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本ニュースレターでは、世界の公正な投資市場をリードする専門資格CFA ® CFA協会認定証券アナリスト)の認定・推進機関であるCFA協会の 活動から、情報をお届けいたします。取材の参考資料としてご活用いただくことができれば幸いです。 CFA協会ならびに日本CFA協会の詳細はホームページをご参照ください。 CFA協会/http://www.cfainstitute.org ■一般社団法人日本CFA協会/http://www.cfasociety.org/japan CFA NEWSLETTER グローバル金融アナリストの情報誌 No.044 201712月号 CONTENTS Topics 会員の皆さまへ ご挨拶 決算報告および新役員体制 SLC APAC Regional Meeting 2017参加報告-台湾 新メンバーシップ制度のご案内 CFAJ Update 活動報告 CFA News & Trend CFA Magazine 9月号より 次なる雇用のホットスポット Where Will the Next Hiring Hotspots Be? 新しいビジネスモデルは信頼を高める ことができるのでしょうか? Can New Business Models Improve Trust? 顧客ニーズが変わるとき、チャンス が訪れる。 Changing Client Needs Create Opportunities ブラックスワンよりも灰色のサイが危険? Do "Gray Rhinos" Pose a Greater Threat Than Black Swans? 毎日倫理的に行動するための8つの方法 Eight Ways to Act Ethically Every Day 今後の主な予定 事務局より

CFA Newsletter No 44 Dec2017...本ニュースレターでは、世界の公正な投資市場をリードする専門資格CFA®(CFA協会認定証券アナリスト)の認定・推進機関であるCFA協会の

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本ニュースレターでは、世界の公正な投資市場をリードする専門資格CFA®(CFA協会認定証券アナリスト)の認定・推進機関であるCFA協会の活動から、情報をお届けいたします。取材の参考資料としてご活用いただくことができれば幸いです。 CFA協会ならびに日本CFA協会の詳細はホームページをご参照ください。 ■CFA協会/http://www.cfainstitute.org ■一般社団法人日本CFA協会/http://www.cfasociety.org/japan

CFA NEWSLETTER

グローバル金融アナリストの情報誌

No.044 2017年12月号

CONTENTS

Topics

■ 会員の皆さまへ ご挨拶

■ 決算報告および新役員体制

■ SLC APAC Regional Meeting 2017参加報告-台湾

■ 新メンバーシップ制度のご案内

CFAJ Update

■ 活動報告

CFA News & Trend

■ CFA Magazine 9月号より

■ 次なる雇用のホットスポット

Where Will the Next Hiring Hotspots Be?

■ 新しいビジネスモデルは信頼を高める

ことができるのでしょうか?

Can New Business Models Improve

Trust?

■ 顧客ニーズが変わるとき、チャンス

が訪れる。

Changing Client Needs Create Opportunities

■ ブラックスワンよりも灰色のサイが危険?

Do "Gray Rhinos" Pose a Greater Threat

Than Black Swans?

