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1 平成25615都医 ニュース [昭和48127日第3種郵便物認可] 568今戸神社 代議員会にて禁煙宣言を行う尾﨑副会長 1. 東京都医師会会員は医師としての自覚を持って、禁煙を推進し、最 終的に医師および医療スタッフの喫煙率ゼロを目指す。 2. 医師会館はすべて敷地内完全禁煙とし、東京都医師会会員の施設も 敷地内完全禁煙を目指す。 また出入りする人々にも積極的に禁煙を勧奨する。 3. 患者さんが受診する際には、問診内容に必ず喫煙に関する項目を加 え、禁煙を希望する方には、適切な治療を施すかあるいは治療施設 を紹介する。 4. 地区医師会と協力して、保険で治療を受けられる禁煙外来施設を増 やす。 5. 禁煙教育や受動喫煙防止のために、社会に向けて正しい知識の啓発 や広報活動を行う。 6. 地区医師会、道府県医師会や医療団体および禁煙推進団体と連携し、 「タバコによる健康被害のない社会」を実現するよう努力する。 7. 小中高生に対しては、学校医を通じてさらなる禁煙啓発を、大学生 に対しては、キャンパス内での禁煙活動を積極的に広めていく。 8. 若年者や女性の喫煙防止のため、禁煙外来の保険適応拡大等、効果 的施策の実施を求めていく。 今年の 2 月には、喫煙大国と言われたロシアで、禁煙法案が成 立しました。2014 年の 6 月にはホテルや飲食店でも全面禁煙に なる予定と聞いています。これで主要国で受動喫煙防止体制がき ちんと取れていない国は日本だけ、ということになるでしょう。3 に発表されたワシントン大学と東京大学の、世界各国の死亡と障 害の原因を、性・年齢階級別に分析した共同研究によれば、今後 日本人の平均寿命を脅かす因子として、喫煙が 3 番目の危険な脅 威にあげられています。こうしたなか、わが国のタバコ対策は、本 当に遅々たるものです。都が 3 月に発表した健康推進プランでも、 目標の羅列のみで、 「成人の喫煙率を下げる」と書いてあるだけです。 こうした現状を打破していくためにも、都民の健康を預かる専門 集団である医師会が先頭に立ってタバコ対策を進めていくことが大 切で、そのための行動指針として、今回、禁煙宣言を出しました。 多くの会員の皆さんに賛同、そして実践していただきたいと考えて います。地区医師会でも、ぜひタバコ対策委員会を立ち上げてい ただき、歯科医師会、薬剤師会、看護協会等の医療関係団体とも 連携して、脱タバコ、受動喫煙防止に向けての潮流を作り、都の 受動喫煙防止条例制定の実現に向けて共に行動していきましょう。 公益社団法人 東京都医師会 副会長 尾﨑治夫 禁煙宣言を出すにあたって [禁煙推進のための行動指針] 平成25615日/毎月115日発行 Vol. 568 EWS ニュース 東京都医師会 禁煙宣言 01 底流/地区医師会長連絡協議会報告 ほか 02 地区医師会新会長紹介 東日本大震災における支援活動に対する 厚生労働大臣感謝状の受領 ほか 03 東京都大気汚染医療助成制度 ほか 04 みどりの広場/趣味の散歩 05 ふれあいポスト 06 都医からのお知らせ ほか 07 地区医師会長からの一言 10 発行所公益社団法人 東京都医師会 〒101–8328 東京都千代田区神田駿河台2–5 TEL.03–3294–8821 ㈹ 編集兼発行人新井祐司 定価1 73

01 02 都医 ニュース EWS 568 Vol. 05 03 04 06 07 10 · 知症早期発見・早期診断推進症対応力向上支援事業」、「認として「医療従事者等の認知る。

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Page 1: 01 02 都医 ニュース EWS 568 Vol. 05 03 04 06 07 10 · 知症早期発見・早期診断推進症対応力向上支援事業」、「認として「医療従事者等の認知る。

1 平成25年6月15日 都 医 ニュース [昭和48年12月7日第3種郵便物認可] 第568号

今戸神社

東京都医師会では、これま

でも一次予防の大切さを説い

て参りました。喫煙者に起こ

るがんの最大の予防策は禁煙

であることがわかっており、

また脳卒中・心臓病の原因と

なる動脈硬化、COPDを初

めとする呼吸器疾患にもタバ

コが深く関わっています。

私たち医師は、不断に、日

常診療のなかで、受動喫煙を

含めたタバコの害を説明し、

依存状態に陥り、自らやめる

ことが難しい喫煙者に、禁煙

サポートの手を差し伸べる必

要があると考えます。また医

師は自ら率先して禁煙を実践

し、健康を守る医師として、

自らがタバコに無縁であるこ

とを広く社会に認知してもら

う必要があります。

一方、

わが国のタバコ対

策、特に受動喫煙対策は、諸

外国に比べても遅れているの

が現状です。

この間、日医をはじめ数多

くの医師会、学会から禁煙宣

言が出され、目標を掲げてそ

れぞれタバコ対策に力を注い

できました。

私ども東京都医師会は、二

〇一一年十月にタバコ対策委

員会を立ち上げ、新たな取り

組みを開始したところです

が、

今回の公益法人化を機会

に、首都東京から、改めて医

師こそ、タバコ対策の先頭に

立つ職種であるべきとの決意

を新たにして、禁煙宣言をし

ます。

代議員会にて禁煙宣言を行う尾﨑副会長

1. 東京都医師会会員は医師としての自覚を持って、禁煙を推進し、最終的に医師および医療スタッフの喫煙率ゼロを目指す。

2. 医師会館はすべて敷地内完全禁煙とし、東京都医師会会員の施設も敷地内完全禁煙を目指す。また出入りする人々にも積極的に禁煙を勧奨する。

3. 患者さんが受診する際には、問診内容に必ず喫煙に関する項目を加え、禁煙を希望する方には、適切な治療を施すかあるいは治療施設を紹介する。

4. 地区医師会と協力して、保険で治療を受けられる禁煙外来施設を増やす。

5. 禁煙教育や受動喫煙防止のために、社会に向けて正しい知識の啓発や広報活動を行う。

6. 地区医師会、道府県医師会や医療団体および禁煙推進団体と連携し、「タバコによる健康被害のない社会」を実現するよう努力する。

7. 小中高生に対しては、学校医を通じてさらなる禁煙啓発を、大学生に対しては、キャンパス内での禁煙活動を積極的に広めていく。

8. 若年者や女性の喫煙防止のため、禁煙外来の保険適応拡大等、効果的施策の実施を求めていく。

 今年の2月には、喫煙大国と言われたロシアで、禁煙法案が成立しました。2014年の 6月にはホテルや飲食店でも全面禁煙になる予定と聞いています。これで主要国で受動喫煙防止体制がきちんと取れていない国は日本だけ、ということになるでしょう。3月に発表されたワシントン大学と東京大学の、世界各国の死亡と障害の原因を、性・年齢階級別に分析した共同研究によれば、今後日本人の平均寿命を脅かす因子として、喫煙が 3番目の危険な脅威にあげられています。こうしたなか、わが国のタバコ対策は、本当に遅々たるものです。都が 3月に発表した健康推進プランでも、目標の羅列のみで、「成人の喫煙率を下げる」と書いてあるだけです。 こうした現状を打破していくためにも、都民の健康を預かる専門集団である医師会が先頭に立ってタバコ対策を進めていくことが大切で、そのための行動指針として、今回、禁煙宣言を出しました。多くの会員の皆さんに賛同、そして実践していただきたいと考えています。地区医師会でも、ぜひタバコ対策委員会を立ち上げていただき、歯科医師会、薬剤師会、看護協会等の医療関係団体とも連携して、脱タバコ、受動喫煙防止に向けての潮流を作り、都の受動喫煙防止条例制定の実現に向けて共に行動していきましょう。

公益社団法人 東京都医師会 副会長 尾﨑治夫禁煙宣言を出すにあたって

[禁煙推進のための行動指針]

東京都医師会 禁煙宣言

公益法人化を機会に、首都東京からタバコ対策を推進

医 師 と 医 師 会 を 結 ぶ 情 報 紙平成25年6月15日/毎月1回15日発行

Vol.

