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NETZSCH キセノンフラッシュアナライザー LFA 447/2-4/InSb Nanoflash 操作手順書 Bruker A.X.S. Application Laboratory (Yokohama) October 30, 2006

NETZSCH キセノンフラッシュアナライザー LFA 447/2-4/InSb ......NETZSCH キセノンフラッシュアナライザー LFA 447/2-4/InSb Nanoflash 操作手順書 Bruker

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  • NETZSCH キセノンフラッシュアナライザー

    LFA 447/2-4/InSb Nanoflash

    操作手順書

    Bruker A.X.S. Application Laboratory

    (Yokohama)

    October 30, 2006

  • Step-1 Nanoflash 測定ソフトウェアの開始

    をダブルクリックして、Nanoflash 測定ソフトウェアを起動します。

    次の起動画面が表示されます。

    Step-2 Nanoflash 本体と、コンピュータの通信の確認(正常時)

    次のウィンドウが表示されたら ボタンをクリックして、Step-4 に進んで下

    さい。

    Step-3 Nanoflash 本体と、コンピュータの通信の確認(異常時)

    もし、次のようなウィンドウが表示された場合は、装置と PC との通信エラーが生じている

    可能性があります。このような場合には、

    ・ PC 本体と Nanoflash 本体の通信ケーブル(RS232C)の接続を確認し、接続でき

    ていない場合には、つなぎ直して下さい。

    ・ Nanoflash 本体のスイッチが入っていることを確認して下さい。入っていない

    場合には、スイッチを入れ、本体フロントパネルの “online”の緑の LED が

    点灯するまで待って下さい。

    ボタンをクリックします。

  • Step-4 装置構成の設定(Instrument Configuration)

    測定ソフトウェアの起動が終了すると次画面が表示されます。

    初めて Nanoflash を使用するとき、またはソフトウェアを再インストールした直後には

    装置構成の設定(Instrument Configuration)を実行する必要があります。

    そうでない場合は、Step-5 に進んで下さい。

  • File メニュー>Instrument Configuration を選択します。

    次画面が表示されますので、画面の通りに設定して下さい。

    Start Temperature の入力値が、測定プログラムを走らせたときに、デフォルト値となりま

    す。

  • Step-5 試料のセット

    試料ホルダーに試料をセットします。

    ここでは例として、

    試料ホルダー1に 測定試料 sample A

    (10mm 角、厚み 2.000 mm, 密度 2.00g/cm3)

    試料ホルダー2に Pyroceram9606

    (10mm 角、厚み 1.973mm, 密度 2.61g/cm3, 比熱容量 0.775J/g/K,)

    をセットします。両面の黒化処理はあらかじめ済ませておきます。

    後で、Pyroceram9606 を標準試料として Alumna の Cp も測定することにより

    Cp の計算方法の手順も練習します。

    ● 試料温度が室温付近であることを確認して下さい。高温の場合は、30℃以下

    になるまで待って下さい。試料温度は次図の赤丸内に表示されます。

    ● Nanoflash 本体のフロントパネルの interlock ボタンを押しながら、緑色の

    枠をつかんで IR 検出器を後方にスライドさせて下さい。押し切ったら、interlock

    ボタンを離します。interlock ボタンの ON/OFF でマグネットロックのおおきな開

  • 閉音がします。

    ● 4つのサファイヤ窓のついた黒いカバーを引き抜きツールではずします。

    はずしたカバーは、Nanoflash 本体上部の金属プレート上に置いて下さい。

    引き抜きツールははめるときには青いボタンを押さず、はずすときに押します。

    それだけでは外れにくいので、反対の手でカバーを保持しながら引き抜く必要が

    あります。

    !試料ホルダープレートが中心にきていない場合には、カバーを外すことができ

    ません。そのような場合には IR 検出器を元の位置に戻したのち、”Center

    Position”ボタンをクリックして、中心位置に戻して下さい。

    ● 同様にして、ホルダープレートを外します。

    ● 試料1、2の位置に 10mm 角 試料ホルダーがはめられていない場合は、これ

    と交換して下さい。はめる場合は、必ずまっすぐはめて下さい。斜めに差し

    込むとそこで外れなくなる可能性があります。

    ● 試料をピンセットでセットします。

    ● その上にオリフィスをのせます。

    ● ホルダープレートを元の位置に戻します。

    ● 黒いカバーを元の位置に戻します。

    ● IR 検出器を元の位置に戻します。(interlock ボタンを押しながら、緑の枠を

    つかんで手前に引き寄せ、引き切ったら interlock ボタンを離す)

