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ソリューション・エンジニアリング本部 2020.1.30
長嶺 銀河
2
◼DDRメモリの規格と種類
◼DDRメモリの波形関連の測定項目
◼波形観測の勘所 Read/Write波形の切り分け
◼観測点移動とその効果
◼DDRメモリの観測点移動の実例
◼DDRメモリの規格と種類
◼DDRメモリの波形関連の測定項目
◼波形観測の勘所 Read/Write波形の切り分け
◼観測点移動とその効果
◼DDRメモリの観測点移動の実例
各項目の解説に加えて …
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そこが知りたい!
詳細解説
4
※DDR5は現在規格策定中※GDDR5/GDDR6等も策定
J E D E C J C - 4 2 S o l i d S t a t e M e m o r i e s C o m m i t t e e が 制 定
DDRメモリの規格
JEDEC LPDDR5 SDRAM Standard
規格番号 定義内容
JESD79-2F DDR2 SDRAM SPECIFICATION
JESD209-2F Low Power Double Data Rate 2 (LPDDR2)
JESD79-3F DDR3 SDRAM SDRAM Standard
JESD79-3-1A.01 1.35 V DDR3L-800~1866 (addendum)
JESD79-3-2 1.25 V DDR3U-800~1600 (addendum)
JESD209-3C Low Power Double Data Rate 3 (LPDDR3)
JESD79-4B DDR4 SDRAM
JESD209-4B Low Power Double Date Rate 4 (LPDDR4)
JESD209-4-1 LPDDR4X (addendum)
JESD209-5A LPDDR5
Keysight TechnologiesはBoD (Board of Directors)として参加
5
ど の D D R 規 格 か ら 観 測 点 移 動 は 有 効 か ?
「低速動作」時には通常必要ない
規格 スピード・グレード[Mbps]
DDR3 800 – 2133
DDR4 1600 - 3200
LPDDR4 533 - 4267
→ DDR4やLPDDR4で高速動作している場合に効果が高い
6
Controller
Memory Controller DRAM
200Mbps
400Mbps
800Mbps全く違う
かなり違う
少し違う
4133Mbps測定困難
Rx端 Tx端
READ
長めの伝送路の場合
測定位置による波形の違いが顕著 = 観測点移動が有効
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◼DDRメモリの規格と種類
◼DDRメモリの波形関連の測定項目
◼波形観測の勘所 Read/Write波形の切り分け
◼観測点移動とその効果
◼DDRメモリの観測点移動の実例
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◼ Clock信号(差動)
メモリコントローラーがDRAMに供給
◼ DQS信号(差動)
Read時はメモリから供給
Write時はメモリコントローラーから供給
◼ DQ(シングルエンド)
Read時はメモリから供給
Write時はメモリコントローラーから供給
◼ Address/Command信号(シングルエンド)
メモリコントローラーがDRAMに供給
D o u b l e D a t a R a t e - S D R A M
DDR-SDRAMで使用する信号
例: DDR4 x16 であれば、DQは16のシングルエンド配線になる
Memory
Controller
CLK
DQS
DQ
CMD/ADDR
DQS
DQ
DRAM
DRAM
fly-by
(Clk distribution)
Peer to peer
(Source Synchronous)
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▪ VH,VL
▪ Slew Rate
▪ Overshoot
▪ Crosspoint
▪ Clock Timing
▪ Clock-DQS timing
▪ DQS-DQ Setup/hold
▪ Address, CS, CA setup/hold
▪ Eye Pattern(Input/Write)
メ モ リ I C 単 体 の 動 作 仕 様 を メ モ リ 端 で 規 定
DDRメモリ規格の波形関連のパラメータ
DDR4 JESD79-4B
LPDDR4 JESD209-4B
DRAM
50Ω
Output(Read) Input(Write)
DRAM
at DRAM
(Pin or Die Pad)
テストポイント
特に重要
JEDEC仕様の主語は「メモリIC」
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J E D E C D D R メ モ リ 仕 様 の 電 気 / T I M I N G パ ラ メ ー タ ー の 定 義 は ど の よ う な も の か ?
そこが知りたい!ポイント2
Symbol 1600/1867 2133/2400 3200 4266 Unit
min max min max min max min max
tDQSQ - 0.18 - 0.18 - 0.18 - 0.18 UI
tQH 0.38 - 0.38 - 0.38 - TBD - UI
Symbol 1600/1867 2133/2400 3200 4266 Unit
min max min max min max min max
VdlVW - 140 - 140 - 140 - 120 mV
TdlVW - 0.22 - 0.22 - 0.25 - 0.25 UI
Read時のTiming 仕様 Setup/Hold
Write時のTiming 仕様 Eye Diagram(+ Mask)
代表的なデータレートに対して、パラメーターとその定義、及び、規定値が示されている
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D D R 4 / L P D D R 4 - R E A D は S E T U P / H O L D で 評 価
Memory
Controller
CLK
DQS
DQ
CMD/ADDR
DQS
DQ
DRAM
DRAM
測定パラメータ
評価対象信号: DQS | DQ
DQS
DQ
tDQSQ tQH
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D D R 4 / L P D D R 4 - W R I T E は E Y E で 評 価
評価対象信号: DQSとDQ
Vcent=仮想Vref
tDIVW
vDIVW
測定パラメータ
Vcent= DQアイの時間軸開口が最も広い電圧
Memory
Controller
CLK
DQS
DQ
CMD/ADDR
DQS
DQ
DRAM
DRAM
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安 定 し た 測 定 を 行 う た め の D U T の 推 奨 設 定 は あ る か ?
