45
関節リウマチ rheumatoid arthritis(RA) 4班 小島良太・小林茜・御領園祥子・是枝哲彦・ 権代竜郎・近藤紫帆・崔聡・坂達典・笹倉康照

rheumatoid arthritis(RA)関節リウマチ rheumatoid arthritis(RA) 4班 小島良太・小林茜・御領園祥子・是枝哲彦・ 権代竜郎・近藤紫帆・崔聡・坂達典・笹倉康照

  • Upload
    others

  • View
    2

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

  • 関節リウマチrheumatoid arthritis(RA)

    4班

    小島良太・小林茜・御領園祥子・是枝哲彦・

    権代竜郎・近藤紫帆・崔聡・坂達典・笹倉康照

  • 関節リウマチとは

    ・自己免疫疾患の一つ

    ・主病変:慢性的な関節炎

    ※炎症の主座は滑膜

    ・膠原病の中で最も頻度の高い疾患

    ・男:女=1:4

    ・好発年齢:20~60歳代(特に、30~50歳代での発症が多い)

  • 関節リウマチの発症機序

    遺伝的要因(HLA‐DR多型など)+環境要因(喫煙、細菌・ウイルス感染など)↓T細胞を中心とした自己免疫応答↓関節滑膜における炎症↓様々な病変・症状

  • 関節リウマチの病態

    関節炎初期 炎症の憎悪・慢性化 炎症末期・関節破壊

  • 発表内容

    【1】関節リウマチの症状

    【2】関節リウマチの診断と病期分類

    【3】関節リウマチの治療

  • 【1】関節リウマチの症状

  • 主な症状

    Ⅰ.関節症状―関節の腫脹、疼痛、朝のこわばり(初期)―関節破壊、関節硬直(末期)

    Ⅱ.関節外症状Ⅲ.全身症状

    ―易疲労感―微熱―体重減少

  • 関節症状(初期)

    主な症状:関節の腫脹、疼痛、朝のこわばり

    圧痛、熱感

    特徴:好発部位あり

    ※左右対称に起こりやすい

  • 関節症状(末期)

    主な症状:関節変形

    ※大関節でも発症

    関節変形の例

    ・ボタン穴変形

    ・スワンネック変形

    ・尺側変位

    ・外反母趾

    ・環軸関節亜脱臼

  • 関節変形の例

  • 関節外症状

  • ※シェーグレン症候群(SjS)

    ・自己免疫疾患

    ・RA患者の25~30%が合併・症状:口腔内乾燥、乾燥性角結膜炎、

    耳下腺腫脹

    ・発症過程:腺における

    リンパ球浸潤

    →炎症による腺房破壊→分泌能低下

  • 【2】関節リウマチの診断と病期分類

  • 現行の診断

    • ACR(米国リウマチ学会)、EULAR(欧州リウマチ学会)の共同作業部会が策定したもの。

    「2010ACR/EULARによるRA分類基準」

  • 目的

    ACRの1987年RA分類基準

    • 目的は、確定診断されたRA患者と、RA以外の確実なリウマチ性疾患との識別。

    2010年RA分類新基準

    • 目的は、RA疾患早期に見られる、症状に基づいた診断。

    疾患後期の患者の確定診断には有効。

    疾患早期の患者の鑑別診断に有効。

  • 1987年分類基準

    • 次に示す7項目の内、4項目を満足すれば、RAと分類する。

    *1~4の項目については、6週間以上継続しなければならない。

  • ACRの1987年RA分類基準基準項目 定義

    1.朝のこわばり 少なくとも1時間以上持続。 6週間以上続く

    2.3か所以上の関節炎

    専門医による3関節領域以上の軟部組織の腫脹、関節液貯留(骨の過増殖のみでは不可)。発症領域は両側PIP関節、MCP関節、手、肘、膝、足、MTP関節の14関節領域であることが多い。6週間以上続く

