Title 京大広報 No. 384

Author(s)

Citation 京大広報 (1990), 384: 849-850

Issue Date 1990-02-01

URL http://hdl.handle.net/2433/209293

Right ファイル中には未許諾による非表示部あり.

Type Others

Textversion publisher

Kyoto University

1990. 2. 1

ムノム

No. 384 京都大学広報 委員会

ρ吋

WA40

諸問

V由。AW

』官 僚 句，鎗イ， ...穂積書a現実’P月羽、＇＇＂ ＂＂＂＇・’ 4い＇＇＂‘’＂ぁ uu(I’羽、th1!1l旬v‘，... 1 .. , .. ，，叫 O>!lom¥t"

京都帝国大学創立25周年記念絵はがき （中央 ：医学部附属医院，右 ：理学部，大正11年〉

一関連記事本文860ベージー

目 次

＜大学の動き＞ ＜資料＞

l月11日の技索 ........... －・・・・・・・田・・・・・・・・…・・・850 国立大学の学生納付金の改定に関する

部局長の交替・・0 ・・・・・・一一－－.......・ 0・・・… .850 国立大学協会の要望c;r,:.............. 一 ・ー・・一.858

平成元年度の停年退職教官…・・・・・……・…….850 ＜随想、＞

平成2年度入学者選抜学力試験 新紫材の周辺

（！.＇（~ 2 次学力検査）の期日等及び志願状~ .... 854

＜紹介＞

放射線生物研究センター・………・・・…・ •• 856

＜保健コーナー＞

疲労感と健康・………・…........… ...・ H ・－－…・・・…… 857

名誉教授中山； ］.立夫－ 859

＜コラム＞

「うオっさ」 好・き

木下うわさ－－ .. 860

写真集企画委員会からのお願い ・・ー…・…・・……・… 860

-849一

No. 384 京大広報

く大学の動き〉

1月 11日の捜索 部局長の交替

1月11日 （木） ，警察による学内及び熊野寮の

捜索が行われた。

霊長類研究所長

この日の捜索は， 1月 8日（月）の建造物侵入，

火炎ピンの使用等処罰に関する法律違反被疑事件

に関連したもので，本学関係者立会いのも とに午

後 7時25分頃から同 8時頃まで教養部A号館の教

室（ 2室） ， また，午後 711寺15分頃から同 8時30

分頃まで熊野~rn棟の 2 室及び同室前の廊下につ

いて行われ，ピラ等が押収された。

野津謙霊長類研究所長の任期満了に伴い，そ

の後任として久保田 競霊長類研究所教授（神経

生理研究部門担当）が 1月16日任命された。任期

は平成 4年 1月15日までである。

<11111，，』，....・・・・・・，＂＇＂＇＂＂・ ・e・...’11111..... ．．，・・a11111’.... －・・・，＂＂＇1・・μ ー •Ill ’.. .... ..・・ E・・＂＇＂＇＂・ 8・・・・・＂＇＇＂＇＂＇＂・ ・一－－

平成元年度の停年退職教官

京都大学教員特；年規程により，次の方々（教授52~ ＇ ll)J教授 3名，講（：11i2名，凶手2名）が，本

年 3JJ 31 LI十jけで退職される。

郎 防 ・職名 氏 名 生年月日 出身地 ,JI·~ E註 空tf Tilf- 究 分 mr ｜西洋的研近降世究以降その美と学及ぴ芸術学の股 1

文芸部 官ドii］健一郎大正 焔｛邸？？？第美学学一・科美講術史学座 界 れの対比にお詰る自授 一 15. 5. 3 研究以の日本の芸術の比絞思論

｜卜砂 ｜ 文 ：： ~i~ ドイ1ツ雫震p伊代附…以持紀初L政玖ま 〉グ 平 ~1: ｛交えー 15・10.28 大阪府 ドドイイ 学講座・ テのI侍 降20世 で

教育教学部 小 林 ・m・ 也 I" ｜｜ 長野県 教比育較学教科育 比絞る教教育育学方言者法論題 ・国l珂際す化研社究会にお授 15. 12.22 学 講 座 け の 問 に る

