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共同記者会見 TACBECKER Joint Press Event 去る201199日(金)、東京、有楽町にある日本外国特派員協会にて、TACBecker が共同記者会見を行いました。 TAC株式会社 代表取締役社長 斎藤 博明 Hiroaki Saito, President and CEO U.S.CPA資格の特長> 合格率について U.S.CPA試験は全部で4科目、科目ごとに合格できる科目合格制度があり、各科目の合格率は 45%程度となっています。社会人にとってもチャレンジしやすい試験です。 (日本の公認会計士試験の難易度は高く平成22年度の合格率は7.6%となっています。) 受験のしやすさ U.S.CPA試験は年間最大4回受験が可能で、しかも受験日が選べる試験です。 (日本の公認会計士は受験日が固定されています。) 活躍できるフィールド U.S.CPAの合格者は国内外の企業で活躍している方が多く、その活躍の場は企業のグローバル 化に伴いますます広がっています。 受験地について U.S.CPA試験は今年の7月までは米国内でしか受験できなかったため、日本からの受験生の多く はグアムで受験していましたが、この8月より東京、横浜、大阪でも受験ができるようになったこと からますます受験し易くなりました。 U.S.CPA グローバル化の未来に! スピーチ抄録

共同記者会見 TAC BECKER Joint Press Event2011/11/14  · もBeckerで学び合格した一人です。 U.S. CPAの試験を管轄する米国公認会計士協会 10 John Lord

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Page 1: 共同記者会見 TAC BECKER Joint Press Event2011/11/14  · もBeckerで学び合格した一人です。 U.S. CPAの試験を管轄する米国公認会計士協会 10 John Lord

共同記者会見

TAC&BECKER Joint Press Event

去る2011年9月9日(金)、東京、有楽町にある日本外国特派員協会にて、TACとBeckerが共同記者会見を行いました。

TAC株式会社 代表取締役社長 斎藤 博明

Hiroaki Saito, President and CEO

<U.S.CPA資格の特長>

合格率について U.S.CPA試験は全部で4科目、科目ごとに合格できる科目合格制度があり、各科目の合格率は45%程度となっています。社会人にとってもチャレンジしやすい試験です。 (日本の公認会計士試験の難易度は高く平成22年度の合格率は7.6%となっています。)

受験のしやすさ U.S.CPA試験は年間最大4回受験が可能で、しかも受験日が選べる試験です。 (日本の公認会計士は受験日が固定されています。)

活躍できるフィールド U.S.CPAの合格者は国内外の企業で活躍している方が多く、その活躍の場は企業のグローバル化に伴いますます広がっています。

受験地について U.S.CPA試験は今年の7月までは米国内でしか受験できなかったため、日本からの受験生の多くはグアムで受験していましたが、この8月より東京、横浜、大阪でも受験ができるようになったことからますます受験し易くなりました。

U.S.CPA グローバル化の未来に!

スピーチ抄録

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日本におけるU.S.CPA試験実施開始を記念し、2011年9月10日(土)、TAC渋谷校において米国公認会計士講座が提携している米国最大手のU.S.CPA受験指導校であるBeckerの講師を招き「TAC×Becker 日本受験セミナー」が開催されました。当日は50名以上の参加者があり、BeckerよりJohn Lord 講師、TACより田中義徳講師が登壇され、講演、そして質疑応答が行われました。

