16
IIBC ENGLISH CAFÉ を 福岡市で開催 p15 August 2020 Vol.141 特 集 場所と時間を問わずに活用できる IIBCのオンラインプログラム p2 TOEIC ® Program IP テスト(オンライン) p6 TOEIC ® Listening & Reading 公式eラーニング 英語がもたらした 私のターニングポイント p12 雅楽師 東儀 秀樹さん English Frontline 英語対応可能なスタイリストを育成し 外国人旅行者のニーズに応える p14 English Cup 2020を開催 p10 2020 年 8 月発行

IIBC NEWSLETTER vol...IIBC NEWSLETTER Vol.141 August 2020 3図表1:IPテストの新しい受験方式の追加について Unit Name of each part パート名 問題数 リスニングセクション(約25分間)

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

IIBC ENGLISH CAFÉ を 福岡市で開催 p15

August 2020 Vol.141

特 集場所と時間を問わずに活用できる IIBCのオンラインプログラムp2 TOEIC® Program IP テスト(オンライン)p6 TOEIC® Listening & Reading 公式eラーニング

英語がもたらした 私のターニングポイントp12 雅楽師 東儀 秀樹さん

English Frontline 英語対応可能なスタイリストを育成し 外国人旅行者のニーズに応える p14

「English Cup 2020」 を開催 p10

2020 年 8 月発行

時代に合った新たな取り組みを開始

IIBCはこれまで、TOEIC® Programを活用する企業・団体・学校などの声に耳を傾け、様々な改善を行ってきました。例えば、2001年には「英語学習初・中級者の英語力を正確に測ることができるテストがほしい」という要望に応え、TOEIC Bridge® Testを開始。07年には、「ビジネスの現場で必要とされている、話す力や書く力を測るテストがあれば……」というニーズに対応して、TOEIC® S&Wをスタートさせました。

TOEIC® L&Rに加え、TOEIC® S&Wも実施していることは、現在、英語教育で「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能をバランスよく育成し始めている、学校教育の現場においても適応しています。

また近年、多くの企業・団体が、働き方改革などを背景とする在宅勤務やシフト制勤務を推進する中、IPテストにおいてもより柔軟に試験運営ができる仕組み作りや、業務時間内での研修時間の短縮といったことを求める声が高まっています。

IIBCはこれらのニーズに応え、TOEIC® Programを制作している米国の非営利団体Educational Testing Service(以下、ETS)が新たに開発した、時間と場所を選ばずテストが実施できるIPテスト(オンライン)を、2020年4月より開始しました。

IPテスト(オンライン)は、TOEIC® Programにある4つのテスト(p3、図表1参照)において、企業・団体・学校などが、実施日時を任意に設定することができ、受験者はインターネット上で場所を選ばず、1名より受験することが可能な制度です。特にTOEIC® L&Rのテスト時間に関しては、従来のマークシート方式が約2時間であるのに対し、オンラインでは約1時間に短縮しています(p3、図表1参照)。

これによって、「在宅勤務の社員が増え、社内で受験するのが難しい」「テストを実施するための会場が確保できない」「約2時間のテスト時間を確保するのが困難」といった課題を抱えている、企業・団体などのニーズに応えることができるようになりました。「生徒や学生の受験機会をもっと増やしたい」と考えている学校にとっても、オンラインがあれば、より手軽にテストを実施することが可能です。

2 IIBC NEWSLETTER Vol.141 August 2020

IPテスト(オンライン)の出題例

IPテストは団体特別受験制度(IP:Institutional Program)、TOEIC® L&RはTOEIC® Listening & Reading Test、TOEIC® S&WはTOEIC® Speaking & Writing Tests、TOEIC Bridge® L&RはTOEIC Bridge® Listening & Reading Tests、TOEIC Bridge® S&WはTOEIC Bridge® Speaking & Writing Testsの略称

場所と時間を問わずに活用できるIIBCのオンラインプログラム

働き方改革などを背景に、企業・団体が在宅勤務やシフト制勤務などを推進する中、TOEIC® Program IPテスト※ においても、より柔軟な試験運営や、団体担当者の負担軽減などが求められています。IIBCはそれらの要望に応え、インターネットを使用できる環境であれば、受験者の好きな時間・場所で受験できる「IPテスト(オンライン)」を、2020年4月よりスタートしました。また、受講者の都合がいいタイミングで利用できるeラーニングのニーズが高まる中、企業・団体・学校などに対し、

「TOEIC® Listening & Reading 公式eラーニング」のサービスを、2019年4月より提供しています。本特集では、時間や場所を問わずに活用できる、IIBCが提供するオンラインプログラムを紹介します。※企業・学校などの団体単位でテストが実施できる制度

特 集

TOEIC® Program IPテスト(オンライン)

IIBC NEWSLETTER Vol.141 August 2020 3

図表1:IPテストの新しい受験方式の追加について

Unit Name of each part パート名 問題数リスニングセクション(約25分間)

Unit One

Photographs 写真描写問題 3Question-Response 応答問題 4Conversations(with and without a visual image) 会話問題 9Talks(with and without a visual image) 説明文問題 9

Unit TwoQuestion-Response 応答問題 5Conversations(with and without a visual image) 会話問題 9Talks(with and without a visual image) 説明文問題 6

リーディングセクション(37分間)

Unit OneIncomplete Sentences 短文穴埋め問題 5Text Completion 長文穴埋め問題 4Reading Comprehension 読解問題 16

Unit TwoIncomplete Sentences 短文穴埋め問題 7Text Completion 長文穴埋め問題 4Reading Comprehension 読解問題 9

図表2:TOEIC® L&R IPテスト(オンライン)の問題形式(約1時間での実施)

テスト名称(略称) 従来の受験方式  2020年4月以降の受験方式

TOEIC® L&R マークシート方式(約2時間)

マークシート方式(約2時間)、または、

オンライン(約1時間)

TOEIC® S&WモバイルPC /

テストセンター実施(約80分)

モバイルPC/テストセンター実施(約80分)、または、

オンライン(約80分)

TOEIC Bridge® L&R マークシート方式(約1時間)

マークシート方式(約1時間)、または、

オンライン(約1時間)

TOEIC Bridge® S&W 実施なし オンライン(約52分)