授 太認さ主“ I I (1）領土紛争の処理に関する研究

~m "15. 5. 14 京都H守｜国際公法第一講座 I(2）圏内裁判所における外国国家の免 lI I 除に関する研究 ｜

I ~付属植物生態研究授然科澄雑 。15.5 28 佐賀県 ！ 施詰物生態学研究時学習2遊詩~f~質生産 ・ 繁殖

部門｜ ｜恒星大気縞射場理論と大気構造の観

小界各：ー グ15.6. 10 群馬県 ｜字麟君主立講座l澱控室天体の理論及び星形成領域｜の構造と進化に関する観測研究

｜中井祥夫グ15. 8 . 21 京都府物品草学叫縮空襲i~1副総謀長［工－恒 夫

II

15. 9. 3 滋賀県物品史学講座？？号！！評議認~i~：：グ 久保寺

｜ 附属火山研究施設草 ｜グ15.10. 19 I神奈川県 火山物理学研究 議場皇華街完山及び地熱地域の地

｜ ｜ 部門

-850ー

部一理

局一学

駿一部－一

名一

江

氏一一掘

京大広報 1990 2 1

i出身地講座等 研究分野 ｜

｜ ｜附属地球慨矧 l 品｜究施設 ！日本高地の氷河堆積笠に関する研究東京都 ｜ 熱水環境研究部 ｜琵琶湖，パイカル湖等古代型湖糊［

｜ 門 ｜

グ ！永田雅宜 ｜昭和 愛川品 （務室￥特？代替手…数幾2. 2. 9 講座 へ の 用 に る研究 ｜ 医芸部 I村地 孝 大正 ｜京都府 I医監学床検科査医学識 ｜｜擦の生化学的及び臨床検査医学的

授 I15・9・19

，， ｜荒木悶グ15.11. 61大阪府 ｜｜ 医生耕一部…座 ｜｜ 研 概究噛 鵬臨

藤原元始内 I. I I京都府医薬理学 科第 ｜｜ 心血管及び雪ノ滑筋におけるアミン，，，

学一講座 ベプチ楽ド理， ロスタグランジン類に関する 学的研究

，， I 野一正 1",121ー医解耕三融

臨倫泌理床学学に・癌役立の細つ人胞体生物解学剖学的研・究生殖・生内分命

工学教部授点肺日 大F. 4. 9 i問 機署座長程工時 I機離械要王監素？と能闘争る書研室究

ー．晶. .