  • Step-6 試料情報の入力

    測定試料の情報を入力します。

    まず、試料ホルダー1の情報を入力します。

    入力画面を開くには、Sample>Sample Definition>1 を選択するか

    ここをダブルクリックします。

  • 次の入力画面が表示されます。

    ● 試料ホルダーの形状の選択

    次画面において、試料ホルダーの形状を選択します。rd は円形試料用ホルダー

    (round の略)、sq は正方形の試料用ホルダー(square)の略)、数字はサイズ(mm で

    す)ここでは NanoFlash10.0sq(10mm 角 試料ホルダー)を選択します。

  • ● 試料名の入力

    試料名を入力します。ここでは”sample A”と入力します。(次図)

    入力できるのは半角英数字だけです。

    ● 試料の ID(Sample ID)、コメント(Remark)を入力します。ここでは Sample ID

    に”NIST”、Remark に”training”と入力します。(次図)

    ここまで入力した試料情報は測定結果には影響を与えません。

  • ● 試料パラメーターの入力(続き)

    次画面において、各試料パラメータ-を入力します。

    ① 直径 *測定モード

    ②材料名 ③ 厚み ④バルク密度 ⑤バルク密度を与える温度 ⑥比熱容量

    ① 直径(mm)を入力します。Cape-Lehman モデル以外は解析結果に影響を与えません。

    ② 材料名を入力します。

    ③ 厚み(mm)を入力します。熱拡散率計算における最も重要なパラメーターです。できれば

    0.001mm の桁まで入力して下さい。

    ④ バルク密度(g/cm3)を入力します。熱拡散率の結果には影響を与えません。未知の場

    合は1と入力して下さい。

    ⑤ ④のバルク密度(g/cm3)を与える温度を入力します。

    ⑥ 比熱容量(J/g/K)を入力します。単層測定(Single layer)においては、熱拡散率の結

    果には影響を与えません。未知の場合は1と入力して下さい。

    !単層測定(Single layer)においては、密度も比熱容量も熱拡散率の結果には影響を与

    えませんが、比熱容量の計算、熱伝導率の計算では必須となります。これらの値は解析画

    面において入力することが可能です。

  • * 測定モード

    測定モードには、Single Layer, Double Layer, Triple Layer, In-Plane の4種類の

    モードがあります。ここでは Single Layer(単層測定)を選択して下さい。

    ● 試料情報の入力の終了

    試料情報の入力が終了したら ボタンをクリックします。

  • ● 試料情報の入力(試料ホルダー2)

    試料ホルダー2についても以下のように情報を入力して ボタンを

    クリックします。

    以上で試料パラメーターの入力は終了です。

  • Step 7

    測定条件(Measurement Parameters)の入力

    Measurement > Measurement Parameters を選択します。

  • Automatic Adjust

    このチェックボックスをクリックすると、測定パラメーターが自動的に

    最適化されます。

    Optimization Retries(自動最適化の試行回数)

    測定パラメーターを自動的に調整する、再試行回数の最大値を入力します。

    再試行回数がこの回数に達した場合、パラメーターの値が最適か否かに関わらず

    パラメーターの再調整を終了します。

    Recovery Attempts

    測定がうまくいかなかった場合(ミスショットなど)の、再試行回数の最大値を

    入力します。

    ② ベースラインポイント数、温度安定条件の入力

    Baseline

    測定時間にかかわらず、Nanoflash では 2000 ポイントデータを取得します。

    Baseline とは、そのうち最初の何ポイントをフラッシュ直前に読み込むかを規定します。

    これにより、温度上昇曲線の基線が決定します。

    通常 300 に設定して下さい。

    Equilibrium, Tolerance

    温度プログラムを組むとき、温度が何℃以内(Tolerance)で何分(Equilibrium)安定した

    ら測定を開始するかを規定します。

    上記の例では、±0.5K で 1 分安定したら測定を実行します。

  • ④ Initial Measurement Parameters

    まず④から先に説明します。

    最初のショットの測定パラメーターを設定します。Automatic Adjust が ON になっている場

    合には、再試行するさいにパラメーターが変化します。

    Charge Level:

    フラッシュ光の強度を設定します。この数値が大きいほど強度が大きくなります。

    デフォルト値は 270V です。通常この値に設定して下さい。

    Filer

    光学フィルターによってもフラッシュ光の強度を設定することが可能です。通常 100%に設

    定します。(フィルターなし)