(AICPA)では、10年ほど前からトップ10の成績を収めた

合格者に「Elijah Watt Sells Award」という賞が贈られるよ

うになりました。今までに55名に賞が贈られましたが、そのうち

の47名はBeckerで学んだ人が占めています。

 U.S. CPA試験の受験にあたって、アメリカ人でない方に

とっては、果たして自分にもチャレンジできる資格だろうか、と

心配される方も多いと思います。心配される理由としては言

語の問題や文化の違いなどが挙げられると思いますが、日本

国内ではTACが独自に開発した、日本語と英語が併記され

た教材と、世界的に定評のある我々Beckerの教材を組み合

わせることで、日本人の学習者が安心して勉強できるようなカ

リキュラムを提供しています。

約50万人のU.S. CPAを輩出 私、John Lordは、サンフランシスコをベースにBeckerで

教鞭を取るとともに、全米の講師管理を行っています。また、

ゴールデンゲート大学でも講義を行っています。それ以外に

U.S. CPAとして政府説明責任局(GAO)、国債局、国税局

等でも監査を行っていますし、一般企業の財務諸表の監査も

行っています。

 私たちBeckerは、50年以上の歴史を誇る、米国、そして

全世界で最大級のU.S. CPA受験対策講座の提供機関で

す。これまでに約50万人のU.S. CPAを輩出しており、私自身

もBeckerで学び合格した一人です。

 U.S. CPAの試 験を管 轄 する米 国 公 認 会 計 士 協 会10

John Lord 講師(Becker Professional Education)

〜U.S.CPAの世界的価値〜Global Value of U.S.CPA

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第1部

米国公認会計士講座スペシャルイベント

TAC×Beckerベッカー

日本受験セミナー Special Event

U S CPA セミナー抄録

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す。米国に上場したい企業では、U.S. CPAを持った人を

採用したいという動きが出ています。アメリカ証券取引委員会

(SEC)の上場規定ではUS GAAPの知識を持った人材が

必須ですから、チャンスは広がっていると言えるでしょう。

 日本企業でも海外展開を望んでいる場合には、会計知

識プラス英語力を持った方を求めている状況があり、U.S.

CPA資格取得者の働く機会が増えていると思います。U.S.

CPA試験は英語で行われますから、日本の皆様にとっては英

語と会計を同時に学べるお勧めの資格であると申し上げても

よいでしょう。

 U.S. CPA試験に合格後、会計事務所に就職をして、各業

界の知識を身につけることもできますし、会計事務所以外の

企業・政府機関等に入り、会計部門や財務部門でコントロー

ラーやCFOとして業務を行うこともできます。本当に様々な

チャンスがU.S. CPAには広がっているのです。

 U.S. CPAがなぜ高い価値があるのかを、アメリカの労働

統計局のコメントから抜粋します。2011年にトップ10に入る企

業の中で、U.S. CPAは第6位と高い成長が期待されている

職種で、このような状況が2018年まで続くと見られています。

今不況が続いていますが、U.S. CPAは不況に強い資格で

もあると申し上げておきたいと思います。

 企業がIFRSを採用する流れが強まり、国境をまたいだ取

引が増えて行く中で、U.S. CPAを持っている方のチャンスは

無限に広がって行くと私は考えています。

11

U.S. CPAの価値とは何か U.S. CPAは公認会計士業界において権威があり、世界的

に高い評価を受けている資格です。U.S. CPAを持っているこ

とで、会計知識があり、高い倫理基準を持っていることを国内

外で証明することができるでしょう。

 U.S. CPAの国際的な広がりの一例として、AICPAが

2011年8月、初めて米国以外の国で試験を開始しました。米

国以外の国というのは日本の他に数カ国ありますが、日本国

内では東京、横浜、大阪で受験ができるようになりました。そ

の背景としては、ビジネスの国際化に伴う米国以外の国々で

のU.S. CPAの需要の伸びが挙げられます。2010年の米国

以外の国々からの受験者数は約1万人でしたが、そのうちの

3分の1が日本人受験者でした。このことがAICPAが日本で

の試験開始を決めた第一の理由です。

 海外にU.S. CPAのニーズが広がっている理由のもう一つ

にIFRS(国際財務報告基準)を採択する国の増加があげら

れます。ご存知のように米国は米国会計基準(US GAAP)を

使用し、現時点ではIFRSを採択していません。しかし、IFRS

を採択する方向で検討が進んでおり、2015年までに米国の

企業に対してIFRSを強制適用するかどうかの決定をするこ

とになっています。

 日本も現時点ではIFRSを採択していませんが、他の国

のIFRS移行に伴い、何らかの形でIFRSの要素を日本の会

計基準の中に盛り込んで行くと思います。企業がグローバル

化して行く中で、IFRSを採択する企業が増えることはU.S.