る研講座 ｜究 I

，， ↑専 iグI 15. 7.24

工業化学サ l窯炉における燃焼の研究。燃焼反応 ｜京都府 応用国体化学講 ｜の素反応速度論による研究。セラミ ｜

｜ 座 ｜ックスの破壊過程に関する研究 I

// 赤 井浩 1115.11.盟三重県 土 開 軸 ト 質 一 的 研 究

［ず土醐上作き業部る…合行計方装吋法// 畠 昭 治 郎 昭 智 大阪府 土木工程学 を寄施 せ 理的設 に関

克 .12. 27 土木 講座 木る究工の合理化に関する研究

，， 鍵谷 動 'l 2. i. 22 I北海道 石触油媒化物学科理学講座反放究応射設線計化論学にの基基礎づとく触応媒用物に理関学す及る研び

，， イオンピーム ・ 相 用の原子桜核工学高蜘科畠W 加究研究醐酬の開発色t物性こ互闘作すする研富子 学務 長。高速微粒子イオンに関る研

雄三 l11 2. 2. IO I珊 ｜電間のー一斉プロ一のー非プ破の猿劣一検化査と安法全の研性資源 ワイヤーロ，， 応用工学計科測学講座 究。ワイヤ

の研究

｜ ｜ー科 電強体誘電体同す能性包研 一材の製体法 焦，， ｜川端

H百 グ 2.3. 5 滋賀県 量子エレクトロ など轡民1 主JG 料 とそニタス講座 の応用に る

！環論開，有 ベき酬研究するとの研一限，， 西村 孟 2. 3. 7 滋賀県共投義務座 陳情の そのシ久テム理への応に関 研究

金富皇研子ソガソi クロムの草書排官水進法倉知三夫 グ 冶電金気学冶科金 に る研究金。製合練金の電業 に関，，

2. 3. 8 京都府 学講座 す究。属工の処理対

υ 松 浦邦男1～九嫡府｜軍軍諸島

音建築響環に境関す工学る研，特究に建築照明， 建築 ｜ ｜

-851ー

報広大京No. 384

野分究研等E巨3棒出身地生年月日名氏部 局 ・職名

口独農業経笛 · ~法の言者類型に関す lる比較史的研究及び~間期における

座 ｜ 小:l!!l:の経営類:ii;~ と運動法則に関する~

設業工学科 I 農産物の収監E後処理及び品質管理技決産加工機械学 1術（乾燥 ・貯蔵 ・選別 ・加工 ・包装講座 そのに関する研究

' 川可J民政栄簿記研究 ｜決業会計原WJ.£!k栄一税務会計，良作グ i I京 都 府施詰 物原価計算，酔栄の地域会計，社会

I , －、業簿記研究部 会計 ・ ~業会両 r情報と処理に関する｜｜ 勺 研究

国際林業論に閲する研究特にアグロフ介レストリーと地域林業の組織化に関する研究

水産学科 ｜ 水産化学講座 I~（（肉タンパク質の食品原料学的研究兵庫県大正

15. ~1. 11 ti 水て士r

J受 ｜心rm ーJ-

教t~

→守 III

1~・ 15 . 6.22 t~林経済学科:l!!l: 史講

特川県正k子

L一一

，，

岡山県//

15. 7. 7 也

flr

γム

flt.

