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News letter vol4 -(完成)最終観光やビジネスの展開に期待が寄せられました。 今回の自治体視察や意見交換をもとに、熊本市や菊池市における

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 平成 27 年 2 月 12 日、 長野県小布施町から市村良三町長と慶應

SDM・小布施町ソーシャルデザインセンターの大宮透研究員をお招きし、

熊本大学工学部百周年記念館にて第4回地域づくり交流会「地域づくり

におけるよそ者、若者」を開催しました。

 第一部ではまず、来場者の皆さんに小布施の魅力を知って頂くため、

政創研の政策研究員の二人が「小布施が人を引きつける理由」と題し、「よ

そ者」から見た小布施を解説しました。続いて、田中尚人准教授がファ

シリテーターを務め、「地域の個性を考え、伝え合う」ワークショップを

行いました。アイスブレイクとして隣に座った方との共通点を 10 個探すこ

とから、まちづくりにおいてよそ者、若者に期待すること、まちづくりの

お困りごとを話し合い、まちづくりを自分事、そして誰かと話し合うことが

重要であることを学びました。

 第二部では、まずショートプレゼンテーションとして、お二人のゲスト

からご講演いただき、市村町長からは、地元のおもしろい若者や外から

の若者などと地元の人たちをどうやってすり合わせるかということが、町

長である自らの重要な役割であるとのお話がありました。また大宮氏から

は、自らの役割はリードするというよりはコーディネート。町民・行政・

よそ者という三者を結び、今の時代に合った事業を展開する「小布施方式」

第4回地域づくり交流会

地域づくりにおけるよそ者、若者

についてのお話がありました。

 続いて、田中尚人准教授がモデレーターとして加わり、会場との対話

形式でパネルディスカッション。会場からは地域づくりに関する様々な質

問がありました。市村町長からは、世代間交流による「循環」や、何か

やるときに毎回主役を変えて「自分でやってみる」という経験を作り出す

ことの重要性を。大宮氏からは、自分の気持ちを押し付けない、巻き込

むためには、まず自分が巻き込まれてみることが大事といったことを教え

ていただきました。そして、お二人から出た共通のキーワードは「楽しむ」

ということ。言葉の端々から、お二人が楽しみながら地域づくりに取り組

んでいる様子が感じられました。

 今回の交流会では、小布施町の内向き、外向きのベクトルのバランス

の良さや、町民・よそ者・行政の協働。そして協働を進化させるキーパー

ソンとしての市村町長と大宮氏の役割。何より「お友だち」とも言えるよ

うなお二人の信頼関係が印象的で、熊本における地域づくりを進めるう

えでも参考になる多数のヒントが得られました。

大宮 透1988 年、山形県蔵王生まれ。2013 年より、小布施町役場内にある「慶應 SDM・小布施町ソーシャルデザインセンター」の研究員。地域のビジョンづくりや事業づくりの支援、小布施若者会議やサマースクールの企画運営などを実施。その他、「地域創造研究所」の代表として地域づくりやコミュニティデザイン、都市計画の分野において活躍中。

TORU OMIYA 2015.02.12[木]熊本大学工学部百周年記念館

市村良三1948 年長野県生まれ。長野県長野高等学校、慶応義塾大学法学部政治学科卒業。27 歳で帰郷。1979 年、おじ(実父の兄)で元県議・小布施町長の市村郁夫氏が亡くなり、翌年、郁夫氏の子息でいとこの市村次夫氏とともに ( 株 )小布施堂の経営を引き継ぐ。町並み修景事業を推進。元 ( 株 ) 桝一市村酒造場副社長。2004 年 12 月小布施町長初当選。(市村良三氏ホームページより抜粋)

RYOZO ICHIMURA 

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SeisokenColumn

 

手前味噌ながら、こう実感しながら仕事ができる環境に

あることに感謝したいと思います。平成27年になり、政創

研が主催した二つの研究会では、様々な学びがありました。

これらの学びと、私が県内のあちこちで実践している活動が

化学反応を起こし、3月30日の大南さんの言葉「やったら

ええんちゃうん!」で、完全に火がついてしまいました。

 

2月に開催された「地域づくり交流会地域づくりにおけ

るよそ者、若者」では、長野県小布施町の現役町長市村良

三さんと、学生時代の活動の延長線上に今の活動がある慶

應SDM・小布施町ソーシャルデザインセンターの大宮透さ

んに来熊頂きました。まるで、年の離れた友達同士のよう

なお二人の言葉から、様々な学びがありましたが、僕は若

者代表大宮さんの「まきこむより、まきこまれる」という

言葉にはっとさせられました。地域づくりにおいては、「様々

なステークホルダーを意識して、それぞれに役割を持たせて

マネジメントしていくことが大切」と考えていた僕の脳天を

かち割る感じで、この言葉が意味する傾聴の姿勢が、地域

づくりにおいては欠かせない、と今では考えるようになりま

した。

 