そこが知りたい!ポイント3
✓ クロックレート(データレート)を固定する(主にLPDDRにおいて)✓ 測定が終わるまで動作が停止しない✓ 以下のいずれか、又は、すべてのトランザクション
✓ Read→Writeを交互に繰り返す✓ Readだけ繰り返す(Writeは発生しない)✓ Writeだけ繰り返す(Readは発生しない)
✓ バースト間のIdle区間を短くする→ Idle区間が長いと完全に停止している状態と区別がつきにくい
✓ 読み書きする値は、ランダム的な値にする→ 0連続や1連続は、パルスが発生しないのでそもそも測れない
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DDR4-2400の波形
測りやすい例
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クロックがバースト
DQ/DQSの振幅が途中で変わる
バースト間隔が長い
Data rate が途中で変わる
測りにくい(又は測れない)例
LPDDR4-3200の波形
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◼DDRメモリの規格と種類
◼DDRメモリの波形関連の測定項目
◼波形観測の勘所 Read/Write波形の切り分け
◼観測点移動とその効果
◼DDRメモリの観測点移動の実例
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ACT
ROW
READ
COL
CLK
Command
Address
Data(DQ)
Data Strobe(DQS)
→ この方法は確実だが物理的に半田付けする信号が多く手間がかかる
オシロスコープのMSO
機能でトリガ
プローブの束…
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C O M M A N D 信 号 無 し で R E A D 波 形 と W R I T E 波 形 の 切 り 分 け は で き る の か ?
そこが知りたい!ポイント4
READ WRITE
このゾーンを通らない波形
このゾーンを通る波形
DQS
DQ
Data (edge aligned) Data (centered aligned)
Read Burst Write Burst
バースト動作時のDQS/DSのエッジの位相関係からInfiniiScanで切り分け可能
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Step1
Trigger
&
InfiniiScan
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有 効 な D Q S 範 囲 で ア イ を 描 画 す る
Gatingで測定したいバーストを切り出す
READ WRITE
Write の GatingRead の Gating
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Step2
Gating
Step3
RTEye
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◼DDRメモリの規格と種類
◼DDRメモリの波形関連の測定項目
◼波形観測の勘所 Read/Write波形の切り分け
◼観測点移動とその効果
◼DDRメモリの観測点移動の実例
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実 測 と シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 活 用
測定波形(観測できる点)
観たい観測点(観測不可点)
計算により正確に推定する
Tx Rx
伝達関数(入力対出力の関連を決める関数)
別名: Virtual Probing
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終端Sパラメータ伝送路Sパラメータ
TP1 TP2
デモ用FPGA
Tx ボード(1Gbps -
PRBS7)
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TP2
Ch2
TP1側にCh1を、TP2側にCh2をプロービングして波形を取得
TP1
Ch1
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◼DDRメモリの規格と種類
◼DDRメモリの波形関連の測定項目
◼波形観測の勘所 Read/Write波形の切り分け
◼観測点移動とその効果
◼DDRメモリの観測点移動の実例
本日の内容
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測 定 で き る テ ス ト ポ イ ン ト | 測 定 で き な い テ ス ト ポ イ ン ト
InfiniiMax probe
Memory Controller
DRAM
Interposer
Evaluation board
viavia
TP3TP2
TP5
TP1
TP4
TP6
Output(Read)信号の終端位置
・Input(Write)信号の終端位置・JEDEC規格の測定ポイント
(Input/Output 両方)
▪ TP3, TP4, TP5: プローブで直接測定できるテストポイント▪ TP1, TP2, TP6: プローブで直接測定できないテストポイント
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DRAM2
D D R 4 - 2 4 0 0 対 応
DRAM1
表層の引き出し端子にプローブヘッドを半田付け※プローブヘッドに特殊な改造や加工は一切不要
DDR-SDRAM
BGAプローブ・アダプタ
スペーサー
+RITAエレクトロニクス製BGAインターポーザー
(DDRメモリ搭載基板とDDRメモリとの間にBGA Interposer を挟むように実装)
基板背面に貫通Via有り
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実 機 検 証 の シ ナ リ オ の ま と め
回路モデルが正しいことを実機実測波形とInfiniiSimで検証する
ADS / SIPro で回路モデルを準備する
回路モデルのチューニング
測定や設定の間違い修正
Step1
Step2
Step3
Step4
Step5
Case1
Case2
Case3
回路モデルの変更
正しい回路モデルを使ってInfiniiSimでDRAMのDie PadのWrite波形を正確に予測する
正しい回路モデルを使ってInfiniiSimでMemory Controller端のRead波形を正確に予測する