    3.手の関節炎 手関節、MCP関節、PIP関節の少なくとも1ヶ所の腫脹。6週間以上続く

    4.対称性関節炎 左右同じ部位が同時に罹患していること。PIP関節、MCP関節、MTP関節については完全に対称でなくても可。6週間以上続く

    5.リウマトイド結節 医師による骨突起部、伸展筋表面、傍関節部位の皮下結節の確認。

    6.リウマトイド因子 血清リウマトイド因子陽性。正常人で5パーセント以下の陽性率の測定法ならば、どの方法でもよい。

    7.Ⅹ線所見の変化 手指、手関節の正面撮影で、罹患関節近傍の骨びらんや骨の脱石灰化像を含む.Ⅹ線所見変化。変形性関節症のみでは不可。

  • 2010年ACR/EULAR診断基準• 診断基準は2段階からなる。第一段階→1.少なくとも一か所以上の関節炎がある。(関節腫脹)

    2.関節炎は他疾患では説明できない滑膜炎を有する。

    第二段階→新しく設定された診断基準(スコア化アルゴリズム)によって判断。

  • 2010年診断基準

    *ただし、 上記の、関節腫脹における他疾患との鑑別は専門医でなければ、難しい。

    Ex.SLE,強皮症、シェーグレン症候群、痛風、変形性関節症など。

  • 2010年診断基準

    • 次の4項目A.罹患関節(0~5点)

    B.血清学的検査(0~3点)

    C.急性期反応物質(0~1点)

    D.症状の持続時間(0~1点)

    において、10点中6点以上の場合、RAと診断する。

    *ただし、B,Cの項目については一回以上の検査結果が必要。

  • A.罹患関節

    大関節一か所 0点

    大関節2~10か所 1点

    小関節1~3か所(大関節の罹患有無は問わない) 2点

    小関節4~10か所(大関節の有無は問わない) 3点

    11か所以上 5点

    B.血清学的検査

    RF陰性かつACPA陰性 0点

    RF低値陽性またはACPA低値陽性 2点

    RF高値陽性またはACPA高値陽性

    C.急性期反応物質

    CRP正常かつESR正常 0点

    CRP異常またはESR異常 1点

    D.症状の持続時間

    6週未満 0点

    6週以上 1点

  • 2010年診断基準

    • ただし、先の表において次のような注意点が存在する。

    *罹患関節の項目について、遠位指節間関節、第一手根中手関節、第一中足趾節関節は除外。

    *「大関節」→肩関節、肘関節、股関節、膝関節、足関節。

    *「小関節」→中手指節関節、近位指節関節、第2~5中足趾節関節、親指指節間関節、手関節。

  • 大関節

  • 2010年診断基準

    • 表の用語の説明。RF→リウマトイド因子ACPA→抗シトルリン化タンパク抗体。抗CCP抗体。

    CRP→C反応タンパクESR→赤血球沈降速度

  • StageⅠ 初期1,X線写真上に骨破壊像はない2,X線学的オステオポローゼはあってもよい

    Stage Ⅱ 中等期1,X線学的に軽度の軟骨下骨の破壊伴う、または伴わないオステオポローゼがある軽度の軟骨破壊はあってもよい

    2,関節運動は制限されてもよいが、関節変形はない3,関節周辺の筋萎縮がある4,結節および腱鞘炎のような関節外軟組織の病変はあってもよい

    Stage Ⅲ 高度1,オステオポローゼの他にX線学的に軟骨および骨の破壊がある2,亜脱臼、尺側変位、過伸展のような関節変形がある線維性あるいは骨性強直は伴わない

    3,強度の筋萎縮がある4,結節および腱鞘炎のような関節外軟組織の病変はあってもよい

    Stage Ⅳ 末期1,線維性あるいは骨性強直ある2,それ以外はstageⅢの基準満たす

    関節リウマチの病期分類

  • Class Ⅰ身体機能は完全で不自由なしに普通の仕事は全部できる

    Class Ⅱ動作の際に、一か所あるいはそれ以上の関節に苦痛があったり、運動制限はあるものの、普通の生活なら何とかできる程度の機能

    Class Ⅲ普通の仕事とか自分の身の回りのことがごくわずかであるか、あるいはほとんどできない程度の機能

    Class Ⅳ寝たきり、あるいは車椅子に座ったきりで、身の回りのこともほとんど、またはまったくできない程度の機能

    関節リウマチの機能障害度分類

  • 寛解基準(ACR/EULAR)

