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1 第1回 臨床試験のためのe-Training Centerシンポジウム 2019119ICH-E6R2)コンテンツの解説 日本製薬工業協会 臨床評価部会 荒木 丈夫

ICH-E6 R2)コンテンツの解説 - Med1 第1回臨床試験のための e-Training Centerシンポジウム 2019 年 1月19日 ICH-E6( R2)コンテンツの解説 日本製薬工業協会

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第1回 臨床試験のためのe-Training Centerシンポジウム2019年1月19日

ICH-E6(R2)コンテンツの解説

日本製薬工業協会

臨床評価部会

荒木 丈夫

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本日の内容

1. GCP Training based on ICH-E6(R2)2. ICHとは

3. ICH-E6(R2)と確認テスト

4. まとめ

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本日の内容

1. GCP Training based on ICH-E6(R2)2. ICHとは

3. ICH-E6(R2)と確認テスト

4. まとめ

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コンテンツは以下の4種類で構成されます。

ICHとは

ICH-E6(R1)

ICH-E6(R2)

確認テスト

*赤色のコンテンツの制作を製薬協が担当

GCP Training based on ICH-E6(R2)

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ICHとは

ICHの概略について学習

音声解説付きの動画(8分19秒)

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JPMA ICH-E6 Project

ICHとは

ICHとは、ICHとは、International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use(医薬品規制調和国際会議)の略称です。

ICHは、医薬品規制当局と製薬業界の代表者が協働して、医薬品規制に関するガイドラインを科学的・技術的な観点から作成する国際会議で、他に類がない場となっています。

ICHは、1990年の創設以来、グローバル化する医薬品開発・規制・流通等に対応するべく、着実に進化を遂げてきました。ICHの使命は、限られた資源を有効に活用しつつ安全性・有効性及び品質の高い医薬品が確実に開発され上市されるよう、より広範な規制調和を世界的に目指すことです。

< PMDA Webページ: ICH 医薬品規制調和国際会議 よりhttps://www.pmda.go.jp/int-activities/int-harmony/ich/0014.html >

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JPMA ICH-E6 Project

ICH発足の経緯日本・米国・ヨーロッパでは、医薬品の販売開始前に政府による評価・承認を行うため、

それぞれ独自に法制度を整備してきました。特に1960年代から1970年代にかけては、各国で急速に法令やガイドラインが整備され、新医薬品の品質、有効性および安全性についてのデータ報告・評価の体制が整いました。しかし、新医薬品の品質、有効性、安全性を評価するという基本は共通であったものの、承認申請の際の詳細な技術的要件は地域により異なっていました。製薬企業の国際化に伴い、各地域の規制要件を満たすため、時間とコストのかかる重複した試験を数多く行う必要がありました。

そのため、拡大する医薬品開発コストへの懸念を背景に、必要な患者に安全で有効な新医薬品をより早く提供するため、各地域の医薬品承認審査の基準の合理化・標準化が必要となり、1990年4月、日本・米国・ヨーロッパの各医薬品規制当局と業界団体の6者によりICHが発足しました。

また、2015年10月にInternational Conference on Harmonisation of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use (日米EU医薬品規制調和国際会議から “International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for human use (医薬品規制調和国際会議)に変更されました。

< PMDA Webページ: ICH 医薬品規制調和国際会議 よりhttps://www.pmda.go.jp/int-activities/int-harmony/ich/0014.html >

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JPMA ICH-E6 Project

ICHの目的と役割

ICHの目的は、新医薬品を時宜に即し、また継続的に患者が利用できるようにすること、ヒトにおける不必要な臨床試験の重複を避けること、安全性、有効性及び品質の高い医薬品が効率的に開発、登録及び製造されること、及び安全性及び有効性が損なわれることなく動物試験が軽減されることに資する技術的要件における国際調和を促進することで公衆衛生を促進することです。

< PMDA Webページ: ICH 医薬品規制調和国際会議https://www.pmda.go.jp/int-activities/int-harmony/ich/0014.html より一部抜粋 >

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JPMA ICH-E6 Project

ICHの組織体制の改変

ICH協会の設立〔スイスに法人を設置〕

日米EU3極からグローバルな枠組みへ組織体制を含めて変更された。(2015年に協会が設立、2016年1月稼働開始)