■ 毎日倫理的に行動するための8つの方法

Eight Ways to Act Ethically Every Day

■ 今後の主な予定

■ 事務局より

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会員の皆さまへ ご挨拶

平素より協会の活動にご協力を賜

りましてありがとうございます。 新

年度の協会の体制等につきまして、ご

報告申し上げます。

去る10月31日に一般社団法人日本

CFA協会の定例社員総会が開催され、

年間活動報告と決算状況、並びに役員

(理事、監事)候補者について、ご承

認をいただきました。 また、総会に

続いて開催された、新年度の役員によ

る最初の理事会にて、執行役員候補の

承認をいただき、私が引続き代表(会

長)を務めさせていただくことになり

ました。 どうぞよろしくお願い申し

上げます。

役員の変更につきましては、昨年度

で、橋本氏(副会長)と原田氏(執行

理事)が任期(通算理事経歴9年)を

迎えられました。長年のご尽力、貢献

に感謝の意を表したいと思います。

橋本氏の後任の副会長には宝田執

行理事、原田氏の後任の執行理事には

中山理事にお願いすることになりま

した。新理事には、北村氏とJian Gong

氏を迎えました。 監事につきまして

は、初めてCFA以外から2名が就任し

ました。 三井氏は会計関係に造詣が

深く、酒井氏は弁護士であり、続投の

菱川氏を加え監事3名体制とし、協会

のガバナンスの一層の強化に向けた

体制整備が図られました。この結果、

新役員4名の内2名はCFA以外、2名

は女性、1名は外国人と、ダイバーシ

ティがさらに進んでおります。

昨年度の当協会の活動につきまし

ては、引き続き活性化しており、その

活動を支えるため、昨年度、数年ぶり

に事務局長を採用いたしました。 大

ベテランである依田氏が昨年の10月

から今年の7月まで縦横無尽の活躍

をして協会の体勢整備にご貢献いた

だきました。 厚く御礼を申し上げた

いと思います。また、4月より松本氏、

成田氏が共同でその後任にあたって

いただいております。 これにより事

務遂行の迅速化と堅確化の一層の推

進が期待されます。

一方で、グローバルな展開に目を向

けますと、CFAのグローバルな展開は

継続しており、今やアジアの時代、次

はアフリカ大陸等発展途上国への広

がりも始まっております。 日本にお

けるCFAの認知状況は、会員数でみて

も(アジア・オセアニア地域で第6位)、

市場浸透率(Market Penetration)で

みても(同最下位層)低いですが、海

外を真似るばかりでなく、日本の持つ

独自性を生かし、ユニークな存在感を

醸し出して行きたいと思っています。

CFA協会の方針として各Society

(協会)を中心とした運営がさらに求

められており、我々もさらなる協会の

強化を図っていく必要があります。

この一環として、新年より日本証券

アナリスト協会(SAAJ)のメンバー

であるCMAホルダーを日本CFA協会

のローカルメンバーに新設したプロ

フェッショナルメンバーとして受け

入れることといたしました。SAAJと

の連携の強化、またCFA候補の増加に

繋がることを期待しております。

会員の皆さまにおかれましては、協

会活動への一層の参画をお願いした

いと存じます。

協会を構成するのは会員の皆さま

であり、協会は皆さま会員のために存

在しております。 CFAというネット

ワークは、グローバルに奥も幅も広く、

やれることは多くあります。 皆さま

が参画することが即貢献に繋がりま

すし、参画すればするほどそのバリュ

ーを一層感じられることを確信して

います。

ぜひとも、各メンバーが、それぞれ

何らかの形で、協会活動にご参画いた

だきますよう、重ねてお願いいたしま

す。

さまざまな機会に皆さまにお会い

するのを楽しみにしております。

一般社団法人 日本CFA協会

会長 青砥 政孝

Topics

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決算報告および新役員体制

2018 年度新役員と担当コミッティ

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SLC APAC Regional Meeting 2017参加報告—台湾

10月13日(金)~14日(日)にかけて

台湾の台北において、APAC地域の

SLC(Society Leaders Conference)が

開催されました。

来年は5月にGlobal Meeting(開催

地は香港を予定)、10月にRegional

Meeting(開催地は未定)がプランされて

います。

今回のテーマは「Power of

Relationship」であり、APACの20の

Societyが参加しました。 CFA本部か

らはPresidentであるPaul Smithを筆頭

に、新Board of Directorsが参加、日本

CFA協会からは青砥会長、中山理事、

川本理事、成田副事務局長の4名が参

加して、延べ130名を超える盛況なカン

ファレンスとなりました。

主なトピックとしましては

① Relationshipの強化。対象はメン

バー、キャンディデート、ボランテ

ィア、ユニバーシティ、規制当局と

いった様々な方向からのアプロー

チを含みます。

② Society 2.0の推進。その主旨は、

これまでのソサエティとCFA本部

のそれぞれがメンバーやインダス

トリー等のステークホルダーに対

応していたモデルから、ソサエテ

ィが前面に出て対応していくモデ

ルに移行するというものです。

③ Continuing Education (CE) か

ら Continuing Professional

Development Program (CPD)

