る重要な手がかりです。 ※犬木の不整合まで、おがの化石館から8.5kmです。 奈倉地内を流れる赤平川右岸に白い岩肌を見せている 大きな崖があり、この崖を「ようばけ」と呼んでいます。 この「はけ」とは、崖のことで陽(日)のあたる様子から 名付けられたと伝えられています。高さ約100m、幅約 400mに及ぶ、今から約1,500万年前に堆積した地層の 大露頭です。宮沢賢治も調査に訪れたといわれています。 第三紀層と呼ばれる「ようばけ」の地層からは、その時代に生息していたクジラやサメ、 カニ、貝類などの貴重な化石が数多く発見されています。 また、同じ地層が分布する般若地内からは、大型哺乳類の 「パレオパラドキシア」の化石が昭和56年に発見されたほか、 大型魚類の新種として平成6年11月に命名された「チチブ サワラ」も同じ地層から発見されており注目されています。 ※チチブサワラは昭和58年3月に発見、平成6年11月に新種として命名・ 発表されました。 ■県指定天然記念物「ようばけ」とは

FOSSIL MUSEUM OF OGANOパレオパラドキシアは、今からおよそ1,500万年 前(新生代第三紀中新世)に日本と北アメリカ西海岸 の海辺で生息していた哺乳類です。

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Page 1: FOSSIL MUSEUM OF OGANOパレオパラドキシアは、今からおよそ1,500万年 前(新生代第三紀中新世)に日本と北アメリカ西海岸 の海辺で生息していた哺乳類です。

 パレオパラドキシアは、今からおよそ1,500万年前(新生代第三紀中新世)に日本と北アメリカ西海岸の海辺で生息していた哺乳類です。 円柱を束ねたような奥歯(臼歯)、厚い板状の胸骨など風変わりな歯や骨を持っていて、古生物学的に不明な部分が多く、世界の奇獣とも呼ばれています。 骨格模型は、海を泳ぐ姿勢で復元してあります。 おがの化石館から見える「ようばけ」と同じ地層が分布する般若地内から、パレオパラドキシアの化石が発見されました。

埼玉の奇獣パレオパラドキシアとは

埼玉の奇獣パレオパラドキシアを探る

F O S S I L M U S E U M O F O G A N O

■県指定天然記念物「犬木の不整合」とは 秩父盆地ができはじめたころを物語るこの露頭は、幅約25m、高さ約20mあり、三山地内を流れる赤平川左岸に面した崖にあります。 不整合とは、海底に堆積した地層が地核変動により陸上に隆起し、浸食などにより再び海面下に沈降し、その沈降した部分に新しい地層が堆積したことをいいます。これにより地殻変動の変遷などがわかります。 犬木の不整合は秩父盆地を構成する第三紀層(約1,500万年前)と白亜紀(約1億年前)の地層が重なっており、数千万年以上の時の隔たりを記録し、秩父盆地の成り立ちを知る重要な手がかりです。※犬木の不整合まで、おがの化石館から8.5kmです。

 奈倉地内を流れる赤平川右岸に白い岩肌を見せている大きな崖があり、この崖を「ようばけ」と呼んでいます。 この「はけ」とは、崖のことで陽(日)のあたる様子から名付けられたと伝えられています。高さ約100m、幅約400mに及ぶ、今から約1,500万年前に堆積した地層の大露頭です。宮沢賢治も調査に訪れたといわれています。 第三紀層と呼ばれる「ようばけ」の地層からは、その時代に生息していたクジラやサメ、

カニ、貝類などの貴重な化石が数多く発見されています。また、同じ地層が分布する般若地内からは、大型哺乳類の「パレオパラドキシア」の化石が昭和56年に発見されたほか、大型魚類の新種として平成6年11月に命名された「チチブサワラ」も同じ地層から発見されており注目されています。※チチブサワラは昭和58年3月に発見、平成6年11月に新種として命名・発表されました。