構成: 総会、執行委員会、事務局、監査

総会:全会員で構成(最高決定機関となる)

執行委員会:

開始2年間は8常任委員。後に、拡大(非常任の追加: 行政、業界)

常任委員:非改選、創始団体(EC, FDA, MHLW, EFPIA, PhRMA, JPMA)

常任委員:非改選、行政(カナダ厚生省、スイス連邦医薬品庁)

非常任委員:改選(任期4年)、総会で選出(行政、業種別グローバル業界代表)

オブザーバー:行政(WHO)、業界(IFPMA)

< 製薬協Webページ: (ICH)即時報告会 http://www.jpma.or.jp/information/ich/ich_list.html第31回 ICH即時報告会、第32回ICH即時報告会から抜粋>

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JPMA ICH-E6 Project

ガイドラインの策定プロセス

ステップ1 新しい調和ガイドラインを作成する提案が新しいトピックとして総会により承認を受けると、専門家作業部会が設置されます。 専門家作業部会では協議を重ねて技術ドキュメント(ガイドライン案のベース)を作成します。

ステップ2a 技術ドキュメントの確認ステップ1の技術ドキュメントが総会で承認されるとステップ2aとなります。

ステップ2b ガイドライン案の採択ステップ2aの技術ドキュメントをベースにしたガイドライン案が総会の規制当局代表者により承認されるとステップ2bとなります。

ステップ3 ICHの各地域・国の規制当局(日本では厚生労働省)からガイドライン案が公表され、公に意見が求められます。寄せられた意見に基づいて専門家作業部会で協議が行なわれ、ガイドライン案が修正されます

ステップ4 ガイドライン案が総会の規制当局代表者によって最終的に合意、採択されるとステップ4となります。

ステップ5 ICHの各地域・国の規制当局において、それぞれの手続きにしたがってガイドラインが実施されます。日本では、厚生労働省医薬・生活衛生局から通知されます。

< PMDA Webページ: ICH 医薬品規制調和国際会議https://www.pmda.go.jp/int-activities/int-harmony/ich/0014.html より一部抜粋 >

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JPMA ICH-E6 Project

ICH トピック&ガイドライン

ICH トピックおよびガイドラインは、ガイドラインの目的に応じて、大きく以下の4分野に分けられています。

品質 Quality 安全性 Safety 有効性 Efficacy 複合領域 Multidisciplinary

それぞれのガイドラインにはコードが付されていて、“Q”“S”“E”“M”が付されています。

例 E6(R1): 医薬品の臨床試験の実施の基準

E8:臨床試験の一般指針

< PMDA Webページ: ICH 医薬品規制調和国際会議https://www.pmda.go.jp/int-activities/int-harmony/ich/0014.html より一部抜粋 >

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本日の内容

1. GCP Training based on ICH-E6(R2)2. ICHとは

3. ICH-E6(R2)と確認テスト

4. まとめ

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ICH-E6(R2)

ICH-E6(R2)の内容について学習

音声解説付きの動画(33分11秒)

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確認テスト

全ての学習の完了後にテストに進む

21問の中から無作為に出題される10問に回答する

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設問(序文)今回のE6(R2)ADDENDUM発効の目的や試験環境変化等の背景が序文に記されているが、次の中から例示されていないものを選べ。

選択肢

1) 電磁的なデータ記録・報告の利用が進展した

2) 治験の規模、複雑さ及び費用が増大した

3) ICH-E19が新たに策定された

4) 新たな手法として、中央モニタリングが導入された

5)リスクマネジメントプロセスの進歩により、効率を高め、重要な活動に重点的に取り組む新たな機会がもたらされた

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ICH-E6改訂の背景INTRODUCTION ICH-GCP(R1)が策定されてから、臨床試験は規模の増大、複雑化、コストの

増加に直面してきた。これに伴い、新しい技術や、Risk Management Processなど新しい取り組みが開始されている。

新しい取り組みや、効率化の流れを踏まえて、継続的な被験者保護やデータの信頼性を維持する仕組みについて述べる。また、電子記録や治験関連文書に関する統一的な基準を記載する。

