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BioJapan 組織委員会 / ㈱ JTB コミュニケーションデザイン Report

Report - BioJapan · 10月9日(水)から10月11日(金)の3日間、パシフィコ横浜にて盛 大に開催された。1986年以来、21回目の開催であった。

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BioJapan 組織委員会 / ㈱ JTB コミュニケーションデザイン

Report

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開 催 実 績

1CONTENTS

1234

5

67

■■

■■■

■■

内訳

240 300 347 353360208204

・出展 974 社( 前回 879 社)

・パートナリング 339 社( 前回 229 社)

出展 974 社のうち再生医療 JAPAN 115 社参加者数の状況

■ 出展・パートナリング参加企業数

2015

714

2016

886

2017

983

2018

1,3131,108

2019

1,0001,200

800600400200

02013

678

2014

607

海外

■ 商談件数

4,747

2015

5,801

2016

6,376

2017

7,228

2018 2019

8,59110,075

11,987

1,00001,2000

8000600040002000

02013 2014

総括 1開会式 2基調講演 2ネットワーキング 4 レセプション パートナリングパーティ主催者セミナー 5 VIP Vision for Innovation 5  iPS 細胞研究アップデート 5 バイオクラスターサミット 2019 ~各国のバイオエコシステム構築の取り組みと今後の連携~ 6 ライフイノベーションフォーラム ~バイオ戦略の遂行に向けて~ 7 循環経済におけるビジネスモデルの転換 7 プラスチック資源循環戦略 ~海洋プラスチック問題への挑戦~ 8 再生医療等製品の開発と商業化に向けて 9 食で健康を創造する ~未病状態を測れるか?~ 9 デジタル技術が変革する医療 : 診断と治療 10 保険会社と考えるヘルスケアビジネス戦略 11パートナリング 12展示会 13

● 出展・パートナリング参加企業数 1,313 社( 前回 1,108 社 )

● 上記のうち、海外参加企業数 353 社( 前回 360 社 )

● パートナリング参加者数 1,945 名( 前回 1,848 名 )

● 商談件数 11,987 件( 前回 10,075 件 )

● 来場者数 17,512 名( 前回 16,309 名 )