568都医 EWSニュース

東京都医師会 禁煙宣言 01底流/地区医師会長連絡協議会報告 ほか 02地区医師会新会長紹介東日本大震災における支援活動に対する厚生労働大臣感謝状の受領 ほか 03東京都大気汚染医療助成制度 ほか 04みどりの広場/趣味の散歩 05ふれあいポスト 06都医からのお知らせ ほか 07地区医師会長からの一言 10

発行所■公益社団法人 東京都医師会 〒101–8328 東京都千代田区神田駿河台2–5 TEL.03–3294–8821㈹ 編集兼発行人■新井祐司 定価■1部73円

Page 2: 01 02 都医 ニュース EWS 568 Vol. 05 03 04 06 07 10 · 知症早期発見・早期診断推進症対応力向上支援事業」、「認として「医療従事者等の認知る。

2第568号 [昭和48年12月7日第3種郵便物認可] 都 医 ニュース 平成25年6月15日

四月二十五日(木)昭和大

学医学部において、第三学年

に対する九十分の「地域医療」

の講義が野中会長により行わ

れた。現役の医師会長による

カリキュラムに則った医学生

への講義は、東京都では史上

初めてのことである。

昭和大学では第三学年と第

五学年において地域医療の実

習が行われている。登録され

た百名を超える大学近隣の開

業医の協力を得て、医学生は

三年時と五年時に同じ医療機

関で実習し、学ぶ側、教える

側ともにその成長を実感でき

るというわけである。今回三

年時実習の一環として、野中

会長は「医師会の紹介、地域

のなかでの医師会の役割、地

域で患者さんを診るという意

味、病診連携、かかりつけ医、

地域包括ケアの実際」を患者

目線によってわかりやすく講

義した。資料は会長自ら作成

のスライドと共に、都医・医

療開発委員会が作成した「医

学生に医師会活動、地域医療、

国民皆保険制度などを啓発す

る」のスライドも使われた。

今回の講義の実現に当たっ

ては、東京都医師会所属の十

二大学医師会へ野中会長から

の働きかけがあったのはもち

ろんだが、それに早々に応え

ていただいた昭和大学医師会

長・大学附属病院長の有賀徹

教授に誌面を借りて深甚なる

謝意を表したい。

医学生に対してはすでに本

年四月十日に日本医科大学の

新入生に対して、野中会長か

ら医師会紹介のプレゼンテー

ションを行う機会を同大学の

山本保博医師会長からいただ

いており、さらに六月十七日

には東邦大学医学部五年生に

対する「地域医療」の講義も

同大学医師会長の並木温教授

のご尽力で予定されていると

ころである。今後も野中会長

の医学生に対する同様の講義

の実現に向け、カリキュラム

変更などのハードルはあるも

のの、多くの大学で実施でき

るようぜひ各大学医師会には

ご協力を願う次第である。

昭和大学医学部第三学年地域医療実習

野中博会長による講義が実現

講義を行う野中会長

現時点で何らかの支援が必

要な認知症高齢者は、全国で

三百万人を超えており、実に

六十五歳以上の十人に一人が

認知症という状況にある。東

京都においても認知症高齢者

はすでに二十三万人を超えて

いる。二十三万人と言えば、

渋谷区や調布市の人口に匹敵

する。しかも二〇二五年には

三十八万人にまで増加すると

予測されており認知症対策は

まさに喫緊の課題である。

国は昨年九月に総合的な認

知症対策として

「認知症施策推進

5カ年計画(オレ

ンジプラン)」を

発表している。

東京都において

は、平成十九年度

に東京都認知症対

策推進会議を設置

し、東京都医師会

も積極的に関わり、さまざま

な施策を講じてきた。平成二

十四年度には二次医療圏ごと

に十二カ所の認知症疾患医療

センターを指定し、専門医療

相談、鑑別診断、身体合併症

と行動・心理症状(BPSD)

への対応、地域連携の推進、

人材育成等を始めている。し

かし担当圏域の広さ、認知症

者数を考慮すると極めて厳し

い事業であり、地区医師会等

の関係機関の協力、支援なし

には成り立たないと思われ

る。さらに本年度は新規事業

として「医療従事者等の認知

症対応力向上支援事業」、「認

知症早期発見・早期診断推進

事業」等が計画されている。

新規事業で注目すべきは「認

知症早期発見・早期診断推進

事業」の「認知症コーディネー

ター」「認知症アウトリーチ

チーム」の配置である。前者

は看護師や保健師等の医療職

を区市町村の地域包括支援

センター等に配置し、介護予

防事業や地域包括支援セン

ター、シルバー交番、介護事

業者等を通じて認知症の疑い

のある人を早期に把握し、か

かりつけ医や認知症サポート

医等と連携し受診へ結びつけ

る。それでも受診に至らな

かった場合は、「認知症アウ

トリーチチーム」に訪問を依

頼する。後者は認知症疾患医

療センター等に医師、看護師、

精神保健福祉士等で構成する

チームを配置し、コーディ

ネーターや地域包括支援セン

ター、サポート医等からの依

頼を受けて、認知症が疑われ

る受診困難者を訪問して早期

診断・早期対応を図るという

ものである。しかし、この両

者が地域で円滑に機能するた

めには、区市町村の関係部署、

地域包括支援センター、保健

所、介護事業者、地区医師会、

かかりつけ医等との連絡を密

にし、連携を図ることが極め

て重要である。良かれと思っ

た介入が、本人の地縁や築き

上げられてきた身近な地域で

の支援システムを破綻させ

ぬよう十分に配慮すべきで

ある。

喫緊な課題ではあるが慎重さも必要な

認知症対策

東京都版

オレンジプラン

 