EU、日本、米国、カナダ、スイスならびにこの考えを受容する各地域で、臨床データの相互受け入れを促進するために統一した考え方を提供する。

≪ノート≫ICH-E6(R1)の策定から20年が経過し、臨床試験を実施する現状に合わせたアップデートが必要と考えられました。また、三極では、それぞれの立場で、各種のガイドラインが発出されており、それらを統一するべきとの意見が出されていました。これらを踏まえ、今回のR2策定に至っています。INTRODUCTIONには、電磁的なデータ記録・報告の利用が進展したこと、治験の規模、複雑さ及び費用が増大したこと、新たな手法の導入として、中央モニタリングが広い範囲の治験に対して利益をもたらしたこと、 リスクマネジメントプロセスの進歩により、効率を高め、重要な活動に重点的に取り組む新たな機会がもたらされたこと、などが主に記載されています。

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設問(用語の定義)

保証付き複写を作成する際に、次の中から保証されたものとみなされるものを2つ選べ。

選択肢

1) 複写前の一部の情報のみが含まれた複写物

2) 感熱紙の記録を複写機でコピーして“Copy”と記した複写物

3) バリデートされたプロセスに従って作成された複写物

4) 電子ファイルを印刷してファイリングした紙の複写物

5) 同一の情報を有することを確認後、日付および署名を付した複写物

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追記内容1. Glossary1.63 Certified Copy

適切な媒体を利用した保証された複写物で、元の記録の背景、内容及び構成を説明するデータを含め、同一の情報を有することが求められる。

ここで言う保証には署名と日付を記載するか、保証されたプロセスで作成されていること等を示すことが重要となる。

緑字:ADDENDUM新規追記項

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設問(品質マネジメント)品質マネジメントについて、次の中から正しいものを選べ。

選択肢

1)治験依頼者(Sponsor)は、品質をマネジメントするためのツールとして、ITシステムを導入しなければならない

2)データ収集のツールはデータマネジメントとしての管理対象となるため、品質マネジメントには含まれない

3) 品質マネジメントシステムでは、リスクに基づくアプローチを利用する

4)治験の品質保証及び品質管理のために使用する方法は、治験固有のリスクのみを重視したものである

5)意思決定に必要な情報の収集はビジネス上の判断に必要なものであり、品質マネジメントには含まれない

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設問(品質マネジメント)品質マネジメントシステムで用いられるリスクに基づくアプローチでは、以下のプロセスを利用するとされているが、想定される順番は以下の選択肢のいずれか。

a) リスクの評価b) リスクのコントロールc) 重要なプロセス及びデータの特定d) リスクコミュニケーション・リスクレビューe) リスクの特定

選択肢

1) a) → b) → c) → d) → e) → リスク報告

2) a) → c) → d) → b) → e) → リスク報告

3) c) → e) → d) → b) → a) → リスク報告

4) c) → d) → e) → b) → a) → リスク報告

5) c) → e) → a) → b) → d) → リスク報告

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設問(品質マネジメント)品質マネジメントシステムで利用されるリスクに基づくアプローチについて、次の中から正しいものを2つ選べ。

選択肢

1)リスクを評価する際は、「エラーが発生する可能性」のみを考慮すればよい

2)リスクコミュニケーションは、治験の実施期間中に継続的な改善を促進するために、継続的な活動として実施されなければならない

3)リスクレビューは、治験実施計画書の作成段階において実施されなければならない

4)リスク報告として治験総括報告書に記載される逸脱に関する記載は、事前に規定された品質許容限界からの重要な逸脱とそれに講じられた措置の要約で構わない

5) リスクの特定の際に考慮するべき内容は、治験レベルのみで構わない

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設問(品質マネジメント)品質マネジメントシステムで利用されるリスクに基づくアプローチにおいて、特定されたリスクについて既存のリスクコントロールを前提として評価を行うこととされている。その際に考慮するべき項目として次の中から誤っているものを選べ。

選択肢

1) 被験者の保護に対してエラーが及ぼす影響

2) エラーの検出可能な程度

3) エラーが発生する可能性

4) 治験結果の信頼性に対してエラーが及ぼす影響

5) エラーの発生を低減する措置

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設問(品質マネジメント)品質マネジメントシステムで利用されるリスクのコントロールにおいて、次の中から誤っているものを選べ。

