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当院の 「身の丈に合った」 多職種連携の実践に関する報告 (道具としてのICT活用と、担い手としての院内・院外の「人・組織」への浸透) 医療法人社団功和会 平野クリニック 久保田 義悟、 青野 邦之、 河合 容子、 中井 康晴、 黒木 基夫、 坂本 和英、 平野 功 はじめに&目的 演題No.P47-3 方法 結果 考察 日本在宅医療連合学会 COI(利益相反)開示 筆頭発表者:久保田 義悟 開示すべきCOIはありません 1回日本在宅医療連合学会大会 2019715日・京王プラザホテル(新宿) 院内の情報共有を経て、院外事業所との多職種連携スタート 連絡先:平野クリニック 事務 久保田 義悟 メール:[email protected] Copyright © 2019 Hirano Clinic All Rights Reserved 当院の多職種連携の取組み内容と効果を、 道具としてのICTと、それを使う人・組織の両方の観点から報告する。 ●特徴 シンプル重視(見せ方) ・当院側は2度手間・2重入力しないで情報共有を実現 メリハリ意識(人力と自動化) ICT多職種連携の具体的内容 結果から得られた知見と今後の展開 kViewer feat.平野クリニックの運用(閲覧)実績 ・「図書館の本貸出中」 現象多発! ・「院内個人商店乱立」 (属人化!!) ●「紙カルテ」運用 要員数=メンバー表(閲覧スタート時に取り交わす)記載人数 閲覧数の単位はPV(ページビュー) 連携患者数=20196月末時点集計人数 手の掛かる患者数20191月~6月で定期訪問以外のレコード(緊急往診や病状相談な)が10件以上あった連携患者数 ①:上記実績結果は、院外事業所固有の運営方針や 事情(リーダーシップ、ITリテラシー)、要員数、連携患者数、 「手の掛かかる患者数」等の複雑かつ流動的な要因がある。 (ゆえに今の閲覧数の多寡は副次的な結果と考える。) ①東京都清瀬市に拠点を置き、 同市を含む7を主な訪問エリアとする 在宅医療スタッフ35で、 在宅患者約470への訪問診療を 行っている ③連携する院外多職種の事業所は、 200か所 ・居宅(ケアマネ):約120事業所 ・訪問看護:約60事業所 ・調剤薬局:約10事業所 クリニック外観 訪問エリア 東京都・北多摩北部 ②:現段階では、当院も連携先多職種もシンプルな使い方・ 付き合い方がお互いの身の丈に合っていると考える。 但しイザという時に、これをフル活用できる素地を養っておく ことが望ましい。 ご案内パンフ(手作り!) 導入時は必ず 「出前説明会」を行い スタート! 特定の患者さま で絞込み可能 夜中や日曜日でも 見られている パソコンで の閲覧が ほとんど ●「電子カルテ」導入 ●「kintone」導入 ●「院内情報共有」が 実現か? ICT多職種連携 「真珠の首飾りPJT始動! ●~2016120162201822018520186月~ ・業務効率向上する はずが・・・? ・電カルだけでは 在宅医療を賄えない? ・首飾りの真珠の1つ1つ が各「多職種事業所」 ・平野クリニックも玉の1・この首飾りを身に付ける のは「患者さん」! がクラウドで提供する kintoneの外部公開サービスを起用 kintonのレコード (カルテ情報等)が セキュリティ統制しつつ、 ガラス張りで見える! 採血検査結果(PDF診療録2号紙(PDF) 実際に訪看さん等が見ている一覧ページ(WEB事業所名 要員数 連携患者数 手の掛かる 患者数 2018年6月 2018年7月 2018年8月 (中略) 2019年3月 2019年4月 2019年5月 2019年6月 (先方事業所の) 活用形態分類 1 薬局A(清瀬市) 8 407 49 1294 2581 2696 2794 3132 2738 2609 業務組込み型 2 歯科診療所A(清瀬市) 4 79 7 186 361 358 745 495 404 431 業務組込み型 3 訪看A(西東京市) 34 24 7 - - - 376 463 524 501 業務組込み型 4 訪看B(清瀬市) 20 51 8 - 175 215 199 139 平時&有事バランス型 5 訪看C(清瀬市) 17 37 4 - 52 117 106 132 190 124 平時&有事バランス型 6 訪看D(清瀬市) 3 12 0 - - - 0 38 99 74 平時&有事バランス型 7 訪看E(東村山市) 27 22 4 - - - 48 5 24 15 有事即応型 8 訪看F(新座市) 3 10 1 - - - 0 3 11 12 有事即応型 9 訪看G(東久留米市) 10 10 2 - - - 61 96 34 10 有事即応型 10 訪看H(小平市) 11 4 2 - - - 7 31 12 9 有事即応型 11 訪看I(東村山市) 7 2 1 - - - - (2019年5月開始) 20 3 (見極め中) 12 ケアマネA(清瀬市) 2 24 2 40 18 47 101 86 94 71 平時&有事バランス型 13 ケアマネB(清瀬市) 6 15 0 - - - - - (2019年6月開始) 76 (見極め中) 14 医科診療所A(東村山市) 1 0 0 - - - 11 0 連携患者なし 連携患者なし (診診連携休止中) (スタート期) (直近) 現況 ③:同時に今後の多職種連携の作法として、 上手な使いこなし方を身に付けるため、 各々が走りながら「最適解」を模索する出発点になると考える。 ④:しかし・・・同時に次の段階への対応はぬかりなく 情報収集と準備をしていきたい。 【例】・医療等ID、各種ガイドラインなど(国) 東京総合医療ネットワーク、多職種連携タイムライン (東京都) 北北連携ネットワーク(北多摩北部2次医療圏) タイプ② 平時&有事 バランス型 タイプ③ 有事即応型 タイプ① 業務組込み型 カルテ全内容と、カルテには無い各種情報を kintoneに集約(月間レコード数=約1,400件) ・電カルとkintoneハイブリット運用 ・「情報の一元化!」 ・「情報の可視化!」 「多種多彩」な使われ方を してもらっている! 敢えて3つのタイプに分類 してみた。