図表3:TOEIC® L&R IPテスト(オンライン)の出題の流れ

全受験者に、同じ問題を25問出題

コンピューターが受験者の解答の正誤を、リアルタイムに把握

Unit Oneの正誤度合に応じて、受験者ごとに異なる問題を20問出題

結果をパソコン上ですぐに確認

1 2 43Unit TwoUnit One

CATの導入でテスト時間の短縮を実現

TOEIC® L&R IPテスト(オンライン)におけるテスト時間の短縮は、CAT(Computer Adaptive Testing)の仕組みを導入することで実現しました。

CATとは、コンピューターを用いることで、受験者の能力に合わせて、出題する問題を変えていく、適応型テストシステムのことをいいます。

コンピューターを用いて実施するTOEIC® L&R IPテスト(オンライン)では、受験者の解答の正誤をリアルタイムに把握することができ、受験者ごとに出題を変えることが可能です。このシステムにより、多様なレベルの英語力を正確に測るため、様々な難易度の問題(リスニングセクション、リーディングセクションともに100問ずつ、計200問)を出題する従来のマークシート方式より、テスト時間を大幅に短縮することができるようになりました。

具体的な内容を見ると、TOEIC® L&R IPテスト(オンライン)は、リスニングセクション、リーディングセクションともに、Unit OneとUnit Twoの2ステージに分かれており、まずUnit Oneにおいて、全受験者に同じ問題を25問出題します。Unit Twoでは、Unit Oneでの正誤度合いに応じて、受験者ごとに異なる問題を20問出題。例えば、Unit Oneで初級レベルと判定された受験者に対しては、初・中級の問題を多く出題することで、全体の問題数を大幅に減らしています(p3、図表2・3参照)。

評価やスコアの意味合いは同じ

TOEIC® L&R IPテスト(オンライン)の結果は、受験終了後にパソコンの画面上ですぐに確認することができます※。紙のスコアレポートは発行されませんが、後日オンライン上にPDFファイルで結果が表示されますので、ダウンロードして、パソ

4 IIBC NEWSLETTER Vol.141 August 2020

英語研修の効果測定の手段として、今後も積極的に活用していきたい

東芝ビジネスエキスパート株式会社 関 清香氏

IPテスト(オンライン)を なぜ導入されたのでしょうか。Q

当初は約400名を対象に、従来通りマークシート方式でのTOEIC® L&R IPテストの実施を予定していました。しかし新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて、IPテスト(オンライン)に変更することにしました。当社では自己学習をベースとした英語研修を実施しており、その効果測定の手段として活用しました。

実際に利用された感想を教えてください。Q今回はオンラインでの実施に急遽変更することになりま

したが、IIBCの営業担当の方が迅速丁寧にサポートしてくださったこともあり、目立ったトラブルもなく、無事実施することができました。受験者からも「オンラインのほうが集中できる」「特に不自由を感じることなく受験できた」

「マークシート方式とは異なり、書き消しの作業がないので良い」など、前向きな感想が寄せられました。

従来型のIPテストと、IPテスト(オンライン)との使い分けは、今後どのように考えていますか。Q

IPテスト(オンライン)は、自己学習型英語研修の効果測定の手段として、今後も積極的に活用していきたいと考えています。受験期間を一定期間設けられること、場所や時間に縛られず、各受験者の都合に合わせテストを実施できることが最大のメリットです。

受験環境の整備が受験者自身に委ねられるため、客観性や平等性の保持といった点では、少し不安が残ってしまう面もありますが、従来型のIPテストとオンラインを、目的別に使い分けしていけば、大きな問題にはならないと考えています。

新型コロナウイルス感染症の影響によって、環境が大きく変化している状況下だからこそ、従業員の学びを支援していくことが重要です。その学びの機会を、時代に合わせた新しいスタイルで提供していくことが私たちの使命だと考えています。

TOEIC® L&RはTOEIC® Listening & Reading Test、TOEIC® S&WはTOEIC® Speaking & Writing Tests、TOEIC Bridge® S&WはTOEIC Bridge® Speaking & Writing Tests 、IPテストは団体特別受験制度

(IP:Institutional Program)の略称

導入事例 ①

特 集

コンに保存したり印刷したりすることが可能です。また、評価やスコアの意味合いは、公開テストや従来のIPテ

ストと同様で、スコアが同じであれば、英語力も同等です。ただし、公開テストの場合はIIBCが試験を運営・管理しているのに対し、IPテストでは実施団体に管理が委ねられており、加えてIPテスト(オンライン)においては利便性を重視していることから、在宅などでの受験も可能なため、試験官の管理下にない場合もあります。そのためIPテストおよびIPテスト(オンライン)では、Official Score Certificate(公式認定証)は発行されません。

公開テスト、IPテスト、IPテスト(オンライン)は、管理体制、試験日や受験場所、テスト結果の通知方法や公式認定証の発行の有無などに、それぞれ違いがあります。その違いを踏まえた上で、例えば、従業員や学生の皆さんの自己啓発や学習効果の測定を目的とする場合はオンラインを利用、昇進昇格や海外勤務選抜のために英語力を確認したい場合は、マークシート方式

を利用するというように、それぞれの目的に応じて、効果的に活用することを推奨しています。

IIBC NEWSLETTER Vol.141 August 2020 5

従来のIPテストと比べ、事務局側の負担が大きく軽減される

株式会社日立ハイテクサポート 内嶋 玲菜氏

IPテスト(オンライン)を導入した理由を教えてください。Q

当社では、新型コロナウイルス感染症拡大の防止を目的に、全社的に在宅勤務となりました。そこで従業員が自宅からでも受験ができるように、IPテスト(オンライン)を実施しました。

実際に利用してみて、いかがでしたか?Q従来のIPテストと比べると、事務局側の負担が大きく軽

減されると感じました。マークシート方式の場合、①会場のセッティング、②問題・解答用紙の枚数の確認、③当日の受験者受付、④試験終了後の解答用紙の確認、⑤会場の回復、などにかなりの労力を要しますが、こうした負担がないというのは「ありがたい」の一言に尽きます。今回は20名程度での実施となりましたが、受験者数が増えれば増えるほど、軽減の度合いが大きくなると思います。

