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November 2015 vol.127 企業における グローバル人材育成と 英語4技能の向上 Special Feature 第15回 地球人財創出会議 八木 洋介氏 講演 (株式会社LIXILグループ 執行役副社長 人事総務担当) …………… 2 Case Study 株式会社オークラ ニッコー ホテルマネジメント…6 Information ………………………………………… 8 TOEIC ® Newsletter

TOEIC Newsletter 127...e or rs キングが必要です。こうしたものが人間力として、周りを引 きつける力になるのです。言葉だけで人は動きません。何

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November 2015vol.127

企業におけるグローバル人材育成と英語4技能の向上

Special Feature第15回 地球人財創出会議 八木 洋介氏 講演

(株式会社LIXILグループ 執行役副社長 人事総務担当) …………… 2

Case Study株式会社オークラ ニッコー ホテルマネジメント … 6

Information ………………………………………… 8

TOEIC®

Newsletter

Page 2: TOEIC Newsletter 127...e or rs キングが必要です。こうしたものが人間力として、周りを引 きつける力になるのです。言葉だけで人は動きません。何

ピードとダイバーシティの時代ですから早く物事を決めなければいけないわけです。そのような環境で我々日本人はリーダーシップを発揮できるのでしょうか。多くの日本人は「人に迷惑をかけるな」「思いやりを持て」などと言われ続け、自己抑制の中で育ってきていますが、グローバルな環境で出会う中国人やアメリカ人は「一番になれ」「Be yourself」など、自分を出せと言われて育ってきているのです。自分を出す人と抑える人が一緒に仕事をしたらどうなるでしょうか?自分を出さない日本人は流されるばかりです。グローバルな中で流されず、埋没せず、自ら自分をしっかり前に出していく、そんなインパクトのあるリーダーになるためには、自分軸を持つことが必要だというのが私の考えです。

自分が大切にしていることを知る軸として 一貫性のあるストーリーにする

 では、どうすれば軸を持てるのか。それは、自分がこれまで生きてきて大切にしていることをまず知ることです。人は大切にしていることを踏みにじられると、頭にきます。逆に言えば、頭にくることや嫌だと思うことの裏側に、自分が大切にしていることがあるということです。例えば、私は嘘をつかれるのが嫌いです。だから、自分は絶対に嘘をつかないと決めています。それが私の軸の一つになっています。 軸のつくり方について説明します【図1】。自分を知るための手がかりとして、いくつか挙げましょう。リーダーとして尊敬する人、経験や重大な意思決定の総ざらい、自分はどんな人間だと思われたいか。これらをリストアップしていくと軸となるものが見えてくるはずです。特に好きなことや嫌

いなこと、どんなときに自分の感情が立つのかを重視するとよいでしょう。自分が大切にしていることを見つけたら

〈Identify〉、次は矛盾するものを捨て、それを軸として一貫性のあるストーリーにする〈Streamline〉。そして、大切にしているものを実践し生きる〈Live〉、これを1年くらい続けていれば、自分のものとして身につく〈Personalize〉ようになります。これを繰り返すのです。 私にとって最初の軸は「(自分に)負けない、(自分から)逃げない」ことでした。これは18歳の頃からずっと変わりません。その後、人生経験や職業経験を重ねる中で、さらに多くの軸を持つようになりました。「文句を言わない」「自ら輝く生き方をする」「前へ」などです。あるいは「動物(のように生きる)」「これでいいのだ(これ以上できないというところまでやったら休む)」というものもあります。最終的には、自分が正しいと思うことを正しく実践することが一番重要だと考えています。ただ、何が“本当に”正しいのかは分かりません。とはいえ、分からないからといって何もしないで座っているわけにはいかないので、「“今の”自分が正しいと思うことをやる」、と決めています。そして“今の”自分は本当に正しいかどうか、考えて学んでストーリーとして流れができるようにするのです〈Streamline〉。 正しいことを正しく実践するために、私は自分に課していることがあります。それは、常に好奇心を持って学び続け、教養を身に付けることです。そのための方法として、私は「風変りMethod」なるものを実践しています。いくつか紹介しましょう【図2】。

グローバル環境では 軸がなければ流される

 組織としての日本企業の課題とは何か。キーワードとして挙げられるのは、公平性や継続性、空気感ではないかと思います。すなわち、横並び意識が強く、序列を気にかけ、コンセンサスを重んじる結果、物事がなかなか決められないということです。これに対して私が以前勤めていたGEには、極めて優れた戦略性がありました。変化の方向性を捉え、圧倒的な力量と決断する勇気があり、何より行動力に長けていることが強い企業たらしめたのです。日本人は何が正しいかについては一生懸命に考えますが、行動力が足

