2018 no.7 FMHS News Letter · 第4 期インテンシブコース受講生の皆...

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平成27年に開設した“Fukui Medical High School (FMHS)”は、科学的好奇心を刺激する講義実習と高度な研究活動を、グローバル視点に基づき実践することで、生命医科学分野をはじめとする理数分野の大学進学をめざす高校生や、将来研究者や医学者をめざす高校生を、フューチャーグローバルサイエンティストとして育成することを目的としています。

7月21日(土)に開催するインテンシブコース開講式を皮切りに、2018年度FMHSがスタート!第4期受講生を迎え、本年度も多彩な講義・実習を展開していきます。

~2018FMHS開講!4期生が入学しました~

本事業はJSTグローバルサイエンスキャンパスの一環として行われております。主催:福井大学 参画:福井県教育委員会

後援:福井新聞社、NHK福井放送局、FBC福井放送、福井テレビ、FM福井

2018.7.21発行

~Message~Listen to the patient. He is telling you the diagnosis.

FMHS校長 上田 孝典 よりご挨拶

福井メディカルハイスクール(FMHS)にようこそ。現役高校生として勉学、部活動等々で大変多忙の中、入学頂いた、ライフサイエンスにチャレンジする意欲のある皆さんを心より歓迎します。本校では、医学を中心に、様々な分野の第一人者が、皆さんに生命医科学の最新の状況をお話し、共に実習、アドバンストコースでは実験を行います。今回残念なのは、第一期のグローバルサイエンスキャンパス最終年度なので、アドバンストコースの皆さんのラボ滞在期間が、来年3月までと、昨年度迄より短期間であることです。しかし、この短い時間に、集中力により、従来に負けない成果を生み出す学びをして頂くことを期待します。そしてアドバンストコース進学者は、世界的な研究の中に身を置き、その中で単に講義・実験の内容を学び理解し覚えるだけではなく、一つでも興味あることを見つけ、色々と自分で頭や手を動かしやってみて楽しむ、その様な、学びと遊びのクロストークの面白さ、大切さを是非本校で実感して欲しいと思います。

2018 no.7

FMHS News Letter

生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム

-“Fukui Medical High School”としてのRole Model創成-

H30年5月

7月

8月

11月

H31年1月

9月

3月

12月

インテンシブコース修了時“フューチャーサイエンティスト“

称号付与

インテンシブコース

国内研修(理化学研究所)

アドバンストコース

インテンシブコース・アドバンストコース 最終発表会

4期生 募集開始

アドバンストコース修了時“フューチャーグローバルサイエンティスト“

称号付与

アドバンストコース14名

3期生(H29年11月~)

海外研修(アメリカ カンザス大学)

国際学会発表

全国受講生研究発表会

国内研修(大阪大学)

インテンシブコース~多様な視点を有する人材の育成と発掘のため、医学部・工学部教員を中心とする生命医科学コアレクチャーを開講します~ 2018 no.7

講義・実習を通して理解力と分析力を身につけよう!

生命医科学を理解するため、高校教科書から大学レベルに繋がる講義を展開します。さらに生命倫理や研究倫理について、留学についてなど、様々な種類の講義を一年通して実施します。また、顕微鏡を使った実習をはじめ、臓器標本

の観察など、医学部ならではの実習を実施します。

全国のグローバルサイエンスキャンパス受講生の代表が一堂に集い、日頃の研究成果を発表し交流する全国受講生研究発表会が開催されます。全国で活動する仲間と研究や活動について討論や意見交換を行います。また、今年は3期生のアドバンストコース受講生が発表予定です。理化学研究所生命機能科学研究セン

ター(神戸)における研修では、2つの研究プロジェクトを学び、先端研究施設全体の見学を行う予定です。

理化学研究所や大阪大学での研修、全国のプログラム受講生が集まる発表会も予定!