演題No.P47-3 ICTkowakai-hcl.com/190715poster.pdf · 2020-05-09 · ②:現段階では、当院も連携先多職種もシンプルな使い方・ 付き合い方がお互いの身の丈に合っていると考える。

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Page 1: 演題No.P47-3 ICTkowakai-hcl.com/190715poster.pdf · 2020-05-09 · ②:現段階では、当院も連携先多職種もシンプルな使い方・ 付き合い方がお互いの身の丈に合っていると考える。

当院の「身の丈に合った」多職種連携の実践に関する報告

(道具としての「ICT」活用と、担い手としての院内・院外の「人・組織」への浸透)

医療法人社団功和会 平野クリニック久保田義悟、青野邦之、河合容子、中井康晴、黒木基夫、坂本和英、平野 功

はじめに&目的

演題No.P47-3

方法

結果

考察

日本在宅医療連合学会COI(利益相反)開示

筆頭発表者:久保田 義悟開示すべきCOIはありません

第1回日本在宅医療連合学会大会2019年7月15日・京王プラザホテル(新宿)

院内の情報共有を経て、院外事業所との多職種連携スタート

連絡先:平野クリニック 事務 久保田 義悟メール:[email protected]

Copyright © 2019 Hirano Clinic All Rights Reserved

当院の多職種連携の取組み内容と効果を、道具としてのICTと、それを使う人・組織の両方の観点から報告する。

●特徴・シンプル重視(見せ方)・当院側は2度手間・2重入力はしないで情報共有を実現・メリハリ意識(人力と自動化)

ICT多職種連携の具体的内容

結果から得られた知見と今後の展開

kViewer feat.平野クリニックの運用(閲覧)実績

・「図書館の本貸出中」現象多発!・「院内個人商店乱立」(属人化!!)