選択肢

1) 事前に品質許容限界を規定する

2) リスクの低減措置をモニタリングプランに規定する

3) 全てのリスクを低減する措置を決定する

4) 品質許容限界を規定する際に変数を考慮する

5) リスクの低減措置としてプロセスに関するトレーニングを組み込む

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設問(品質マネジメント)品質マネジメントにおいて、リスクに基づくアプローチとして次の中から正しいものを選べ。

選択肢

1)被験者の保護及び治験結果の信頼性の確保のために重要なプロセス及びデータは、治験実施計画書の作成段階に特定される

2) システムレベルのリスクは、リスクコントロールの対象とならない

3) 品質許容限界からの逸脱は、治験実施計画書からの逸脱である

4)品質許容限界からの逸脱が報告されない限り、リスクレビューを実施する必要はない

5)リスクレビューは、治験の重要なプロセス及びデータに対するリスクの特定を行う作業である

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設問(品質マネジメント)品質マネジメントシステムで利用されるリスクコミュニケーションについて、次の中から正しいものを選べ。

選択肢

1)最新の知識及び経験を利用し、定期的にリスクコントロールをレビューすること

2)リスクの低減措置や許容範囲を決定する。また手順書等を整備し、役割分担の明確化、必要な措置、トレーニング等を検討すること

3)事前に定めた手法等を治験総括報告書に記載し、併せて重要な逸脱が生じた場合には、その要約を文書として報告/記録すること

4)エラーの発生確率、影響、検出可能な程度等を考慮し、リスクを評価すること

5) 品質マネジメント活動記録等を作成し、関係者間で共有すること

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JPMA ICH-E6 Project

追記内容5. SPONSORADDENDUM

5.0 Quality Management

治験の品質をマネジメントするためのシステム(Quality Management System: QMS)が必要である旨が明記された。

品質保証及び品質管理のために使用する方法は、治験特有のリスク及び収集する情報の重要性と釣り合いの取れたものとし、不必要な複雑さ、手順、データの収集を避けるべきである。治験実施計画書や、症例報告書の様式その他業務関連文書は簡潔明瞭で一貫しているべきである。また、QMSではリスクに基づくアプローチを用いる旨などが明記された。

緑字:ADDENDUM新規追記項

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JPMA ICH-E6 Project

追記内容5. SPONSOR

ADDENDUM5.0.1 Critical Process and Data Identification〔重要なプロセスやデータを特定する〕

5.0.2 Risk identification〔リスクをシステム(体制)レベル、治験レベルの両面で特定する〕

5.0.3 Risk Evaluation〔エラーが発生する可能性、検出可能な程度、エラーが及ぼす影響等を考慮し、リスクを評価

する〕

5.0.4 Risk Control〔リスクの低減措置や品質許容限界を決定する。また手順書等を整備し、役割分担の明確化、

必要な措置、トレーニング等を検討する〕

5.0.5 Risk Communication〔品質マネジメント活動記録を文書化し、関係者間で共有する〕

5.0.6 Risk Review〔最新の知識及び経験を踏まえて、定期的にリスクコントロールをレビューする〕

5.0.7 Risk Reporting〔事前に定めた手法等を総括報告書に記載し、併せて重要な逸脱が生じた場合には、その

要約を文書として報告/記録する〕

緑字:ADDENDUM新規追記項

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JPMA ICH-E6 Project

Risk based QMのイメージ

計画 実施 報告

Risk BasedQM

臨床試験

• 重要なプロセス/データの特定

• リスクの特定/評価• 品質許容限界を規

定• リスク低減計画

重要なプロセス/データのモニタリング 総括報告書へ

の重要な逸脱の記載

原因分析

是正措置、予防措置新たなリスク• 重大なリスクの発現• 想定を逸脱した頻度• 前提条件の変更

Issue

措置の有効性の確認

“計画”の改訂PDCA

サイクルの実行(Issue Managementの一例)

定期的なレビュー!