日時 7月21日(土)時限

日時 7月28日(土) 8月4日(土) 8月8日(水) 8月18日(土) 8月25日(土) 9月22日(土) 10月20日(土) 11月3日(土) 12月22日(土)~23日(日) 12月~2月 3月27日(水)

(予定)

場所 松岡C:合併講義室 場所 松岡C:第1中講義室 松岡C:合併講義室 神戸 松岡C:合併講義室 松岡C:合併講義室 松岡C:第1中講義室 松岡C看護棟第一講義室 松岡C:第1中講義室 大阪 松岡C:合併講義室

9:15~

9:30

9:15~

9:30

理化学研究所生命機能科学研究センター研修

( BDR )

・染色体分配研究チームチームリーダー北島 智也

・発生エピジェネティクス研究チームチームリーダー平谷 伊智朗

大阪大学研修

・染色体講義蛋白質研究所教授:篠原 彰

・研究室研修

・特別講義医学部教授:佐藤 真教授:楽木 宏実

「老化と医学・医療」

・ラウンドテーブル(留学生や留学中の

研究生との対話)

課外講座

・学会研修

・自主研究 等

研究活動支援

・コーディネータが各高校を訪問し、研究活動を支援

9:30~

10:20インテンシブコース開講式 1時限

9:30~

10:20

基礎英語演習英語で科学藤原 哲也

基礎英語演習英語論文の構成渡邉 綾

発展講義医科学における創薬青木 耕史

特別講義ゲノム科学と

品種改良福井県立大学

生物資源学部村井 耕二

発展講義工学から染色体を

探る沖 昌也

特別講義獣医学における

病態研究東京大学大学院

獣医学専攻堀 正敏

発展講義遺伝情報の理解本田 信治

第3・4期生アドバンストコース最終発表会(国際学会

トライアル)

修了証書授与式

15分 休憩(15分) 休憩 15分

10:35~

11:25

基礎講義臨床医からみた

ヒトと医学上田 孝典

2時限10:35~

11:25

基礎講義がんの科学小林 基弘

女性研究者講義生命医科学と

研究倫理飯田 礼子

発展講義脳発生の科学小西 慶幸

特別講義ゲノム科学と

品種改良福井県立大学

生物資源学部村井 耕二

基礎講義脊椎動物の起源:形態進化と

その遺伝的背景尾内 隆行

特別講義獣医学における

病態研究東京大学大学院

獣医学専攻堀 正敏

女性研究者講義白血病の医学研究細野 奈穂子

15分 休憩(15分) 休憩 15分

11:40~

13:00

受講生交流会・プログラム説明

飯野 哲・理研研修(8/8)説明・受講生討論会

前田 桝夫・昼食

3時限11:40~

12:30

基礎講義神経細胞の生物学山田 雅己

基礎講義神経系のはたらきと

構造深澤 有吾

基礎講義心臓機能の科学松岡 達

基礎講義感染と免疫定 清直

発展講義放射線の生命医科学

応用清野 泰

若手研究者講義

大阪大学医学部医学科3年

佐藤 一輝

基礎講義分子遺伝学:

分子生物学菅井 学

昼食

インテンシブコースポスター発表

修了証書授与式

昼食 45分 全国受講生研究発表会報告

13:00~

13:50

女性研究者講義こころの科学友田 明美

4時限13:15~

14:45

基礎講義生物学の基礎(生物界の多様性と

共通性)西沢 徹13:15~14:05

基礎実験実習

脳とニューロンの観察

深澤 有吾

@組織病理実習室

基礎実験実習

心臓機能の実習松岡 達

@基礎医学実習室

基礎実験実習

細菌学実習定 清直千原 一泰竹内 健司

@基礎医学実習室

基礎実験実習

ほ乳類の臓器を学ぶ・観察するⅡ飯野 哲

ヒト染色体について前田 桝夫

@組織病理実習室

若手研究者講義米国大学での経験談~研究者としての

キャリアパス竹田 有加里13:15~14:00

基礎実験実習

分子遺伝学:分子生物学実習

菅井 学

@基礎医学実習室

15分 休憩(15分)

14:05~

14:30

基礎講義ヒトの体を学ぶ飯野 哲

休憩(15分) 休憩(15分)