上記で得られた観測点移動波形でJEDECのパラメータを検証する(測定器の自動測定ソフトウェア等)
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M E M O R Y C O N T O R O L L E R 側 か ら D R A M 側 へ の 観 測 点 移 動 の 試 行
Memory Controller DRAM
viavia
TP1
(実測) TP2’
(VP)
TP2
(実測)
Write
✓ Memory Controllerの実装基板背面Via(TP1)からDRAMの実装基板背面Via(TP2’)を予測
✓ TP2とTP2’が一致(回路モデルは正しい)
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Tx Rx
Memory
Controller DRAM
TLine
Via Via
Port1 Port2
PKG
Term
ADS/SIProでIBISとレイアウトの電磁界解析結果を1つのS-parameter 及び Transfer Function ファイルに集約
生成したS-parameter
に終端情報も含むためPort2より先はOpen(Hi-Z)に設定
観測点移動
34
35
T F 2 ・ T F 4 フ ァ イ ル を 選 択 す る だ け で I N F I N I I S I M を 適 用 可 能
ADSで生成したS-parameter
を使用してInfiniiSim上で回路
モデルから伝達関数を生成・適用
ADSで生成した伝達関数をInfiniiSimに適用
どちらでも同じ結果になる
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D R A M 側 R X の 終 端 位 置 の 波 形 を 確 認
Memory Controller DRAM
viavia
TP2’
(VP)
TP2
(実測)
Write
✓ 回路モデルが正しいことはCase1で検証済み✓ DDRメモリの実装基板背面Via(TP2)から
メモリIC内のDie Pad波形(TP2’)を予測
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I N F I N I I S I M の 設 定 を 失 敗 す る と ど う な る か ?
そこが知りたい!ポイント5
例1: 回路モデル設定でSim側だけ設定を忘れてIdeal Thruのまま(=De-embeddingの操作になる)
例2: 方向性のあるS-
parameterでFlip設定を間違える
例3: Filter の Time Span
が短い(=Step応答が収束
せずに途中で途切れている)
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F P G A 側 R X の 終 端 位 置 の 波 形 確 認
Memory Controller DRAM
viavia
TP1
(実測)
TP2
(実測)
Read
TP1’(VP)
✓ DDRメモリの実装基板背面Via(TP2)からMemory Controller端波形(TP1’)を予測
✓ TP1 = TP1’ を検証
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Tx Rx
DRAM
Memory
Controller
TLine
Via Via
Port2 Port1
PKG
Term
ADS/SIProでIBISとレイアウトの電磁界解析結果を1つのS-parameter 及び Transfer Function ファイルに集約
生成したS-parameter
に終端情報も含むためPort1より先はOpen(Hi-Z)に設定
観測点移動
※Case1 とTx/Rxが逆になる → Port2からPort1の伝達関数を生成
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プ ロ ー ブ 負 荷 の 影 響 を 考 慮 す る と 観 測 点 移 動 波 形 に 影 響 が あ る か
そこが知りたい!ポイント6
プローブが特性がよければ影響は少ない
✓ 回路モデルが正確かどうかのほうが重要
✓ 測定ではADSで作成し
た回路モデルを再利用するのがベスト(InfiniiSimによるモデル作成機能は限定的)
ADSやSIProを使用して信頼性の高いモデルを作ることが観測点移動の大前提
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推 奨 さ れ る 測 定 器 は ?
✓超低ノイズ < 1.0 mV rms to < 0.5 mV rms
✓超低残留ジッタ 20 fs rms
✓最高の有効ビット性能 10bit ADC
> 5.4 bits @ 110 GHz | > 5.5 bits @ 70 GHz | > 6.0 bits @ 33 GHz
✓圧倒的なデータ処理スピードHWエンジンが大容量波形データを高速処理→ 256GSa/s 10Bit ADC 2Gpts Memory x 4Ch
地上最強のオシロスコープ
13GHz ~ 110GHz
DDR3/LPDDR3
DDR4/LPDDR4
DDR5
LPDDR5
D9030DDRC
D9040DDRC
D9050DDRC
D9050LDDC
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Infiniium UXR シリーズ
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超小型プローブヘッドの決定版
MX0100 Micro Probe Head = 25GHz
N2839A 手持ち型プローブヘッド 21GHz
MX0106A 耐熱型プローブヘッド 23GHz
-55℃ ~ +150 ℃
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◼ DDRメモリの規格と種類
◼ DDRメモリの波形関連の測定項目
◼ 波形観測の勘所Read/Write波形の切り分け
◼ 観測点移動とその効果
◼ 観測点移動の実例
まとめ
◼ Infiniium UXR0134A オシロスコープ
◼ InfiniiMax プローブ MX0023◼ RITAエレクトロニクス製
DDRメモリ BGA Interposer◼ 自動測定ソフトウェア
◼ D9030DDRC DDR3/LPDDR3◼ D9040DDRC DDR4/LPDDR4◼ D9050DDRC DDR5◼ D9050LDDC LPDDR5
◼ キーサイトの設計ツール◼ ADS … Advanced Design System◼ SIPo◼ DDR Memory Designer
実測とシミュレーション両方のことを相談できるのは、、、
キーサイトだけですね!!
測定器とツール