りません。行動力を発揮するには、ぶれないための軸を持つことが必要です。それがなければ、この圧倒的な変革とスピードの時代において、ビジネスの世界で勝つことはできません。ここが日本企業の弱さであり、失われた20年の原因ではないかと私は考えています。 一方、リーダーシップとは何でしょうか。LIXILでは、ビジョンを描いてそれを戦略展開し、コミュニケーションによって周囲を鼓舞しながら、自ら先頭に立って実行することと定義しています。そしてそれを可能にするために、プロとしての専門性と幅広い知識に加え、ビジネス環境を読む力、自分らしさや価値観が必要であるとしています。このうち、専門性や知識は学べば習得できますが、自分らしさは学んで得られるものではありません。この自分らしさこそが軸であり、リーダーシップを発揮するために非常に重要なものです。人は軸がなければぶれてしまい、ぶれるリーダーには人はついてこないからです。私自身も20個くらいの軸を常に持っています。それらが自らを動かす力や一貫性、物事や人を評価する判断力、決断力、そして自信の源につながっています。 グローバルリーダーであるならば、リーダーシップをグローバルレベルで発揮できなければなりません。また、ス

世界の中でビジネスに勝つには個としての軸を持つことが欠かせない変化と不確実性に満ちた環境で、多様性の高い組織を率いて結果責任を負うリーダーには、何が求められるのでしょうか。日本GE、そして現在はLIXILグループでリーダー育成に力を注いでいる八木 洋介氏は、「個としての軸」を持つことであると言います。なぜ「個としての軸」がリーダーにとって必要なのか、そしてどのように軸なるものを発見し、リーダーシップの源として確立していくか。さらにはそれを組織におけるリーダーとしてどのように企業理念とつなぎ、問題解決と変革を実現していくかについて提言をいただきました。※本記事は、2015年6月2日に開催された一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の第15回 地球人財創出会議における八木氏の講演を採録したものです。八木氏の肩書きは、講演当時のものです。

Special Feature 第15回 地球人財創出会議 LIXILグループ 八木 洋介氏 講演

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■��図1�-�軸をつくる、軸を持って仕事をする

◆ 自分を知る…自分が大切にしていることを知る  - リーダーとして尊敬する人  - 経験や重大な意思決定の総ざらい  - 自分がどんな人間だと思われたいか  - 強みだと思っていること  - 克服したいと思っていること  - 好きなこと、嫌いなこと◆ 軸として一貫性のあるストーリーにする◆ 軸を生きる  - 例えば、「思う」の封印◆ 軸が身につく

■��図2�-�風変りMethod

・ ケーススタディ・ 教えながら学ぶ・ 他流試合・ Critical Reading・ 腹たち読書・ 週一本屋・ NHK第二放送・ 毎日2時間・ 違和感掘り

IdentifyStreamlineLivePersonalize

京都大学経済学部卒業後、1980年日本鋼管株式会社(現JFEスチール株式会社)に入社。 主に人事分野で経験を積み、92年マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院で修士号を取得。99年ゼネラル・エレクトリック(GE)に入社。 2002年GE Asiaシニア HRマネジャー兼日本ゼネラル・エレクトリック株式会社取締役に就任。 05年GE Money Asiaの人事担当に就任し、同事業人事全般を担当。 09年日本GE株式会社 取締役シニアHRマネジャーとして、日本のGEビジネス全体の人事を担当。 12年4月株式会社LIXILグループ 執行役副社長に就任し、人事総務を担当している。

株式会社LIXILグループ 執行役副社長 人事総務担当  八木 洋介 氏

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Readers

キングが必要です。こうしたものが人間力として、周りを引きつける力になるのです。言葉だけで人は動きません。何かを変えるには、行動を起こすしかないのです。そのために、

そのよりどころとなる自分軸を持ち、自発のエンジンにしていただきたいと思います。

 まず一番重要なのが「違和感掘り」です。何か変だなと思うことがあれば、それについて深く考える。そして自分なりの答えを探し求める。そうすることで自分の体験や経験が自分の一部として血肉化します。あるいは「週一本屋」。週に1回必ず同じ本屋に行き、新刊本をチェックしたり、読むべき本があれば買います。その中には、自分の考えとは真逆の本もありますが、それを腹を立てながら読むという「腹たち読書」も実践しています。これは本に文句をつけながら読むことで、思考がより鍛えられるからです。その一方で、一冊の本を2カ月くらいかけて熟読し、レジュメまでつくることもあります。こうした「Critical Reading」も知識を自分の中に定着させる方法として有効です。 こうして得た知識や教養は使わなければ意味がありません。私は「他流試合」といって、他の企業の人事の方や自分とは異なる考えを持つ人たちと議論を交わしています。こうしたことを実践し、常に刺激を得て、何が正しいのかを考え続け、学んだことは必ず実践しているのです。私はこれを