出展者 974 社パートナリング 339 社

内訳

BioJapan 2019 / 再生医療 JAPAN 2019

総 括BioJapan 2019および再生医療JAPAN 2019は2019年

10月9日(水)から10月11日(金)の3日間、パシフィコ横浜にて盛

大に開催された。1986年以来、21回目の開催であった。主催はバ

イオ関連9団体から構成されるBioJapan組織委員会と、(株)JTB

コミュニケーションデザインである。再生医療JAPANの主催は(一

社)再生医療イノベーションフォーラム、(一財)バイオインダストリー

協会、(株)JTBコミュニケーションデザインであり、今回が4回目の

開催となった。

国内外から企業・行政関係機関、アカデミア等が多数参加して最

終的に過去最大規模となった。出展・パートナリング参加企業数は

1,313社、来場者数は17,512名と、それぞれ前回を上回った。

パートナリングの参加者数は1,945名、商談件数が11,987件と拡

大し、アジア最大のマッチングイベントとしてさらに発展した。参加国

数は34カ国あり、国際イベントとして定着している。

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2 開会式

3 基調講演基調講演 1

主催者を代表して永山 治BioJapan組織委員会委員長((一財)バイオインダストリー協会理事長)が挨拶に立ち、国の「バイオ戦略

2019」への期待、来賓へのお礼、参加者のビジネスが活性化することへの期待を述べた。また、第3回バイオインダストリー大賞の受賞者を

紹介した。

ご来賓の牧原 秀樹経済産業副大臣、鈴木 康裕厚生労働省医務技監、黒岩 祐治神奈川県知事、林 文子横浜市長からは、バイオ産業振興の

重要性と取り組み事例、そしてBioJapan / 再生医療JAPANが盛大に開催されることへの祝辞を頂戴した。

第5期科学技術基本計画では「世界で最

もイノベーションに適した国」の実現に向け

取組を推進している。その中にSociety 5.0

の実現があり、経済発展と社会的課題の解決

を両立する人間中心の社会と定義している。

2018年に閣議決定した統合イノベーション

戦略において、基盤的技術分野にバイオテク

ノロジーを採り上げた。世界の潮流としてバイ

オエコノミーの概念が定着し、他方、デジタル

化・ビッグサイエンス化が進んだ。これらを背

景に2019年6月に「バイオ戦略2019」を取

りまとめ、発表した。国内外から人材・投資を呼

び込むこと、2030年にバイオエコノミー社

会を実現することを目指す。9つの市場領域

を設定してバックキャストでアクションを策定

する。また投資や人材を引きつける「国際バイ

オコミュニティ圏の形成」に向けた政策を打

つ。皆さんの行動・投資を期待する。

永山 治BioJapan

組織委員会委員長

牧原 秀樹経済産業副大臣

鈴木 康裕厚生労働省医務技監

黒岩 祐治 神奈川県知事

林 文子横浜市長

日本のイノベーション戦略とバイオ戦略2019について

和泉 洋人 氏 内閣総理大臣補佐官

2

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開会式来賓の牧原 秀樹経済産業副大臣、鈴木 康裕厚生労働省医務技監が展示会場を視察されました

牧原 秀樹氏(中央) 鈴木 康裕氏(中央)

基調講演 2

基調講演 3

3 基調講演

3

AI駆動型生命科学北野 宏明 氏 (株)ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長

2050年までに生命科学分野でAIにノー

ベル賞を受賞させる、しかもノーベル委員

会がAIだと気づかないように。ノーベル・

チューリング・チャレンジと呼ぶこのテスト

を仕掛けている。1日4,100論文が発表さ

れるような時代であり、すでに人間の認知

能力を超えてしまった。そこでAIの力を借

りて研究を駆動する必要がある。情報の整

理からさらに進めて、仮設の形成までをAI

が駆動するのが次の段階。プロ棋士を破っ

て衝撃を与えたAlphaGoは棋譜データを

学習して最適の手を計算したが、次世代の

AlphaGo ZEROではAI同士を戦わせて学

習し、さらに強くなった。すなわち、科学にお

いてもAIに仮説形成させて戦わせ、真実に

近づくことができる。この場合「正しい問い

を立てること(評価系)」が極めて重要にな

る。このように科学的発見を再定義するとき

が来ている。

英国政府は生命科学に継続投資してお

り、2018年は民間資金と合わせて22億

ポンド(約3000億円)の研究開発費が投じ

られた。うち40%は欧州からのベンチャー

キャピタル投資だった。日本との協働につい

ては、最近5年間に約15,000論文が共著

で発表されるなど活発であり、更なる協働

を期待している。

ICRは英国のトップランク研究所の一つ

で、1,100名の職員と学生を抱える。これ

までに複数のがん遺伝子の発見、肺がんと

喫煙の関係を初めて指摘、放射線治療法

の開発、抗がん剤の創薬(民間企業へライ

センス済み)等の実績を持つ。ビッグデータ

とAIによる治療標的選定にも取り組んでい

る。当研究所のみならず「London Cancer

Hub」として複数機関と連動し、外部との連

携にオープンな体制をとっている。

UK Life Sciences: Innovation and Partnership to Defeat CancerPaul Workman 氏 Chief Executive and President, The Institute

of Cancer Research (ICR), London UK

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初日17:30から横浜ベイホテル東急において開催した。主催者を代表して(一財)バイオイ

