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紫外可視分光法実習書 P14

波長

紫外線

ultraviolet ray

200 400 600 800 1000 nm

可視光線

visible ray

X線 赤外線

電子

UV, VIS

吸収

測定域

物質による紫外,可視光線の吸収は,その分子の基底状態にある電子が

光エネルギーを吸収して励起状態に遷移することによって起こる。

その吸収の強さは波長によって異なり,得られる吸収スペクトルは物質に

特有のものである。これによって物質の定性,定量分析が行われる。

電子

UV, VIS

吸収

chhE

基底状態

電子

励起状態E

c

: 周波数: 光速: 波長

吸収スペクトル:各波長における吸光度を波長に対してプロット

波長 (nm) 210 370 300

0

0.6

・・・

・・

・・

・・

・・ ・

0.2

吸光度

A

吸収の強さ

スペクトルの形は物質に特有

定性分析(化合物が何であるか)

kclI

IA

0

log

0I

It

k : 吸光係数, c : 濃度,l : 層長

ブーゲ・ベールの法則

I0 I

1000

I

IT

入射光 透過光

吸収

透過度

透過率 [%]

吸光度は濃度に比例する

定量分析

(成分の量はどのくらいか)

90% 吸収 → A = 199% 吸収 → A = 2

日本薬局方では「紫外可視吸光度測定法」として、示性値としての比吸光度 、確認試験、純度試験および定量法が記載されている。(局方(茶))

1%

1cmE

アザチオプリン(局方 C-46、免疫抑制薬)

N

N N

HN

S

N

N

NO2

H3C

確認試験

(4)本品 0.01 g を 2 mol/L 塩酸に溶かし、100 mLとする。この液5 mL に水を加えて 50 mL とした液につき、紫外可視吸光度測定法により吸収スペクトルを測定し、本品のスペクトルと本品の参照スペクトル又はアザチオプリン標準品について同様に操作して得られたスペクトルを比較するとき、同一波長のところに同様の強度の吸収を認める。

O S

HN

NNH3C

S

O

NH2O

アセタゾラミド(局方 C-121、炭酸脱水素酵素阻害薬、利尿薬、抗てんかん薬、緑内障治療薬、抗めまい薬)

定量法

本品約 0.15 g を精密に量り、水 400 mL を加えて水浴中で

加熱して溶かし、冷後、水を加えて正確に 1000 mL とする。この液 5 mL を正確に量り、1 mol/L 塩酸試液 10 mL を加え、更に水を加えて正確に 100 mL とする。この液につき、紫外可視吸光度測定法により試験を行い、波長 265 nm 付近の吸収極大の波長における吸光度 A を測定する。

474

Aアセタゾラミド(C4H6N4O3S2)の量(mg)= × 200000

塩酸ジブカイン(局方 C-1748、局所麻酔薬)

N O CH3

O NH

N

CH3

CH3

・HCl

純度試験

(1)溶状 本品 1.0 g を水 20 mL に溶かすとき,液は無色澄

明である。この液につき、水を対照とし、紫外可視吸光度測定法により試験を行うとき、波長 430 nm における吸光度は0.03

以下である。

単光束型

複光束型

二波長型

波長および透過度(吸光度)の校正

波長校正用および透過度校正用光学フィルターを用いて校正する

装置 (実習書 P14, 教科書 P15)

紫外可視分光光度計

光の流れ

光源

検出器

分光器 セル

透過光

波長選択 吸収

単光束型分光光度計(シングルビームタイプ)実習書 P15, 教科書 P15

光源

検出器

分光器 セル

透過光

光源

分光器

セル検出器

→セルホルダーが 1 つ

波長を固定して測定

定量分析に用いる

複光束型分光光度計(ダブルビームタイプ)実習書 P17, 教科書 P15-16

光源検

分光器 対照セル

透過光

光源

分光器

試料セル

→セルホルダーが 2 つ

波長を連続的に変えて測定

定性分析に用いる

試料セル

対照セル

波長ごとに自動的に対照液の吸光度を差し引くことができる

(スペクトル測定)