追記内容

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設問(モニタリング)治験のモニタリングについて、次の中から正しいものを2つ選べ。

選択肢

1) 中央モニタリングは、オンサイトモニタリングの担当者によって実施される

2) 中央モニタリングのみでモニタリングが実施されることは無い

3)外れ値や予想外の変動を示したデータは、中央モニタリングの評価からは除外される

4)モニタリング戦略、関係当事者のモニタリングの責務は、モニタリングプランに記載される

5)中央モニタリングプロセスは、信頼性のあるデータと信頼性が無い可能性のあるデータの区別の助けとできる

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設問(モニタリング)中央モニタリングに関連する業務について、次の中から誤っているものを選べ。

選択肢

1) 中央モニタリング活動の報告は、施設訪問と独立して行うことができる

2)中央モニタリング活動の報告は、適切な時期に治験依頼者(Sponsor)に提出される

3) 中央モニタリング活動は、適切な資格を有したものにより実施される

4)中央モニタリング活動は、オンサイトモニタリングと組み合わせてのみ実施される

5)中央モニタリングから累積するデータの評価は、治験実施計画書からの逸脱の特定に利用することができる

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設問(モニタリング)モニタリングの実施について、次の中から正しいものを2つ選べ

選択肢

1)治験依頼者(Sponsor)は、モニタリング実施にあたり、体系的で優先順位を考慮した、リスクに基づくアプローチを策定すべきである

2)モニタリングの範囲及び内容の柔軟性は、モニタリングのさまざまなアプローチを許容することとなり好ましくない

3)モニタリング戦略は、治験依頼者(Sponsor)が自由に選択できるので、モニタリングプランに記載しない

4)オンサイトモニタリングと中央モニタリングは、モニタリング戦略に基づいて選択することができる

5)中央モニタリングにおけるデータの評価において、統計的解析は利用されない

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設問(モニタリング)モニタリングプランの説明について、次の中から誤っているものを2つ選べ。

選択肢

1)治験依頼者(Sponsor)は、被験者の保護及びデータの完全性に関する治験固有のリスクに応じたモニタリングプランを作成する

2)モニタリングプランでは、全ての関係当事者のモニタリングの責務を定める。

3)モニタリングプランでは、使用するさまざまなモニタリング方法及びその使用根拠を定める。

4)モニタリングプランは、重要なデータの確認方法を定めるものであり、治験の実施上のプロセス確認はその対象ではない

5)治験のトレーニングに関する確認等は、トレーニングプランに定めるものであり、そのモニタリングについてはモニタリングプランには含まれない

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JPMA ICH-E6 Project

5. SPONSOR5.18.3 Extent and Nature of Monitoring治験依頼者は、治験のモニタリング実施に当たり、体系的で

優先順位を考慮した、リスクに基づくアプローチを策定する。

モニタリングの範囲及び内容の柔軟性は、モニタリングの有効性及び効率性を改善するさまざまなアプローチが許容され、治験依頼者はオンサイトモニタリング、オンサイト及び中央モニタリングの組み合わせ、又は、正当な理由がある場合、中央モニタリングのみのいずれかを選択することが可能となる。

