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平成21年12月1日
知能情報学(第8回)
コンピュータのなかで進化する人工生命コンピュ タのなかで進化する人工生命
知能情報講義録要約について知能情報講義録要約について
• 講義録の要約は下記ホームページでアップロードできます.
http://www2.kobe-u.ac.jp/~hampton/Lecture/CI
いろいろな知能いろいろな知能
• 知能のABC– Artificial Intelligence– Biological Intelligence– Computational Intelligence
人工知能 AI 生物知能 BI 計算知能 CI人工知能 : AI 生物知能 : BI 計算知能 : CI
• トップダウン
• 記号処理
• 自己組織
• 自然界の構造・秩序
• ボトムアップ
• 数値処理記号処 • 自然界の構造 秩序 • 数値処理
計算知能の技術計算知能の技術
E l tiE l ti進化計算進化計算
EvolutionaryEvolutionaryComputationComputation
ニューラルニューラルネットワークネットワーク
FuzzyFuzzyTheoryTheory
NeuralNeuralNetworkNetwork ファジイファジイ
人工知能人工知能
ArtificialArtificialIntelligenceIntelligence
人工生命とは?人工生命とは?
A ifi i l Lif (A Lif )Artificial Life (A-Life),
アメリカのサンタフェにあるロス・アラモス国立アメリカのサンタフェにあるロス・アラモス国立研究所で1987年にC.G. Langton により国際会議で提唱された会議で提唱された http://lanl.gov/
人工生命のパラダイム人工生命のパラダイム
• 自然ではなく人間によってつくられた生命
– ラングトン、人工生命の定義ラングトン、人 生命の定義
• 技術は生物の機能の模倣によって始まった
鳥のように飛びたい 飛行機(ライト兄弟)– 鳥のように飛びたい --> 飛行機(ライト兄弟)
• 生命とは情報のプロセスだ
– (ノイマン、コンピュータの発明者)
生物の機能や特徴を機械に取り入れる• 生物の機能や特徴を機械に取り入れる
– (情報学の創始者ウイナーのサイバネテイクス)
生物に学ぶことで何ができるか生物に学ぶことで何ができるか
• 生命の本質を理解する
– 挙動や進化のメカニズムのシミュレーション挙動や進化の カ ズムのシミ レ ション
– エイズ治療や創薬への応用
生物を模倣した機械をつくる• 生物を模倣した機械をつくる
– 知能ロボットの開発
– バイオコンピュータの開発
• 社会システムへの適用• 社会システムへの適用
– 金融工学(デリバテイブ)
遺伝的アルゴリズム:進化のシミュレーション
生物を特徴づけるパラメ タ生物:表現型
生物を特徴づけるパラメータ
:遺伝子型・染色体
世代交代(遺伝子の交叉 突世代交代(遺伝子の交叉・突然変異)により、環境適応した生物が生き残る生物が生き残る
進化のメカニズム進化のメカニズム
個々の生命体は固有の遺伝子情報をも• 個々の生命体は固有の遺伝子情報をもつ
• 遺伝子情報をコピーして、新しい世代をつくる
• 選択と淘汰の世界(環境適応)
• 寄生(ウイルス)と共生のメカニズム
固有の遺伝子情報固有の遺伝子情報
染色体 表現型
シンボル化01jq 1
1jq 21jq 0
jkq 1jkq 2
jkqL
シンボル化
世代交代(交叉と突然変異)世代交代(交叉と突然変異)j-th host individual
交叉
( ) ( )'kqkq mm ←
01jq 1
1jq 21jq 0
jkq 1jkq 2
jkqL
( ) ( )1
''
yprobabilitin ε
kqkq ljjl ←
01'jq 1
1'jq 21'jq 0
''kjq 1''kjq 2
''kjqL
突然変異j’-th host individual
1'jq 1jq 1'jq ''kjq kjq ''kjq
( ) ( ) ( ) ( ) ( )( ) ( ) ( ),1,0
minmaxmin
;1; γ jmjl
mjl N
tfittfittfittfitness
ttkqtkq ⋅⎟⎟⎠
⎞⎜⎜⎝
⎛−
−+=+ ( ) ( )
( ) 2yprobabilitin11.0 εγm
m
GtGt
ff+−
=
⎠⎝
t : Iteration
: Maximum IterationmG
寄生と共生のメカニズム寄生と共生のメカニズム
Virus IndividualVirus Individual Reverse
Crossover
Mutation
Selection
Copy
SelectionSelection
Transcription
Crossover Selection
CopyIncorporation Host IndividualHost Individual
t++t++
環境への適応(選択と淘汰の世界)環境への適応(選択と淘汰の世界)
遺伝 柔軟な構造変化遺伝子の柔軟な構造変化
コンピュータグラフィックスコンピュータグラフィックス
2つの図をかけあわせて進化させるせて進化させる
• 突然変異• 突然変異
• 交叉交叉
遺伝的オペレータ遺伝的オペレータ
人工生命とは人工生命とは
生命特有の現象を
• ソフトウエアで実現