ンダストリー協会会長 阿部啓子、来賓として参議院議員でライフサイエンス推進議員連盟事

務局長 古川 俊治氏がご挨拶された。第3回バイオインダストリー大賞受賞者土肥 義治氏な

らびに(株)カネカの5名の方々、10名のバイオインダストリー奨励賞表彰者および選考委員、

来賓(駐日リトアニア バルブオリス大使、豪ビクトリア州政府 パクラ雇用・革新・貿易大臣、英国

The Institute of Cancer Research Workman氏、経済産業省、横浜市、神奈川県、川崎

市)の紹介後、(一社)再生医療イノベーションフォーラム会長 畠 賢一郎氏が乾杯の発声をさ

れた。会場では、東京交響楽団弦楽四重奏による和やかな雰囲気のもと、アナウンスや挨拶、

乾杯のすべて英語で進行し、国際イベントの印象を強くして開催された。

2日目(17:30~19:30)にマッチングメンバー対象のネットワーキングパーティは新たな会場として“アニヴェルセルみなとみらい横浜”で開催した。1階は“厚生労働省”、2階は”再生医療“、5階は”バイオクラスター”を対象とするパーティとし、3階と4階をマッチングメンバー対象とした。2018年に好評であったWorld Band を再び結

成し、国内外バイオ産業支援団体等(米(BIOCOM)、英(MedCity、Imperial College London)、独(BioM)、日(JBA))が中心メンバーとなって演奏した。会場全員が歌に参加するなど盛り上がり、よい国際連携の場となった。

4 ネットワーキング■レセプション (1日目 )

■パートナリングパーティ(2 日目 )

4

阿部 啓子 氏

畠 賢一郎 氏による乾杯の発声

レセプションの会場風景

パーティの会場風景 World Band Live

弦楽四重奏

古川 俊治 氏

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22の主催者セミナーおよび34のスポンサーセミナーを開催した。

スポンサーセミナーは前回2018年の27から大幅に増加した。以下に主催者セミナーから10セッションを紹介する。

5

本セッションは各界のトップがビジョンを語る場として用意した。Dallman 氏はインペリアルカレッジの産学連携の様子を講演された。2019年4月に(独)医薬品医療機器総合機構(PMDA)理事長に就任された藤原氏は新しいPMDAのポリシーについて講演された。

5 主催者セミナー

座長・久保庭 均 氏

当大学はグローバルトップ10大学の一つで、高度な教育と研究環境を提供している。近年ロンドン市内にWhite Cityというキャンパスを設け、産学連携拠点として整備してきた。大企業からベンチャーまで入居できる施設があり、新しいベンチャーを創出するアクセラレーター機能があり、投資をも呼び込むことができる。

4つのFとは、Patient First(患者の満足度を最優先に)、Access First(医薬品・医療機器等への患者アクセスの迅速化)、Safety First(安全性確保しつつ「条件付き早期承認制度」「先駆け審査指定制度」にも対応)、Asia First(アジア各国の薬事規制調和に貢献)である。この10年でPMDAの審査スピードは格段に上昇し、今や世界各機関の中でもトップクラスである。イノベーションをリードするための先駆け審査指定制度や市販後調査におけるリアルワールドデータの収集・解析に取り組んでいる。

Imperial College London White City Campus: Our Vision for a New Innovation Community

PMDAの新たな取組み~“4つのF(ファースト)”の実現に向けて~

Maggie Dallman 氏Vice President (International) and Associate Provost (Academic Partnerships), Imperial College London

藤原 康弘 氏(独)医薬品医療機器総合機構 理事長

VIP Vision for Innovation1

● 久保庭 均 氏座長 (一財)バイオインダストリー協会 運営会議議長

iPS細胞研究アップデート2

● 宮田 満 氏コーディネーター (株)宮田総研 代表取締役社長

iPS細胞を用いた再生医療の実用化には、コスト的に、自家ではなく他家iPSの使用が有利である。すでに、免疫反応を起こしにくい HLA ホモドナーによる再生医療用 iPS 細胞ストック4種が確立され、日本人のHLA型の40%をカバーできる。残り60%は、拒絶を起こすHLAをゲノム編集技術で破壊した細胞を5~6種作成すれば、カバーできると報告された。

iPS細胞調製施設 (Faci l i ty for iPS Cel l Therapy /FiT)に経験を積んだ人材を集め、GMPに沿った細胞製造と供給ができる体制を整えた。2019年9月には財団法人を設立し、細胞の安定供給を目指す。