治験依頼者は、選択したモニタリング戦略の根拠を文書化する(モニタリングプランへの記載)等が明記された。

追記内容青字:ADDENDUM

追記文書

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JPMA ICH-E6 Project

5. SPONSOR5.18.3 Extent and Nature of Monitoring (Centralized Monitoring)時宣に即して実施される累積データの遠隔的な評価であり、

適切な資格を有し、教育を受けた者(データマネージャー、生

物統計専門家等)によって補助されるモニタリングである。ま

た、オンサイトモニタリングを補完し、その範囲及び(又は)頻

度を削減し、信頼性のあるデータと潜在的に信頼性のない

データとの判別を補助することで、さらなるモニタリングの可

能性をもたらすものである旨が明記された。

追記内容青字:ADDENDUM

追記文書

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JPMA ICH-E6 Project

5. SPONSOR5.18.3 Extent and Nature of Monitoring (Centralized Monitoring)中央モニタリング/データレビューの利用例

(a) 欠測、不整合、外れ値、予想外の変動の欠如及び治験

実施計画書からの逸脱の特定

(b) 治験実施医療機関内及び施設間におけるデータの範

囲、一貫性及び変動性等、データの傾向の分析

(c) 治験実施医療機関内又は施設間におけるデータ収集

及び報告の体系的又は重大な過誤;又はデータ操作の

疑い又はデータの完全性の問題を示す可能性を評価

追記内容青字:ADDENDUM

追記文書

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JPMA ICH-E6 Project

5. SPONSOR5.18.3 Extent and Nature of Monitoring (Centralized Monitoring)中央モニタリング/データレビューの利用例

(d) 治験実施医療機関の特性及び性能指標の解析

(e) オンサイトモニタリング実施対象の治験実施医療機関

及び(又は)プロセスの選択

追記内容青字:ADDENDUM

追記文書

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5. SPONSOR5.18.6 Monitoring Report (e)オンサイトモニタリング及び(又は)中央モニタリングの結果

は、レビュー及びフォローアップを実行できるように、適切な

時期に治験依頼者(治験及び治験実施医療機関の監督責

任を有する適切な管理者及びスタッフを含む)に提出される

べきである。モニタリング活動の結果は、モニタリングプラン

の遵守状況の検証に十分な詳細度で記録すべきである。中

央モニタリング活動の報告は定期的に行い、施設訪問とは

独立して行うこともできる。

追記内容青字:ADDENDUM

追記文書

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5. SPONSOR5.18.7 Monitoring Plan 治験依頼者は、被験者の保護及びデータの完全性に関す

る治験固有のリスクに応じたモニタリングプランを作成すべきである。

モニタリングプランでは、モニタリング戦略、全ての関係当事者のモニタリングの責任、使用するさまざまなモニタリング方法及びその使用根拠が説明されるべきである。

モニタリングプランは、重要なデータ及びプロセスのモニタリングについても強調すべきである。日常的な診療業務で実施しない事項や、追加的なトレーニングを要する事項については特別な注意が払われる必要がある。モニタリングプランは、適用される指針及び手順を参照するものとする。

追記内容緑字:ADDENDUM

新規追記項

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設問(電子システム)電子データ処理システムなど、コンピューター化システムを利用する場合、それを使用するための要件等について、次の中から誤っているものを選べ。

選択肢

1)治験依頼者(Sponsor)は、意図された性能等について、要件を充たしていることを保証する

2) システムを使用する際は、使用者のためのトレーニングが実施される

3)システムを使用するための標準業務手順として、システムの維持管理や危機管理計画も含まれる

4)システムの利用目的等にかかわらず、網羅的かつ完全なバリデーションを実施する

5)ソフトウェアのアップデートやデータの移行が行われる場合、データの完全性は保証されなければならない

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設問(電子システム)コンピューター化システムを利用する場合に作成される標準業務手順書について、ICH-GCP E6(R2)に例示されていない内容はどれか。

選択肢

1) システムの廃止

2) システムの維持管理のための費用

3) データのバックアップ及び修復

4) システムのバリデーション及び機能テスト

5) システムのセットアップ、インストール及び使用方法

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設問(電子システム)コンピューター化システムのバリデーションについて、次の中から誤っているものを選べ。

選択肢

1) システムが要求される仕様を常に満たすことを検証し文書化する

2) システムの利用開始時に行えば、その後実施する必要はない

3)被験者保護への影響可能性を考慮したリスク評価に基づいたアプローチで実施する

4)治験結果の信頼性への影響可能性を考慮したリスク評価に基づいたアプローチで実施する

5) システムのバリデーションの方法は標準業務手順書に記載する

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5.5 Trial Management, Data Handling, and Record Keeping5.5.3(a)電子データ処理システムが、完全性、

正確性、信頼性及び意図された性能についての治験依頼者の

要件を満たしていることを保証し、文書化する(すなわちバリ

デーション)。

追記内容

ADDENDUM治験依頼者は、システムのバリデーションにおいて、当該シス

テムの用途並びに当該システムが被験者の保護及び治験結果の信頼性に与える影響を考慮した、リスク評価に基づいたアプローチをとる旨が明記された。

黒字:オリジナルE6(R1)文書

青字:ADDENDUM追記文書

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5.5 Trial Management, Data Handling, and Record Keeping5.5.3(b)これらのシステムを使用するための