    • 日常臨床における基準→以下のいずれかに該当する場合、寛解とみなす。①以下の3項目を同時に満たす

    圧痛関節数1つ以下、腫脹関節数1つ以下、患者全般評価 1/10以下

    ②CDAI 2.8以下CDAI = 圧痛関節数+ 腫脹関節数 + 患者による全

    般評価 + 医師による全般評価

  • 寛解基準(ACR/EULAR)

    • 臨床試験における基準→以下のいずれかに該当する場合、寛解とみなす。①以下の4項目を同時に満たす圧痛関節数1つ以下、腫脹関節数1つ以下、

    CRP 1以下、患者全般評価 1/10以下

    ② SDAI 3.3以下SDAI = 圧痛関節数+ 腫脹関節数 + 患者によ

    る全般評価 + 医師による全般評価 + CRP

  • 【3】関節リウマチの治療

  • 関節リウマチの治療

    1.基礎療法

    2.薬物療法

    3.外科療法

    4.リハビリテーション

  • 1.基礎療法

    ● 患者・家族教育

    ● 安静

    ● 適度な運動

    ● 日常生活の工夫 など

  • 2.薬物療法

    ○DMARDs(疾患修飾性抗リウマチ薬)が中心・・・免疫機能に作用し疾患活動性を低下させる

    ・免疫調節薬:サラゾスルファピリジン、ブシラミン

    ・免疫抑制薬:メトトレキサート、プログラフ、ミゾリビン

    ・抗リウマチ生物学的製剤:

    <TNF阻害薬> インフリキシマブ、アダリムマブ、ゴリムマブ、エタネルセプト

    <IL-6受容体抗体> トシリズマブ

    <CTLA4Ig> アバタセプト

    ○DMARDs以外の薬剤・NSAIDs:COX-2選択的阻害薬使用で副作用が軽減。

    ・ステロイド:副作用のため必要最低限量の投与

  • ピラミッド方式

    抗リウマチ薬

    以前 近年

    ステップアップ方式

    ステロイド

    痛み止め(NSAIDs)

    まずは痛みの緩和最初から

    関節破壊進行を抑える

    DMARDs中心の強力な薬剤

    症状にあわせて

    減量または増量

  • 3.外科療法

    ● 滑膜切除術

    ● 関節形成術

    ● 関節固定術

  • 滑膜切除術

    薬物療法がある程度奏功しているが、

    炎症コントロールが不十分で日常生活に支障を来たす場合に適応

    直視下術式と内視鏡下術式がある

  • 関節形成術

    関節破壊が進行しており施術により改善が見込める場合に適応

    代表的なものに人工関節置換術

  • 関節固定術

    関節を固定したほうが

    日常動作を行いやすくなる可能性のある症例で適応

    手根部の関節や足関節などに対して行われる

  • 4.リハビリテーション

    ● 理学療法(物理療法・運動療法)

    ● 作業療法

    ● 装具療法

  • 理学療法

    ● 物理療法● 消炎・鎮痛 ・・・ 温熱療法

    ● 血流改善 ・・・ 水治、温泉、寒冷、電磁波・光線療法

    ● 運動療法● 関節可動域および筋力の保持・改善

    ● ・・・ 関節可動域訓練、等尺訓練

    ● 自動運動、他動運動

  • 作業療法

    ● 日常生活動作(ADL)改善● ADL訓練

    ● QOL向上● 機能的作業訓練

    ● 家庭・職場復帰

    ● 趣味的作業療法

  • 装具療法

    ● 固定・支持性補助

    ● 支持性補助装具

    ● ADL介助● 補装具

    ● 変形予防・矯正

    ● 矯正装具