への移行。

こちらもSociety2.0の趣旨に

沿ったものです。

④ Brand Awarenessの一層の向上

⑤ Society Recognition Prize表彰

式。 当協会はメンバー更新大賞

とARX賞をダブル受賞いたしまし

た。

受賞を機に今後益々会員の皆さま

へのフィードバック、付加価値の向上

に努めてまいります。

一方で、重要課題として懸念されて

いる事項もあります。

APACの他の国では実務経験不足

のためチャーターペンディングとなって

いる合格者が増加しており、その改善

が必須となっています。

試験に関しましては現在CFA試験レ

ベルIの受験者の58%がAPAC(特に中

国)となっています。

今後2020年頃までにはCFA試験を

まずレベルIからコンピューター化してい

く計画があります。

さらに、CFA協会投資基礎検定の受

験者の5~10%はCFAプログラムに移

行している、とのデータが紹介されまし

た。 このデータに基づいてCFA協会は

来年キャンペーンを実施する予定で

す。 今後の動きも世の中の動向に沿

ってめまぐるしいものとなりそうです。

今回のワークショップのプログラムは

下記です。

Workshops: Relationship Building

- Internal

•Candidate Engagement Programs

•Knowing What Matters to Members

•Credentialing Programs

•Early Membership Engagement

•Board Succession Planning

•Career Development

•Society Leadership Training

Consultation

•Influencing and Persuasion

•Building Trusted Relationships

Workshops: Building the

Investment Management

Profession Through Lasting

Relationships

•Impactful Industry Relationships and

Engagement

•Expanding Relations with Local

Universities

•Asia-Pacific Research Exchange

(ARX)

•Strategic Approach to Engaging

Regulators

•Building Loyal Relationships with

Multiple Stakeholders

•How to Answer Any Question

(10月理事会に於けるSLC報告より抜

粋。)

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日本CFA協会では2018年1月より、

「特別会員」の資格要件及び会費を改

定することに致しました。当協会の会

員には、「正会員」、「準会員」、「特別

会員」の3種類があり、この内「正会

員」、「準会員」はCFA本部にも併せて

登録されている会員資格です。 一方、

「特別会員」は日本CFA協会独自の会

員資格で、今回の改定は当該会員のみ

対象となります。

改定の内容は、「特別会員」を「ア

ソシエイト会員」と「プロフェッシ

ョナル会員」に分類し、それぞれの

資格要件及び年会費を下表の通りと

するものです。前者は、従来の「ス

ペシャル・キャンディデイト会員」

および「CFA協会投資基礎検定会

員」の資格要件を有する方が対象と

なります。 また、後者はプロフェッ

ショナルな資格を有する方(日本証

券アナリスト協会検定会員)を、新

たに日本CFA協会の会員としてお招

きするものです。今回改定の目的

は、国内において金融アナリストの

専門的知識の向上と相互交流の場を

提供するとともに、潜在的なCFA受

験者の掘り起こしという日本CFA協

会の目的をさらに推進することを意

図しております。

今回改定された特別会員へのご登

録は任意です。また、アソシエイト会

員におきましては会費の改定を行わ

せて頂きましたが、会員登録をして頂

いた皆様には、日本CFA協会が主催す

るカンファレンスおよびセミナー(正

会員と同じ特別価格で参加可能)を始

めとする教育機会のご提供や、同業の

方・受験者の方との様々な交流機会へ

のお誘いなどのメンバーシップ特典

をご利用頂けます。

正会員・準会員の皆様には、本改定

が日本国内におけるCFA資格の知名

度向上の一環でもあるという趣旨を

ご賢察の上、ご理解を賜りますようお

願い申し上げます。

一般社団法人 日本CFA協会

会長 青砥 政孝

呼 称 資格要件 年会費

特別会員

アソシエイト会員

CFAプログラム登録者

(従来の「スペシャル・キャンディデイト会

員」)

10,000円

CFA協会投資基礎検定資格保有者

(従来の「CFA協会投資基礎検定会員」) 10,000円

プロフェッショナル会員 日本証券アナリスト協会検定会員 20,000円

新メンバーシップ制度のご案内

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活動報告 このコーナーでは、日本 CFA 協会の各分野での活動状況をお知らせしております。