標準業務手順書を整備する。

追記内容

黒字:オリジナルE6(R1)文書

青字:ADDENDUM追記文書

ADDENDUM

標準業務手順書の対象範囲にはシステムのセットアップ、インストール及

び使用方法を含めるものとする。標準業務手順書はシステムのバリデー

ション及び機能テスト、データの収集及び取扱い、システムの維持管理、シ

ステムの安全対策、変更管理、データのバックアップ、修復、危機管理計画

並びにシステムの廃止を記載すべきである。

これらのコンピューター化システムの使用に関する治験依頼者、治験責

任医師及びその他の当事者の責任は明確に規定され、使用者にはシステ

ムの使用に関するトレーニングが供給されるべきである。

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5.5 Trial Management, Data Handling, and Record Keeping

ADDENDUM5.5.3(h)データの背景、内容及び構成を説明するデータを含め、

データの完全性を保証する。この点は、ソフトウェアのアップグレード又はデータの移行等、コンピューター化システムを変更する場合に特に重要である。

追記内容

青字:ADDENDUM追記文書

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設問(不遵守)治験の実施中に、被験者の保護や治験結果の信頼性に重大な影響を及ぼすもしくは及ぼしかねない不遵守が発見された際に実施されることはどれか。次のうちから、実施されることが規定されている活動を全て選べ。

選択肢

1) 不遵守の特定

2) 根本原因分析の実施

3) 是正措置の策定

4) 予防措置の策定

5) 記録の作成と保管

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5. SPONSOR5.20.1 Noncompliance被験者の保護や治験結果の信頼性に重大な影響を及ぼす

もしくは及ぼしかねない不遵守が発見された際は、治験依頼者は根本原因を分析し、適切な是正・予防措置を講じる旨が明記された。

注:Noncompliance (不遵守): 従来の記載でも、治験実施計画書、標準業務手順書、GCP及び(又は)適用される規制要件を遵守していない場合には、必要な措置を講じる旨は既に規定されている。

追記内容青字:ADDENDUM

追記文書

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設問(治験関連文書)資料や記録の保管に関し、次の中から正しいものを選べ。

選択肢

1)原資料を含む各治験関連文書の所在に関する記録の保持に際して、そのシステムは電磁的なもの、かつ文書の識別、更新履歴、探索及び取得に関する機能を有しなければならない

2)治験関連文書は、治験における重要性と関連性に基づいて削減してもよい

3)治験の記録として保存される文書は、保証付き複写の要件を充たしていても、元の文書から置き換えることは許容されない

4)治験依頼者(Sponsor)に対して報告された症例報告書のデータは、治験依頼者(Sponsor)が管理権限を有しているので、治験責任医師がアクセスできなくてもよい

5)治験責任医師は文書及び記録の管理をある団体に委託した場合には、治験責任医師は文書及び記録の管理を行う必要はない

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8. ESSENTIAL DOCUMENTS FOR THE CONDUCT OF A CLINICAL TRIAL

8.1 IntroductionADDENDUM治験依頼者及び治験責任医師/治験実施医療機関は、

原資料を含む各文書の所在に関する記録を保持するものとする。治験の実施中及び実施後の保管システム(使用する媒体を問わない)は、文書の識別、更新履歴、検索及び取得に関する機能を有すべきである。

治験の文書は、その試験における重要性と関連性に基づき、追加もしくは、(治験開始前に)正当化されてる場合には削減すること。

追記内容

青字:ADDENDUM追記文書

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8. ESSENTIAL DOCUMENTS FOR THE CONDUCT OF A CLINICAL TRIAL

8.1 IntroductionADDENDUM治験依頼者は、治験依頼者に対して報告される症例報告書データ

に関して、治験責任医師が管理権限を保持し、かつ、常にアクセス可能であることを保証すべきである。治験依頼者がこれらのデータを独占的に管理すべきではない。

複写物を元の文書(原資料、CRF等)の代わりとして置き換える場合、当該複写物は保証付き複写の要件を満たすべきである。

治験責任医師/治験実施医療機関は、治験開始前、実施中及び終了後に治験責任医師/治験実施医療機関が作成したすべての治験関連文書及び記録の管理権限を保持すべきである。