コーディネーター・宮田 満 氏

iPS 細胞研究の現状と医療応用に向けた取り組み山中 伸弥 氏京都大学iPS細胞研究所 所長・教授 会場風景

主催者セミナー

主催者セミナー

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6

バイオクラスターサミット2019~各国のバイオエコシステム構築の取り組みと今後の連携~

3

● 坂田 恒昭 氏コーディネーター 全国バイオ関係者会議 会長/NPO法人近畿バイオインダストリー振興会議 副理事長

本セッションは例年海外のバイオ関係の支援機関などを招き、最新の活動内容などを共有する事により、日本が今後取り組むべき課題を明確にすると同時に、相互連携の強化に向けたネットワーク形成を図る目的で開催されている。2019年は、6月に日本のバイオ戦略が取りまとめられ、具体的アクションの1つとして、国際バイオコミュニティ圏の創出が提言されたことから、バイオ戦略策定のための有識者会議のメンバーの一人である吉澤 尚 氏(漆

間総合法律事務所 副所長)が基調講演としてバイオ戦略2019を紹介されたのち、先進事例として米国、イスラエル、英国などの海外のバイオクラスターの活動が紹介され、日本からは湘南ヘルスイノベーションパーク、大阪/関西バイオクラスターの活動が紹介された。日本のバイオクラスターも成長が認められるものの、海外のバイオクラスターの活動も参考にしながら、さらなる発展が望まれるなどの意見交換がなされた。

イスラエルJapan & Israel - Inspired by innovation

日本Creating hotspot in life science in Japan

日本Osaka/Kansai Bio Cluster

米国The California Life Science Community

英国Global Life Sciences-MedCity enabling the development of a world- leading life sciences ecosystem

基調講演Collaborative Cluster of Innovation

Noa Asher 氏Economic Minister,Head of Economic and Trade Mission, Embassy of Israel in Japan

藤本 利夫 氏湘南ヘルスイノベーションパーク ジェネラルマネジャー

坂田 恒昭 氏近畿バイオインダストリー振興会議 副理事長Joe Panetta 氏

CEO, BIOCOM

Neelam Patel 氏CEO, MedCity

吉澤 尚 氏弁護士法人漆間総合法律事務所 副所長、バイオ戦略 2019 有識者会議構成員

会場風景

講師集合

主催者セミナー

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7

5 主催者セミナー

特別講演:SDGs と脱炭素化がもたらすビジネス革命と地域循環共生圏

中井 徳太郎 氏環境省 総合環境政策統括官

「持続可能な開発目標」(SDGs)や「パリ協定」といった世界的な潮流がもたらすビジネスの転換について講演と議論がされた。

冒頭の特別講演で中井 徳太郎 氏は、日本発の脱炭素化・SDGs構想として提唱された「地域循環共生圏」の概念を紹介し、具現化には「地球規模で考え、地域レベルで行動する」ことが重要であると述べた。

梅田 靖 氏は、欧州のサーキュラーエコノミー政策は、デジタル技術との融合により、ものづくりビジネス・価値提供の仕組みを大きく変えようとするものであり、来たるべき変化に備える必要性を説いた。高村 ゆかり 氏は、再生可能エネルギー導入・拡大の現状と課題について解説し、エネルギー需要の約8割を占める熱・燃料分野の脱炭素化に有効なソリューションの提供、およびバイオマスエネルギー普及に対する期待を述べた。相澤 寛史 氏は、「地域循環共生圏」の実現に向けて環境省が取組むプラットフォーム事業やビジネスチャンスの事例を紹介された。パネルディスカッションでは、価値観の転換や地域ニーズに対応した制度の改革や市民の理解について活発な議論が展開された。