メンバーシップ

新たに当コミッティーのチェアを務め

ることとなりました。古宇田(こうた)と申

します。宜しくお願いいたします。

新理事会体制の下、当コミッティーは

宝田理事および本間理事の二名にバ

イス・チェアの役割を引き受けていただ

きました。 さて、改めて当コミッティー

の役割についてご紹介をいたしましょ

う。 主要なものは、①協会会員数の増

強および②現会員の協会活動参画へ

の動機づけ、となります。 ①につきま

しては、CFAプログラム等の宣伝および

啓蒙、ならびに、各種の受験者サポート

機会の提供です。 受験者サポートで

は、オリエンテーション、受験準備セミ

ナー、模擬試験の開催などを行ってお

ります。 ②につきましては、毎年12月

にYear End Partyの開催に併せて執り

行われるボランティア表彰、Charter

Award Ceremony(その年新たにCFA資

格を取得された方、level3 を合格され

た方を表彰します。)のほか、各種のネ

ットワーキングイベントがあります。 ネ

ットワークイベントではDiversityの促進

や女性の活躍を後方支援するために

「女子会」と称するFemale Luncheonも

開催しています。 このような各種の取

り組みにつきましては、随時、協会の

HPに掲載していきますので、是非ご覧

ください。 また、こうした取り組みを進

めるうえで、会員の皆様のご協力が必

要です。 ご関心のある方は、お気軽に

お問い合わせください。

プログラム

プログラム・コミッティでは毎月2回の

セミナーを目処に企画・活動をしていま

す。 8月から11月には以下の通り、幅

広いテーマで8回のセミナーを実施しま

した。9月21日: GPIFが採用したESG

指数に関する考え方・・・塩村賢史氏

(GPIF)、9月22日: Behavioral factors

and their performance in emerging

markets・・・Dr. Jason Hsu (Rayliant

Global Advisors)、10月3日: Adding

colour to the India numbers・・・Ms.

Hansi Mehrotra (Money

Management India、10月19日:

Corporate Governance in Asia・・・Mr.

Lee Kha Loon (VCAP Asset

Managers)、10月20日: 証券訴訟の基

礎と実例・・・クリストファーS.スチュード

ベーカー氏 (Kirby McInerney LLP)、

10月31日: Fixing Active

Management: Why Value Investing

Works (or At Least Has Worked)・・・

Mr. Dan diBartolomeo (Northfield

Information Services)、11月14日:

Time-varying Equity Risk Premium

over History and Cross Section of

Equity Pricing・・・Dr. Katsunari

Yamaguchi (Ibbotson Associates

Japan)、11月21日: Practical Solution

for ESG Integration・・・Mr. Jeroen

Bos (NN Investment Partners)、

12月以降は以下のセミナーを予定し

ている他、月に2~3回のペースで様々

なテーマのセミナーを企画・検討中で

す。 12月21日: ”Fiduciary Duty in

the 21st Century – Japan

Roadmap”を考える5回シリーズ第一

回 第1項目スチュワードシップ・コード

とエンゲージメント(アドボカシー・コミッ

ティと共催) 2018年1月11日・・・馬渕治

好氏(ブーケ・ド・フルーレット代表)によ

る、日本株式市場の見通しについての

セミナー

関心のあるトピックのご提案、セミナ

ー講師をつとめていただける方のご紹

介などを歓迎しますので、日本CFA協

会事務局までご連絡ください。

エンプロイヤー・アウトリーチ

去る11月に理事会の体制が新しくな

ったのを受けて、当コミッティーの

体制も更新されました。 新年度は、

チェアを田中理事が、バイス・チェ

アを古宇田理事が務めることになり

ました。 新チェアの田中理事は昨年

度まで、コミッティーのバイス・チ

ェアを務めていましたので、活動は

十分に継続されていくことと思いま

す。 今後の活動の骨子を整理しま

すと、まず、既往のスポンサー(現在

14社あります。)に対する、協会理

事会の新体制および活動報告のご紹

介があります。 このような機会に、

新年度の主要な取り組みの計画につ

いてもご説明を行って参ります。 こ

うした企業様に向けた広報活動は、

既往のスポンサーに止まらず、時間

の許す限り、幅広く行って参りたい

と考えています。そのような活動の

中で、協会のスポンサー制度にご賛

同を頂ける企業様には新たに協会活

動をご支援いただくことになりま

す。 現時点で、既に具体的にご検討

を頂いている企業様がいらっしゃい

ます。近いうちにHP上にロゴの掲載

が行われることと思います。 さら

に今年度は各社における「アンバサ

ダー」を導入して頂こうと考えてい

ます。 詳細については改めてご案内

をいたします。 会員の皆様も宜しく

CFAJ Update

Page 7: CFA Newsletter No 44 Dec2017...本ニュースレターでは、世界の公正な投資市場をリードする専門資格CFA®(CFA協会認定証券アナリスト)の認定・推進機関であるCFA協会の

お願いいたします。

アドボカシー/倫理教育

CFA協会の重点施策である 「金融

の 将 来 プ ロ ジ ェ ク ト (the Future of

Finance Project)」に継続的に取り組

んでいます。よりよい社会に奉仕し、

信頼の置ける未来志向の金融業界を

形成するというミッションのもと、CFA

協会本部と連携して当プロジェクトに

関連する諸々の施策を推進して行き

ます。 「金融の将来プロジェクト」は、

金融に携わる全ての人が関心を持つ

べき課題として、1.投資家(顧客)第一

主義、2.金融知識、3.財務報告の透明

性と公平さ、4.退職後の生活保障、 5.