「知行合一」と呼んでいます。

企業理念に息吹を与えるのは思い 正しいことを実践すれば人はついてくる

 空海によると、「識(精神活動)」には知識と意識の二つがあるといいます。意思決定において、人は知識だけあっても決断することはできません。逆に、意識だけで決断すれば周囲に迷惑を掛けます。知識と意識の両方があって初めて、良い決断ができるのです。知識を「ロジック」、意識を「思い」と言い換えれば、ロジックに思いが乗ったときに、正しい行動ができるのだと思います。 経営には正しい答えがありません。もし、正しい答えがあるのなら、ロジックだけで全て解決するでしょう。しかし実際には、ロジックでできることは、100ある選択肢の中から3 ~ 5個に絞り込むことだけです。最後

の一つ、これだと決めるときには、思いが必要です。ロジックを押し出すだけでは人は動きません。思いがこもった意思決定にはストーリーがあり、それゆえに人は共感しついてくるのです。その思いがどこから来るのかといえば、それこそ自分を貫く軸に他なりません。 同様に企業理念に息吹を与えるのも思いです。企業理念というのは、大方理想が謳われているものであり、基本的に誰もが同意できるものでしょう。それを実現していくためには、社員が自分自身の思いを乗せることが重要なのです。自分はこれが正しいと思うのであれば、辛くても苦しくても勇気を持ってそれを主張し、行動を起こしてほしいと思います。LIXILのValuesを見ると、〈Work with Respect〉(オープンで率直なコミュニケーション、多様性、実力主義の下ですべての人たちに公平な機会の尊重)、〈Deliver on Commitment〉(自らオーナーのごとく行動し、ステークホルダーのために価値を創造する)など、どれも極めて当たり前のことを提唱しています。その当たり前に力を与え、息を吹き込むのが「思い」です。企業理念に自分の思いや生きざまをぶつけることで、ロジックが単なるロジックではなく、生きた言葉としてパワーを持つようになります。会社の理念を実現するためにも、自分の軸を持つことが大切なのです。 最後に私が考えるリーダーシップモデルを紹介しましょう

【図3】。リーダーシップとは、行動によって問題解決と変革を図るものであり、行動は意欲から生まれます。そして、自分が正しいと思うことを実践すれば、周囲にも影響を及ぼし、仲間が増えていきます。そのためには知恵、経験、思考、専門的知識、そしてこれらを統合するシステムシン

■��図3�-�LIXILリーダーシップモデル

地球人財創出会議の詳細につきましては、右記のURLをご覧ください。 http://g-hrd.com/forum/subcomm/

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ぶれない一貫性ひとつを選ぶ決定力物事や人を評価する判断力自らを動かす内なる力信頼自分を持つ→自信

ハングリー精神

問 題 解 決変 革

•Business acumen•専門性•教養

一生懸命の先に社長なし経験だけでは人は育たず研修だけでは人は育たず

自らの継続的努力(思考・学び )

刷り込み

生き様

人間力

思考

SystemThinking

DomainExpertise

経験

欲行

学び

正しいこと

•Identify•Story•Live•Personalize

リーダーシップVision/Strategy

Communication/InspireExecution

自発自立 / 自律

ゆとり

人事の役割は社員のやる気を引き出すこと思いを伝えるために英語を使えるようにする

 LIXILはもともとドメスティックな企業でしたが、海外企業のM&Aなどでグローバル企業へと急成長してきました。私たちにとってのグローバル化は、日本中心でものを考えるのではなく、世界に日本を合わせていくという方向性です。そのためにグローバルで共有できるLIXILバリューをつくり、マインドセットの変革に取り組んでいます。 経営資源の中で一番重要なのは「人」です。そして人事部の役割は、「人」を活性化することです。人の心に火をつけ、どれだけやる気を引き出せるか。その意味で、人事というのは「人のプロ」であるべきだと私は考えています。ところが残念ながら多くの企業は、制度やルールをつくることが人事部の仕事だと思っ

ています。これは人を管理するという発想であり、その裏にあるのは人間に対する不信感ではないでしょうか。人を信頼し、人が力を発揮できるような仕組みをつくる。それこそが人事にとって一番重要な仕事です。 英語についても、自ら学習するモチベーションをいかに引き出すかが大切です。私は、英語でコミュニケーションをするとき、通訳を介するよりも、下手でもいいから自分の言葉で話す方がいいと思っています。なぜなら、その方が思いが伝わるからです。大切なのは、英語ができることではなく、自分の思いを伝えること。そのために、英語を使えるようになることが必要だという理解が重要です。