試料室

記録計

分光器

検出器

光源室

日本分光 V630型分光光度計 実習書 P17

光源と試料セルの選択(実習書 P16, 教科書 P13-14)

光源

可視部(340~1000 nm) タングステンランプ

紫外部(200~360 nm) 重水素放電管

試料セル

可視部 ガラス、プラスチックまたは石英製

紫外部 石英製(今回は層長 1 cm のものを使用)

試料室

光源

重水素

ランプ

反射鏡

光源部

分光器

紫外部測定時

可視部測定時

放電管

分光器

タングステン

反射鏡

測定の流れ(実習書 P18-19)

Ⅰ. 起動およびプログラムの選択

3)<標準プログラム> → <スペクトル測定>

奥側のセルホルダーに対照セル手前のセルホルダーに試料セル

Ⅱ. スペクトルの測定

1)測定条件入力

2)ベースライン測定

3)スペクトル測定測定溶媒

※セルの取り扱い方(実習書 P16)

・セルを持つときは上端をつまむ

・セルを試料溶液で共洗いした後に試料溶液

を8分目くらいまで入れ、外側をキムワイ

プでぬぐっておくこと

(外側がぬれていないように)

Ⅲ. スペクトルの解析およびスペクトルの印刷

1)<ファイル> → <解析> → <ピーク検出>

2)ピーク検出

3)印刷

Ⅳ. 測定を終わって

1)メインメニュー画面にもどる

2)試料室から試料用セルおよび対照用セル

を取り出し、測定溶媒で洗浄して、キム

ワイプの上に伏せて置いておく

2)

3)

max

A max

レポートに書くこと

・測定機種、条件・測定試料名、濃度・測定溶媒・極大吸収の波長、吸光度・比吸光度、モル吸光係数

UV スペクトル

kclA k

c

l

: 吸光係数: 濃度: 層長

モル吸光係数 (e ) : 濃度 1 mol/L, 層長 1 cm のときの吸光度

比吸光度 (E ) : 濃度 1 (w/v)%, 層長 1 cm のときの吸光度1 %

1 cm

A = e c l

単位 : mol/L

A = E c l

単位 : (w/v)%

1 %

1 cm

= g/100 mL

E = e ×1 %

1 cm

10M

重量対容量パーセント濃度 (w/v)% = g/100mL

溶質の重量 溶液全体の容量

食塩10g

重量パーセント濃度(%) (w/w)% = g/100g

溶質の重量 溶液全体の重量

+ 食塩水100mL

10 (w/v)%

食塩10g

水 90g

+ 10 (w/w)%食塩水100g

1000

100 [mL]

試料10mg

100mL

10mL

100mL

10 [mg]× 10 [mL] ×

100 [mL]

1

1=

100[mg/mL]

1= [g/100mL]

1000

1= [w/v%]

1000]mg[%1cm1

希釈倍率 医薬品の量E

A

非希釈の100mLの溶液と比べ、試料溶液が何倍に希釈されているかを表す係数

試料50mg

100mL

10mL

100mL

希釈

×10

希釈倍率 10

試料10mg

200mL

4mL

100mL

希釈

×25

希釈倍率 50× 2

アルカロイドのUV測定

e 値、 E 値の計算

芳香族酸性化合物のUV試料溶液の調製

(分光分析用メタノール)

芳香族酸性化合物のUV測定

e 値、 E 値の計算

1 %

1 cm

1 %

1 cm

紫外可視吸光度測定法による同定及び定量

試料

UV①

UV②

UV③

(UV④~⑥)

メタノール溶液

吸光度測定

サリチル酸

フェナセチン

アセトアニリド

UV①~③

サリチルアミド

p-アミノ安息香酸エチル

アセトアミノフェン

UV④~⑥

同定

希釈

試料

UV①~③(UV④~⑥)

50mg

吸光度測定(3回)

含量計算

10 mL 5 mL 4 mL

250 mL

×1

200 mL

×1

100 mL

×2

A=0.2~0.7

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