循環経済におけるビジネスモデルの転換5

● 柴田 大輔 氏コーディネーター 京都大学 生存圏研究所 特任教授

4

● 久保庭 均 氏コーディネーター (一財)バイオインダストリー協会 運営会議議長

ライフイノベーションフォーラム ~バイオ戦略の遂行に向けて~

2019年に策定された「バイオ戦略2019」は、これから検討される社会実装が重要であるとの久保庭コーディネーターからの冒頭コメントにつづき、産官の5名のキーパーソンが登壇した。内閣府松尾統括官からは戦略の全体像と特徴に関する説明が、経産省江崎調整官からは生涯を通じた健康医療介護情報システムの構築に関する提案があった。産業界を代表してJBA永山理事長からは、バイオ戦略の今後に向けた課題と海外事例としてUKカタパルトの事例紹介があった。JABEX荒蒔代表からは産業界の動向に関する最新動向の紹介、FIRM畠会長からは再生医療の実用化における課題に関する紹介があった。最後にバイオ戦略の実装に関するパネル討論がなされた。

バイオ戦略の実現に向けて- ライフイノベーションの意義 -

再生医療産業を創りだす原動力バイオ戦略2019への産業界の期待

バイオ戦略2019について

Next Step of the Bioeconomy Strategy 2019

江崎 禎英 氏経済産業省 商務情報政策局商務・サービスグループ商務・サービス政策統括調整官

畠 賢一郎 氏一般社団法人再生医療イノベーションフォーラム 代表理事会長

荒蒔 康一郎 氏日本バイオ産業人会議 世話人代表

松尾 泰樹 氏内閣府 政策統括官(科学技術・イノベーション原子力担当)

永山 治 氏一般財団法人バイオインダストリー協会 理事長

主催者セミナー

主催者セミナー

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8

再生可能エネルギー導入の現状と課題

地域循環共生圏とビジネス循環経済がものづくりビジネスに与える影響

髙村 ゆかり 氏東京大学 未来ビジョン研究センター 教授

相澤 寛史 氏環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 地球温暖化対策事業室 室長

梅田 靖 氏東京大学大学院工学研究科人工物工学研究センター 教授

コーディネーター・柴田 大輔 氏

6

● 大西 康夫 氏コーディネーター 東京大学大学院農学生命科学研究科 教授

プラスチック資源循環戦略 ~海洋プラスチック問題への挑戦~

大西 康夫 氏から地球規模のプラスチック(プラ)廃棄物問題の概況と本セミナーの趣旨説明の後、問題解決に向けた産官の取組みに関する講演が行われた。

まず末藤 尚希 氏が海洋生分解性プラ開発・導入普及ロードマップ策定や官民連携でイノベーション促進を図る団体CLOMAの設立・活動など経産省の施策を紹介された。続いて産業界から、佐藤 俊輔 氏より植物原料から発酵生産される生分解性プラPHBHTMの開発経緯、特性、加工技術と海プラ問題解決への展開計画が、また佐野 浩 氏からはサスティナブル理念に基づく植物由来の生分解性プラBioPBSTMや高機能性プラDURABIOTM、BENEBiOLTMの開発事例が報告された。

次に泉 知行 氏は国内外のプラ資源循環状況とプラ資源循環戦略の策定や資源循環システム構築実証事業など環境省の施策を紹介された。最後に産業界から稲葉 真一 氏が包装容器の革