– コンピュータで模擬(シミュレート)するコンピュ タで模擬(シミュレ ト)する
• ハードウエアで実現
知能 ボ など機械 模擬する– 知能ロボットなど機械で模擬する
• ウエットウエアで実現ウ ットウ アで実現
– 高分子・細胞レベルで実現
ソフトウエアの進化ソフトウエアの進化
人工生態系:
Thomas S. Rayのデジタルエボリューション
情報・計算の視点から生命の本質を探る
人工生態系 Tierra人工生態系 Tierra
デジタルワールド:Tierraデジタルワールド:Tierra
遺 情 プ グ• 遺伝情報=自己複製プログラム(マシン語)
• エネルギ源=CPU時間エネルギ源 CPU時間
• 物質・空間=メモリ空間
• 1個のデジタル生物(祖先種)から自己複製
• CPU時間とメモリ空間の食い合いのなかで• CPU時間とメモリ空間の食い合いのなかで自然淘汰が行われ進化する
祖先種祖先種
• 自らの体の長さをはかる自己検査部
• 長さに応じた空きメモリー空間を探す再生部長さに応じた空きメモリ 空間を探す再生部
• 再生部から1ステップずつコピーしていくコピ 部ピー部
• ろうそくは命の象徴であり、個体が死ぬと死ろうそくは命の象徴であり、個体が死ぬと死神が現れる
進化の観察:多様な生態系進化の観察:多様な生態系
• コピー部をもたず近くの祖先種の情報を利用して自らの子孫を残す寄生種があらわれる
• その寄生種に対して免疫をもつ新たな種が出現し 優勢となっていく出現し、優勢となっていく
• 寄生種と免疫種のいたちごっこ
• 相互協力によって子孫をつくる共生種
共同して寄生種を駆逐する社会種• 共同して寄生種を駆逐する社会種
• 社会的な協調に対して嘘をつく詐欺種
ソフトウエアの進化戦略ソフトウエアの進化戦略• 超並列計算機のソフトウエア開発超並列計算機のソフトウ ア開発
• 進化計算のための計算機アーキテクチュア
ハードウエアの進化ハードウエアの進化
• 人工脳(自律性と創造性を有する未来コンピュータ)をつくる
• 幼児期の脳は柔軟性・創造性をもっているが構造(ハ ド)が成長過程にある構造(ハード)が成長過程にある
• 脳がネットワークを形成していく過程を電子回路で実現する
• 遺伝情報からニューラルネットを自律的に生• 遺伝情報からニューラルネットを自律的に生成していく
回路網の成長回路網の成長
生物やその社会の優れた機能生物やその社会の優れた機能
• 自己組織化
• 進化と適応進化と適応
• 自己修復
http://www.sony.jp/products/Consumer/aibo/aibostory/index htmler/aibo/aibostory/index.html
人工生命:ロボットへの応用人工生命:ロボットへの応用
隊列を形成し 密集することに 分散することにより広範囲な隊列を形成し、密集することに
より高精度なセンシングが可能
分散することにより広範囲な
センシングが可能
遺伝的アルゴリズムに基づく隊列維持遺伝的アルゴリズムに基づく隊列維持
隊列維持のための機能隊列維持のための機能
11 固有の⽬的とそのための評価基準固有の⽬的とそのための評価基準1. 1. 固有の⽬的とそのための評価基準固有の⽬的とそのための評価基準
F=1
FD ideal − D12 + D ideal − D23 + Dideal − D31
2. 2. ⽬的を実現する為に必要な知識⽬的を実現する為に必要な知識
危険レンジ危険レンジ ( Rule1, Rule2 )( Rule1, Rule2 )
3. 3. ⽬的に適応していく為の学習機能⽬的に適応していく為の学習機能遺伝的アルゴリズム遺伝的アルゴリズム ( GA )( GA )遺伝的アルゴリズム遺伝的アルゴリズム ( GA )( GA )
各ロボットにおけるGAの個体各ロボットにおけるGAの個体
隊列維持のための行動制御隊列維持のための行動制御
①① 速度変化による制御速度変化による制御①① 速度変化による制御速度変化による制御■ 速度を3段階に変化させる■ 加速度は⼀定に保つ
② ⼀時的な⽬標地の設定による制御■ 加速度は 定に保つ
■ Temporary Targets (X ,Y )■ Temporary Targets
dummy(X,Y )= (x ±150× (y− 75 3)
(x− 75)2 + (y −75 3)2,y m
150× (x− 75)
(x− 75)2 + (y− 75 3 )2)
( , )
(複合同順)地
Case1) Rule Over 1 (先頭のロボットと他の2体のいずれかのロボット間)
(複合同順)(x,y):⽬標地 (Goal)
) ( )
Case2) Rule Over 2 (追従する2体のロボット間)
制御 ①による軌道修正Case2) Rule Over 2 (追従する2体のロボット間)
制御 ②による軌道修正
隊列維持実験 → デモ隊列維持実験 → デモ
GOAL ( 600, 300) [mm]
GOAL (400, 300) [mm]
今後の講義内容今後の講義内容
• 第9回(12月8日)第9回(12月8日)
– 認知科学への招待(ビジュアルワールド)
• 第10回(12月15日)第10回(12月15日)
– ロボットがヒトのパートナーとなるには
• 第11回(12月22日)• 第11回(12月22日)
– 考える機械は作れるか?
• 1月5日は休講です• 1月5日は休講です。
• 第12回(1月12日)
サイバ ワ ルドが描く近未来社会– サイバーワールドが描く近未来社会
補講: 2回分を予定補講: 2回分を予定