CPAにとってはチャンスが増えることなのです。

 今後、米国そして日本がIFRSの採択に動いた際、最先端

の会計知識を持つU.S. CPAはチャンスを得ることができる

ことでしょう。世界は小さくなっているという見方もありますが、

チャンスという意味では世界はどんどん広がっていると私は

考えています。

チャンスが広がるU.S. CPA 会計業界ではU.S. CPAを持っていることが、キャリアアッ

プのパスポートになると言われています。U.S. CPAは、US

GAAP、IFRS両方の知識を問うものですから、幅広い会

計知識を持っていることの証明になります。また、U.S. CPA

を持っていることで海外で働くこともできる可能性も広がりま

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4%、1990年代はバブル経済の崩壊を受け、1.8%になりまし

た。2000年代はほぼ0%です。ここで日本はダメだと言いたい

わけではありません。過去の経済成長の中で今日の社会が成

り立っており、今後、成長が戻ったとしても1 ~2%ということを

認識していただきたいのです。

 一方、世界的な経済規模の予測を見れば、日本は今後ほ

とんど変わりません。増えない、減らないということです。それに

対して、2050年頃の予測では、一番伸びるのは中国です。そ

してアメリカ、インド、ロシア、ブラジル、インドネシア、メキシコ等

に続いて日本となります。

 つまり、日本は成長の実績を踏まえた上で、本格的に国外

に出て行く時代になっているということです。その裏付けとし

て、日本企業のグローバル化、日本企業の海外法人・支社は

どんどん増えています。特に中国とアジアで急激に増えていま

す。同時に日本企業の海外での生産比率も高まっています。

現在は約30%で、売上比率では約40%弱。今後、これが減る

ことはなく、間違いなく増えて行くことでしょう。

 日本企業も向こう20年、30年を意識すると、海外生産比率が

高まります。例えば、新興国での生産を拡大するトヨタ自動車は

2010年に57%、日産自動車は2011年3月期には7割強と言われ

ています。アジアでの能力を増強しているコマツ建機は2011年

3月期に59%超、HOYAも2011年3月期に69%超になります。海

外買収をテコにグローバル拠点を拡充している企業で、日本

電産は2011年3月期に9割超、キヤノンは2010年1月~6月期に

48%、オリンパスは現在は4割ですが2015年3月期には5割へと

計画しています。ここまで海外生産の比率を上げてきており、売

上比率についても、どんどん海外を増やして行くことでしょう。

 会計を勉強された皆さんはお分かりだと思いますが、企業

は成長することが大前提です。同じではいけない。株主の視

点で見たら、日本の会社は日本マーケットだから1%成長、でも

国によっては10%成長があるかもしれないとしたら、そちらに

投資をしますよね。日本企業も成長市場に出て行って、日本

ではできない企業成長を果たす必要がある、そういう時代に

なっているのです。

 私はコンサルタントとして海外展開をしている上場企業とお

つきあいがあります。そこで感じるのは、圧倒的に人材が足り

ないということです。海外をマネージできる人、海外展開を主

導できる人材が明らかに足りない。経営者の方も担当者も同

日本企業が海外に出て行く時代の人材不足 日本でのU.S. CPAへのニーズをお話しする前に、私の経

験を少しお話しします。

 私は2002年にU.S. CPAの受験をしました。勉強を始めたの

はその2年前です。現在はコンピュータ形式の試験ですが、当時

はペーパー試験。小論文を一所懸命に英語で書いたのを覚え

ています。私が受験した頃、U.S. CPAの認知度は低く、どんな

仕事ができるの?とも言われていました。U.S. CPAは外資系企業

なら使えるね、という認識でしたね。私もU.S. CPAを取得した後、

外資に行きましたし、一緒に勉強した仲間も外資に行きました。

 しかし現在では活躍の場は外資系企業だけという時代で

はなくなりつつあります。結論を言ってしまえば、U.S. CPAは

今、認知度も高まっており、その取得者は非常に需要がある、

必要とされている人材だと思います。ではなぜU.S. CPAなの

か、グローバルでは非常に需要が高いが、日本企業ではどう

なのかをお話ししたいと思います。

 その前に、少し大きな話になりますが、日本経済について

おさらいしたいと思います。まず日本のGDP。今では考えられ

ませんが、1960年代は年10.4%成長でした。銀行の利息も

10%近かったのです。それが1970年代には5%、1980年代は

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日本でのU.S.CPAへのニーズ

田中 義徳 講師(TAC)