一方、今回の実施にあたって、オンライン上で出欠確認

をして一斉にテストを行いましたが、画面上での人物確認に従来よりも時間がかかってしまいました。今後、オンライン受験と従来の受験方式の使い分けを検討していく必要があると感じています。

受験者からはどのような感想がありましたか?Q「従来のIPテストと比べると、テスト時間が約1時間と

短くなったため集中しやすかった」という感想や、「普段自分が過ごしている環境で受験できるので、試験会場でテストを受けるよりも緊張しなくて済むので良い」という声もありました。

一方、受験者の中には自宅の通信環境が整っておらず、テスト中に音声が途切れ途切れになってしまった方もいました。初めてのオンラインでの受験に戸惑った従業員もいたようですが、全体的には「今後はオンラインに移行してほしい」という感想が多数寄せられています。

※TOEIC® S&W IPテスト(オンライン)およびTOEIC Bridge® S&W IPテスト(オンライン)は、採点官が採点するため、結果の確認は後日になる

導入事例 ②

TOEIC® L&R IPテスト(オンライン)のテスト結果(サンプル)

CATテスト導入で時間短縮を実現ETSが開発した公式の問題を使用

時間や場所に縛られず、英語学習に取り組むことができるeラーニングは、働き方改革などが進む今の時代のニーズに応える学習ツールとして、多くの企業・団体が注目しています。

そのような中、TOEIC® Programを活用する企業・団体より、「TOEIC® Program関連のeラーニングはたくさん出ているが、どれを選べばいいのか分からない」「IIBCからも更なる学習支援サービスを提供してほしい」という声を聞く機会が増えていました。

IIBCはそれらの要望に応え、2019年4月より、「TOEIC® Listening & Reading 公式eラーニング」のサービス提供を開始。開発にあたっては、「手間をかけず受講者の学習を促進させたい」「進捗状況を一目で把握したい」「学習成果を可視化させたい」といった、企業・団体担当者のニーズの実現を重視しました。「TOEIC® Listening & Reading 公式eラーニング」の特長

としてまず挙げられるのは、ETSが本番のテスト制作と同じプロセスで作成した約1,500問(新公式問題集Vol.1 ~ 6の中から厳選した約1,100問に加え、新しく追加した新形式問題約400問)の問題と、本番と同じリスニング音声が搭載されてい

る点です。実際のコミュニケーションを想定した良質な英文で構成され

ており、テスト本番を見据えた学習ができます。また、英語学習初級者から上級者まで、全てのレベルに対応できることも特長の1つとなっています。

苦手分野を可視化し全問正解するまで繰り返す

具体的に「TOEIC® Listening & Reading 公式eラーニング」では、1.プレテスト、2.プラクティス(問題演習)、3.トレーニング、4.レビュー(復習)、5.パート別修了テストの5段階に分かれた学習プログラムを進めていきます(図表4参照)。

以下、それぞれのプログラム内容を紹介します。

1.プレテスト受講者はまず、プレテストとして7つのパートから出題され

る80問にチャレンジ。これにより「パート1の写真描写問題は正答が多かったが、パート2の応答問題は誤答が目立った」というように、苦手分野を可視化することができます。以降、苦手なパートを重点的に学習していけば、効率的に苦手パートを克服することが可能です。

TOEIC® Listening & Reading 公式eラーニング

6 IIBC NEWSLETTER Vol.141 August 2020

図表4:TOEIC® Listening & Reading 公式eラーニングの学習の流れ

まずは、7つのパートから出題される80問にチャレンジして弱点を把握

TOEIC® L&R本 番と同じテスト形式で問題を解き、解説を読む

TOEIC® L&Rの良質な英文を用いた8種類のトレーニングを実施

プラクティス(問題演習)で解いた問題を全問正解になるまで復習

パートごとに各20問程度ある修了テストを受け、学習成果を確認する

1 2 3 4 5パート別修了テスト

レビュー(復習)トレーニングプラクティス

(問題演習)プレテスト

TOEIC® L&RはTOEIC® Listening & Reading Testの略称

特 集

2.プラクティス(問題演習)「問題を解き、解説を読む」というスタイルで進めていきま

す。3問程度が1つの学習単位となっており、TOEIC® L&R本番と同じテスト形式で問題を解くと、すぐに正誤の判定と解説が表示されることで、理解を深めていくことができます。

3.トレーニングTOEIC® L&Rの良質な英文を用いて、さらにリスニング力

やリーディング力を鍛えるトレーニングを行います。充実した付加機能もあり、理解を深め、苦手分野を克服していくことが可能です。

トレーニングとしては、①ディクテーション、②5W1H聞き取り、③文脈類推、④並び替え英作文、⑤ミッシングセンテンス、⑥速読、⑦シャドーイング、⑧応答リピートの8種類があります。

例えば「ディクテーション」では、音声を聞き、該当する単語を入力すると、すぐに正誤判定、解答、解説が表示されます。細部まで注意して聞き取ることで、リスニングの精度アップにつなげます。

また「並び替え英作文」では、和訳を参考にしながら、表示された英単語を並び替えて文意の通る英文を作成。自分で語句を組み立てて文を完成させる過程で、語法や語順の感覚を養って

いきます。一方、付加機能としては、①弱点バンク、②My語彙・例文

集、③リスニングモードの3つがあります。「弱点バンク」とは、間違えた問題や習得が不十分であると感じた問題を「苦手問題」として登録し、何度も学習できるというもの。「My語彙・例文集」は、覚えておきたい英単語や気に入ったフレーズなどを入力し、登録しておけるものです。そして「リスニング

IIBC NEWSLETTER Vol.141 August 2020 7

受講者の学習状況をすぐに確認でき、分析に役立てられる

三菱自動車工業株式会社  佐飛 乃梨子氏

「TOEIC® Listening & Reading 公式eラーニング」を導入した理由をお教えください。Q

当社では、管理職を目指す主任層にTOEIC® Program対策研修を実施していますが、中には海外や国内の遠隔地に勤務しているため、受講が難しい従業員もいます。そこで研修の代替手段として「TOEIC® Listening & Reading 公式eラーニング」を導入することにしました。修了要件は、TOEIC® Program対策研修の学習時間と同等の60時間以上、ないしは正答数450問以上としています。