基礎実験実習

細胞の構造について前田 桝夫

@組織病理実習室14:20~16:30

アドバンストコース紹介

飯野 哲14:15~14:35休憩 15分

14:30~

16:30

終了時間は実習内容による

基礎実験実習

ほ乳類の臓器を学ぶ・観察するⅠ飯野 哲@組織病理実習室

5時限

15:00~

16:30

終了時間は実習内容による

研究に関するグループワークと

発表

14:35~16:00閉講式

平成30年度 福井大学 生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラムFukui Medical High School カリキュラム

3/28 2017FMHS成果発表会を行いました 2018 no.7

先輩コラム

昨年7月に2017年度「生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム」が開講し、北陸3県および青森、滋賀、京都、東京、横浜、徳島から理系への進学を目指している高校生および科学者や医師を志望する高校生69名が3期生として参加しました。本年3月28日には成果発表会が開催され、インテンシブコース受講生はポスター発表、ア

ドバンストコース受講生は口頭発表・ポスター発表で、これまで取り組んだ医学や生物学などの研究成果を披露しました。口頭発表では腸炎疾患に関する研究を行ったグループが「腸炎の回復過程における細胞増

殖」について発表しました。また、ポスター発表では、挿し木を使った研究を英語で説明し、日頃の英語演習の成果も披露しました。高校生らは「研究を継続し、学会発表や論文発表を目指したい」と意欲を見せていました。最後に、この成果発表会をもってFMHSの活動を修了する第2期アドバンストコース受講生と第3期インテンシブコース受講生には、これまでの長きにわたる活動への取り組みと研究者としての成長が評価され「フューチャーグローバルサイエンティスト」「フューチャーサイエンティスト」の称号が付与されました。

2018年度も来年3月に成果発表会を開催予定です!第4期インテンシブコース受講生の皆さん、一緒に充実した教育研究活動を体験し、将来、科学技術分野で活躍する第一歩を踏み出しましょう!

第1期アドバンストコース修了生 河原真代さん(九州大学医学部生命科学科1年生)

私はアドバンストコースで約1年間、消化管筋層の傷害とその回復過程について研究していました。先生方のご指導の下、実験や研究発表など貴重な体験をすることができ、将来自分がどのような道に進むかを考える大きなきっかけとなりました。今、私は将来、基礎医学の研究者として難病治療に貢献したいと考えています。

FMHS、特にアドバンストコースでは自分の興味のある分野のラボで、高校の範囲を大きく超えた専門的な内容を学び、研究することができます。ぜひ参加してみてください。

第2期インテンシブコース修了生 清田真由さん(九州大学医学部生命科学科1年生)

私は高校2年時、インテンシブコースに1年在籍しました。インテンシブコースでは大学・大学院で学ぶような最先端の研究を、研究なさっている教授方から直接学ぶことが出来ます。原因不明だった病気のことから新しい物質の発見まで幅広く、高校生のうちに最先端の研究に触れることが出来たことは、将来自分がどの道へ進むのか考えさせてくれるきっかけとなりました。今、私は大学生となり、FMHSで経験した多数の講義・実験から今後何を研究していくのか考えている途中です。大学で学ぶことと合わせて研究内容を絞っていきたいと思っています。

第1期アドバンストコース修了生 中山怜那さん(京都大学医学部医学科1年生)

FMHSでは最新の研究や臨床をしておられる先生方のお話をお聞きしたり、ホルマリン固定された脳に触れたり観察したりするなど、普段はできない体験をする機会を与えて下さって、高校生として医学を身近に感じられる時間でした。また、研究室にも配属されて、教授の先生と一対一で対話することができ、これから医学研究者になるうえでのビジョンなどを学びました。この経験を活かし、今は治らない病気の治療法が見つけられるよう、挑戦し続ける研究者になりたいと考えています。

第2期インテンシブコース修了生 中川慶一さん(東京大学理科一類1年生)

FMHSには高校2年の時に参加させていただきました。高校2年での参加ということで研究事業には参加できませんでしたが、医学系の講義と研修という貴重な体験ができました。特に印象に残っているのは実際に保存されている臓器を触り、観察するという研修です。正常な脳と病気によって空洞化した脳を実際に手にとって比較するという体験はとても衝撃的でした。このプログラムの研修を通して、大学入学後も様々な研究室で研修を積み、広く経験を積んでいきたいと思います。