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ています。そんな経験から私が感じる日本人の課題について

お話ししたいと思います。課題には「マインド(考え方)」と「ス

キル」があります。

 「マインド(考え方)」では、3つの観点があります。

 まず「ローカルとグローバル」。やはり日本人はローカルですよ

ね。事業を立ち上げたなら、まず日本で頑張ると考えます。シン

ガポールでサプリメント販売の会社を作った知人は、最初からシ

ンガポールでの販売は考えておらず、アジアでの販売が前提で

す。シンガポールは人口480万人と、もともとそんなにマーケッ

トがないという理由もあるでしょう。一方で日本は中途半端に

マーケットが大きいので、まずは日本、と意識してしまう。これか

らはローカルとグローバル、日本でも勝って世界でも勝つこと

が必要になります。

 次に「ベストよりベター」。日本人は真面目ですから、まずベス

トを目指します。グローバルな視点で見てみると、全世界でベス

トということはあり得ません。ヨーロッパとアメリカ、日本を比べて

もベストはなかなか出にくいので、ベターなものをどんどん取り入

れて行く、という考え方が必要になると思います。

 最後に「個別最適より全体最適」。これもグローバル、全世

界を見渡して何が最適なのかを考えることが必要です。IFRS

が最たる例ですね。何が全体最適か、を考えることがこれから

は大切になります。

 ではもう一つの課題「スキル」について見て行きましょう。

 まず日本語と英語が話せないとやって行けないはずです。そ

して日本のビジネス用語に加えて、グローバルなビジネス用語が

必要です。知識と言い換えてもいいのですが、会計、IT等につ

いて、海外の人と話して通じる用語、知識を押さえておくことが

必要です。そして特定分野における差別化スキル。グローバル

になると競争が激しくなります。世界各国に競争相手がいますの

じ認識です。それは単に英語が話せるとか話せないという問

題ではなく、企業が総合的に海外展開して行くための人材が

足りないのです。

 日本の企業が、海外展開を本気でサポートしてくれる人材を

求める今、U.S. CPAにとっては転換期だと思います。2011年

初めからは特にひしひしと日本におけるニーズの高まりを感じ

ています。今後ますますニーズは増えて行きますし、間違いな

く、人材は足りないのです。

IFRS対応にもU.S. CPAの知識 もう少し短期的なニーズの話では、IFRSがあります。日本

企業のIFRS任意適用は、日本電波工業、HOYA、住友商

事の3社が実施しており、日本板硝子、JTも任意適用の方向

と言われています。ある調査によれば、IFRSの適用対象で

ある上場企業等の数は4600社程度あり、関連会社と海外子

会社を含めるとその数は何十倍かになります。

 IFRSはもともと2012年に導入の判断をし、2015年から2016

年に適用開始とされていました。しかし、東日本大震災の影響

もあり、導入決定後は5 ~7年の準備期間を置くと政府が表明

したため、強制適用は2017 ~2019年頃と言われています。

 私個人としては、導入の延期はよかったと思っています。これで、

人材が足りるかもしれません。私はIFRSの導入のプロジェクトに

携わっており、人材が本当に足りないことを実感しています。IFRS

導入には海外との連携が必要で、英語で会計がわかって、ビジネ

ス用語もわかる人材が必要なのです。ところが人材が足りずにプ

ロジェクトが回らない現実があります。実質的に導入延期となれ

ば、これからU.S. CPAを学ばれる皆さんと一緒にプロジェクトで働

く機会があるかもしれませんね。IFRS導入は避けては通れないの

で、短期的に顕在化してくる人材に対するニーズがあります。

 グローバル化を本気で考えている企業は、任意適用だから

強制適用だからということではなくIFRSに対応して行こうと準

備しています。世界中から資金を調達ができる、海外の子会社

をきちんとマネージできるようにするためにもIFRSの知識は必

要であり、U.S. CPAの資格取得者が必要とされています。

グローバル化と日本人の課題 私はクローバル企業に在籍した経験がありますし、現在で

もグローバル展開を本気で考えている日本企業をサポートし

U S CPA セミナー抄録

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で、特定の分野では絶対に負けないスキルが大切になります。