今回の協議会は、町田市医

師会と電子会議でも行った。

◎都医からの伝達事項

(一)地域における虐待対応

力向上研修事業の実施にあ

たっての協力依頼について。

二十五年度も引き続き実施。

(二)「東京都HIV検査・相

談月間」リーフレットの送付

について。

(三)東京都の風しん予防接

種・先天性風しん症候群発生

防止のための緊急対策報告に

ついて。週別の推移では四月

下旬まで右肩上がりであった

が、それ以降は急激に減少傾

向で、流行に歯止めがかかっ

た状況である。

(四)日本学校保健会発行「わ

たしの健康手帳」(生涯にわ

たる健康のため)について。

子ども本人が生涯利用するも

ので、小学生は保護者が、中

学生以上は本人が保持する。

(五)東京都学校保健連絡会

(第一回)の開催について。

定期健診、児童虐待、不登校、

いじめ、保護者対応、教職員

の問題などが協議された。

(六)平成二十五年度東京都

相互理解のための対話促進支

援事業について。地域におけ

る医療従事者と患者・家族等

地域住民との対話集会を通し

て、相互理解を図ることを目

的とする事業である。

(七)東京都保健医療計画(平

成二十五年三月改定)につい

て。医療法に基づく医療計画

であり、保健医療圏や基準病

床数の設定、疾病・事業ごと

の医療提供体制を示す基本的

かつ総合的な計画である。計

画の全文は東京福祉保健局の

ホームページに掲載されて

いる。

(八)退院後、行き場を見つ

けづらい高齢者社会資源実態

白書【概要版】について。

(九)精神科医療地域連携事

業の実施について。

(十)平成二十四年度在宅難

病患者訪問診療事業地区医師

会別実施報告(第4四半期)

について。

◎地区医師会からの報告

(一)中央ブロック

(二)城東ブロック

①江戸川区医師会医療検査セ

ンター年報(平成二十三年度

活動報告)の発行について。

(江戸川区医)

(三)城西ブロック

(四)城南ブロック

(五)城北ブロック

(六)多摩ブロック

(七)大学ブロック

◎出席者による意見交換

◎その他

①東京都医師国民健康保険組

合が実施する組合資格の確認

調査について。

地区医師会長連絡協議会報告

平成25年5月17日(金)

※詳細はホームページ参照

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3 平成25年6月15日 都 医 ニュース [昭和48年12月7日第3種郵便物認可] 第568号

地区医師会グループほかを代表し都医師会が受賞

①昭和三十二年十月四日

②東京慈恵会医科大学

③港区医師会理事、東京都医師

会理事

④ゴルフ、クラシック音楽鑑賞

⑤忘己利他

港区医師

橋は

本も

と 雄か

幸ゆ

55

(内科、外科、消化器科、肛門科)

①昭和二十九年七月二十一日

②東北大学医学部

③小金井市医師会理事、同副会

長、北多摩医師会代議員

④ゴルフ、ダイビング

⑤運も実力のうち

小金井市

医師会長

斎さ

藤と

寛ひ

和か

58

(内科、循環器科、消化器科)

①昭和二十九年九月十七日

②東京大学医学部

④バスケットボール、テニス、

スキー

⑤継続は力なり

都立病院

医師会長

近こ

藤ど

泰た

児じ

58

(整形外科)

地区医師会新会長紹介

①生年月日 

②最終卒業校 

③略歴

④趣味 

⑤好きな言葉

 東日本大震災に際し、長期に亘って医療救護班を被災地に派遣し、被災者受け入れの調整を図るなどの支援を行った功績に対し、田村厚生労働大臣より東京都医師会へ3月11日付で感謝状が授与された。これは多摩地域の複数の医師会で構成された医療救護班をはじめ地区医師会グループや救急委員会委員、病院委員会委員などの多くの会員が医療救護班として懸命の出動をしていただいた功績であり、その代表として都医師会が受賞したものである。これからも東京都医師会は都民に対し責任ある立場を自覚し、地区医師会の協力をもとに全国に範となるよう備える所存である。

東日本大震災における支援活動に対する厚生労働大臣感謝状の受領

厚生労働大臣感謝状

区 分 合計計 1日平均

総 着 信 件 数 114,288 1,269.9 受 付 総 件 数 81,791 908.8 ト ラ フ ィ ッ ク 件 数 29,789 331.0

医 療 機 関 案 内 59,850 665.0 救 急 相 談 21,784 242.0

相 談 結 果

救 急 要 請 2,945 32.7 病院端末情報による医療機関案内 10,910 121.2 ひまわり等による医療機関案内 775 8.6 上記以外の医療機関受診推奨 4,537 50.4 経 過 観 察 831 9.2 他 機 関 転 送・ 案 内 244 2.7 救 急 相 談 以 外 の 相 談 71 0.8 相 談 者 に よ る 途 中 切 断 等 112 1.2 そ の 他 1,359 15.1 看 護 師 へ の 医 師 助 言 7,707 85.6 医師直接対応

看 護 師 対 応 中 21 0.2 看 護 師 対 応 困 難 3 0.0

口 頭 指 導 6,044 67.2 医 務 課 監 督 員 対 応 4 0.0

相 談 前 救 急 要 請 18 0.2 ※ か け 直 し 依 頼 138 1.5 苦 情 1 0.0 看護師対応中のため通信員が医師にアドバイスを求めた件数 4,173 46.4

特 記 事 項

受付件数最多平成20年12月30日(火)

� 2,273件救急相談件数最多平成25年1月1日(火)

� 339件

[平成25年1月1日(火)0時00分から3月31日(日)23時59分まで]� (速報値)

■東京消防庁救急相談センター #7119受付状況 #7119勤務医を求む!!

[特に日勤帯を行っていただける方を求めています] #7119は、現在ほとんどの地区医師会および多くの大学医師会、都立病院などの方々に出務していただき誠にありがとうございます。この2年間で#7119勤務表作成者が石原医長から三浦副医長へ変わり、今まで出務していただいた先生方も各医療機関の人事異動の関係で徐々に減少しています。特に日勤帯(午前7時45分から午後8時まで)を出務する医師が不足しています。そこで多くの先生方に#7119相談医として出務してもらうため、本年2月18日に「平成24年度東京消防庁救急相談センター救急相談医に対する研修会」を開催しました。参加人数は計27名で、内訳は地区医師会が24名、大学医師会が3名でした。今まで行った研修会に参加してまだ出務していない方はぜひ地区医師会・大学医師会を通じて出務表明していただければ幸いと存じます。そして、まだ#7119事業に参画していない地区医師会は、東京都の救急を支える意味でもぜひ参画を検討していただければ幸いと存じます。今後も皆様の御協力の程よろしくお願いいたします。

Page 4: 01 02 都医 ニュース EWS 568 Vol. 05 03 04 06 07 10 · 知症早期発見・早期診断推進症対応力向上支援事業」、「認として「医療従事者等の認知る。

4第568号 [昭和48年12月7日第3種郵便物認可] 都 医 ニュース 平成25年6月15日

TEL 03(3294)8821 東京都医師会医療福祉課

問い合わせ先難病医療相談会

日時▶毎月第2木曜日(8月・1月除く) 15時〜場所▶東京都医師会館

申込 ▶ 事前電話 予約申込制(9時30分〜正午)対象 ▶ 東京都内在住の難病患者及び家族費用 ▶ 無料

医師国保組合からのお知らせ

「組合員資格確認調査書」の提出のお願い

 当組合では、標記の調査書を平成25年5月下旬に各組合員の事業所へお届けいたしました。 この調査は、厚生労働省から、国民健康保険法に基づく組合員資格の適正化を図ることを目的に、組合員の実態調査を行うように指示されたものです。 したがって、この「組合員資格確認調査書」は、加入者全員が提出することになっており、組合員の皆様が組合員資格を継続するためにも、必ずご提出していただきたくお願いいたします。