実際に利用されてみて、いかがでしたか。Q担当者としては、受講者の学習状況・結果に関する欲し

い情報をすぐに確認することが可能なため、分析に役立てることができました。

受講者の学習意欲を高める上では、自分の現在の学習状況を、ほかの受講者と比較できる機能が特に効果を発揮したと思います。皆さん、ほかの受講者と切磋琢磨しながら学習に取り組んでいました。

トレーニング 並び替え英作文の出題例

正誤

導入事例

モード」とは、各パートの英文の音声だけを聞くことができる機能です。通勤電車の中など、手を動かして英語を学習する余裕がないときでも、英語に触れ続けることで学習効果のアップにつなげます。

4.レビュー(復習)トレーニングの後に、プラクティス(問題演習)と同じ問題に

チャレンジすることで、学習したことが身に付いているかどうかを試します。全問正解になるまで反復することで「できない問題」をゼロにし、苦手分野を克服していきます。

5.パート別修了テスト受講者は最後に、パートごとに各20問程度ある修了テスト

を受けます。Myページや受講修了後に発行される「学習結果カルテ」では、プレテストのときの正答率や総学習時間なども表示されるため、自分がどれぐらい学習した結果、どの分野がどれだけ伸びたのかを確認することができます。

学習状況を把握し学習を促す仕組みも充実

「TOEIC® Listening & Reading 公式eラーニング」の開発にあたり、「eラーニングの場合、受講者の学習状況を把握するのが大変」という声に応え導入したのが「ダッシュボード機能」です。これは管理者が受講者全体や部署ごと、個人単位での学習時間、正答率などをグラフで確認できるシステムになっています。「受講者が真面目に学習に取り組んでくれるか不安」という

声に対しては、「おさぼり防止」の機能を搭載しました。例えば、受講者が一定時間カーソルの移動操作を全く行わなかった場合には、学習時間の計測を停止することで、その正確な時間を計ります。また平均解答時間が極端に短く、かつ正答率が低い受講者の場合、ランダムクリックをしている可能性などがあるため、解答時間と正答率の相関図を受講者に示すことで、学習に真剣に向き合うよう促します。「受講促進自動メール」は、例えば「学習時間の平均が1日10

分以内の受講者」など、あらかじめ設定されたメールシナリオに沿って、それに該当する受講者が出た場合、学習を促すメールが自動的に送信される機能です。

また、団体担当者に発行される「法人結果カルテ」では、受講者全体の平均学習時間や伸びを確認することができます。

以上のような特長や機能がある「TOEIC® Listening & Reading 公式eラーニング」は、是非マークシート方式のIPテストや、IPテスト(オンライン)と組み合わせてご活用ください。テストと組み合わせることで、学習時間や学習内容と、TOEIC® L&Rのスコアの伸びとの相関関係を可視化でき、企業・団体内での英語教育の設計などに役立つ情報を得ることが可能になります。

8 IIBC NEWSLETTER Vol.141 August 2020

管理者画面:ダッシュボード機能の例

法人結果カルテの例

おさぼり防止機能の例

TOEIC® L&RはTOEIC® Listening & Reading Test 、IPテストは団体特別受験制度(IP:Institutional Program)の略称

特 集

2020年4月、日本では新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、緊急事態宣言が発出されました。この前後から多くの企業・団体が、感染症拡大防止のために在宅勤務を導入。そこでIIBCは、4月17日から21日にかけて、2月以降に在宅勤務となった20代から50代のビジネスパーソン男女500人を対象に、「在宅勤務中の英語学習に関する調査」を実施しました。

その結果、在宅勤務をきっかけに「英語学習を始めたいと思っている」「どちらかといえば英語学習を始めたいと思っている」人が合計で23.4%おり、既に「英語学習をしている」人と合わせると、46.8%に上ることが分かりました。

その理由を尋ねたところ、「自分のスキルアップのため」が60.1%で1位、「自分に使える時間が増えたため」が47.8%で2位でした。在宅勤務によって通勤しなくなり、余裕ができた時間を有効活用したいと考えている人が多いと言えるのではないでしょうか。

また既に「英語学習をしている」人のうち、65.8%が自宅での英語学習に対して

「満足」「どちらかといえば満足」と回答しています。

在宅勤務は、今後も定着していくことが予想され、余裕ができた時間を利用して、英語の勉強をしてみようという人は、これからも増えていくと思われます。

在宅勤務中に高まる英語の学習意欲

IIBC NEWSLETTER Vol.141 August 2020 9

図表5

図表6

図表7

「在宅勤務中の英語学習に関する調査」より

在宅勤務をきっかけに、これから英語学習を始めたいと思っていますか。※英語学習の量・時間は問わず(単一回答)(N=500)

英語学習をしている英語学習を始めたいとは思わない

英語学習を始めたいと思っている

どちらかといえば英語学習を始めたいと思っている

どちらかといえば英語学習を始めたいとは思わない

33.6%23.4%

19.6% 16.0%

7.4%「英語学習を始めたいと思っている」「どちらかといえば英語学習を始めたいと思っている」23.4%

英語学習を始めた理由、または、英語学習を始めたいと思った理由をお答えください。(複数回答)(N=138)※「在宅勤務実施後に英語学習を始めた」または、「在宅勤務をきっかけに、これから英語学習を始めたいと思っている」と回答した人に質問

自分のスキルアップのため

自分に使える時間が増えたため

自己投資のため

新しいことへの挑戦をしたいから

周囲で英語学習を始めた人の影響を受けたから

60.1%

47.8%

42.8%

26.1%

5.8%

自宅での英語学習に満足していますか。もしくは不満に感じていますか。(単一回答)(N=117)

満足不満

どちらかといえば満足

どちらかといえば不満

15.4%

50.4%

29.1%

5.1%

「満足」「どちらかといえば満足」65.8%

「不満」「どちらかといえば不満」34.2%

2部門に分かれチーム・個人戦で競い合うEnglish Cup 2020は、4カ月間(6 ~ 9月)での英語力の

伸長を競い合う、非接触型のバーチャル大会です。複数の企業と合同で行うことで競争意識が高まり、メンバー同士で支え合いながら英語学習を続けることができたり、前向きに学習する人が多くいることを知りモチベーションを高めたりすることができます。

本大会は、TOEIC® Listening & Reading Test(以下、TOEIC® L&R)のスコアアップを目指す「TOEIC® L&R Test部門」と、スピーキングスキルの向上を狙いとする