適切な規制と施行、6.金融システムの

安定の6つの主要トピックスに焦点を当

てています。

中でも、日本 CFA 協会では、1.投資

家(顧客)第一主義に フォーカスした活

動を実施しておりま す。その一環とし

て、政策担当者、実務家、投資専門

家、個人投資家をお招きして、2018年4

月に特別シンポジウム「アセットオーナ

ーのリーダーシップ(仮題)」 (CFA協会

"Putting Investors First Month"イベン

ト)を開催する予定です。本シンポジウ

ムでは、2017年4月28日(金)に開催し

た「金融の将来」イニシアチブ「フィデュ

ーシャリー・デューティー(FD)改革-日

本市場改革第三の矢—業界への影響、

東京国際金融センターへの道筋-」に引

き続き、日本の資産運用機関が取り組

むべき重要課題にフォーカスします。

(詳細は2018年3月ごろ決定しお知らせ

いたします。)

ユニバーシティ

今年で10周年を迎えるCFA協会リサ

ーチ・チャレンジの記念大会も、12月9

日に開催される最終審査会を残すだけ

となりました。

今年の8月5日にキックオフミーティン

グを行なってから、4ヶ月を超える長丁

場の戦いも、いよいよ日本代表を決定

するところまで来ました。10周年記念の

今大会は、史上最多となる18チームが

参加する激戦となりました。 リサーチ・

チャレンジでは、キックオフミーティング

時に調査対象企業(今年度はヤマハ株

式会社様にお願いしました)が発表され、

学生チームは調査を開始。 その後9月

にヤマハ株式会社の中田社長直々に

よる会社プレゼンテーションとそれに続

く個別取材を通じて、直接会社からの

情報を手にします。 そして、各チーム

につくメンターの指導に基づき、英語で

10ページの本文と20ページまでの補足

資料を加えた調査レポートを10月27日

に提出。2週間に及ぶグレーダーの厳

正なる審査の結果、上位5チームが最

終審査会への進出の切符を手にしまし

た。 最終審査会は12月9日土曜日に

新丸の内ビル20階にあるSMBC日興証

券様のホールで開催されます。決勝進

出の5チームは、英語でのプレゼン10分

とそれに対する質疑応答10分の評価で

争うことになります。 最終審査会では、

インベストメントのプロフェッショナルで

ある4人の審査委員からの鋭い質問に

きちんと回答できなければ勝利を手に

できません。

はたしてどのチームが優勝し、4月に

開催予定のアジア大会へ進出できるか

とても楽しみです。 最終審査会の結果

については、またこの紙面でお伝えしま

す。 10周年記念大会は、プラチナスポ

ンサーとしてSMBC日興証券様、ゴール

ドスポンサーとしてファクトセット様、シ

ティグループ証券様、東京海上アセット

マネジメント様、ウェリントン・マネジメン

ト様のご支援を受けております。 さらに、

学生チームを指導するメンター、調査レ

ポートを採点するグレーダー、大会運

営をサポートする運営ボランティアと大

勢のボランティアの皆様によって支えら

れています。

ここで改めてスポンサー様及びボラン

ティアの皆様に御礼申し上げます。 大

会ボランティアにご興味のある方、来年

度の大会のボランティアを是非ご検討

下さい。

テクノロジー

テクノロジー・コミッティは、11月15日に

コミッティを開催し、2018年に注力すべ

きことを協議しました。 この結果、日本

CFA協会ホームページの更なる改善、

CFA会員の方々同士のコミュニケーショ

ン向上の一助となるテクノロジーの導

入や普及、日本CFA協会の活動効率

化のための技術的サポート等を実施す

ることになりました。 特に広報活動に

おいて、SNSの活用等を通じて活性化

させていきたいと思います。 こうした活

動に際して、テクノロジー・コミッティで

は都度ボランティアを募集しますので、