平成25年7月31日までに必要な書類を添付してお返しください。

お問い合わせ:医師国保組合☎ 03-3270-6431~ 6434

 東京都では、一定の条件を満たす気管支喘息の患者を対象に医療費の助成を行っています(平成20年8月1日から対象を全年齢に拡大)。平成24年度末時点で93,041名の患者に医療券を発行しています。 患者が医療券の有効期間満了後も引き続き医療費の助成を受けるためには、主治医が作成した主治医診療報告書(専用様式)を添えて、医療券満了の1カ月前までを目安に更新の手続きを行うことが必要です。申請用紙は医療券有効期間満了の約2カ月前に患者に郵送されます。 受け持ちの患者から主治医診療報告書の作成依頼がありましたら、早めの作成に御協力をお願いします。なお、更新時は医学的検査結果の記載は任意です。 また、有効期限が近づいた医療券をお持ちの患者に対する更新の注意喚起についても御協力をお願いします。【対象者の条件】①都内に引き続き1年以上在住(都外転居の場合失効)②�気管支ぜん息に罹患(18歳未満の患者は慢性気管支炎、ぜん息性気管支炎、肺気しゅも対象)

③健康保険等が利用可能④喫煙していない

【助成内容】 申請書類の受理日以降、認定疾病に要する医療費のうち、保険適用後の自己負担額(入院時食事療養標準負担額、生活療養標準負担額を除く) 公費負担者番号「82137001」または「82137555」

 インターネットでは「大気汚染医療費助成制度」と検索してください。

申請窓口� 患者居住地の区市町村制度に関するお問い合わせ� 福祉保健局環境保健衛生課リーフレット等の御希望� 03-5320-4491

都医療券(気管支喘息)の更新をお忘れなく〜東京都大気汚染医療費助成制度〜

Page 5: 01 02 都医 ニュース EWS 568 Vol. 05 03 04 06 07 10 · 知症早期発見・早期診断推進症対応力向上支援事業」、「認として「医療従事者等の認知る。

5 平成25年6月15日 都 医 ニュース [昭和48年12月7日第3種郵便物認可] 第568号

65

日本が創る未踏高齢社会は、ケア

サイクルを支えるまちづくりから!

新たな医療・社会実験のリーダー

シップを東京都医師会に期待する

日本医科大学�

特任教授�

長谷川敏彦

 日本の医療および医療シス

テムは、ここ五~十年でが

らっと様変わりすると想定さ

れる。それは人類が近代を終

え、次の時代に向けて日本を

先頭に突入し、国の形、家族

の形、人生の形、経済の形が

大きく転換し、元来社会の産

物である医学、医療、医療シ

ステムも大きな転換が求めら

れているからである。

 世界唯一の超高齢社会日本

は未踏の荒野を独りさ迷い始

めている。日本は時々刻々高

齢者割合の世界記録を更新し

ており、客観的に見ると人類

のためのフロンティア「研究

実験国家」である。一・二億

人はすべて研究者なのだ。

 今日の医療は十九世紀後

半、ドイツ中心に成立した近

代医学を基盤にしている。そ

の時代は、平均寿命は四十歳

代で六十五歳以上人口は5%

程度、疾病は基本的に単一疾

患で外的原因によるものが多

かった。しかし今日平均寿命

はほぼ倍増し、疾病は高齢者

では複数、エピソードを繰り

返し、最後は死に至る。

医療の目的もかつては絶

対治癒、絶対救命を目指

せたものが、もはや難し

く最後に死は不可避とな

る。つまり「治す医療」

から「支える医療」への

転換が求められているのだ。

 十九世紀の医療の中心の場

は病院であった。しかし二十

一世紀の医療は地域に軸足を

移す。支えるべき生活の場が

主なケアの場となるからであ

る。十九世紀の医療ケアは、

疾病の治療のため入院し終わ

れば帰る一エピソードで完結

江戸は水運の都市でし

た。江戸城の東側には縦横

に水路がめぐらされていま

した。その一部は現在親水

公園として残っています。

江東区内にもたくさん親水

公園がありますが、南北に

走る横十間川、東西の仙台

堀川の親水公園が主なもの

でしょうか。地下鉄の東陽

町、南砂町、住吉、いずれ

の駅からでもすぐウォーキ

ングが始められます。全部

歩こうとすると一日かかり

ます。途中見所は色々あり

ます。横十間川と小名木川

との交差点に×状に架った

クローバー橋は隅田川の桜

橋のミニチュア版といった

ところです。そのクロー

バー橋から南に少し行った

所に和船乗り場がありま

す。江戸文化を伝える櫓漕

ぎ和船は人々の心を癒す静

かでエコな乗り物です。六

艘の和船を、櫓漕ぎ技術伝

承を目的に活動している

「和船友の会」会員がボラ

ンティアで毎週一回横十間

川親水公園で操船していま

す。誰でも(犬はダメ)無

料で乗せてもらえます。速

度は時速約一・八キロメー

トル。かなりゆっくりです。

一回の乗船は約二十分。和

船について丁寧に説明して

もらえます。また、希望者

には実際に櫓を漕がせてく

れます。揺れる船で立ち上

がるのは、転落しそうで恐

いですし、最初はなかなか

うまく進みませんが、慣れ

るとなんとかまっすぐ進む

ようになります。さらに本

格的には友の会会員になれ

ば教えてもらえるそうで

す。なお、日時、場所等変

更になる場合もあり、「和

船友の会」のホームページ

で調べてから行った方が良

いでしょう。

(江東区医師会・佐藤 明)

静かにゆっくり進む和船

趣 味 の 散 歩

櫓漕ぎ和船

下町情緒溢れる江東区親水公園

する医療であった。

 しかし高齢者は必要とする

ケアが疾病の自然史に従って

「急性期」「回復期」「長期」

と変わり、もし地域に医療介

護資源が充分あれば「在宅」

のケアにより地域の生活は可

能だが、次のエピソードでケ

アのサイクルを再び繰り返

し、最後は「末期」に至る。い

わゆる「ケアサイクル」が必

要な医療となる。ケアは医療

と福祉を共に必要とし、目的

は同一となり、もはやその連

携ではなく統合が必要と言え

よう。そのための十九世紀に

替わる二十一世紀の新たな医

療は未だ確立していない。

 東京都では特に高度成長期

に地方からの大量の集団就職

者の住居地、大都市郊外を抱

え、その団地は耐用年数を迎

え、同時に歴史にない高速の

高齢化が進み、医療や福祉を

軸としたまちづくりが求めら

れる。近代が終わり、社会と

医療が同時に転換する今、そ

のような具体的なまちづくり

を通して総合的研究実験が必

要である。

 東京都医師会のリーダー

シップと創意に期待したい。

 本書は難病で気管切開と経管栄養の母親を在宅療養

で支えた娘の安藤明さんが自身の体験を踏まえて、主

治医の新田先生への質問の聞き手となり構成されて

いる。

 第一章、死ぬということについて心づもりをしてお

く。第二章、加齢によって身体に何が起きるかを知っ

ておく。第三章、「病院信仰」を捨てかかりつけ医に在宅

療養を頼む。第四章、医療と介護の公的サービスを知っ

て使いこなす。第五章、「最後の二週間を幸せに生きる」

と心に決める(在宅看護について三上はつせ看護師長の

執筆)。著者は病院を含めた施設と在宅療養の相違につ

いて言及。「高齢社会における最善の医療を自分と家族

で主体的に考え選択する際に、この本がひとつの助け

になればと思う」と結んでいる。

発行▼主婦の友社

定価▼一、六〇〇円(税別)