「TOEIC® Speaking Test部門」の2部門で構成。参加形式は、4 ~ 6名で組成するチーム戦、および個人戦(「TOEIC®

Speaking Test部門」は個人戦のみ)があります。参加者は、期間中に実施される団体特別受験制度(IP:

Institutional Program、以下IPテスト)、IPテスト(オンライン)、公開テストのいずれかを受験。過去2年以内のスコ

アと、開始時および4カ月間の中で最も高いスコアの伸長度合いを計算し、順位付けを行います。

英語学習をバックアップする充実したWEB勉強会本大会では、参加者の英語学習に対するモチベーションア

ップを図るため、スペシャルWEB勉強会も開催。講義は株式会社ナガセが運営する東進ビジネススクールの人気講師3名が担当します。更に、安河内哲也氏による激励メッセージが定期的に動画で配信されるなど、参加者が持続的に英語を学習できるようバックアップする内容となっています。

現在、ウシオ電機株式会社、AGC株式会社、東日本旅客鉄道株式会社 東京電気システム開発工事事務所、HENNGE株式会社、株式会社みずほフィナンシャルグループといった、10団体・約1,000名が参加しています。最終結果は11月に発表。表彰式を12月に開催し、上位入賞者には、賞品の授与を予定しています。

10 IIBC NEWSLETTER Vol.141 August 2020

〈みずほ〉では、グローバル化への意識醸成や英語学習者の裾野拡大などを目的として、2014年度にグループ横断の英語力強化イベント「MIZUHO English Cup」を立ち上げました。これまで延べ6,000名が参加している本イベントは、ランキングの開示や学習ポイントの共有といったゲーム性を持たせることで、参加者が一体となり、ワクワク感を持ちながら取り組める場となっています。その結果、イベント期間中に、多くの従業員がTOEIC® L&Rのスコアを100点以上アップするとともに、学び合う風土が醸成され、全社的な底上げにつながっています。

この経験を基に、企業の垣根を越え切磋琢磨することで、より多くの企業・ビジネスパーソンの英語力向上に向けたムーブメントを更に大きくしていきたいと思い、「English Cup 2020」開催の提案をさせていただきました。本大会を通して、〈みずほ〉のグローバル化においても、これまで以上に推進していきたいと考えています。

株式会社みずほフィナンシャルグループグローバルキャリア戦略部 教育チーム藤田 真希子氏(左)井川 絵梨子氏(右)

当社は、みずほフィナンシャルグループ様の英語研修を担当しており、全受講者のTOEIC® L&Rスコアの平均で、内定の方が約120点、従業員の方が約190点伸長するという研修を、一緒に行っております。そのような中、同グループ グローバルキャリア戦略部の方より、「TOEIC® Testsのスコアアップを目指し、企業横断型の英語強化合同イベントとして

『English Cup』をやりましょう!」とお声掛けいただきました。当社も「TOEIC® Testsのスコアを上げることが、日本人の英語力向上につながる」と考えていたため、一緒に実施する運びとなりました。

本大会では、「IPテスト(オンライン方式)×東進のカリスマ講師によるスペシャルWEB勉強会」というコラボレーションにより、非接触型で全てを完結することが可能です。コロナ禍においても、世界を取り巻くグローバル化の流れは変わりませんので、参加者皆様の英語力と学習に対するモチベーションの向上に向け、全力でサポートしてまいります。

株式会社ナガセ 東進ビジネススクール本部 英語教育推進部 関本 聡美氏

10団体が参加。仲間と英語力向上を目指す合同イベント「English Cup 2020」を開催

英語学習は必要だと感じているが、いま一歩踏み出せずにいる、1人ではなかなか継続的に学習することができない……。このような悩みを抱える方たちに向け、ワクワク感を持ちながら取り組める、複数企業・横断交流型の英語強化合同イベント「English Cup 2020」を開催しています。今号では、その概要を紹介します。本大会は、株式会社みずほフィナンシャルグループ、株式会社ナガセ 、IIBCの3団体の共同開催となります。

共同開催企業からのメッセージ 共同開催企業からのメッセージ

IIBC NEWSLETTER Vol.141 August 2020 11

東進ビジネススクールの講師3名が担当する「スペシャルWEB勉強会」では、自らが英語力を身に付けた手法や、TOEIC® Testsの問題を使った効果的な学習法、更にはTOEIC® Testsを受験する際の注意点など、本大会参加者のモチベーションを上げる講義が実施されています。参加者からは次のような声が上がっています。

【参加者の声】ATSU(西方 篤敬)氏の講義に参加

リーディング能力を伸ばすために、単語の勉強とスピーキングの機会を増やしていこうと思いました。

リスニング技術の向上に、発音知識が重要であるということを初めて聞いたので、今後のリスニングの勉強に活かしていきたいです。

文法・単語の勉強と併せて、スピーキングの練習をする重要性が認識でき、モチベーションが高まりました。ありがとうございました!

【参加者の声】松本ミチロー氏の講義に参加

これまでは丸ごと覚えるしかないと思っていた内容に対して、文法を織り交ぜた非常に分かりやすい解説を聞くことができ、合点がいきました。

ネイティブスピーカーの発音を意識し、音読やディクテーションを取り入れた学習をしていきたいと思います。

公開テストが中止になりモチベーションが下がっていましたが、この講義を受け、また頑張ろうと思うことができました。

当社では現在、急速な事業環境の変化や外国人の採用、国・地域を超えたグループ内での交流により、職位などにかかわらず英語を使用する機会が増えています。そのため、英語力は欠かすことのできないスキルになっており、より多くの従業員が英語学習への意識を高め、キャリアの幅を広げられるよう、自己開発支援制度(認定コースでの学習費用を会社が半額補助する制度)を設け、英語力向上にも注力しています。

新型コロナウイルス感染症の影響で、集合形式での英語学習は難しい状況ですが、非接触型英語イベント「English Cup 2020」が、学習者のモチベーションアップの一助になればと考えています。また、他社の英語学習者との交流で刺激を受けたり、人的ネットワークを広げることで得た新しい知識や情報を活用し、仕事の成果向上につなげていくことも期待できると思っています。