■県指定天然記念物「ようばけ」とは

Page 2: FOSSIL MUSEUM OF OGANOパレオパラドキシアは、今からおよそ1,500万年 前(新生代第三紀中新世)に日本と北アメリカ西海岸 の海辺で生息していた哺乳類です。

おがの化石館は埼玉の奇獣「パレオパラドキシア」の化石をはじめとする、小鹿野を中心とした化石から日本、世界の化石が展示されています。化石の学習・研究にご利用ください。

研修室B

物置

物置

女子便所

男子便所

事務所

地質年代を学ぼうパレオ

パラドキシア骨格復元模型

玄関

般若産パレオパラドキシア化石(複製)

おがの町の化石

ようばけ

研修室A

1階展示場

双眼鏡

日本と世界の化石

日本と世界の化石

日本と世界の化石

日本と世界の化石モササウルス

(海トカゲ竜)復元模型

収蔵庫

2階展示場

秩父地方の化石

埼玉の奇獣パレオパラドキシアを探る

F O S S I L M U S E U M O F O G A N O

おがの化石館埼玉の奇獣パレオパラドキシアを探る 〒368-0101 埼玉県秩父郡小鹿野町下小鹿野453

TEL.0494-75-4179(おがの化石館)

TEL.0494-79-1100(小鹿野町おもてなし課)

火曜日・12月29日~1月3日※但し、国民の祝日にあたる場合はその翌日

休 館 日

大人 300円子供(小中学生) 200円20名以上(団体) 2割引研修室(20名程度)も有料で利用可能

入 館 料

9:00~17:00(入館は16:30まで)開館時間

至志賀坂峠

「犬木の不整合」 看板

おがの化石館への交通

吉田方面からは見えない(      )

パレオパラドキシア模型 至秩父

至秩父

●小鹿野町役場

●コンビニ

コンビニ●●

信濃石

コンビニ泉田

三島

秩父七福神毘沙門天鳳林寺

GS●

泉田会館(集会所)●

●●

至秩父市吉田至秩父市吉田

国道299号赤平川

県道283号線

●そば屋

●そば屋

●コンビニ

至両神

県道

37号

徳蔵院前

おがの化石館

ようばけ

般若の丘公園

犬木の不整合

P

P

「おがの化石館」「ようばけ」看板

ようばけ付近は落石の危険性があるため近づかないで下さい。

国道299号線、秩父方面から来て「泉田信号」を秩父市吉田方面に右折し、最初の信号(角におがの化石館0.7kmようばけ1.1kmの看板有)を右折して0.7km先。

西武秩父駅から小鹿野行のバスに乗車、「泉田」で下車し、地図に沿って徒歩約20分。

埼玉県立自然の博物館埼玉の自然とその生い立ちを探る

〒369-1305 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1417-1TEL:0494-66-0404(総務)0407(学芸)

荒川

●埼玉県立自然の博物館

至熊谷

国道140号長瀞駅

秩父鉄道

▲宝登山

秩父鉄道上長瀞駅より徒歩5分

白い

大鳥居

上長瀞駅

花園I.C関越自動車道

ロープウェイ 岩畳

埼玉県立自然の博物館への交通 [開館時間]9:00~16:30

(入館は16:00まで)※但し、7月・8月は17:00 (入館は16:30まで)

[休 館 日]月曜日12月29日~1月3日※但し、祝祭日・振替休日、 5月1日・2日、7月・8月の 月曜日は開館

小鹿野町とその周辺の化石を展示玄関を入るとパレオパラドキシアの骨格標本模型や、出土したときの様子などを再現した模型がお客様を迎えます。小鹿野町で出土した化石を中心に、秩父地方の化石などを展示しているほか、世界の化石の中でも特に希少な化石の展示も。ジオパークや宮沢賢治に関する資料も展示しています。

日本と世界の古生代から新生代の化石を展示モササウルス(海トカゲ竜)の復元模型をはじめ、三葉虫やアンモナイト、貝やカニ、魚、植物にいたるまでさまざまな化石を展示しています。古生代から新生代にいたるまで、今日私たちの知るさまざまな種類の化石を見ることができます。

1階展示場

2階展示場