安心して自宅で死ぬための5つの準備新田國夫・安藤明共著

都医ニュース表紙の写真を募集

[応募規定]デジタルカメラで撮影をした� 600万画素以上のデジタルデータプリントサイズは、横 235mm ×�縦137.5mm

〒 101-8328 東京都千代田区神田駿河台 2-5東京都医師会広報医療情報課 ☎ 03-3294-8821(代)[email protected]

応募・問い合わせ先

本ニュースは毎月、季節にあった都内の写真を表紙に掲載しております。その掲載写真に、会員の先生がご自身で撮影した写真を応募してみませんか?東京の感じが出ている写真で、季節感のあるものをお願いします。本会広報委員会で掲載を決定いたします。なお、本ニュースで掲載した写真は、本会のホームページのトップページでも掲載させていただく予定です。

日 時▶ [月〜金] 午後3時30分〜7時30分 [土・日]午後1時〜4時30分

場 所▶ 東京都南新宿検査・相談室 渋谷区代々木2-7-8 東京南新宿ビル3F (JR新宿駅南口 徒歩3分)

申 込▶ ① 電話予約 [月〜金]午後3時30分〜7時 [土・日]午後1時〜4時30分 ② インターネット予約(携帯電話のみ可) http://www.tmsks.jp費 用▶ 無料・匿名

TEL:03-3377-0811

エイズ検査・相談知ってますか?

 懐かしい言葉ですが再び。昭和40年代にゴム

紐による腹部の圧迫が原因となり、腰痛、便秘、高

血圧など全身の諸症状が出現しているとされた。

 確かに腰部や腹部のレントゲンを視るたびに納

得させられてしまう。家のなかで素っ裸でいるとき

の解放感は何ともいえない。

 自律神経のアンバランスを誘発するとされてい

るが、それだけではないような気もする。科学的

なエビデンスもないが。

ゴム紐症候群

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6第568号 [昭和48年12月7日第3種郵便物認可] 都 医 ニュース 平成25年6月15日

楫野仁美

松岡智治

玉川医師会

板橋区医師会

あじさい

楽に寄す

 実家の庭の片隅に、あじさいの株があった。毎年、季節になると辺り一面の空気を青に染めるくらいに、みずみずしい花をたくさん咲かせていた。 実は、幼い私はあじさいがあまり好きではなった。赤やピンク色のお花は華やかできれいだけれど、あじさいの色は青で地味だから花としたら格は下の方だと思っていたのだ。 ある朝、祖母は庭のあじさいで大きな花束を作り、「幼稚園に持っていきなさい」と言った。私はいやだった。こんな地味な花なんか、恥ずかしくて持って行けない。だから何度も嫌がった。でも祖母はにこにこしながらも動じなかった。 「いいから、とにかく持って行きなさい」と。とうとう私は、根負けして持って行くことになった。しかし道中、気が重かった。友達は華やかな色とりどりのお花を持って来ているのに、私のは青一色。地味だなあ…。先生はどう思うだろう…。いやな顔をされたら、どうしよう…。私は花束をかかえて、とぼとぼと登園した。教室に入り、先生を見つけ、おずおずと青一色の花束を差し出した。 「先生…あの…これ、あばあちゃんが持って行きなさいって…」 先生は身をかがめて、花束を大切そうに胸に抱え、それに頬ずりしながら、満面の笑顔で私にこうおっしゃった。 「わあ、ありがとう、仁美ちゃん。先生、あじさい、大好きなの」ぱあっと明るく温かいものが、ゆっくりと心に広がっていくのを感じた。目の前のあじさいの花が急にあでやかで華やかなものに感じられた。鮮やかなあじさいの青で、先生の顔が美しく映えて見えた。本当にきれいだなあ、持って来て本当によかったなあと思いながら…私はあじさいに映える先生の笑顔をうっとりと見つめていた。 それ以来、私はあじさいの花が大好きになった。初夏になり、だんだんと花の色が濃くなっていくのをわくわくしながら待ち、色づいた花が雨を静かに受けていっそう鮮やかさを増している様子に、

時を忘れて見とれるようになった。 先生のたった一言で、私は見過ごしていたこの花の素晴らしい価値に気づかされたのである。 「死も命も舌の力のうちにある」という格言を聞いたことがある。本当に言葉には大きな力がある。武器にもなれば、慰めにもなる言葉の持つ影響力を、私はどれほど意識してきただろうかと思う。発する言葉は技術ではなく、心の問題であると聞いたこともある。やはりどうしても内面にあるものが言葉に表れてしまう。もし、優しい気持ちや思いやりが心にあるなら、言葉はきっと聞く人の心に入っていくものなのだろう。 先生はたぶん、わかっておられたのだと思う。気弱で引っ込み思案だった幼い私が、どんな思いであじさいを持って来たかということを。今が美しい盛りの花を手折って花束にした祖母の感謝の気持ちとを。それを全部受け止めて、本当に優しい気持ちであの言葉をかけてくださったのだ。だからこそ何十年もたった今でも私の心を元気づけ、温かくしてくれるのだと思う。 あじさいの静かな美しさに感動するたびに、先生のあの一言を温かい気持ちと共に思い出す。私もそんな素敵な言葉を発していけたらいいなあと思うのである。� (玉医ニュース第572号から抜粋)

 子どもというのはすべてがこれから、可能性を秘めて何でもできる、何にでもなれる素晴らしさがあります。教育によっていろいろな才能が引き出され、開花させられるという未来があることは素晴らしいです。 大人とは、徐々に現実を知り、狭まった可能性のなかではあってもそのなかで一生懸命頑張る、というものでしょうか。 私も幼少時は声楽を習い、オペラ歌手になれると信じていたものですが、楽器である身体が小さいのと喉が弱くてすぐに風邪をひきやすいことから、難しい道だということを徐々に自覚しました。 しかし、この年なって、なぜかまた声楽を習い始めました。耳鼻咽喉科医として音声障害の患者さんを診ていて、セミプロ~プロの声楽家の方々もいらっしゃるので、そのような方々と接しているうちに、なんだか自分も歌いたくなったというところです。加えて、去年は年女だったので、何か一つ新しいことを始めよう、と思っていたので、これだ!と思ったのです。 アマチュアですから、お金を出して聴いていただくという立場で、気楽なものです。とは言え、アマチュア声楽家の皆さんは気合十分で上手な方が多いのでとても刺激になります。グループレッスンなので仲間が増えて楽しいのですが、なぜか医師が多いのです。さら

に同世代も多いのが奇遇です。やっと少しの日々の生活にゆとりができてきた世代ということでしょうか。 大人になってからは、特に開業してからは、他人から面と向かって指導されるということがほとんどないので、ものを習うということが新鮮に感じられます。アマチュア相手なのに、先生方は一生懸命、指導にも熱が入り、けっこう厳しいことを言われます。有名国立音大の教授や第一線のオペラ歌手が講師にいらっしゃるので、厳しいことを言われると一人前扱いされていると勘違いして嬉しくなります。「それじゃあ、ちょっとドサまわりだよ」「その声はこの曲に全く合っていない」「それはないね」とか、優しい表情で言ってくださるのでこちらも笑ってしまいますが、厳しく睨まれて言われたら、なかなかキツイセリフだったりします。やはり一流の先生は叱り方が上手です。きつく言われればきついだけ発奮してやる気になるものです。この数カ月でだいぶ上手(自分で言うくらいだから大したことはありませんが(笑))になりました。大人になってもちょっと可能性があるものですね。医師会の先生方で集まってオペラ部とか声楽研究クラブとかできたらいいのに、などと夢見る今日この頃です。� (板橋区医師会通報第468号から抜粋)