 幸い、このスキルの習得にはU.S. CPAの学習が大きく貢

献すると思います。「日本語+英語」「日本のビジネス用語+グ

ローバルなビジネス用語」「特定分野の差別化スキル」が身

につきますから、私自身、勉強したことはとても有効だったと思

います。一方、マインド(考え方)は、習得できるものではありま

せんから、意識してみたらいかがでしょうか。

私がBeckerを勧める訳 TACと提携しているBeckerの特徴を最後にお伝えします。

 1つ目は「問題数が多く、解説が詳しいこと」です。前提とし

て、日本人の勉強方法は日本語のテキストで日本人が解説を

する。問題に関しても、最初は日本語の解説がついているもの

で勉強した方が効率的だと思います。その後、それだけだと

受からないので、実践的な問題に多くあたって、良い問題を解

くことが必要になります。実は問題によっては何を聞いている

のかわからない、というものもたくさんあります。特に日本人には

分かりにくいんですね。だから、実践的かつ最近の試験傾向

を反映した良い問題にたくさんあたることが重要になります。

 そして、間違えた問題については、なぜ間違えたのかを把

握しておくことが必要です。問題集の多くは、正解の部分の

み解説がついています。ところがBeckerの問題集は、すべて

の選択肢について解説がついています。正解はもちろん不

正解の選択肢についても、なぜダメなのかがはっきりと書いて

ある。すると間違えた理由もはっきりとわかるのです。

 実践的な問題を解く中で、重要な論点やあやしい論点につ

いては該当部分の原文を読んでみることが重要です。Becker

の問題集にはテキストの参照箇所が明記されています。だか

らすぐに原文に当たることが可能です。細かなことですが、

実力をつけていくには必要なことなのです。英語が得意で、

Beckerのテキストを最初から読める人は別ですが、日本語の

テキストで学習を始めて、問題にあたった場合、間違いに関し

ては、原文ではどう書かれているのかを参照する、弱いところ

を原文で読んでおくことで、理解が深まります。

 このように効率的に勉強しやすいのがBeckerの良いところです。

 日本企業が本気で海外展開をする時代になろうとしていま

す。U.S. CPAを学ぼうという皆さんを必要としているのです。

がんばってください。

Q1 

アメリカと日本において、U.S. CPAは会計事務所以

外ではどのようなポジションで働いているのかを教え

てください。

Lord▶アメリカではU.S. CPAが幅広い分野で活躍してい

ます。私がU.S. CPA取得後、連邦政府関係の仕事に従事

して来たように、アメリカの場合、政府関連の仕事に幅広く就

くことができます。もちろん、金融機関では会計だけでなく、投

資決定の分野に、さらにマネーロンダリングや不正があった場

合、会計上の調査に関わることも可能です。実際に監査や会

計以外にも、税務関係でも活躍できます。そしてコンサルティン

グならグローバルな場でも活躍可能です。

田 中▶日本にいる日本人のU.S. CPAの場合、私が知って

いる限りではコンサルティング会社に行く人が多いと思いま

す。ある方は外資系のコンサルティング会社でファイナンス絡

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質疑応答

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U S CPA セミナー抄録

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み、M&Aなどを経験し、投資会社で海外の投資案件に携

わっています。また、私が取得した当時は監査法人に進む選