ご興味をお持ちの方々は是非ご参加く

ださい。

広報・出版

広報・出版コミッティーは、前年度同

様、チェア:神谷執行理事、バイス・チェ

ア:田原理事および今井理事、の体制

で、①対外的なPR・リレーションシップ

対応を通じたCFA資格に対する認知度

の向上、 ②協会内のコミュニケーショ

ンの活性化による相互理解の促進、を

ミッションに活動していきます。

特に後者②については、より若い世

代の会員の方々が、同世代同士や先

輩会員の方々と密接な交流を行って、

ご自身の知識やキャリアの向上に役立

てて頂けるような仕組みや場を設けた

いと考えており、テクノロジー・コミッティ

ーと協力して、SNSの有効な活用方法

や協会のWebサイトの機能高度化にも

取り組んで行くつもりです。 そのため

にも、今年のレベルⅢ合格者や合格後

5年以内くらいの世代の皆さんをなるべ

く多くコミッティーにお招きしたいと考え

ております。 このテーマにご興味があ

る方は協会事務局を通じて是非ご連絡

Page 8: CFA Newsletter No 44 Dec2017...本ニュースレターでは、世界の公正な投資市場をリードする専門資格CFA®(CFA協会認定証券アナリスト)の認定・推進機関であるCFA協会の

を下さい!

翻訳グループでは、CFA協会会員に

配布される四半期刊の会員誌CFA

Institute Magazineの記事やCFA

Instituteのホームページに掲載される

Blog、その他文献の翻訳ボランティアを

募集しています。 少しでもご興味・ご

関心があれば、こちら([email protected]

までお気軽にお問い合わせください。

今回のこのコーナーでは、CFA Institute Magazineの9月号より5本の記事を日本語で要約しています。原文はこちらのURLをご

参照ください。https://www.cfapubs.org/loi/cfm

次なる雇用のホットスポット

Where Will the Next Hiring Hotspots Be?

ロリ・ピザーニ

あなたのキャリアがどの状態にあろ

うとも、資産運用業界が絶えず変化し

ていることだけは確かです。幸いにも、

資産運用業界の大きな潮流を読むこと

により今日までの進歩発展と今後の方

向性について多くの手掛かりを得るこ

とが出来ます。また、2017年初以降に

雇用が好調な専門分野や地域、専門

家が予測する2018年初における雇用

のホットスポットを知ることが出来ま

す。

世界的なメガトレンドが相俟って資

産運用プロフェッショナルの雇用見通し

に変化をもたらしています。資産運用

会社の合併・買収に伴い人員削減が

行われています。フィンテックにより資

産運用業界で破壊的進化が起きてい

ます。グローバル人材市場は地域ごと

に異なる進化を遂げています。世界的

なメガトレンド、投資選好の変化、競争

優位の追求が資産運用業界にどのよ

うな変化をもたらしているか理解するこ

とが重要です。

雇用情勢の専門家は将来多数の就

業機会が創出されるものの、こうした

機会を捉えるため資産運用プロフェッ

ショナルは新たな選択肢(地域、分野

等)を検討する必要が出てくると考えて

います。アクティブ運用からパッシブ運

用に資金が流入し、非効率的な市場

やオルタナティブ資産の投資魅力が高

まっています。アジアでは資産運用プ

ロフェッショナルの需要増が見込まれ

ます。また、技術進歩によって膨大な

データを活用して投資対象をモデリン

グ、選定するためのアルゴリズムを作

成、使用できるようになりました。CFA

資格保有者は一部の潮流を捉え、競

争優位を維持することが出来るでしょ

う。

(要約翻訳:森由紀、CFA)

新しいビジネスモデルは信頼を高めることができるのでしょうか?

Can New Business Models Improve Trust?