ふれあいポスト 各地区会報から

花� 練馬区医師会 髙 英美

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7 平成25年6月15日 都 医 ニュース [昭和48年12月7日第3種郵便物認可] 第568号

 

ゲームセンターというと、読者の皆様は何を想像されるで

しょう。普通ではUFOキャッチャー、音楽に合わせて太鼓

をたたくゲームやプリクラ、対戦型ゲーム等を頭に浮かべる

方が多いと思います。これらはいずれも直接硬貨を入れて遊

びます。

 

この他にメダルを買って遊ぶゲームが数多くあることをご

存じでしょうか。代表的なのが「メダルを落とすゲーム」で、

スライドする台にメダルを一枚ずつ投入し、台の上に積み上

げられたメダルを落とすものですが、これらのメダルを使っ

たゲームがシニアに客層が伸びているというものです。

 

メダルの入れ方もただ入れるのではなく、タイミングが要

求されるので、頭を使わなければなりません。この他スロッ

トマシンやパチンコの機械と複合したゲーム等、メダルゲー

ムにはたくさんの機種があります。

 

獲得したメダルはゲームセンターに預けておいて、次回こ

のメダルでまた遊べます。

 

若者向けのイメージの強いゲームセンターですが、新聞

によれば、平日の昼間等若者の少ない時間帯をシニアに来店

してもらいたいと、遊び方の講習会を開いたり、千円あたり

のメダルの貸し出し枚数を一般の人より多くする、飲み物の

サービスをする等して、シニア集客に努めているところもあ

るようです。

 

メダルゲームに限らず、種々のゲームは頭を使わなくては

ならないため、高齢者のリハビリに対する効果が注目されて

いますが、これについては次の機会に触れたいと思います。

(落合)

 世界において人口の3分の1にあたる20億人以上の人々が結核に感染しており、2010年には新たに880万人(HIV合併110万人)が結核を発症し、145万人(HIV合併35万人)が結核死した。HIVとの重複感染、多剤耐性結核が大きな課題である。

 日本において2011年の新登録結核患者数は22,681人で、前年より580人(2.5%)減少した。70歳以上の患者数は12,204人で、全結核患者の53.8%(前年51.2%)となり、結核患者の高齢化が進んでいる。全結核患者の人口10万対罹患率は17.7で、経年的減少は細々と続いている。喀痰塗抹陽性肺結核患者罹患率は6.8(前年7.0)であった。都道府県別全結核罹患率は、大阪府(28.0)が最高で、東京(22.9)は4位であった。最低は岩手県(8.9)や宮城県(9.8)。独居高齢者においては自宅内で倒れている所を福祉関係者や管理人などに発見されるケースもある。高齢者結核は診断・治療が難しく、死亡率(26%)も高いが、生存例でのADLを保つために治療早期からリハビリや栄養補給が心がけられている。都市部、特に東京では20~40歳代の若年者結核も重要である。若年者は活動性が高く、従って不特定多数の人々と接触する機会が多いことが原因の1つと考えられる。外国人結核は952名(2010年)で4.2%を占めている。15~39歳が多く、国籍は中国、フィリピン、韓国、インドネシア、ネパールなどである。東京は211名で、新登録患者数の6.9%であった。外国人においては多剤耐性率が高く、また治療中断脱落率および転出率が高いために、なるべく日本国内で治療完了となるように支援することが重要となる。

 標準治療が行われるが、高齢者では内服不能例も多い。新規抗結核剤としてリネゾリド、デラマニド(日本で開発)などが期待されている。 (文責:長山直弘)

無 声 拝 聴

東京都医師会

感染症予防検討委員会

最近の結核ゲームセンター 感染症豆知識

INFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATIONINFORMATION都医からのお知らせ

労働衛生コンサルタント受験準備講習会

日時▶7月18日(木)~19日(金)9時30分~16時30分場所▶建築会館ホール(港区芝5-26-20)講演▶①「労働衛生一般」加部 勇(古河電工㈱産業医)②「労働衛生関係法令」後藤博俊

((一社)日本労働安全衛生コンサルタント会顧問)

③「合格体験発表」前年度合格者定員▶100名(先着順)受講料▶30,000円(テキスト代別)申込期限▶7月12日(金)

問合先(一社)日本労働安全衛生コンサルタント会 TEL:03-3453-7935

FAX:03-3453-9647 URL:http://www.jashcon.or.jp

第34回慈恵医大夏季セミナー

日時▶8月3日(土)16時~18時30分場所▶東京慈恵会医科大学 大学1号館講堂(3階)テーマ▶ここまで来た加齢疾患の最新治療講演▶①「白内障の最新治療」常岡 寛(眼科)②「加齢・変性疾患に対する人工股関節置換術の変遷と現状」大谷卓也(整形外科)③「高齢者心臓手術における狭心症と大動脈弁狭窄症」儀武路雄(心臓外科)④「腰部脊柱管狭窄症 薬物と手術療法の進歩」谷 諭(脳神経外科)⑤「高齢者でも脳卒中後遺症である上肢麻痺はよくなるのか?」安保雅博(リハビリテーション科)⑥懇親会(東京慈恵会医科大学附属病院中央棟8階会議室)申込方法▶ハガキに①住所②氏名(ふりがな)③電話④所属医師会⑤懇親会出欠を記入の上、7月末までにお申し込みください。お申し込みされた方は、直接お越しください。取得単位▶日医生涯教育制度参加証交付2.5単位

問合先慈恵医大生涯学習センター(港区西新橋3-25-8)TEL:03-3433-1111(内線2634)

第30回糖尿病Up・Date賢島セミナーエビデンスにみる糖尿病対策のイノベーション―より良い診療を目指したベンチマーク―

日時▶8月24日(土)、25日(日)場所▶志摩観光ホテル(三重県志摩市阿児町神明731)セミナー▶24日(土):14時~22時①「血糖コントロールはいかにあるべきか」講演:『エビデンスに基づく病態に応じた血糖コントロールとその指標』羽田勝計(旭川医科大学)②「薬物療法の選択はいかにあるべきか」講演:『エビデンスに基づく病態に応じた薬剤選択とそのすすめ方』門脇 孝(東京大学)25日(日):8時20分~12時 ③「糖尿病性合併症への対応はいかにあるべきか」講演:『エビデンスに基づく糖尿病性合併症の危険因子とそれへの対応』中村二郎(愛知医科大学)参加費▶50,000円(proceedings代含む)宿泊費別参加申込▶官製ハガキに氏名、所属、住所、TELを明記の上、事務局まで(100名)