新宣言に沿った4R視点の新容器展開や100%リサイクルを目指す革新的フィルム容器の開発計画などを報告した。

満席(100名)に加えて約100名が立ち見で会場を囲む熱いセミナーとなり、本課題に対する関心の高さが伺われた。

コーディネーター・大西 康夫 氏

プラスチックごみ問題に対するカネカのソリューション提供

花王のプラスチック容器包装 環境対応への取り組み

プラスチックを取り巻く国内外の状況とプラスチック資源循環戦略

海洋プラスチックごみ問題に対する経済産業省の取組について

バイオプラスチックはsolutionとなりうるか? ~三菱ケミカルの環境対応素材~

佐藤 俊輔 氏(株)カネカ Pharma & Supplemental Nutrition Solutions Vehicle バイオテクノロジー研究所 主任

稲葉 真一 氏花王(株) 包装技術研究所 グループリーダー

泉 知行 氏環境省 環境再生・資源循環局 総務課 リサイクル推進室 室長補佐

末藤 尚希 氏経済産業省 産業技術環境局 資源循環経済課課長補佐

佐野 浩 氏三菱ケミカル(株) 高機能ポリマー企画部 部長付

主催者セミナー

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6 主催者セミナー

コーディネーター・宮澤 陽夫 氏

主催者セミナー

食で健康を創造する ~未病状態を測れるか?~8

● 宮澤 陽夫 氏コーディネーター JBA機能性食品研究会 会長、東北大学未来科学技術共同研究センター 教授

世界有数の長寿国である日本。寿命が長いだけでなく、自立して生活できる期間である健康寿命も長いことが知られる。健康長寿は食に起因すると考えられており、これまでに食の3次機能(栄養・嗜好・生理機能)を中心に、健康維持に有効な機能成分を含む「食」の研究が数多く進められてきた。本セミナーでは食の3次機能から一歩踏み出し、未病状態(健康状態の範囲ではあるが病気に近い身体・心の状態)を正確に把握することが重要と捉え、食で健康を創造する可能性を議論した。

食品の機能性評価~わずかな差の検出への試み

フレイル予防は「総合知」によるまちづくり ~健康長寿の勝負の分かれ目~

未病マーカーの探索戦略と食のイノベーション - JSPS委員会活動に寄せて

亀井 飛鳥 氏神奈川県立産業技術総合研究所 主任研究員

飯島 勝矢 氏東京大学高齢社会研究機構 副機構長 教授

阿部 啓子 氏東京大学大学院農学生命科学研究科 名誉教授、特任教授

コーディネーター・広田 敦嗣 氏

キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T細胞)療法として初めて、2019年に国内で承認された「キムリア」の開発経緯、CAR-T研究開発戦略等が紹介された。本細胞療法に係る、患者からの細胞採取、輸送、細胞調製、品質確認、凍結、輸送、そして病院での治療までの工程が、着実に維持されるためのポイント・課題等が紹介された。

国内初の遺伝子治療用製品であるHGF 遺伝子治療用製品「コラテジェン」について、2019年に条件及び期限付製造販売承認を取得するに至るまでの開発経緯が、開発戦略・国際戦略とともに紹介され、国内承認制度等に係る質疑が交わされた。

産官学の食の研究プラットフォーム構築の話に始まり、特に脳機能とロコモティブシンドロームに対する食品の持つ機能評価系の確立とその研究成果、各人の健康状態にあった適切な機能性食品の市場展開などの話があった。

フレイル予防を核とした食の健康維持機能解明ための大規模コフォート研究や、行動変容に至るための伝え方が重要であるとの基本に立ち、実際に高齢者の現場で行われている健康維持への食の効果訴求活動に関しての解説があった。

機能性食品素材を摂取した際に、身体で起こる変化をメタボローム解析やトランスクリプトームのパターン変化から捉え、未病マーカーに繋げ得る可能性についての報告があった。