そして、3月に開催された「政策フォーラムきせきのま

ちプロジェクト」では徳島県神山町NPO法人グリーンバ

レー理事長の大南信也さんの講演を拝聴し、とても元気に

なりました。大南さんの失敗から学ぶポジティブな考え方

は、経験に基づいた分かり易い言葉で、全ての話が腑に落

ちる感じがしました。その中でも身につまされたのは、「ア

イデア・キラーは自分の中にいる」という下りでした。「先

例がない、やったことがあるが失敗した、やっても意味が無

い、等々」身内だからこその助言が、イノベーションの機会

を失わせている、しかも、そういう発言をするアイデア・キ

ラーは自分の中に潜んでおり、現実を直視せずに、一人で問

題を抱え込んでしまっている、これが最悪の状態、という趣

旨だったと理解しています。

 

僕は、イノベーションは無から生まれない、そして必ずグ

ループで達成する課題だと考えています。一人のリーダーシッ

プでは解決できないような問題こそ、非力でもそれぞれが

志をもって、相手を思いやり、強いチームとなって事に当た

れば、必ずや未来が開ける。その為には、信頼できるチー

ムメイトとともに、現実を冷静に見据え、具体的にデータ

を分析し、将来のビジョンを描き、課題解決のためのアイデ

アを創造的に議論することが大切だと思います。これこそ、

ドキドキ、わくわくが止まらない、最高に楽しいチャレンジ

ではないでしょうか?あなたの職場にも、是非そのようなイ

ノベーションを起こしてみませんか?

政創研コラムVol.

政策創造研究教育センター(政策創造研究部門) 准教授

チャレンジ!2

田中 尚人

いま、熊大政創研がアツい!

田中 尚人1971 年京都府生まれ。京都大学大学院工学研究科環境地球工学専攻修了。博士(工学)。2006 年熊本大学に赴任、2010 年より現職。専門は土木計画学、土木史、景観論。文化的景観の保全、土木遺産の活用など、歴史と文化を活かした景観まちづくりを実践する。熊本市、菊池市、天草市などを中心に地域住民と行政との協働の仕組みづくりにも取り組む。趣味は旅行と美味しいもの探し。

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 平成 27 年 5 月 8 ~ 15 日の間、上海交通大学国際および公共事務

学院の彭勃(Peng Bo)教授と同済大学政治および国際関係学院の邵

春霞(Shao Chunxia)教授が来熊されました。彭教授は熊本大学政

創研の客員教授、邵教授は彭教授と共に上野教授の共同研究者でも

あり、昨年 5 月に開催された国際ガバナンス・カンファレンスでも

研究報告をいただきました。平成 25 年 7 月 1 日に上海交通大学国

際および公共事務学院と政創研との間で部局間交流協定が結ばれ、

公共政策に関する研究会やシンポジウムを開催してきました。

 今回の訪問では、菊池市の江頭実市長との対談や熊本市市民協働

課や観光文化交流局での意見交換を行いました。菊池市では、菊池

渓谷や七城メロンドームなどの道の駅を視察し、江頭市長と外国人

の視点で感じた菊池の魅力や今後の外国人観光客誘致に向けた提

案、ディスカッションが行われました。熊本市では、熊本市自治

基本条例に関心が向けられ、「自分たちのまちは自分たちで創る!」

というアイデアや行動は、上海でも是非紹介したいとのお話があり

ました。観光文化交流局長表敬訪問では、東アジアからの観光客が

増加している中、いかに文化の異なる人びととの関係を構築するの

かという課題が話されました。東京へ行くのと上海へ行くのとでは、

地理的にも同じくらいの距離にあるため、この立地条件を生かした

観光やビジネスの展開に期待が寄せられました。

 今回の自治体視察や意見交換をもとに、熊本市や菊池市における

地方自治体の取り組みが上海市でも紹介されると共に、こうした熊

本の経験を生かした共同研究や研究交流会、研究成果の発信を政創

研との共同事業として進めたいとの意向が示され、今後の連携が期

待されます。

彭 勃(Peng Bo)政創研客員教授来学

邵春霞(Shao Chunxia)上海交通大学国際および公共事務学院 教授

同済大学政治および国際関係学院 教授

熊本大学政創研ニューズレター

〒 860-8555 熊本市中央区黒髪 2 丁目 39 番 1 号Tel: 096-342-2044 Fax: 096-342-2042Email: [email protected]

http://www.cps.kumamoto-u.ac.jp/vol.6 政創研10周年記念 未来創造のチャレンジ

編集・発行  熊本大学政策創造研究教育センター

発 行 日  2015 年 6 月 30 日

全員で記念撮影。邵教授 ( 左から 4 番目 )、彭教授 ( 左から 5 番目 )。

7 月初旬  募集要領公開

7 月~9月 エントリー受付期間

10 月 25 日 コンペ当日

日時:平成 27 年 10 月 25 日(日)

   13~17 時予定

場所:熊本大学工学部百周年記念館

Information

公共政策コンペを実施します!【実施概要】 【スケジュール】

今年も