当社では、TOEIC® L&RとTOEIC® Speaking & Writing Tests(以下、TOEIC® S&W)のスコアが、人事評価項目の1つになっています。そのため、従業員の英語学習の促進や、モチベーションアップのために最適だと考え、「English Cup 2020」に参加することにしました。

特に、新型コロナウイルス感染症の影響により、TOEIC® L&RとTOEIC® S&Wの受験が難しい状況でしたので、本大会への参加をきっかけに、再度計画を立て直し、英語学習に取り組んでいってほしいと考えています。 

既に従業員たちは、チームごとにビジネスチャットのチャネルを作り、自己紹介をはじめとし、様々な情報を共有したり、励ましあったりするなど、連携しながら前向きに取り組んでいる様子です。

■ 参加者のモチベーションを高めるスペシャルWEB勉強会

TOEIC® Testsの問題を使い実習している様子

参加企業の声

「TOEIC® Speaking Testパート別対策」担当安河内 哲也氏東進ビジネススクール・東進ハイスクール・東進衛星予備校講師

「TOEIC® L&Rテスト対策及びトレーニング」担当松本 ミチロー氏東進ビジネススクール講師

「効果的な英語学習法」担当ATSU(西方 篤敬)氏Atsueigo代表東進ビジネススクール講師

通訳を介したら伝わらない 雅楽の奥深さを自分で表現したい

 

雅楽師をしていて英語を使う機会が増えてきたのは、今から20年ほど前です。宮内庁楽部の楽師を10年務めた後、1996年にフリーになってから、海外でコンサートを開いたり、イベントに呼ばれて演奏したりする機会が増え、その場で、「雅楽とは何か」を英語で説明するようになったのです。

とはいえ、僕は英語がうまくはありません。商社勤務の父の転勤で、1 ~ 7歳までタイに滞在していた頃は、インターナショナルスクールの子どもたちと英語で不自由なく話していたそうなのですが、帰国したらすっかり忘れてしまいました。その後、13 ~ 14歳をメキシコで過ごしましたが、スペイン語圏なので英語は使う機会がなかったのです。

そのため、以前の僕は「途中でしどろもどろになってしまったら」と怖がって、英語を話すことに二の足を踏んでいました。幼少期に英語を話していたことで、発音だけは良くリスニングもある程度できるので、「ブロークンな英語を話したくない」という変なプライドがあったのです。

しかし今は、海外のコンサートで通訳を介する場合にも、できるだけ自分も英語で話すようにしています。プライドよりも、「雅楽の奥深さを、間違いのないように伝えたい」という気持ちが勝ったからです。

雅楽は、古くから伝わる日本固有の音楽と、中国や朝鮮半島から伝来した古代アジアの音楽がミックスされ、平安中期に完成した音楽です。しっかりと音楽理論があり、オーケストレーションも整ったものとしては、世界最古のものだと認識されて

12 IIBC NEWSLETTER Vol.141 August 2020

「雅楽を正確に伝えたい」その思いが英語を上達させた Profile

とうぎ・ひでき1959年東京都生まれ。奈良時代から雅楽を世襲してきた楽家「東儀家」に生まれ、父の仕事の都合で、幼少期を海外で過ごす。高校卒業後、宮内庁楽部に入り、宮中儀式や皇居での雅楽演奏会などに出演するほか、海外での公演にも参加。96年ソロデビュー。日本レコード大賞企画賞など、受賞多数。国内・海外ともに公演を活発的に行っている。また、皇學館大學特別招聘教授、上野学園大学・名古屋音楽大学・國學院大學などの客員教授も務める。

●雅楽師

東儀秀樹さん

篳ひち

篥りき

や笙しょう

といった伝統楽器を用いて奏でる「雅楽」の第一人者として活躍する、雅楽師の東儀秀樹さん。以前は英語に対して消極的でしたが、今では海外公演で、英語を使って雅楽のことを伝えるまでになったそうです。

第9回英語がもたらした私のターニングポイント

います。しかも、雅楽は長い歴史を持つ音楽であるだけでなく、平安

以前の日本の思想、哲学、宗教、科学、宇宙観などを全て内包した、日本人が誇るべき伝統文化なのです。これを英語で説明するのは簡単ではありませんが、通訳を介して説明するのはもっと難しい。その魅力や奥深さは、雅楽に身を寄せている人間の言葉からほとばしる熱さや感動、信ぴょう性があって、初めて伝わるものです。直接話さなければ伝えられません。また、通訳者によっては、雅楽に関する専門用語を知らないこともあり、それならもう自分で話してしまったほうがいいなと。

私は、雅楽を始めたのが18歳と他の人よりも遅いスタートでしたが、東儀家が奈良時代からおよそ1300年続いた楽師の血筋ということもあり、雅楽を後世へと伝えていく責任があると感じています。また、メキシコで暮らしていたときに、日本に対して誤った認識を持っている人が多いことを目の当たりにしたことから、「正しく日本文化を知ってほしい」「自分だって『小さな大使館員』なんだ」という気持ちを強く持っていました。

だから、英語ができないからと、人任せにはしておけない。自分自身の言葉で、英語で雅楽を伝えなければ、と考えたのです。

分かる振りをしないで 分からないという意思表示をする

「雅楽のことをきちんと伝えたい」。その思いが強くなってからは、小さなプライドを捨てて、英語の勉強をするようになりました。公演パンフレットなどの英語版を読んで独学することもありましたが、英語を人から学ぶという大きな変化も生まれました。

例えば、英語を話すことができる姉に、「これってどう言えばいいの?」と素直に聞けるようになりました。それまでは姉弟間でも、プライドが邪魔をして、英語のことを聞けなかったのです。

外国人とも積極的に話します。心掛けているのは、分からないことがあってもウソ笑いでごまかさず、ちょっと笑みを浮かべながら「分からない」という意思を示すことです。すると相

手は、別の言葉を使って言い換えてくれるものです。それを繰り返すうちに分かったのは、「難しいことを説明するときも難しい単語を使う必要はない」ということ。私も、雅楽のことを英語で伝えるときは、簡単な単語を使い、分かりやすい説明になるよう、心掛けています。

中学生の息子と、自宅で英語で話すことも勉強になりますね。息子にはちゃんとしたことを教えたいので、指摘する前に正しい英語をネットで調べるようにしています。それが、息子だけでなく私の蓄積にもなっています。