百E

下

剖1阿

山，，

／／

座軸桝鶏学

林設際

都国

県

一

県

島

一

庫

広

一

兵

m

森，，

関を

に業究

和林研

調曲以る

のぴす

能及関

機究に

両研策

益的政

公論土

．ム国

済テる

経スす

のシと

林る心

森す中

市民

科講

学学

的…政林林

州民昭和

2. 2. 12 flll r;r. 線I tミ

京都府 1日空座l認2詩集菌学概ぴ叫災

学 ｜金属 ・高分子等の結晶の塑性 ・成長｜等に関する研究

語 I~，，イクスピアに関する研究

，，

。2. 3. 6 恒有居武

大正15. 4. 25 理物

山口県 ｜英

岐阜県t平

治！グ15. 5.26 啓

方

木ヒ間l

，，

義教

，，

身体運動制御機桃のパイオメカニタス研究

(1）日本の高等教育の成立と特質に閑する研究

(2）幼児教育の教育線程編成の基本方針と形態並びに内容の研究

育

学

体

7守

健保

十15.10. s i 'i~WI巾福岡県

。15. 8. 12 籾;j(

女fl

木I r1お

伊『/LI

，，

IT! //

血管系成人病の予防と治療にj).¥:jする研究保旧

防相A滋15. 11. 5 7干

の

一研

一品目剛

一

の

潔

一学

換

一何

可

一幾

一分

学

一徴

何

域幾

大

数

一

に

い、、

一

ト苧

に

一尚子

特

一何

学

一幾

数究

一分

代研

一徴究

イ本健

数

之

代｜昭号 }. 131兵席県荷；

チ｜：

塚

Pl_

dゴ

大

，，

，，

凶 .I：現代イギリスにおけるカラ ード移民rlの雇用，住宅及び教育に関する研究

附属原子校科ザー研 ｜究箆設 l加速様に関する研究

原子炉構造研究部 ｜寝室裂庶結論税務’る雇門 'ii¥'，非定常熱流体力学に関する研究

冨

化学研究所 I"'' 教授 ITJ

I~＊＇レギー「研究所 '"" 教 授

学和 数個亦良古一市

おのる

~"If, ~t 棚l，，

！と//

2. 4. 1 良日次岡，，

·~¢ ・1昭和 ｜東京都2. 3.18 I

夫 ｜大正15. 9.24 石川県

台北市大正15. 10. 3 邦秀腰

:;H二

木材の糠質及び関連成分とその変換に関する基礎的研究

-852-

木材化学研究部門哲｝斗越授木材研究所

教

研究分野

木材の界面性に関する研究。木材の

木材物理研究部門 l晶子J両足？ね粧品すよ普｜究

γ ｜ ｜ i木本食物の組織培養に関する研究2. 2. ig I大阪府 ｜木材生物研究部門 ｜木本食物培養細胞の分化に関する研｜ ｜究

雄 ｜ 大~－ 4. 81吋際資源研究セ ！水資源時の…附

不5.1コ都問吋

1990. 2. 1 報広大京

等座5辞｜出身地 ｜

福井県昭和2. 1. 15

生年月日名

正木材研究所

教 回

氏

山授

部局 ・職名

和谷角，，

安授 ｜石

基礎物理学研究所

原防災研究所

教

弘 ｜昭翌 曹の明 ｜京都府 ｜核生物学研究部門 ｜穆鉱欝手号室主主主務報I ＇＇－＇・ u,.£,,I I 合に関する分子遺伝学的研究

清｜グ2 1. 251広島県

和

政

島

田

生理研究部門 ｜霊長類の生殖生理学に関する研究

｜湿潤1M'生態系研ヂ ｜アフリカの自然に強く依存して隻きれ取県 ｜部門 ｜る人Aの社会と豆長類社会を対撃と

I iした人類社会形成復元に関する研究

作 I/1 15. 9.山川哲倫叫；凶

十15.6.巾県

日巾 5.9

島

谷

授

原子炉実験所教授

霊長類研究所 ！＋ 教授 ｜〈

アフリカ地域研 ｜究センター ｜伊教授 ｜

西

石

教

段主イ鰐講肢 ｜土壌化ヒ

学 ｜警分幾何学特に脚微分幾何学の研

日本の植物相に関する研究（日本産野生植物についての分類学的 ・植物地理学的研究）

西洋の哲学，特に倫理忠、想を中心とした歴史的，体系的な研究