シンティア・ハリントン、CFA

金融業界では新しい発想で商品や

サービスを提供する必要性があると考

える、既成概念に捉われないビジネス

が展開し始めています。

トリプルボトムライン重視の運用を投

資家に紹介する非営利企業に好機を

見出したビジネスがあります。顧客に

応じたインパクト投資をはじめ、幅広く

関連情報やデータベース、投資用のプ

ラットフォーム、見込み顧客を含む一般

に向けた教育機会を提供しています。

背景には非効率的な市場においては、

教育と情報の発信こそが革新を生むた

めの最高の組み合わせであるとの考

えがあります。

企業が得をする一方でその顧客が

損をしている実情が我々の信頼を毀損

しているという考えのもと、運用報酬体

系を顧客に委ねるという構造を取り入

れた試みも見られます。極度な不信感

が業界に蔓延しているなか、顧客が公

CFA News & Trend

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平な対価を支払うことにより信頼を構

築していくことができると考えます。

技術の進歩により、運用残高に応じ

た料率は意味を成さないと語気を強め、

固定報酬に基づいたビジネススキーム

を軌道に乗せた例もあります。技術を

駆使することで、費用を抑えながら、競

合他社に比べてより高いサービスをよ

り低い運用報酬で提供しつつ、より多く

の収益を顧客に還元することを目指し

ています。

Income Share Agreements(ISAs)を

もとに授業料を援助する新しい金融商

品を提供し、高等教育のための資金調

達の非効率性に解決策を提示したビジ

ネスもあります。大学の質、将来の収

入予測、必須教育という3つの観点か

ら価格を決める透明性のあるシステム

が受け入れられ、徐々に投資家の数も

残高も増えています。

上記はそれぞれ異なったアプローチ

で新しいビジネスモデルに着手してい

ますが、はたして顧客の興味を惹き付

け続け、持続可能なビジネスを提供し

続けることが出来るのでしょうか。

(要約翻訳:木村貴明)

顧客ニーズが変わるとき、チャンスが訪れる

Changing Client Needs Create Opportunities

エド・マッカーシー

最近、プライベート・ウエルスマネ

ジメントの顧客ニーズは急激に変化

しています。パッシブ運用への傾斜、

ロボットの活用や投資の商品化が進

んでいます。一方、単なる投資助言

よりも包括的な財務的助言を求める

傾向も見られます。

実際、相続と慈善活動、子供の教

育資金、別荘購入など、より顧客の

人生に密着したサービスも強化され、

対応できる専門性を備えた人材確

保が業界の課題です。さらに、テクノ

ロジーを活用してデータ収集分析な

どの「機械的仕事」からアドバイザー

を解放し、より顧客と向き合えるよう

に図っています。

顧客もベビーブーマー世代から若

年層へと世代交代が進んでいます。

新世代が育った時代は市場低迷期

であったことから経済や金融市場に

後ろ向きで投資顧問にも懐疑的です。

テクノロジーに精通しているという特

性も踏まえて、各社とも同世代の有

望なアドバイザーを担当につけて、

顧客と共に成長するWIN-WINの関

係性を志向しています。

さらに報酬体系の見直しも進んで

おり、従来のようなAUM基準から顧

客満足度や付加価値基準重視への

シフトも見られ、それを測定するテク

ノロジーの進展も後押ししています。

同時に、マネジャーの高齢化が進

みベテラン不足も懸念されています。

今後、市場が変化し、次のベアマー

ケットが始まれば、スキルを備えた

アドバイザーへの期待は一層高まり

ます。その意味で、CFA資格保有者

の専門性に対するニーズも強まるで

しょうが、ウエルスマネジメントの分

野にキャリアを求める場合は、自ら

の内にあるインベストメント・マネジメ

ントの中核は放棄してはなりません。

(要約翻訳:大浜匠一、CFA)

ブラックスワンよりも灰色のサイが危険?

Do "Gray Rhinos" Pose a Greater Threat Than Black Swans?

ジェイ・ネーサン、CFA

予想できないが、破滅的被害をもた

らすという意味で使われる黒い白鳥

(ブラックスワン)に対し、灰色のサイ

(グレ-・リノ)は、目の前にある明らか

なサインを見逃す(無視してしまう)とい

う意味で使われます。例えば 2008 年

の金融危機はそれ以前の灰色のサイ

を度々無視することによって、黒い白

鳥レベルまでエスカレートしたのです。

つまり灰色のサイを定期的にモニター

し、問題に取組むことにより、後の黒い

白鳥は避ける事ができると確信してい

ます。また、自らの判断や意思決定の

仕方を過信せず、周りの人の意見に耳

を傾け、真実を見極める目を養うことも

肝要です。

灰色のサイのタイプのリスクには 4

種類あり:1)即刻取組むべき問題、2)

過去にもあったリスク(ブームとバスト

のような経済サイクル)、3)社会におけ

る根本的変化に伴うもの、そして 4)将

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来への影響が予想不可な類、例えば

人工知能と労働市場との関係などが

挙げられるでしょう。マーケット関連の

リスクのみではなく、Uber CEO の不祥

事といった類、経営陣の仕事以外での

問題を、以前より周りが認識していた

にもかかわらず、対策を取らなかった

為に大きな問題に発展した例はよくあ

ります。

複雑な問題を前にした際、人々は間

違った選択を恐れ、行動に移すのを先

延ばしにする傾向にあります。が、ブラ

ックスワンに発展する前に、問題に

取組む事が重要です。

(要約翻訳:出上聡美、CFA)