このように勉強することで、雅楽の最低限のことは英語で伝えられるようになりました。ただ、今の状態には満足していません。雅楽にはフィロソフィーがありますが、そのフィロソフィーとは何か、という奥深い部分まで、完璧に英語で言えるかというと、その域には至っていない。これからもまだ勉強が必要です。

点数を付けられるのは 話し方ではなく「感情」以上の経験を踏まえて言えることは、英語を習得するには、

英語そのものを学ぶ前に、「伝えたいことを見つける」ことが不可欠だということです。それがないと、何を勉強していいか分からないし、モチベーションも保てません。私も、「雅楽を伝えたい」という思いがなかったら、全然上達しなかったでしょう。

そして、完璧でなく、ブロークンでもいいから、外国人と英語で話してみる。単語だけ並べてもいいのです。私もそうだったように「話し方が変だと思われたら恥ずかしい」と思う方もいるかもしれませんが、日常会話の中で、相手の英語の話し方に点数を付ける人なんていません。むしろ、点数を付けられるの は、「感 情 」の 部分。ブロークンでも心が伝わってくる人には、相手も好感を持ちますが、正確な英語を話せるけれども、無感情なことしか言えない人に対して、「もう一度話したい」とは誰も思わないでしょう。

もう1つ、外国人とコミュニケーションを取るときに大事なのは、「相手の文化も尊重すること」。僕が日本の伝統文化を世界一だと誇りに思っているように、相手もまた、自国の文化を世界一だと思っているものです。だから、自分が伝えるだけでなく、相手の話も一生懸命聞き、認める。それこそが最高のコミュニケーションであり、そこに英語の巧拙は関係ないと思います。

IIBC NEWSLETTER Vol.141 August 2020 13

英語の歌詞を書くときには欠かせないという、長年愛用している辞書

幼少期を過ごしたタイで、インターナショナルスクールの友人とバースデーパーティーをする東儀さん(写真中央)

世界を舞台に活躍する スタイリストを育成訪日外国人旅行者の消費が、モノ消費からコト消費へと変化

していると言われる昨今、ヘアサロンでカットやヘアカラーなどを楽しむ旅行者も現れています。国内に4店舗、海外に6店舗※のヘアサロンを構える株式会社assortでは、国内店舗の来店客のうち約7割を外国人が占め(2019年時点)、スタッフは英語で対応。スタッフの英語力を高めるため、スタイリストやアシスタントを対象に、英語講習などを実施しています。

代表の小林憲氏は、アメリカで生まれ育ち、高校卒業後に美容師を志して、「技術力を身に付けるなら日本が良いのでは」と思い、来日しました。美容学校卒業後、小林氏はサロン勤務などを経て独立し、サロンの一部を借りる面貸しサロンで事業を開始。当時、お客様はほぼ日本人でしたが、英語対応ができることをアピールし続け、外国人のお客様を少しずつ増やしていったそうです。そうしていく中、英語を学びたいというアシスタントに対する育成を開始。インターナショナルな雰囲気を持った店作りを目指し、11年にassortを開業してからも、従業員への英語講習を続けてきました。

英語講習は週1回、店舗ごとに実施。内容は、参加メンバーの英語力などを考慮して決められ、基本的な文法や英会話から、ヘアスタイルについてなどの専門的な内容まで多岐にわたります。また、担当の外国人講師が、各スタッフの英語レベルを4段階に設定。同社Webサイトのスタッフ紹介ページに

「ENGLISH LEVEL」が記載され、スタッフのモチベーションにもなっています。

13年以降、海外展開を推進し、ニューヨーク、香港などへ出

店したことで、海外で働きたいと考えるスタッフが増加。また、口コミなどにより国内店舗の外国人客数も増えたそうです。「日本人スタイリストの可能性を感じていたので、海外展開

を進めていきました。世界を舞台に活躍するには英語でのコミュニケーション力が必須です」と小林氏は語ります。

同社では、香港店での実務研修も行っており、国内で入社したスタッフ全員が、入社後半年間、香港店で働きながら、生活を送ります。香港出身のスタッフやお客様との会話など、英語を使わざるを得ない環境を作ることで、英語でのコミュニケーション力を高めているそうです。

分からないことはお客様に直接聞いて 英語の表現力を高める原宿店スタイリストの有田雄大氏は、英語講習や香港での研

修、日々の接客を通じて、英語力の伸びを実感しています。「一番勉強になるのは接客中です。外国人のお客様と話して

いて、分からない表現が出てきたときには、その意味を聞き返すようにしています。すると、違う表現に言い換えてくださるので、それを覚えて表現力を身に付けていきました」と有田氏。

今では、担当のお客様の約半数が外国人(19年時点)。外国人のお客様は、スタイリストにアーティスト性を求める人が多いため、自らスタイルを提案することを心掛けているそうです。

同社では新型コロナウイルス感染症の影響で外国人客数が大幅に減少してしまったため、「今後は日本人と外国人客数のバランスにも配慮する」と小林氏。客層の構成比率は変わるものの、これまでどおり国籍を問わず、全てのお客様に良いサービスを提供して、インターナショナルな雰囲気は崩さずにいきたいと、気持ちを新たにしていました。

各分野での英語に関する取り組みをご紹介します

英語対応可能なスタイリストを育成し外国人旅行者のニーズに応える

14 IIBC NEWSLETTER Vol.141 August 2020

株式会社assort代表取締役の小林憲氏(左)、原宿店スタイリストの有田雄大氏(右)

原宿店で行われている英語講習の様子

※国内、海外ともにフランチャイズを含む。2020年3月現在

■ IIBC ENGLISH CAFÉ を福岡市で開催

■第 12 回 IIBC エッセイコンテスト

英語でのコミュニケーションによる可能性の広がりを発信

「私を変えた身近な異文化体験」をテーマに募集

IIBCはCSR活動の一環としてIIBC ENGLISH CAFÉを実施し、「英語を話す場」を提供しています。2月20日~ 23日に、アジアのリーダー都市を目指す福岡県福岡市で、「IIBC ENGLISH CAFÉ ~英語で世界を広げよう!~」を福岡商工会議所の後援により開催しました。