第1期アドバンストコース修了生 松中咲樹さん(福井大学医学部医学科1年生)

インテンシブコースでは高校では学ぶことのない、レベルの高い内容の講義を受けることができ、毎回新たな発見があり、益々、医学に対する興味が深まりました。また、アドバンストコースでも、ハイレベルなテーマについての研究に参加させていただき、その成果を海外研修で発表するという経験をさせていただいたことで、将来は研究にも携わる医師になりたいと思うようになりました。大学でも、FMHSを通して経験させていただいたことを活かし、より深く幅広い知識を身につけ、医療を通して社会に貢献できるよう精進してまいります。

第1期アドバンストコース修了生 坪内大和さん(岩手大学農学部植物生命科学科1年生)

私は新聞でFMHSの募集案内を見つけた母に勧められて1年生から2年間このプログラムに参加させていただきました。このプログラムでは普段の学校生活では体験できないような実験や、大学レベルの授業を体験させていただき、その体験を生かして科学の甲子園への出場権を獲得することもできました。私はこのプログラムに参加するまでは生物の分野に興味がありませんでしたが、このプログラムを通して生物学への関心が高まり農学部へ進学することができました。これからは農学分野で世界に貢献できるような科学者になるため勉強に励みます。

左が河原さん、右が清田さんFMHS修了後、2人は九州大学医学部で再会しました!

FMHS組織図 ~私たちがみなさんをサポートします!~ 2018 no.7

教頭:飯野 哲(医学部・教授)

■松岡キャンパス■

**編集後記**

平成27年に開設したFMHSも4年目に突入し、新入生(4期生)を迎えることになりました!3期生のアドバンストコース受講生も引き続き研究活動に取り組んでいます。4年目を迎えることができましたのも、教職員および関係各位のご協力の賜物と感謝申し上げます。4年目のFMHSも充実したものになるよう、事務局一同、受講生の皆さんの活動をサポートいたします! (河合)

アクセス・キャンパスマップ

教務:前田 桝夫(FMHSコーディネータ・特命教授)

TEL:090-7080-1789E-Mail:mmaeda@u-fukui.ac.jp

~Message~FMHS 教頭 飯野 哲(福井大学 医学部 教授)

福井大学が平成27年度にグローバルサイエンスキャンパス(プログラム名「生命医科学フューチャーグローバルサイエンティスト育成プログラム -“ Fukui Medical High School” としての Role Model 創成-」)を開始してから3年間が過ぎました。第1期では75名(県外2校を含む13校)、第2期では65名(県外6校を含む18校)、昨年の第3期では68名(県外8校を含む19校)の参加がありました。第4期生となる皆さんにも福井大学での生命医科学プログラムを堪能してもらい、近い将来である大学進学のみならず高度専門職業人としての研究者や医学者等を目指してもらいたいと思います。本プログラムを通して今までとは異なる世界を知り理解し、グローバルな世界を目指すことを目標としてください。一歩二歩高い目標を目指して皆さんが成長することを私たちも応援します。本プログラムは福井大学ライフサイエンスイノベー

ションセンターが中心となって運営しています。本センターはライフサイエンス分野で研究教育を行う研究者が広く参加し、共同研究や社会貢献など様々な活動を行っています。本年も皆さんと共に活動を行うことを楽しみにしています。

ライフサイエンスイノベーションセンターFMHS特設ページ

http://www.med.u-fukui.ac.jp/LIFE/seimei/gsc/index.html

過去に発行したNews Letterや今までの活動の様子等を掲載しています。是非、チェックしてみてください!

FMHS事務局(研究推進課)課長:山口 光男 課長補佐:金森 周二係長:河原 たか子 主任:石田 純恵係員:河合 望、加藤 綾

〒910-8507福井県福井市文京3-9-1TEL:0776-27-8016 FAX:0776-27-9742E-Mail:sksinkou-k@ad.u-fukui.ac.jp

校 長

上田 孝典(福井大学・副学長)

名誉校長

眞弓 光文(福井大学・学長)

左から河原、河合、前田、加藤、山口、石田、金森

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