●「紙カルテ」運用

※要員数=メンバー表(閲覧スタート時に取り交わす)記載人数 ※閲覧数の単位はPV(ページビュー)※連携患者数=2019年6月末時点集計人数※手の掛かる患者数=2019年1月~6月で定期訪問以外のレコード(緊急往診や病状相談な)が10件以上あった連携患者数

①:上記実績結果は、院外事業所固有の運営方針や事情(リーダーシップ、ITリテラシー)、要員数、連携患者数、「手の掛かかる患者数」等の複雑かつ流動的な要因がある。(ゆえに今の閲覧数の多寡は副次的な結果と考える。)

①東京都清瀬市に拠点を置き、同市を含む7市を主な訪問エリアとする②在宅医療スタッフ35名で、在宅患者約470名への訪問診療を行っている③連携する院外多職種の事業所は、約200か所・居宅(ケアマネ):約120事業所・訪問看護:約60事業所・調剤薬局:約10事業所

クリニック外観

訪問エリア東京都・北多摩北部

②:現段階では、当院も連携先多職種もシンプルな使い方・付き合い方がお互いの身の丈に合っていると考える。但しイザという時に、これをフル活用できる素地を養っておくことが望ましい。

ご案内パンフ(手作り!)導入時は必ず「出前説明会」を行いスタート!

特定の患者さまで絞込み可能

夜中や日曜日でも見られている

パソコンでの閲覧がほとんど

●「電子カルテ」導入 ●「kintone」導入 ●「院内情報共有」が実現か?

●ICT多職種連携

「真珠の首飾りPJT」始動!

●~2016年1月 ●2016年2月 ●2018年2月 ●2018年5月

●2018年6月~・業務効率向上するはずが・・・?・電カルだけでは在宅医療を賄えない?

・首飾りの真珠の1つ1つが各「多職種事業所」・平野クリニックも玉の1つ・この首飾りを身に付けるのは「患者さん」!

がクラウドで提供するkintoneの外部公開サービスを起用

kintonのレコード(カルテ情報等)がセキュリティ統制しつつ、ガラス張りで見える!

採血検査結果(PDF)

診療録2号紙(PDF)

実際に訪看さん等が見ている一覧ページ(WEB)

事業所名 要員数 連携患者数手の掛かる

患者数2018年6月 2018年7月 2018年8月(中略)2019年3月 2019年4月 2019年5月 2019年6月

(先方事業所の)

活用形態分類

1 薬局A(清瀬市) 8 407 49 1294 2581 2696 2794 3132 2738 2609 業務組込み型

2 歯科診療所A(清瀬市) 4 79 7 186 361 358 745 495 404 431 業務組込み型

3 訪看A(西東京市) 34 24 7 - - - 376 463 524 501 業務組込み型

4 訪看B(清瀬市) 20 51 8 - 175 215 199 139 平時&有事バランス型

5 訪看C(清瀬市) 17 37 4 - 52 117 106 132 190 124 平時&有事バランス型

6 訪看D(清瀬市) 3 12 0 - - - 0 38 99 74 平時&有事バランス型

7 訪看E(東村山市) 27 22 4 - - - 48 5 24 15 有事即応型

8 訪看F(新座市) 3 10 1 - - - 0 3 11 12 有事即応型

9 訪看G(東久留米市) 10 10 2 - - - 61 96 34 10 有事即応型

10 訪看H(小平市) 11 4 2 - - - 7 31 12 9 有事即応型

11 訪看I(東村山市) 7 2 1 - - - - (2019年5月開始) 20 3 (見極め中)

12 ケアマネA(清瀬市) 2 24 2 40 18 47 101 86 94 71 平時&有事バランス型

13 ケアマネB(清瀬市) 6 15 0 - - - - - (2019年6月開始) 76 (見極め中)

14 医科診療所A(東村山市) 1 0 0 - - - 11 0 連携患者なし 連携患者なし (診診連携休止中)

(スタート期) (直近)現況

③:同時に今後の多職種連携の作法として、上手な使いこなし方を身に付けるため、各々が走りながら「最適解」を模索する出発点になると考える。

④:しかし・・・同時に次の段階への対応はぬかりなく情報収集と準備をしていきたい。【例】・医療等ID、各種ガイドラインなど(国)

・東京総合医療ネットワーク、多職種連携タイムライン(東京都)・北北連携ネットワーク(北多摩北部2次医療圏)

タイプ②平時&有事バランス型

タイプ③有事即応型

タイプ①業務組込み型

※カルテ全内容と、カルテには無い各種情報をkintoneに集約(月間レコード数=約1,400件)

・電カルとkintoneのハイブリット運用

・「情報の一元化!」・「情報の可視化!」

「多種多彩」な使われ方をしてもらっている!敢えて3つのタイプに分類してみた。