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社員の英語学習を全社的にサポート英語力測定のためにTOEIC®テストを活用ホテル業界では、ホテルを経営するオーナーからの委託によりホテル運営会社が運営を行うのが一般的になっています。ホテル運営会社の株式会社オークラ ニッコー ホテルマネジメントの総務人事部では、ホテルに派遣する幹部や本社スタッフに教育を行っています。グローバル展開の強化に伴いコミュニケーション能力をさらに高めるため、TOEICテストで英語学習が必要な人材をスクリーニングし、 eラーニングによる学習機会を提供しています。

会 社 概 要名称 : 株式会社オークラ ニッコー ホテルマネジメント創業 : 2015年従業員数 : 418名(2015年10月1日現在)

「オークラホテルズ&リゾーツ」、「ニッコー・ホテルズ・インターナショナル」と「ホテルJALシティ」、3つのホテルチェーンを運営する、ホテルオークラグループのホテル運営会社。日本国内でも希少な国際的なホテル運営を行っています。ホテル総数は、国内47、海外26の 合 計73ホ テル。総客室数は22,589室。

■��教育体系概念図

株式会社オークラ ニッコー ホテルマネジメント

あります。英語ができないとトップに自分の言いたいことを正確に伝えられないため、英語を得意としていない社員は危機感を持っていると思います」と話します。

英語学習を自己学習から会社による支援へと転換 英語能力の把握にTOEIC®テストを導入

 オークラ ニッコー ホテルマネジメントの人材育成体系には総支配人を目指すGM人材候補と各部門のスペシャリストになる専門人材候補の二つのキャリアパスがあります。以前は若手に早い段階で海外赴任の機会を与えていましたが、現在は中長期的な視点に立った人材育成を意識し、ホテル運営の知識やスキルを国内でしっかりと身に付けることを重視しています。その理由について関根氏は、「ホテルに派遣される社員は将来総支配人を担うと考えられる人材であるため、現地オーナーや従業員とコミュニケーションを図り、問題解決能力やマネジメント能力を発揮できなければなりません。特に語学力が十分に備わっていない場合は、国内で語学力の研鑽と並行してステージごとに必要な実務スキルを理解し、実践を積んでから海外に行くのが望ましいです」と説明します。 英語力はそうしたスキルを発揮する前提です。語学力は自分で磨くものという意識から、以前は自己啓発として受験した英語の外部試験の結果に応じて学習費用の一部を奨励金として補助するだけでした。しかし、現在は英語コミュニケーション力の向上が人材教育方針の一つとなり、会社としてサポートしています。まずは英語能力を把握するため、昨年9月に本社勤務全社員を対象にTOEICテストを実施し、さらに今 年1月には、スコア上 位 者 を対 象 にTOEIC Speaking & Writing(TOEIC S&W)をトライアルで実施しました。関根氏は「当初から英語4技能全部を測るのが狙いでしたが、TOEIC S&Wはある程度の英語力がないと学

習意欲を減退させてしまうのではないかと思い、受験対象をTOEICスコア上位者のみとしました。また、発信力が弱いという社員をサポートしたいという考えもありました」とトライアル実施の意図を語ります。

一定スコアに及ばない社員を対象に eラーニングによる自己学習をサポート

 TOEICテストの高スコア取得者で社長秘書も務める総務人事部の須藤 早氏は、「TOEIC S&Wは高度なテストだと思います。ライティングには慣れていても、スピーキングには戸惑った社員も少なくなかったと思います。私自身、話す力を測る機会はめったにないので刺激になりました」と感想を述べます。 TOEICテストで一 定スコアに達しなかった社員やTOEIC S&Wの結果が良くなかった社員は、eラーニング教材で自己学習のサポートを行っています。複数の教材を試した結果、4技能の勉強ができ、ビジネス時事英語に強い『GlobalEnglish 日経版』(日本経済新聞社)を採用しました。費用は自己負担ですが、修了証を受け取り、次回のTOEICテストで一定の成績向上が認められれば半額が支給されます。一方で英語を含む実務で必要とされる知識・スキルについて100科目以上のeラーニングの内製化にも取り組んでおり、英語ではライティング講座を開講しています。

「TOEICテストは英語学習支援の在り方を検討する際の有効な基準であるとともに社員にとっては学習効果を測る尺度となるので、今後も引き続き活用していく予定です」と関根氏は語ります。