問合先中部ろうさい病院 堀田 饒(名古屋市港区港明1-10-6)TEL:052-652-5511 FAX:052-652-5623

第410回国際治療談話会例会最近の甲状腺疾患の動向 ~専門外科と専門内科医より~

日時▶7月18日(木)18時~20時場所▶学士会館2階202号室(千代田区神田錦町3-28〈駐車場無料〉☎03-3292-5936 地下鉄三田線、新宿線、半蔵門線神保町駅下車A-9出口)司会▶伊藤公一((公財)日本国際医学協会理事)開会挨拶▶柳澤正義((公財)日本国際医学協会理事長)

〔第1部〕講演▶①「甲状腺がんの診療 ~最近の潮流と外科医の役割~」杉谷 巌(日本医科大学内分

泌外科准教授)②「バセドウ病と甲状腺機能低下症 ~より精緻/実践的/全人的治療を目指して~」田中祐司(防衛医科大学校総合臨床部教授・部長)

〔第2部〕感想▶「早稲田大学のグローバリゼーション」大野高裕(早稲田大学理工学術院教授)会費▶会員5,000円、非会員6,000円取得単位▶日医生涯教育制度2単位

問合先

(公財)日本国際医学協会事務局TEL:03-5486-0601 FAX:03-5486-0599E-mail:[email protected] URL:http://www.imsj.or.jp/

平成25年度日大医師会夏季医学講座

日時▶7月6日(土)~7日(日)6日(土)14時~18時7日(日)10時~16時(昼食あり)場所▶日本大学医学部リサーチセンター4Fホールテーマ▶症状からアプローチするプライマリケア講演▶6日(土):①「原因不明とされる不定愁訴・多愁訴の診断と治療」村上正人(呼吸器内科学分野研究所准教授)②「認知機能障害」金野倫子(精神医学分野講師)③「頭痛・めまい」大石 實(神経内科学分野研究所教授)④「視力・視野障害」加島陽二(眼科学分野准教授)

7日(日):①「排尿障害 ―泌尿器科医の処方」山口健哉(泌尿器学分野研究所准教授)②「息切れ」橋本 修(呼吸器内科学分野教授)③「胸痛・胸部不快感」高山忠輝(循環器内科学分野助教)④「吐血・下血」水野滋章(消化器肝臓内科学分野准教授)⑤「肥満とやせ」相馬正義(総合内科学分野教授)募集人員▶50名費用▶テキスト代4,000円(当日徴収)申込方法▶氏名・〒・住所・電話番号・出身校を明記の上、FAX、E-mailのいずれかにて7月1日(月)までにお申し込みください。取得単位▶日医生涯教育制度参加証交付

問合先日本大学医師会 TEL:03-3972-8098(直通) FAX:03-5995-7126E-mail:[email protected]

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8第568号 [昭和48年12月7日第3種郵便物認可] 都 医 ニュース 平成25年6月15日

COPDはタバコ煙を主とする

有害物質を長期に吸入することで

生じる閉塞性肺疾患であり、徐々

に進行する労作時の呼吸困難や慢

性の咳、痰を特徴とする。世界の

COPDの有病率は10%前後とさ

れているが、先進国では人口の高

齢化に伴い患者数の増加が問題と

なっている。わが国で行われた疫

学調査NICE study

によれば、日

本人のCOPD有病率は8・6%、

四十歳以上の約五三〇万人と想定

され、死因の第九位(平成二十三

年、一六六二〇人/年、78%が男

性)である。

COPDの基本病態は、酸化ス

トレスや肺における過剰なプロテ

アーゼによって惹起される気道と

肺の炎症であり、これにより気流

閉塞と動的肺過膨張が生じる。ま

た、気道粘液の産生増加、換気血

流不均等、肺血管病変なども特徴

的である。

COPDの疫学と病態

玉置 淳

先生

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

は、日本呼吸器学会のCOPD(慢

性閉塞性肺疾患)診断と治療のた

めのガイドラインでは「タバコ煙

を主とする有害物質を長期に吸入

曝露することで生じた肺の炎症性

疾患である。呼吸機能検査で正常

に復すことのない気流閉塞を示

す。気流閉塞は末梢気道病変と気

腫性病変がさまざまな割合で複合

的に作用することにより起こり、

通常は進行性である。臨床的には

徐々に生じる労作時の呼吸困難や

慢性の咳、痰を特徴とするが、こ

れらの症状に乏しいこともある」

と定義されている。診断はこの定

義に基づき、呼吸機能検査で正常

に復すことのない気流閉塞(一秒

率が70%以下)を証明する。治療

は気管支拡張薬が中心であり、管

理目標の達成を目指す。

COPDの診断と治療

橋本 修 先生

日本医師会生涯教育講座

座長 東京都医師会理事未

  定

東京女子医科大学内科学第一講座主任教授

 淳

先生

日本大学医学部

内科学系呼吸器内科学分野主任教授

 修

先生

COPDの診断と

治療の進歩

午後1時30分〜4時30分日 時 平成25年7月11日(木)場 所 新宿明治安田生命ホール    新宿区西新宿 1-9-1    TEL:03-3342-6705( )

日本医師会生涯教育制度 3.5 単位カリキュラムコード 2、11、45、46、73、79日本内科学会認定 総合内科専門医更新単位 2 単位

講 演

共催 東 京 都 医 師 会日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社

午後 1 時 00 分〜1 時 30 分学術映画

『 動画で見るスパイロメトリーのコツ 』監修:自治医科大学呼吸器内科准教授 坂東政司先生   自治医科大学臨床検査部 宮沢 義先生

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9 平成25年6月15日 都 医 ニュース [昭和48年12月7日第3種郵便物認可] 第568号

漢方薬の主たる構成成分は、柴

胡サポニン、甘草サポニン、人参

サポニンなどのサポニン群や薄

荷、生姜、紫蘇などに含まれる精

油(エッセンシャルオイル)、そ

して葛根、麻黄などのフラボノイ

ド、アルカロイドといった有機化

合物である。「サポニン」は別名「配

糖体」とも呼ばれ、水に溶けると

泡立つ性質を有する一種の「シャ

ボン」と考えられる。一方、私た

ちが経口摂取した飲食物は、口腔

内で唾液アミラーゼにより糖質

が、胃内でペプシンにより蛋白質

が分解除去され、残存した脂質群

が胆汁とリパーゼによって中和分

解された後小腸で吸収され、不要

となった脂質群が大腸から排泄さ

れる。本講演では、飲食物由来の

脂質群を制御する医学こそが東

洋医学の本体ではないか、との視

点から東洋の智慧を再考してみ

たい。

脂質制御医学としての

東洋医学高橋秀実 先生

現代の医療を補完するものとし

て漢方製剤が有用である。漢方は

患者の愁訴に正面から向き合い、

全身の状態を総合的に診る医療

で、体に優しく、健康回復と健康

増進という現代の社会生活の切実

な要望に応えうる医療である。

漢方が有用な領域は、アレル

ギー疾患、高血圧、糖尿病など体

質に基づく疾患、腎疾患、リウマ

チなどの難治性疾患、胃腸が弱い、

カゼをひきやすいなどの体質の弱

点、術後や大病後の体調不良、体

調回復などである。

漢方から見たおおまかな体質の

見方を述べる。また、腹痛、悪心、

便通異常などの消化器の不定愁訴

には、漢方の出番があり、半夏瀉

心湯、六君子湯、加味逍遥散など

が応用される。また、老化による

病や、高齢者の体調管理に六味丸、

八味地黄丸を活用すると臨床の

多くの場面に対応することがで

きる。

日常診療における

漢方製剤の応用平馬直樹

先生

日本医師会生涯教育講座

座長 東京都医師会理事未

  定

日本医科大学東洋医学科非常勤講師

平馬医院院長

先生

日本医科大学微生物学・免疫学 大学院教授

日本医科大学付属病院東洋医学科部長

先生

東洋医学、特に漢方の

有用性�

─最近の知見

午後1時30分〜4時30分日 時 平成25年7月18日(木)場 所 新宿明治安田生命ホール    新宿区西新宿 1-9-1    TEL:03-3342-6705( )