CAR-T細胞療法の事業化にむけた取り組み

国内発の遺伝子治療用製品、コラテジェン、重症虚血肢を対象

中尾 倫孝 氏ノバルティスファーマ(株) オンコロジー事業本部・遺伝子治療事業部 事業部長

山田 英 氏アンジェス(株) 代表取締役社長

再生医療等製品の開発と商業化に向けて7

● 広田 敦嗣 氏コーディネーター (一社)再生医療イノベーションフォーラム 広報委員長

主催者セミナー

会場風景

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10

コーディネーター・高崎 渉 氏

9

● 高崎 渉 氏コーディネーター 第一三共(株) 研究開発本部 執行役員 研究開発本部長

デジタル技術が変革する医療 : 診断と治療

医療分野におけるデジタル技術の診断、予防

および治療のプラットフォームとしての技術進

展・取り組みについて4名の演者から講演があっ

た。各内容としては、「MRI画像のAIによる解析

を用いた軽度認知障害患者がアルツハイマー病

(AD)に移行するリスクの予見および、それを用

いた薬剤治験時の患者層別化技術」(野津 良幸

氏)、「ADのデジタルバイオマーカー創出や健康

食品・治療薬研究の取り組み」(Chris Kalafatis

氏)、「承認申請中の禁煙アプリの紹介と、デジ

タルセラピューティクス(DTx)の開発上の課題」

(宮田 尚 氏)、「DTxのオーバービューとそのレ

ギュレーション等の課題、Digital Therapeutic

Allianceの活動内容」(Megan Coder氏)が紹

介された。医療分野におけるデジタル技術進展と

今後の課題を把握する絶好の機会となり、非常に

盛会であった。

DTxで生まれる新たな治療戦略と日本発のグローバル展開

Novel Digital Technologies for Diagnosis of Neuropsychiatric Disorders at King's College London, UK

Tx: Pursuing the Next Phase of Industry Evolution

人工知能を活用した脳MRI画像による中枢神経疾患の患者の診断・層別化技術の事業化について 宮田 尚 氏

(株)キュア・アップ 取締役COOChris Kalafatis 氏Consultant in Old Age Psychiatry Clinical Trials / S&L Care Home Intervention Team South London and Maudsley NHS Foundation Trust

Megan Coder 氏Executive Director, Digital Therapeutic Alliance

野津 良幸 氏(株)ERISA 取締役 事業開発責任者(CDO)

主催者セミナー

展示会場内プレゼンテーションは177演題、実施されました

展示会場内4か所のプレゼンテーション会場では、大学・企業・海外機関による、

計177のプレゼンテーションが実施されました。

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11

主催者セミナー

“誰一人として取り残さない”ヘルスケア取組み

第一生命のInsTechへの取組み健康増進型保険“住友生命「Vitality」”~保険のその先へ~

東北メディカル・メガバンク計画による未来型医療への挑戦

神谷 佳典 氏日本生命保険(相) ヘルスケア事業開発部長

市川 陽一 氏第一生命保険(株) InsTech 推進室長樋口 洋介 氏

住友生命保険(相) Vitality 企画室長

木下 賢吾 氏東北大学大学院情報科学研究科 教授、東北メディカル・メガバンク機構 副機構長

従来のリスクに「備える」に「軽減・管理する」をプラスする新しい価値を提案。日々の健康増進活動に対してポイントを付与し、それに応じて保険料が変動する健康増進型保険を紹介した。

大規模コホート研究により、「なぜ病気になる?」を解析している。例として、糖尿病を発症するリスクがわかることで行動変容につながる可能性を報告した。

InsTechは、Insurance X Technologyの意味で、ビッグデータ解析により、伝統的な保険プールを再加工する。実年齢ではなく、健康年齢に応じて保険料を設定する健康年齢商品等を説明した。

顧客企業従業員の健康状態を解析・提供するサービスを展開中。生活習慣病予防のために、ウォーキングアプリ等も活用。ランキング化により、高い継続率を維持している事例を紹介した。

保険会社と考えるヘルスケアビジネス戦略10

● 宮田 満 氏コーディネーター (株)宮田総研 代表取締役社長

宮田氏曰く「歴史的なセッション」。各保険会社から、加入者の健康を支える取り組みが紹介された。パネルディスカッションでは「ライフサイエンスは生命保険をどう変えるか?」について、期待と検討事項が議論された。

6主催者セミナー

レセプションにおける、大賞受賞者5名(塩谷氏ご欠席)、奨励賞受賞者10名、両賞の選考委員長

第3回「バイオインダストリー大賞」「バイオインダストリー奨励賞」

バイオインダストリー協会は受賞者の表彰式を行い、大賞受賞者による記念講演会、

奨励賞受賞者10名によるポスターセッションを行った。

【バイオインダストリー大賞受賞者】受賞業績 「海洋分解性を有する生分解性プラスチックの微生物合成系の研究と

大量生産技術の開発」 土肥 義治 氏 東京工業大学名誉教授・(国研)理化学研究所 名誉研究員 塩谷 武修 氏 元 (株)カネカ 松本 圭司 氏 大阪大学大学院工学研究科 カネカ基盤技術協働研究所 招聘研究員 松本 健 氏 (株)カネカ 高砂工業所 BDP生産グループリーダー 藤木 哲也 氏 (株)カネカ R&B企画部兼新規事業開発部 幹部職 佐藤 俊輔 氏 (株)カネカ Pharma & Supplemental Nutrition Solutions Vehicle バイオテクノロジー研究所 主任