グローバルチェーン展開に向けて 英語コミュニケーション力を高めたい

 昨今、外国人観光客の増加や国内旅行の需要増で活況が続いているホテル業界において、オークラ ニッコー ホテルマネジメントではホテル運営力と開発力を高め日系発のグローバルホテルチェーンを目指し、海外展開を強化する方針を打ち出しています。海外ホテルのお客さま、オーナーや現地従業員と円滑なコミュニケーションを図るためには、

語学能力だけでなく、相手の国の文化や国民性への理解が必要です。 こうした状況に加えて、転機の理由の一つとなったのが2010年の外国人社長の就任です。資料を英語で準備することはもちろん、従来にも増して日常的な内容をメールで書ける程度の英語力が求められる場面が増えました。管理本部 総務人事部 シニアマネージャーの関根 宏氏は、「日本人同士であれば、多少言葉が曖昧でも通じますが、外国人が相手の場合、適切な言葉を使わないと誤解を招く恐れが

Case Study

※ オークラ ニッコー ホテルマネジメントは、2015年10月1日付で親会社である株式会社ホテルオークラのホテルチェーン運営部門を吸収分割するなどの組織再編を行うとともに、社名を株式会社JALホテルズから株式会社オークラ ニッコー ホテルマネジメントと改称しました。

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(社内外の環境に応じて都度改良)

自己啓発支援制度(通信教育補助制度・資格取得奨励制度・赴任前語学研修制度)

「GMを目指す社員のための自己学習ガイド」(自己学習指針ガイド)

英語力強化支援及び効果測定

「ホテルオークラ・オークラ ニッコー ホテルマネジメントeラーニング」(100科目作成中)

経営運営管理講座(2日間9科目)

労務管理講座

サービスマネジメント知識 ホテルマネジメント知識 専門知識必須知識

マネジメント候補層

マネジメント及び

マネジメント候補層

チェーンオペレーターとして必要なGM・専門人材

オークラ ニッコー ホテルマネジメント

GM人材候補 専門人材候補

パフォーマンスの向上

知識(体系的基本知識・実務的専門知識・経験智)の習得

海外短期留学制度(オークラユニバーシティ)(計6ヶ月 事前研修7科目、実地研修10科目)

首都大学東京主催「観光経営トップセミナー」(計3週間 33科目52講義)

新入社員研修

立教大学主催「ホスピタリティマネジメント講座」(3ヶ月間 35講座)

マネジメント層

管理本部 総務人事部シニアマネージャー関根 宏 氏

管理本部 総務人事部

須藤 早さき

株式会社オークラ ニッコー ホテルマネジメント

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名古屋 〒460-0003愛知県名古屋市中区錦2-4-3錦パークビル TEL(052)220-0282

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2016年1月からTOEIC® Speaking 公開テスト開始

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IIBCが運営するWebサイト「GlobalManager」では、グローバルビジネスのオピニオンリーダーたちによるプラクティカルですぐに役立つ多面的な情報を厳選して掲載しています。国籍や文化を超えて活躍するためのノウハウやスキル、ヒントなどは、ビジネスパフォーマンスの向上をサポートします。ぜひご覧ください。http://webmagazine-globalmanager.com/

TOEICテスト出題形式一部変更のお知らせについてはTOEICテスト公式サイト(http://www.toeic.or.jp)をご参照ください。

▪公開テスト : 第210回(2016年5月29日実施)から開始予定▪団体特別受験制度(IPテスト): 2017年度以降に導入予定

GlobalManager®Webサイト

TOEIC® Speaking 公開テストとIIBCが実施・運営するその他テストとの比較表

TOEIC® Speaking TOEIC®Speaking & Writing TOEIC®テスト

測定する能力 「話す」 「話す」・「書く」 「聞く」・「読む」

テスト形式 パソコンを使った受験 パソコンを使った受験 マークシート方式

テスト時間 スピーキング:11問、20分 スピーキング:11問、20分間ライティング:8問、60分間

リスニング:100問、45分間リーディング:100問、75分間

テスト結果 スピーキング:0点~200点 スピーキング:0点~200点ライティング:0点~200点

リスニング:5点~495点リーディング:5点~495点

実施回数 ・ 年48回(毎月日曜、 午前:2回/午後:2回)

・年24回(毎月日曜、午前:1回/午後:1回) ・年10回(2月・8月を除く各月)

実施会場 ・ 専用会場のみ (東京・名古屋・大阪)

・全国主要都市(東京・名古屋・大阪など) ・全国80都市

受験料 6,804円(税込) 10,260円(税込) 5,725円(税込)

2015年11月20日申し込み開始