事告

嘉

谷西

!:!!

授部教

部教

学助

学助

文

尾

村長i箆後授部教

養助

教

回村部学

識理

医学科 高安病（高安動眠炎）の臨床的研究内科学第三講座 ｜（白、経過，診断基「治療，予後）

I 海洋生態学（沿岸海域内湾の環境科盟属瀬戸臨海実験 ｜学的研究 ・藻拐の生物群集の研究及川 ｜ぴ磯魚の食物連鎖構造の研究）

ガラス及びセラミックス等の無機材料の合成，物性並びに構造に関する研究

2. 1. 1

大正 ｜山口県15. 7. 6 '

山形県嘉市郎

恨一郎

JI!

施

石

布

間i部

部

学講

学助

医

理

窯業化学研究部門京都府ムグ

ノ、 15.9.25 俊牧

手

手化学研究所

助

京都大学医療技術短期大学部教員停年規程により，次の方が， フド年 3月31日付：ナで退職され

｜ 研究

｜ ミ一、ナリティの発追及び適応に関科 ｜する研究

分野

ッ｜大喜1151大山 養

-853ー

る。

部局 ・職名 ｜氏

医療技術短期大 ｜学部 ｜大教授 ｜

橋

No. 384 京大広報

平成2年度入学者選抜学力試験 （第2次学力検査）

の期日等及び志願状況

平成2年度入学試験（第2次学力検査）を，次の予定で実施する。

1 .第2次学力検査の期日等

O前期日程試験

月 日 教科 学

文 ・教育 ・法 ・経済「一般」

部 時 間］

国

般済経法

決

・育

医

一教

理

一文

翠聞

午前9時30分～ 11時30分

l午前 9Mi307}～11時

午後 l時 ～ 3時2月25日（日）数学

理 ・医 ・薬 ・工 ・決 午後 l時 ～ 3時30分

文 経済「論文」

午前9時30分～ 12時30分

午後2時 ～ 411与30分

外 国 語 文 ・教育 ・法 ・経済「一般」 ・理 ・医 －薬 ・工 .£!): 午前9時30分～ 11時30分

2月26nc月）長

般工

「

済

」

薬

経

文

一

弘嗣

医

法

一「

一済

理

文

一経

科

会

文

理

社

論

午後 l時 ～ 3時30分

午後 l時 ～ 2時30分

午前9時30分～ 12時

0後期日程試験

月 日 教科 学

文 ・教育 ・経済

部 時 間

午前 91侍30分～ 11時30分

国 雪五ロ日

医 午前9時30分～ 11時

3月14日（水） 教育 ・経済 午後 l時 ～ 3時

数学

型 ・医 ・薬 ・工 .:l!!1 午後 Ifl;'f ～ 3flヴ30分

論文 ｜文 午後 l時 ～ 3時

外 国 語 ｜文 ・教育 ・法 ・経済 ・医 ・薬 ・工 ・決

理 科 i 理 ・医 ・薬 ・工 ・段

午前9時30分～ lll時30分

3月15E:l （木）

時後午 ～ 3時30分

教育 午後 l時 ～ 31時

論文

法 午後 l時 ～ 3時30分

-854ー

京大広報

2.志願票の受付

1990. 2. 1

志願票の受付は， l月22日（月） から 1月31日（水）までの聞に，各学部で‘行われた。

学部別の入学志願者数は，次表のとおりである。

学

文学前

一後

部

前

一後

部学育教

前法学部

後

前期（一般）

経済 学 部 1 // （論文）

後期

前期

理学部

後

医 戸u.=f-

前

－後

部

薬学 部 ！：

前工 学 部

後

前

農 学 部

後

A 口

前

後

部

一則期

期

期

期

期

期

期

期

期

期

期

一期

期

期

計

期

期

募集人員 ｜志願者数

190 人 625 人

30 517

40

340

ハUA

U

A

U

P

D

R

U

F

O

4eA

146

151

1, 031

724

526

765

506

1,283

1,376

439

207

174

145

2,098

2,757

Illi－－’