択肢もありましたが、最近はあまり聞きません。通常の事業会

社でも、財務部・経理部に関わらず、海外展開する企業であ

れば、海外とのビジネス上のやり取りがあります。すると英語と

会計は不可欠ですので、活躍の場は広がりつつあるのでは

ないでしょうか。

Q2 

現在、実務家として活躍している日本の公認会計士、

税理士の方たちは、クライアントの海外展開に伴い、

英語を学んだり、U.S. CPAを取得したりするので

しょうか。実務での経験を活かせるので、かなりの強

みになると思いますがいかがでしょうか。

田 中▶確かに強いと思います。日本の会計士、税理士も

ニーズを感じているでしょうね。会計・税務の実務に加えて、

U.S. CPAを取得されたら、かなりの強みになるでしょう。ただ、

事業会社にいる人は、自社の現場を詳細に知っている強みが

あります。どちらが強いかは言いにくいのですが、私が見てい

る範囲では、英語と会計以外に強みを持っている方、自信ある

分野がある方は、キャリアアップがしやすいようです。ですから、

日本の資格プラスU.S. CPAも強いでしょうが、事業会社での

経験にプラスしても、十二分に強みを発揮できると思います。

Q3 

日本企業のグローバル化という中で、私の会社は中国

に展開しています。中国でU.S. CPAが役立つという

例がありましたら、お教えください。

田 中▶アジア全体に関連する仕事をしているときに、中国の

方とも仕事をした経験があります。ご存じだと思いますが、中国

は独自の会計基準を持っています。IFRSにも準拠してきてい

ると言っても、まだまだ独自色が強いのが現状です。ですから、

U.S. CPAを取得したから、即効性があるかといえば、すぐに

効果は出ないかもしれません。ただし、アジア全体で集まって、

会計システムの方向性を検討する会議等の場合、当然、使用

言語は英語で、英語の会計用語を使って話をします。全員、

英語が母国語ではないのに、こうしたケースでは英語での会

議になる。すると英語プラス会計、U.S. CPAは大切です。中

国のみに絞ればあまり価値はないかもしれませんが、アジアで

仕事をして行こうと考えるとU.S. CPAは非常に有効ではない

かと思います。

Lord▶一つ付け加えたいのですが、中国の企業がアメリ

カに上場しようという時にはU.S. CPA資格が必要になってき

ますのでU.S. CPAを持っていれば、とても有効です。また、

IFRSに関しては、中国は一部採択の方向ですので、U.S.

CPA試験を通じてIFRSを学ぶことは有益だと思います。

Q4 

日本での受験が可能になり、今後受験者増が予想され

ます。すると難易度や試験そのものに影響は出て来る

のでしょうか。

Lord▶難易度に関しては今後も変更はありません、これま

で通り合格点75%以上は変わりないと思います。また、2011

年に試験が大きく変更されました。その内容はIFRSが追加さ

れたことと、試験の項目が変わったことです。こういった変更

があった後は、通常しばらくは変更が行われません。もう一つ

のポイントとして、米国でU.S. CPAがどう見られているかです

が、大学を卒業すれば、教育レベルの要件を満たしていると

捉えられます。そしてU.S. CPAは、プロとして第一段階の経

験を積むための要件として捉えられています。ですから、経験

を積み、人材としての価値を高める際に重要な要素となって

います。また、キャリアパスにおいては、学識的な知識だけで

はなく、知識プラス実務、両方を兼ね備えてこそ価値があると

捉えられています。ですから、何か新しいことを始める、新しい

何かに進んで行く場合は、有利になると考えられています。

米国公認会計士講座スペシャルイベント

TAC×Beckerベッカー

日本受験セミナー Special Event