英語でコミュニケーションをすることで様々な可能性が広が

ることを実感していただけるよう、女性在住率やスタートアップの開業率が高いという福岡市の特長を踏まえたプログラムや、大学生・専門学校生を対象とした、グローバルに活躍しているビジネスパーソンによるトークセッションを実施。参加者からは「英語を学ぶモチベーションがアップした」といった声が上がっていました。

今年も全国の高校生を対象にした「第12回IIBCエッセイコンテスト」を開催します。テーマは昨年と同様、「私を変えた身近な異文化体験」です。

家族や友人など、身近な相手とのコミュニケーションにおいて出会った異なる価値観や文化によって、自身にどのような変化が生じたのか、また今後どう成長していきたいのかなどを、英語で表現していただきます。

本コンテストへの参加が、異文化を持つ相手とのコミュニケーションギャップを乗り越え、お互いに分かり合うことの大切さを考える、新たなきっかけになることを願っています。

皆さんのご応募をお待ちしております。

IIBC ENGLISH CAFÉ公式Instagramもチェック!

【実施プログラム一覧】■講演会〈Startup×English〉

「アフリカの医療が届いていない地域に日本発祥の置き薬を届けるソーシャルビジネスとは?」 AfriMedico 代表理事 町井恵理氏■講演会〈Woman×English〉

「ハリー杉山と世界を見てみよう(イギリス編)」 ハリー杉山氏■講演会〈Business×English〉

「これだけは言っておきたい! 世界の中の日本~自分で世界を見てみよう~」 モーリー・ロバートソン氏■English Lesson

〈講座内容〉 ●英語とキャリア/英語でJob interview!(大学生・専門学校生対象) ●福岡を英語で紹介!(英語初・中級者対象) ●海外旅行で役立つ英語(どなたでも参加可能) ●覚えておきたい基本的なビジネス英語

講師協力:株式会社アルク 福岡支店

IIBC公式サイトでは、開催レポートを掲載しています。

エッセイコンテストの詳細はIIBC公式サイトをご確認ください。

IIBC公式サイトでは、過去の受賞者インタビューなども掲載しています。

English Lesson「福岡を英語で紹介!」の様子

IIBC ENGLISH CAFÉ「英語とキャリア」トークセッションの様子

■第12回IIBCエッセイコンテスト 募集概要主催:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会後援:米国大使館協賛:一般社団法人 日米協会応募資格:日本の国公私立高等学校、高等専門学校(1 ~ 3年)および中等教育学校(4 ~ 6年)に在学し、英語が母語でない生徒使用言語:英語応募作品:エッセイ 501語以上700語未満応募期間:2020年6月1日(月)~ 9月4日(金)17時まで表彰(本選):最優秀賞1名、優秀賞1名、優良賞1名、特別賞5名、日米協会会長賞3名副賞:最優秀賞、優秀賞、優良賞受賞者に、海外短期派遣プログラムを贈呈(諸事情により海外渡航が不可能な場合はノートパソコンを贈呈)

IIBC NEWSLETTER Vol.141 August 2020 15

第254回 2020年 10月 25日(日) 2020年 8月 12日(水) ~ 2020年 9月 8日(火) 2020年 11月 24日(火)

第255回 2020年 11月 15日(日) 2020年 9月 9日(水) ~ 2020年 10月 6日(火) 2020年 12月 15日(火)

第256回 2020年 12月 6日(日) 2020年 10月 7日(水) ~ 2020年 10月 27日(火) 2021年 1月 5日(火)

第77回 2020年 11月 15日(日) 2020年 8月 11日(火) ~ 2020年 10月 15日(木) 2020年 12月 18日(金)

2020年 9月 20日(日) 2020年 8月 7日(金) ~ 2020年 9月 4日(金) 2020年 10月 20日(火)

2020年 10月 11日(日) 2020年 8月 28日(金) ~ 2020年 9月 25日(金) 2020年 11月 10日(火)

2020年 11月 1日(日) 2020年 9月 18日(金) ~ 2020年 10月 16日(金) 2020年 12月 1日(火)

2020年 12月 13日(日) 2020年 10月 16日(金) ~ 2020年 11月 27日(金) 2021年 1月 12日(火)

2020年 9月 27日(日) 2020年 6月 5日(金) ~ 2020年 9月 11日(金) 2020年 10月 30日(金)

2020年 11月 15日(日) 2020年 9月 11日(金) ~ 2020年 10月 30日(金) 2020年 12月 18日(金)

回数

回数

試験日

試験日

試験日

試験日

申込期間※1

申込期間※2

申込期間※2

申込期間※2

結果発送予定日

結果発送予定日

結果発送予定日

結果発送予定日

TOEIC® Listening & Reading Test

TOEIC Bridge® Listening & Reading Tests

TOEIC Bridge® Speaking & Writing Tests

TOEIC® Speaking & Writing Tests

TOEIC® Speaking Test

*上記は個人でお申し込みいただく際の申込期間です。団体一括試験申込期間(TOEIC® Speaking Testを除く)は公式サイトでご確認ください。(※1)インターネットでの申込期間です。申込開始および締切時間、コンビニ端末申込については公式サイトでご確認ください。(※2)インターネットでの申込期間です。申込開始および締切時間は公式サイトでご確認ください。

公開テストスケジュールは変更されることがございますので、最新の情報は公式サイトでご確認ください。

【お問い合わせ】 東京 東京都千代田区永田町2-14-2 山王グランドビル ℡.03-5521-5901名古屋事業所 愛知県名古屋市中区錦2-4-3 錦パークビル ℡.052-220-0282大阪事業所 大阪府大阪市中央区博労町3-6-1 御堂筋エスジービル ℡.06-6258-0222

【報道関係お問い合わせ】 広報室 東京都千代田区永田町2-14-2 山王グランドビル ℡.03-3581-4761

ETS, the ETS logo, PROPELL, TOEIC and TOEIC BRIDGE are registered trademarks of Educational Testing Service, Princeton, New Jersey, U.S.A., and used in Japan under license.Portions are copyrighted by Educational Testing Service and used with permission.

公開テストスケジュール

IIBC 公式サイト https://www.iibc-global.org

本誌は公式サイトでもご覧いただけます。https://www.iibc-global.org/iibc/activity/iibc_newsletter.html

IIBC NEWSLETTER