ill11↓

。。ηf

nt

551

14,799

7,865

6,934

｜ （参考） 元年度倍 率 L 一一

志願者数 倍率

人13. 3 I 849 I 4. 5

17.2 327 10.9

5.1

8. I

4.6

3.6

9.9

44.2

6.2

17.9

3.8

5. 7

4.2

4.9

3.9

7.9

5,4

4.7

7.9

40

dq

’A

n

U

R

V

ηL

胃

4

ヴa

F

GU

一

j

qυ

一

ヴt

一3. 0

1, 830

12. 1

3.5 507

4.6

（注） 法学部 （後期日程）と経済学部（後期日程）の募集人員には，外国学校出身者のための選考の募集人員20名

以内と10名以内とを含む。また，両学部の志願者数には，同選考・試験志願者69名と45名とを含む。

276

llTIlt－

A

U

A

U

qonv 10

260

65

2,781

2,092

689

-855ー

12.8 592

12. 7 310

4.6 1,533

45.9 1,326

4.9

20.7

2.9 G

d

n

U

。。ヴt

1

1

7.3

3.4 2,605

6.7 2,044

3.0 1, 010

8.5 513

5.3 15,031

3.8 8, 171

10.1 5,030

lブ日程 ｜ 1, 830

No. 384 京大広報

く紹 介＞

放射線生物研究センター

本センターは，日本学術会議の勧告（昭和43年）

に基づき，全国共同利用の研究施設として昭和51

年に本学に設置されたもので，「欣射線は生命に

どう働くか」という課題を研究し，それを新しい

生命科学にまとめあげることを目的としている。

現在の部門構成は，放射線システム生物学研究部

門，突然変異機構研究部門，晩発効果研究部門の

3固定研究部門と，核酸修復客員研究部門，放射

線類似作用客員研究部門の 2客員研究部門からな

っている。

出傷の修復機構に関する研究を行っている。大)J号

薗など簡単な生物では修復酵素の追伝子が単離さ

れているが，当部門では，組換え DNAの技法を

使って大腸菌の DNA修復遺伝子をヒトの培養細

胞の染色体に組み入れることによって，この細胞

を発痴剤に対して数十倍も抵抗力を持たせること

に成功し，世界の注目をあびている。また，最近

では，宇宙放射線の生物影響など， 21世紀の放射

線生物学の新しい課題にも積極的に取り組んでい

る。

＼

突然変具機構研究部門では，放射線によって生

じる染色体異常などの突然変異の機構，及び発癌

、，

世界唯一の原爆被曝闘

であるわが同でt ，放射

線のおよぼす人体影響へ

の関心は非常に高L、。一

方，診断や治療など日常

の医療の面で放射線の思

忠を受けていることも事

実である。このように放

射線は「両刃の9i1J」に喰

えられるように危険性と

利益の両面を持つもので

ある。 放射線生物学は，

この放射線の生物に対す

る作用を正しく評価する

ために，その背後にある

真実を明らかにしようと

するものであって，本質

1987年9月にゴイ アエア市（ブラジル）で起きた 137Cs

事故では244名の住民が被爆した。写真は， その被H犀者

の一人のリンパ球の染色体を示す。矢印は放射線によって形成された染色体異常。染色体異常から推定される被l隠線量は約2.5グレイ（250ラッド〉となる。

と突然変異の関係につい

ての研究が行われてい

る。最近， シンク ロトロ

ン放射光や特性X線の利

用が可能となり，放射線

による染色体突然変異や

致死損傷など，生物学的

傷害の基礎過程に関する

多くの新しい事実が明ら

かにされている。また，

染色体~常を指標とする

ことによって，放射線被

爆の線盆推定や リスク評

仙iも当部門の主要な研究

課題となっている。

晩発効果研究部門で

は，癌細胞に対するリン

パ球の免疫学的認識と傷

的にはきわめて基礎的な研究分野である。また，

放射線生物学は学際的な学問領域であるこ とも特

徴であり，放射線そのものの物理学的理解．をはじ

め，化学，生化学，遺伝学，医学，薬学，工学，

民学などの広い分野にわたる境界領減を基盤とし

ており，各分野の研究者の協力と交流なくしては

強力な研究を推進することは困難である。 本七ン

ターが全国共同利用施設として設置された背景に

はこのような放射線生物学の学際性がある。

各部門の研究課題の代表的なものとして以下の

ものがあげられる。放射線システム生物学研究部

門では，紫外線や放射線， あるいは放射線と類似

した作用を持つ化学物質によって作られる DNA

~.!f機備につし、て研究が進められている。最近，リ

ンパ球の一種から作られる強力な脳細胞の殺傷力

を持つタンハク質の分離に成功した。 LGL-CFと

呼ばれるこのタンパク質の癌細胞殺傷力は，従来

知られている腫必壊死因子（TNF）の 1万倍以上

であり，臨床応用の面からも大きな期待が寄せら

れている。また，当研究部門では，そのほか放射

線傷害の防護物質，発癌や加齢の促進など被爆後

長期間を経て発現する障害と免疫系の関係など，

放射線の晩発効果の防護についての研究がなされ

ている。

木センターは設立当初より ，全国共同利用活動

の一環としての研究交流及び情報交換に重点を置

-856一

京大広報 1990 2 1

き，これまでに国際シンポジウム 9回，ワークシ

ョップ形式の医｜際集会2回，国内シンポジウム及

びワークショップ18凶を開催してきた。これらの

国際 ・問内研究集会は，欣射線の生物作用の基礎

的問題に関する多くの新しい情報を提供する本セ

ンターのユニークな共同利用活動として，圏内外

の研究者に高く評価されている。

昭和59年には，研究棟が医学部構内に完成し，

全11、｜の放射線生物学研究者による本格的な来所共

同利用も始まった。大型機器を持たない本センタ

ーの全国共同利用は，おのずからユニークなもの

である。すなわち，分子レベルから動物実験まで

をー貝．して系統的に研究を行う本センターでの共

同利用活動を通じて，研究者聞の連携と間報交換

を活発化し，全国の放射線生物学並びに関辿分野

の研究の発展に寄与したいと考えている。

（放射線生物研究七ンター）

川1111111111111”’..........,,,,1111111111°’＇＂. e・u111nllllilll'"""・・・4川1111111111111’”’ '"111111