    Pulse Width

    パルス幅を設定します。

    Long:約 0.4ms, Medium:約 0.2ms, Short:約 0.1ms です。通常 Medium に設定して下さい。

    Pre-Amplifier Gain

    プリアンプのゲインを設定します。

    Main Amplifier Gain

    メインアンプのゲインを設定します。

    ゲイン = Pre-Amplifier Gain × Main Amplifier Gain

    ヒント:ゲインは室温では 10*2520 が通常適切です。温度上昇曲線の最大値が 2~7V 以内

    に入っているのが最適です。

    Duration

    全測定時間を設定します。ハーフタイムの 15 倍程度が適切な数値です。

  • ③ Standard Samples

    ④では測定者の経験と推測によって測定パラメーターを入力する必要がありましたが、こ

    の機能を使用すると適切な初期パラメーターをソフトウェアが推測してくれます。

    2 番の pyroceram の測定パラメーターを設定します。次図のようにプルダウンリストから

    Pyroceram を選択し、厚みも入力して下さい。

    次図において ボタンをクリックして下さい。

  • 測定パラメーターが Pyroceram(t=1.973mm)に適切値に近い値に設定されました。(次図)

    ⑤ 測定パラメーターの入力の終了

    をクリックすると、測定パラメーターを保存して、この入力ウィンドウを閉じ

    ます。

    をクリックすると、測定パラメーターを保存せずに、この入力ウィンドウを閉

    じます。

  • Step8. 温度プログラムの作成

    温度プログラムを作成します。ここでは例として、試料ホルダー2の pyroceram を 30℃~

    100℃、10℃ごとに測定することにします。また各温度では 3 ショットします。

    ● Add Shots ボタンをクリックして下さい

    ● 次画面が表示されます。

    ● 温度プログラムを実行する試料位置を選んでください。

    ここでは例として 2 番の Pyroceram を選択します。(次図)

    ● スタート温度を入力して下さい。

    ここでは例として 30℃とします。(次図)

  • ● 温度ステップ数を入力します。

    ここの例では、30℃~100℃まで10℃ステップの場合、ステップ数は8となります。

    (次図)

    ● 温度上昇幅(℃)を入力します。

    ここの例では、10(℃)となります。(次図)

    ● 各温度でのショット数を入力します。

    ここの例では、3となります。(次図)通常は 3~5の数値が推奨です。

    ● ショット間の待ち時間(Delay)を入力します。

    ここの例では、10(秒)となります。(次図) 実際にはチャージ時間などがある

    のでショット間の待ち時間は約 1分+Delay(秒)となります。

  • ● Add Shot ボタンをクリックします。(次画面)

    次画面のように、温度プログラムが自動的に生成されます。

    ヒント:高温では赤外線の放射効率が上がるためにシグナルレベルがオーバーレ

    ンジ(10V 以上)になることがあります。Automatic Adjust をオフにしている場

    合は、あらかじめ 100℃以上では preamp gain を1に設定しておくと良いでしょう。

    ● 温度プログラムの削除

    温度プログラムを削除する場合には以下の削除ボタンを使用します。

    温度プログラム全体が削除されます。

    選択されたステップのみが削除されます。

  • Step9. 測定プログラムの開始

    いよいよ測定を開始します。

    再生ボタン をクリックして測定を開始して下さい。

    測定を開始すると、装置は温度が安定するのを待ちます。ところが、ここで ボタンを

    クリックすると、温度安定を待たずに、強制的に測定を開始します。トライアルショット

    で、測定パラメーターが適切かどうか判断するのに使用することがあります。

    をクリックすると、測定を終了します。

    をクリックすると、測定を一時停止します。

    測定データはフォルダ c\ngbwin\ta\Nanoflash\files 内に自動的に名前がつけられて保存

    されます。関連するファイルごとにフォルダを作って整理されることを推奨します。

  • Step-10 LFA 解析ソフトウェアの開始

    をダブルクリックして LFA 解析ソフトウェア(Proteus LFA

    Analysis)を立ち上げます。

    ● 次の Load/Unload ウィンドウが開かれた場合には、Close ボタンをクリックして閉じ

    ます。

  • Step-11 データベース(database)の作成/オープン

    ● データベースの新規作成

    新しくデータベースを作成するときには、database>Create New Empty を選

    択します。(次図) データベースには、関連の大きい測定ファイルを保存し

    ます。ユーザーごと、試料群ごとに、データベースを作成すると良いでしょ

    う。

    次のダイアログが表示されます。ここでは”training”という名前をつけ、保存

    ボタンをクリックします。

  • 次画面のように、training.mdb というデータベースが作成されました。

  • ● データベースを開く

    既存のデータベースを開くときには、Database>Open Existing..を選択します。

    次の画面が表示されますので、データベースを選んで”開く”を選択して下さい。

  • Step-12 Nanoflash 測定ファイルの読込み

    ● database をアクティブにする

    Database>Explore.. を選択して database ウィンドウを前面に出して下さい。

    既に前面にある場合はこの操作は必要ありません。

    ● 測定ファイルの読込み

    Database>Import LFA 447 File..を選択します。

  • ● 測定ファイルの読込み(続き)