毎日倫理的に行動するための8つの方法 Eight Ways to Act Ethically Every Day

ジェフ・スティス

多くの場合、重大か些細を問わず、

倫理的ジレンマをより的確に認識し、

その状況に対処する正しいツールと手

法がすぐ手の届く範囲にあれば、違反

は防止出来るでしょう。万能ではありま

せんが、日々の活動において正しい意

思決定に役立つ 8 つの簡単なガイドラ

インをご紹介します:

1. 助言を求める:倫理的に問

題がある意思決定は通常、反対意見

を得ず孤独のうちになされるものです。

時間が許す限り第三者の意見を求め

ましょう。

2. 自身の間違いを認める:些

細であっても間違いは素早く修正され

ないと直ぐに悪循環に陥ってしまいま

す。何か間違えたら直ぐに他の人々に

知らせて助言を求めましょう。

3. 顧客を知る:全く同じ顧客な

どいない様に投資判断も然りです。顧

客の懸念や願望について学び、パフォ

ーマンスもさることながらリスクについ

ても顧客との議論を大切にしましょう。

4. 正確にコミュニケーションす

る:顧客とのコミュニケーションにおい

て常に誠実で、率直で、透明でいましょ

う。

5. 倫理文化を育成する:倫理

的態度や信念の共有に向け組織を支

援し、促進し、そして指導する文化を会

社で作り維持しましょう。

6. 直感を信じる:倫理的行為

についてのあなたの直感は恐らく正し

いでしょう。合法であっても倫理的では

ない行動があることを肝に銘じましょ

う。

7. よく考え注意する:落ち着い

て意思決定を行い、自分の意思決定

が自身や会社にもたらす影響を考慮し

ましょう。

8. 自分の成すことを愛する:

積極的に業務に取り組むこと。隠れた

倫理違反も問題と化す遥か前に発見し

易くなります。

(要約翻訳:松本(深津)みどり)

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●12月9日(土)

リサーチ・チャレンジ最終審査会及び

表彰式

会場:SMBC日興証券 新丸の内ビル

ディング 20階ホール

(東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸

の内ビルディング20階)

時間:13:00-20:00

(レセプション18:00-20:00)

●12 月 13 日(水)

CFA協会投資基礎検定第6回勉強会

会場:東京金融ビレッジ Room1

時間:18:30-20:00

講師:宝田めぐみ(CFA)、日本CFA協会

副会長

参加費:無料

●12月14日(木)

CFA資格授与式

会場:東京金融ビレッジRoom1,2及び3

時間:18:30-19:30

●12月14日(木)

Year end Party

会場:東京金融ビレッジ

時間: 19:30-21:00

参加費:メンバー3,000円

受験者4,000円

一般5,000円

●12月21日(木)

The Japan Roadmapを考える5回連続

講座 第1回「スチュワードシップとエン

ゲージメント」)

会場: 東京金融ビレッジ Room1-2

合計5回シリーズの初回

時間:19:00-20:30

モデレーター:年金シニアプラン総合研

究 機 構 特 任 研 究 員 三 木 隆 二 郎

(CFA)日本CFA協会理事

講師: 金融庁 企業開示調整官染谷

浩史氏、PFA 年金運用部北後健一郎

参加費:無料

事務局より

早いもので2017年も残すところあとひと⽉となりました。会員の皆さま⽅により⼀層会

の活動にご参加していただくことができますようメ

ンバーファーストでこれからも取り組んでいきたい

と思います。

前回元事務局⻑から、まず、⽇本CFA協

会はインベストメント・プロフェッショナルの団体で

あり、ボランティアによって運営されるということ。

それには、ボランティアが積極的に参加しやす

く、活動しやすい開かれた組織でなければなら

ないというメッセージがありましたようにどんどん活

性化を図っていきたいと思います。 12⽉14⽇

には今年も新CFA資格者の⽅々をお迎えして

CFA資格授与式が開催されます。 新メンバ

ーにもぜひ積極的にボランティアに参画していた

だけるよう勧誘を頑張りたいと思います。 どご

興味ご関⼼をお持ちの⽅がいらっしゃいましたら

ご遠慮なくお問い合わせください。

今後の主な予定 12月以降、日本CFA協会が主催する主なセミナー等の予定は以下の通りです。

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[報道に関するお問い合わせ先]日本CFA協会 事務局

〒100-0004 東京都千代田区大手町1-9-7

大手町フィナンシャルシティ サウスタワー5階

Tel 03-3517-5471 / Fax 03-3517-5472

E-mail:[email protected]

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かせください。

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