日本医師会生涯教育制度 3.5 単位カリキュラムコード 5、15、19、54、73、75、83日本内科学会認定 総合内科専門医更新単位 2 単位

講 演

共催 東 京 都 医 師 会株 式 会 社 ツ ム ラ

午後 1 時 00 分〜1 時 30 分学術映画

『 漢方で更年期を乗り切る 』監修:徳島大学大学院保健科学部門   生殖補助医療学分野教授 安井敏之先生

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10第568号 [昭和48年12月7日第3種郵便物認可] 都 医 ニュース 平成25年6月15日

日本医師会認定産業医制度における研修会開催案内名称および主催 日 時 会 場 定員・受講料 申し込み方法 申し込み先・申し込み締切 研修単位 研修内容

「�第2回産業保健スタッフ・人事労務のための海外勤務者健康管理研修会」海外勤務者健康管理全国協議会・東京産業保健推進センター共催

H25.8.31(土)PM.2:00〜� PM.4:20

東京慈恵会医科大学(大学1号館講堂3F)

 港区西新橋3-19-18 TEL.03-3433-1111

200名(非会員の受講可/� 当日徴収)

受講料� 1,000円

「第2回産業保健スタッフ・人事労務のための海外勤務者健康管理研修会参加希望」と明記の上、①氏名(ふりがな)②日医認定産業医番号③所属先名称④所属先住所⑤所属先電話番号およびFAX番号⑥E-mailを記入の上、原則E-mailにて申し込む。(FAXでの申込も可能)なお、受講の可否については受付後1週間以内にする。E-mail�:�[email protected]

海外勤務者健康管理全国協議会事務局 (担当�:�久保田昌詞) 〒591-8025 大阪府堺市北区長曽根町1179-3 大阪労災病院 勤労者予防医療センター内 TEL.072-252-3561 FAX.072-252-1360申込締切日 平成25年7月1日(月)〜� 8月27日(火)午後5時

認定産業医は生涯研修� (専門)2単位

注意:非認定産業医は研修単位になりません。

講演1�「海外でこころを病んだとき  � �(海外邦人メンタルヘルスの現場から)」講演2�「海外勤務者の  � �メンタルヘルス支援をめぐって  � �(現状と課題)」

「東京都医師会・�江東区医師会�産業医研修会」東京都医師会主催

H25.10.19(土)PM.2:00〜� PM.7:10

カメリアホール(カメリアプラザ3F)

 江東区亀戸2-19-1 TEL.03-5626-2121

350名(非会員の受講可/� 事前徴収)

江東区医師会員� 5,000円

都道府県医師会員� 7,000円

非会員� 9,000円

ヒューマン・リサーチのホームページにアクセスし、「開催概要」より申込書を印刷の上、郵送にて申し込む。

http://www.human-research.jp/kensyukai/kensyu_ninsk.html

江東区医師会産業医研修会事務局 〒160-0011 新宿区若葉2-5-16 向井ビル3F ヒューマン・リサーチ内 TEL.03-3358-5360 FAX.03-3358-4002

申込締切日 平成25年10月4日(金)

非認定産業医は基礎研修� (後期)5単位

認定産業医は生涯研修� (更新)1単位� (専門)4単位

①講演「産業医に必要な労働衛生法規」②講演「職場復帰支援について」③講演「快適職場のエルゴノミクス」④講演「過重労働対策」⑤講演「職場での感染症対策」

 大学病院の勤務医の嘆きを通り越して悲鳴に近い言葉は「とにかく忙しい」、「給料が安い」です。それでも大学に医師が集まっていたのは今から考えれば奇跡のような気がします。今や大学病院は、勿論、若手・中堅医師の流出にも歯止めがかからず危機的な状況にあります。これは医師不足地域に顕著とされますが、東京とて例外ではありません。 そこで、在京12大学医師会幹部が年に1度集まる東京都大学医師会連絡協議会の当番校となったのを機に、「大学医師の負担軽減」をテーマに取り上げ、都医師会の野中会長はじめ理事の方々と各大学医師会幹部との間で情報共有と意見交換を行いました(平成25年2月1日)。その概要をご紹介したいと思います。 そもそも、大学の医師は、本当に忙しく給与も安いのか? 都医師会の弦間理事より提示されたデータによれば、勤務時間+アルバイトでは他の公的病院や私的病院より長く、給与の満足度も低いことが明らかとなりました。 大学病院の医師が忙しい理由に、教育、診療、研究の三役をこなさなければならないことが挙げられますが、実際に辞めていく若手が第一に語るのは、「雑用」が多いということです。永く「雑用」が減少しなかった理由は、「研修医に集中させていた」、「研修医は一年限り我慢すれば良かった」ということにありましたが、医学生には背を向けられることとなり、平成24年度の採用実績では遂に44%しか大学で研修しなくなりました。よって、「雑用」の担い手は後期研修医以上に委ねられることになり、医師の負担が急増することとなりました。 在京大学医師会の情報交換で明らかとなったことは、ほとんど

全ての大学が何らかの業務改善委員会等を作り「雑用」の解消が組織的に行われ、しかも達成状況の評価も実施されていたことです。 具体的取り組みについてご紹介します。第一は看護師への業務移行です。これは、平成19年の厚労省医政局長通達「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について」と7対1看護体制導入を契機に、多くの大学病院が採血、静注、血管確保から男性の導尿までを看護師に移行したことが明らかになりました。またそれに当たって院内認定制度を作るなどの教育システムも紹介されました。加えて、助産師外来を導入している大学もありました。 また、医療事務職を(再)教育し、検査事前説明、文書作成、DPC登録、オーダー入力の代行等を実現しつつあることも明らかになりました。さらに、患者対応として、社会福祉士等による退院調整の強化、時間外選定療養費の導入や警察OBの雇用により物理的のみならず心理的負担の軽減を図る試みも披露されました。 さらに、短時間正規雇用や交替制勤務の導入により女性医師の活用を試みている大学もありました。 このように、「医師の負担軽減」が単なる「雑用」の他職種への転嫁ではなく、本質的な効率化を目指している部分も多く評価に値すると思います。私も地域病院の勤務経験がありますが、まだまだ道半ばです。大学病院が弱体化した場合に地域医療にどのような混乱が起こるかは、地方で実証済みです。そのようなことのないように、東京都医師会の皆様と今後も情報交換しつつ改革が進んでいくよう大学医師会も連携して参りたいと思います。

地区医師会長からの一言大学医師の負担軽減について東京医科歯科大学医師会長 田中雄二郎

医師と医師会を結ぶ 情報紙 都医 EWSニュース

Vol.

568

2013