追記内容

青字:ADDENDUM追記文書

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設問(トレーニング)治験依頼者(Sponsor)が管理すべきトレーニングに関係する業務について、次の中から誤っているものを選べ。

選択肢

1)治験依頼者(Sponsor)は、必要に応じて治験実施計画書の手順やデータ収集に関する手順書に則したトレーニングを提供する

2)治験依頼者(Sponsor)は、データ収集に際してコンピュータシステムを使用する場合には、その使用者にトレーニングを提供する

3)治験実施医療機関が自らコンピュータシステムを設置して臨床試験の原データを管理する場合には、そのコンピュータシステムの使用者に治験依頼者(Sponsor)がトレーニングを提供する必要はない

4)治験依頼者(Sponsor)が、中央モニタリングを補助する者を指名する場合には、トレーニングの有無を確認する必要はない

5)治験依頼者(Sponsor)は、リスクの低減措置をトレーニングに組み込んで提供することができる

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設問(業務委託)治験責任医師が個人もしくは団体に対して治験業務の実施を委託する場合において、治験責任医師/治験実施医療機関が実施する事を次の中から2つ選べ。

選択肢

1)業務終了時に、委託した業務が適切に実施されたことを治験責任医師/治験実施医療機関が保証すること

2)委託先が委託した業務を適切に遂行するための要件を満たしていることを、治験責任医師/治験実施医療機関が確認すること

3)治験責任医師が治験業務をある団体に委託した場合、当該業務に対する監督責任も当該団体に委託すること

4)企業が主導する治験において、治験責任医師が治験業務をある団体に委託した場合、規制当局に当該団体名等を書面により届出ること

5)治験実施医療機関が治験業務をある団体に委託した場合、治験審査委員会に事前に審査を依頼し承認を得ておくこと

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追記内容4. INVESTIGATOR4.2 Adequate Resources

ADDENDUM4.2.5 治験責任医師は、治験業務を委託した個人または団体を監督する責任を有する旨が明記され、委託業務の管理責任が強調された。

4.2.6 治験責任医師/治験実施医療機関は、個人または団体に業務を委託した場合には、その者が業務を遂行するための要件を満たしていることを保証し、併せて、実施された業務と作成されたデータについても保証する手立てを講じる旨が明記された。

緑字:ADDENDUM新規追記項

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設問(記録)原データの扱いについて、次の中から誤っているものを選べ。

選択肢

1) 原データを変更する場合、変更前のデータも明瞭でなければならない

2) 原データを変更する場合、データの変更経緯が判らなければならない

3)原データを変更する場合、必要に応じて変更の理由が判らなければならない

4)原データを変更する場合、データの変更は治験責任医師が行わなければならない

5)原データを変更する場合、誰もが読むことができるよう明瞭に記録しなければならない

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追記内容4. INVESTIGATOR4.9 Records and ReportsADDENDUM4.9.0 治験責任医師/治験実施医療機関は、治験に関す

る被験者の観察記録を含め、全ての原資料・原データに関する記録を保存する。

原データは、帰属性、判読性、同時性、原本性、正確性及び完全性を満たし、原データを変更した場合には、その過程を遡ることが出来ると共に、変更前の記載内容を不明瞭にしない。また、必要に応じて監査証跡等により、変更の経緯が説明可能である旨が明記された。

緑字:ADDENDUM新規追記項

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まとめ

個ではなく、システム(体制)として、総合的にデータの信頼性と被験者保護を確保臨床試験に対するQuality Management

System(QMS) の構築−Systemを意識して明確に体制を構築しましょう−Systemを意識して文書・記録を残しましょう−Risk Based Approachを活用しましょう

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全ての学習を終え、テストに合格すると

ちけん君

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ICHとは

ICH-E6(R1)

ICH-E6(R2)

確認テスト

*赤色のコンテンツの制作を製薬協が担当

このコンテンツを使用してICH-E6(R2)の理解を深めていただけましたら幸いです。

GCP Training based on ICH-E6(R2)

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より良い医薬品をより早く患者さんのもとに

ご清聴ありがとうございました。