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パートナリング参加者数は1,945名(前回は1,713名)となり、アジア最大のパートナリングイベントとしてさらに規模を拡大し

た。参加企業数は1,313社(前回は1,108社)、商談件数は11,987件(前回は10,075件)であった。国内外の大手中堅製薬が軒

並み参加すること、大学が多く参加することは、BioJapanの大きな特徴となっている。

パートナリング

パートナリング会場

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南フランス地方知事Renaud Muselier氏をお迎えしました

南仏のバイオ団体Eurobiomedの来日ミッション団として、

Renaud Muselier氏がBioJapanに参加されました。

Muselier氏は、2014年から2019年まで欧州議会の議員を

務められました。

永山JBA理事長(右から2番目)、Renaud Muselier氏(右)

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7 展示会■BioJapan, 再生医療 JAPAN

出展者は974社(前回は879社)、出展小間数は736小間(前回は683小間)と前回を上回った。第4回再生医療JAPANには115社

(前回は114社)の出展があり、多くの来場者を集めた。前回2018年に比べて展示会場内の密度が高くなり、活気あるイベントという印

象を打ち出すことができた。

メインステージ

展示会場

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■ ジャパン・ヘルスケアベンチャー・サミット 2019

■ME-BYO Japan 2019

厚生労働省によるベンチャー支援イベントの第3回が開催され

た。医療系ベンチャーおよびエコシステムを形成する支援機関(大

企業、ベンチャーキャピタル、大学、病院、行政機関等)計126社・機

関が出展した。展示会場内でのセミナー・ベンチャーピッチも併せて

連日開催された。

神奈川県では2014年発足の未病産業研究会の活動を軸に、毎

年10月を「未病月間」と名付け、様々な催しを開催している。その中

で「未病産業」の創出活動としてBioJapanにおいて展示会「ME-

BYO Japan 2019」を開催し、34社・機関の未病に関する商品・

サービスを紹介した。

ハーバーラウンジでのセミナー

アネックスホールでのシンポジウム

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日 時 2019 年 10 月 9 日(水)~ 11 日(金)会 場 パシフィコ横浜 〒 220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい 1-1-1主 催  BioJapan  BioJapan 組織委員会  株式会社 JTB コミュニケーションデザイン 再生医療 JAPAN  一般社団法人再生医療イノベーションフォーラム  一般財団法人バイオインダストリー協会  株式会社 JTB コミュニケーションデザイン特別協賛 横浜市特別後援 神奈川県、川崎市

会 期 : 2020.10.14(水)〜 16(金)

会 期 : パシフィコ横浜

BioJapan:www.ics-expo.jp/biojapan/ 再生医療 JAPAN : www.ics-expo.jp/saisei/

■ お問合せ先BioJapan / 再生医療 JAPAN 事務局((株)JTB コミュニケーションデザイン )〒 105-8335 東京都港区芝 3-23-1 セレスティン芝三井ビルディングTel 03-5657-0758 Fax 03-5657-0645E-mail [email protected]

出展者募集中

BioJapan 2019 /再生医療 JAPAN 2019

BioJapan 組織委員会事務局(一財)バイオインダストリー協会内〒 104‒0032東京都中央区八丁堀 2‒26‒9 グランデビルディング 8FTEL (03)5541-2731 FAX(03)5541-2737

一般財団法人バイオインダストリー協会 公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団 公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会 一般社団法人バイオ産業情報化コンソーシアム  日本バイオ産業人会議 日本製薬工業協会 NPO 法人近畿バイオインダストリー振興会議 公益財団法人地球環境産業技術研究機構 一般社団法人再生医療イノベーションフォーラム

BioJapan組織委員会

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