保健コーナー＂・．・．，．”．・．・．，‘・‘“・11 . ~. ，‘’‘’‘.•~！

疲労 感と健康

労働にしても，スポーツでも統けていると，能

率， ベースが低下してくる。興味を感じて読書し

ていても理解力の低下を自覚してくるようにな

る。このような場合に，短時間の休息又は睡眠に

よって元気をとり戻すことができる。この身体状

況の変化が疲労であり，疲労の回復である。身体

の疲労の程度とその回復の経過を自覚することが

疲労感であり，それが自身の健康度を判断するた

めに最も手近な目安であろう。

日常茶飯事として，疲労，疲労感と健康につい

ては，既にすべて解明されていると理解されてい

るかもしれないが，なお多くの研究課題が残って

いる。

疲労感と健康に関する話題資料として，疲労の

種類，本態，対応法などについて組めてみた。各

自の疲労感と健康感への対応に役立つことがあれ

ば幸いである。

疲労の分類

疲労は精神的波労と肉体的疲労に大別される。

しかし，この両者は，それぞれ別個に出現するも

のではなし、。例えば，スポーツ競技では肉体的疲

労のみならず，記録を上げるための戦略の検討，

競技中のとっさの判断など精神労作による精神的

疲労がある。このように質的に異なる両者が関連

し合って出現する。なお，量的（程度）分類とし

て，疲労，過労と疲労困婚があり，疲労感も深刻

なものとなる。疾病症状，薬物副作用によって同

様の疲労感を生じるが，これらは疲労，労作が原

因ではないので一般的疲労と区別されている。な

お又，同程度の心身の労作によって出現する疲労

・疲労感には質的，量的に個人差があり，同一個

人についても心身のコンディション，環境条件に

よる相違もあるので，研究課題としての対応法も

複雑なものとならざるを得ない。

疲労の本態

疲労の本態について心理学的，生理学的に多く

の研究業績があるが，決定的な定説が得られてい

ない。諸説の中，代表的なものについて，その概

略を次に記す。

消耗説． 体力エネルギー源の消耗，枯渇が疲労

の本態とする考え方である。運動を対象とした研

究から運動のエネルギー源は糖，脂肪，蛋白であ

り，このJI慣に利用される。糖の利用がすすみ血糖

が低下してくると空）］望感，集中力減退など疲労感

が出現する。このH主点の糖質補給によって運動効

率の向上がみられる。運動を継続し，エネルギー

源として筋肉の蛋白質を利用する段階になると作

業能率は低下する。その他ピタミン類の消耗も疲

労と関係がある。

蓄積説： 身体的労作に伴って生じる種々の代謝

産物の蓄積が疲労を惹起するとする考え方であ

る。糖，脂肪，蛋白分解産物の蓄積と筋肉の収縮異

常，作業能力の低下との関連が解明されている。

状態説 ：運動に伴い，呼吸促進，血圧上昇，発

汗，血液濃縮など体内には種々の物理 ・化学的変

化が生じる。これらの変化が心身全般の機能性と

活動性を低下させ，疲労症状を惹起するとする説

である。

調節説：外部，内部環境の変化に対応しながら

生命維持のため身体内部環境を一定範囲内に維

持，調整する機構（恒常性維持機構）が自律神経

等と内分泌系などにより保持されている。運動に

-857一

No. 384 京大 広 報

よる体調変化は交感神経緊張と関連するホルモン

系によって調整されているが，運動が継続されて

心身の機能 ・機構の両面に変調をもたらす危険性

をもっ段階になれば，副交感神経緊張とホルモ ン

系による抑制調整機構が自律的に作動することに

なる。この総合的表現を疲労感とする考え方であ

る。

対 策

対策は回復と予防であろう。

回復の原則は休養と栄養補給である。

休養手段としては睡眠が最善であろうが，痕労

の直接原因となった労作と質的に異なる労作又は

運動が， 心身の疲労回復に効果があることも忘れ

てはならなし、。前者を消極的休養とすれば，後者

は積極的休養である。

栄養補給はエネルギー源の補給として糖質，ビ

タミンB群， Cとミネラルと水分補給が重要であ

る。蛋白質と脂肪の補給も機能増進上必要であ

る。

く資料〉

国立大学の学生納付金の改定に

関する国立大学協会の要望書

国立大学協会は，次の要望書を関係方面に提出

した。

平成元年12月19日

国立大学協会会長

有馬朗入

国立大学の学生納付金の改定について（要望）

国立大学の予算につきましては，厳しい財政事情のな

かで種々 ご配慮を頂いていることに対し，深く感謝の意

を表するものであります。しかしながら，明年度の予算

編成にあたり，国立大学の学生納付金（授業料）の増額

改定が検討されていると伝えられていることについて

は， 国立大学協会として深く憂慮し，強い危俣の念を表

明せざるを得ません。

国立大学の学生納付金については，近年繰り返されて

きた増額改定により， 学生生活の諸経費の高践と相まっ

て，その父母の家計への負担は著しく大きくなってきて

予防法として自律神経系の調整のため，日~’的

に規則的な生活習悩の確立が指摘されている。そ

の他平素のトレー ニンク．による体力作り，日常の

栄養管理などに留立することがすすめられて い

る。心労問題にも消極的に終始せず，気安く発想

転換して積極的に対応することが良策であろう。

身体的，精神的疲労感は個人差があ り，自然科

学的に研究対象とするには課題が多い。疲労は心

身機能の低下状態と捉えられがちであるが，軽度

の疲労感を覚える労作は却って心肺機能，精神機

能に刺激を与えて，機能増強に役立つものとな

り，適応水準を高め，より高度の機能獲得が期待