    次のウィンドウが表示されますので、測定ファイルを選択して”開く”ボタンを

    クリックします。

    試料名、測定時間がここに表示されますので、参照して下さい。

    次のウィンドウが表示されますので”次へ“をクリックして下さい。

  • ● 試料情報の入力

    試料密度(g/cm3)および、その密度を与える温度を入力します。(すでに正確な

    情報が入力されている場合は不要です)

    上画面で”完了”ボタンをクリックすると次画面が表示されますので OK をクリッ

    クして下さい。

  • 次画面のように、database 内に測定ファイルが読み込まれました。

    右上のウィンドウには試料の情報、下のウィンドウには各ショットの情

    報が表示されています。

    ● 同様にして、pyroceram のデータも読み込んで下さい。

  • Step-13 熱拡散率の計算

    Sample A のラインをダブルクリックして下さい。

    次画面が表示されますので“はい”をクリックして下さい。

  • ● モデル式の選択

    次画面が表示されますので、ここでは Cowan + pulse correction をチェックして

    ください。”OK”ボタンをクリックして下さい。

    次画面のように熱拡散率測定結果が表示されました。

  • Step-14 熱拡散率測定結果の出力

    Results>Print Measurement Report..を選択します。

    ●次画面で Preview をクリックします。

  • ● 各ショットの熱拡散率、平均値、および標準偏差が表示されます。

    印刷(P)ボタンをクリックすると結果を印刷できます。

  • Step-15 比較法を用いた比熱容量の計算

    例として、pyroceram を標準試料として、sample A の比熱容量を計算します。

    ● データベース “training”において、pyroceram の結果についても sample A

    と同様に熱拡散率の計算を実行します。(Cowan + pulse correction)

    その結果、データベース “training”内に、pyroceram, sample A の測定結果が

    収められました。

    このとき以下のパラメーターが同じであることを確認して下さい。

    Charge Level, Baseline, Pre-Amplifier Gain, Main-Amplifier Gain

    Optical Filter, Lamp Pulse Width

  • ● 標準試料への Cp データの関連付け

    Database>Materials…を選択します。(次図)

    Materials の中から Pyroceram を選択し、Properties..をクリックします。

  • ●次画面において、Cp table タブをクリックした後、”Associate“ボタンをクリックします。

    ● 次画面において、ADD>From Standard File…を選択します。

  • ● 次画面において、pyroceram9606 を選択し、“開く”ボタンをクリックします。

    ● 次画面において, “Save”ボタンをクリックします。

  • ● 次画面において, pyroceram9606.cpe を選択し、”Close”ボタンをクリックします。

    ● 次画面において”OK”ボタンをクリックします。

  • ●次のダイアログで“はい”をクリックして下さい。

    ● 次画面において”Close”ボタンをクリックします。

    ●次のダイアログで“はい”をクリックして下さい。

  • ● Cp の計算 Measurement > Calculate Spec. Heat を選択します。

    次画面で、Sample に Sample A, Reference に Pyroceram を選択し、”OK”ボタンをクリックします。

    次画面のように比熱容量が計算されました。(Sample A の物性としてまだ関連付けられていないので注意)

  • Step-16 熱伝導率の計算(比較法による Cp 測定結果を用いて) ● 試料データの選択 Results>Legend (凡例)を選択します。

    ●凡例を目安として、sample A のデータポイントを選択します。

  • ● Tools>Save Cp Table from>Raw Averaged Values…を選択します。(次図)

    ● 計算された cp 表に名前をつけて Save ボタンをクリックします。

    ● 次画面において、sample A を選択して Close ボタンをクリックします。 後の操作は pyroceram の場合と同様です。

  • ● 熱伝導率の計算 Results> Signals & Curves…を選択します。

    ● Thermal Conductivity (熱伝導率)にもチェックを入れ、OK ボタンをクリックします。

  • ● Results>Print Measurement Report..を選択します。

    ●次画面で Preview をクリックします。

  • ● 各ショットの熱拡散率、熱伝導率、比熱容量の平均値、および標準偏差が表

    示されます。

    印刷(P)ボタンをクリックすると結果を印刷できます。