される。 しかし，一方ではそれ以上の労作継続に

プレーキ又はスト ップ信号を発信して，心身の決

定的破壊を事前に防止している可能性も否定でき

ない。 疲労感は健康保持 ， 増進に関 して重要な ，~，

覚症状とも考えられる。

（保健管理セ ンタ ー 小川隆三）

おります。国立大学は，我が国の高等教育が総体として

均衡のとれた発展をとげるよう，国の責任において全国

的にパランスをとって配置されているものであり，高等

教育の機会均等の実現を基本的な使命のーっとするもの

でありますが，学生納付金のこのような増額は機会均等

の最小限の保証をも奪いかねず，ひいては，国立大学の

本来の使命達成を危うくするものであります。

また，大学教育は， 学生個人のためであると同時に，

社会的要請に応えて有為な人材の養成をおこなってお

り，国と社会はその最大の受益者であります。とくに，

国立大学には社会的要請に対応した人材養成が強〈求め

られています。したがって，国立大学の学生納付金につ

いては，いわゆる受益者負担の原則を単純に適用すべき

ではなく ，ましてや，コスト主義に基づく専門分野間格

差を導入することなどは到底認められないところであり

ます。

国立大学協会では，財政収入増の観点、から授業料，入

学料等の隔年ごとの改定を定着させることについては，

かねてから，遺憾の話、を表 しているところであります

が，政府におかれましては，われわれの意のあるところ

をご賢察の上，とくに今回の国立大学学生納付金の取扱

につき，十分，慎重を期せられますよう，ここに重ねて

強く要望いたします。

-858ー

No. 384 京大広報

［治主］日傘や流言の問題

に関わりだしたの

は学部の 3回生の

頃であるから，そ

のつきあいの歴史は長L、。暗に興味を持ったの

は，それが日常的でインフォーマルな会話の過

半数を占めること，したがって，人間のコミュ

ニケーション行動を総体として理解するには，

一見俗界のできごとに属する貯のメカニズムを

分析することが，絶対に必要だと思ったからで

ある。

しかしながら，私の「学問的受難」もこのと

きから始まった。新しい貯が流れだすと，たい

ていの友人は私の顔を疑わしそうに見て， “犯

なく~好きなのである。人の噂以上にうまい泊

の肴はなし、ことは，みなさん自身が先刻ご承知

であろう。

私の手元には， Ukiのダイナミックスに関する

学問的な実験・調査データのほかに，これまでに

収集した大量の時コレクションがあるが，その

中には， 口裂け女，マクドナルドハンパープfー

の肉，コカコーラと入れ歯，タクシーから消えた

女，当たり屋，人面犬といった，マスコミまで賑

わせた著名なものから，知人の動静，男女のロ

マンスのような！被られた範聞の個人的11(1にいた

るまで，実にさまざまな内容が含まれている。

もちろん京大内部の附も沢山あって，先生方

の授業の商白さや単位の取りやすさ，阿部のネ

人はおまえやろ”という

のである。ひどい奴は，

疑L、を通り越して最初か

「うわさ」好きコ，教養のキリ ン，政治

的七クトのw訊，マジン

ガー Zの絡筋工場など，

これまた多極多様であら私を犯人と決めてかか

り，“今度のおまえの昨はなかなか良かった”

と褒めてくれたりする始末である。

ここまで、人に疑われるのなら，いっそ噂の卸

問屋として，“よろず貯を買います売ります”

の看板を掲げたほうが良いのではないかと思う

ことがある。事実，江戸時代には，それを商売

にしていた古本屋の由蔵という男がし、たよう

で，「本由は人のうわさで飯を食ひ」という川

柳が残されている。学問的な言葉に置き換えれ

ば，彼はさしずめ「噂ネットワークのキーパー

ソン」とし、うことになろうか。

だがこのような職業を成り立たせるには，噂

の好きな人が多数存在することが，必須の条件

になる。そして幸いなことに，人聞はまず例外

木下うわさ

る。 文字通り私たちは，日々切にJIIT もれ， II｛~を

食べて生きているのである。

このように書くと，私はいかにも昨好きの昨

人間に聞こえるだろうが，その私も兜を脱ぐ貯

ファンがこの京都に一人いる。その方の本業は

お菓子屋さんで，まずその登録商標が「京のう

わさ」。 それに包装紙も帥とし、う字模様で，題

味でされていゐテニスのサークル名が「rumor

tennis club」という凝りよ うである。その上，

お峨さんの名1]iTがなんと「うわさ」。 おそらく

世界にこつとないぷ敵な名ではないか。

まだお会いしたことはないが，さぞ名前にふ

さわしい魅力的な女性に違いないと，早くも仲

間内で昨が広がっている。 （木下うわさ）....－，，町、－，司・，..＿”～・・戸・ト－，司・，，＿＿，『，..＿，司ト............. 、4・＿..........島，.......... ，曹胸、．‘”～........ ～ー，，～.. ，曹、．同・v、4・h”h、－，司ト4』司............... ・匹、a』詞．，、.... 司・..... ・’‘，、

写真集企画委員会からのお願い

写真集企画委員会では，かねてより

本学の歴史に関係する写真て？の資料を

収集しており ，教職員 ・学生の方々に

ご協力をお願いしております。 （ホー入；

広報陥354参照）

ご協力いただけーるプn土，庶務部広報

調査課（内線2070'2073）までご連絡

くださるようお願いします。大正11年（1922）当時の文学部ー京都帝国大学

創立25周年記念絵はがきよりー＜元職員伊佐窓治氏提供＞

-860ー